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モンブランのソリテールドゥエは書きやすく満足度も高いお勧めの一本【マイスターシュテュック ソリテールドゥエ ブラック/ゴールド ボールペン レビュー】

2024年2月4日

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皆さんこんばんは。
 

モンブランをレポートしないと新年が始まらない。
とまでは言わないですが、毎年 年末年始の記事にモンブランを取り上げていると、例年に習ってモンブランの記事が書きたくなるのが常というもの。
 

ということで、2024年が始まって早一ヶ月。
忙しくてなかなか記事が書けず、やっとの事で記事更新です。
 

去年の暮れにモンブラン マイスターシュテュックのソリテール「ラムセス2世」を入手して、やっぱりマイスターシュテュック#164系のボールペンは使いやすいな、と感じて年越し。
 

気がつくと別のマイスターシュテュックの派生モデルが出品されており、適当な金額を入れて放置していたのですが何故か落札できてしまった一本、というのが今回レポートするモデルとなります。
 

モンブランの筆記具なのに、適当な金額を入れて放置しても落札できてしまう。
その理由は主に下記の2つではないかと思います。
 

①スーパーコピー等(偽物や類似品)の疑いがある
これはオークションやフリマあるあるなのですが、手に取ってまじまじと確認できず、画像が不鮮明であるが故に「なんか怪しいけど偽物である確信も本物である確信も持てない」というもの。
モンブランのボールペンとなると入札額が上がりがちになるため、出品物が本物と確信が持てない場合、一定の額以上はリスクにしかなりません。
 

②そのモデルの知名度が低い、または他に目玉となる商品が出品されていて目立たない
これは出品されるタイミングが全てなのですが、注目度がものすごく高い(滅多に出てこないレアな筆記具や、定番だけど価値があり皆欲しい筆記具等)が複数出品されていて、そこそこの商品がその陰に隠れてしまうというもの。
 

今回の一本は、そのどちらもが当てはまる状態だったため、運良く落札できたものと考えます。
 

 
そのモンブランのボールペンとは、「マイスターシュテュック ソリテールドゥエ ブラック/ゴールド」
(写真真ん中付近のボールペンです)
 

ああー、と思われた方はなかなかモンブランにお詳しく、かつこれの偽物も見てこられたのではないかと推察します。
 

 
そう、結構な確率で偽物を見かける機会があり、このモデル名でウェブ検索したときに検索上位にコピーサイトが上がってくるという始末。(ブラック&ゴールドやゴールド&ブラックとも書かれるケースあり)
何でしょうね、真似やすいデザインなのでしょうか?
 

このモデルのゴールドの部分がシルバーの物(偽物?)も見たことがありますが、モンブランのサイトからは除外されている過去のモデルだということもあり、ブラック/シルバーのモデルが本当にあったのかどうかすら判断が難しいです。
 

こちらは2005年発売のモデルで、確認できているバリエーションはこのソリテールドゥエ(胴軸部分が#164と同じ)と、胴軸部分がキャップと同じストライプのデザインで金属素材のソリテール。
 

共にキャップのデザインはブラックとゴールドのストライプで、エレガントな雰囲気を醸し出しています。
 

 
このキャップの構造、手にするまではどうなっているのだろうと思っていたのです。
 

てっきり黒い部分は樹脂で、ゴールドの金属部分が被せて(オーバーレイ)ある?のかと思っていましたが、なるほどキャップ自体は金属製で、黒い部分は段差となっていてブラックのラッカー塗装と思われます。
(これはある意味、確かに真似やすい構造なのかも知れません)
 

個人的にこのデザイン、どことなくピアノの鍵盤のようにも見えるのですが、いかがでしょうか。
 

 
ピアノの鍵盤をモチーフとしているドネーションペンと並べてみても、それほど違和感がないのが面白い。
左から、サー・ゲオルグ・ショルティ、ブラック/ゴールド、ヘルベルト・フォン・カラヤン。
 

ピアノがモチーフとなったデザインは、どこか上品で落ち着いた印象を与えてくれます。
トリムのカラーがゴールドであっても嫌みな感じはしません。
 

 
楽器や音符モチーフ×ゴールド&シルバートリムのボールペン。
右から2本目のMSTブラック/ゴールド以外はドネーションペンです。
 

左から、バッハ、バーンスタイン、メニューイン、カラヤン、ブラック/ゴールド、ショルティ。
なぜこの並びかというと 左から発売順となり、カラヤンが2003年発売、ショルティが2005年発売ということで、同じく2005年発売のブラック/ゴールドはここではないかと。
 

偶然かは分かりませんが、カラヤンとショルティ、そしてソリテールのブラック/ゴールドと、ピアノがモチーフのペンが前後の年代で並ぶというのは面白いですね。
 

 
ドネーションペンと言えば、クリップが音楽にちなんだモチーフで、天ビスがプリン型(台形)ですので、やはりこれらと並べると#164タイプは浮いてしまいますが、ドネーションペンに負けじとエレガントなデザインのペンではないかと思うのです。
 

 
やはりこちらと並べるべきでしょう。
 

ベースとなっているのはマイスターシュテュック#164。
言わずと知れたモンブランのフラッグシップモデルで、最高傑作な逸品。
 

ソリテールドゥエについては、胴軸部分は通常の#164と同じですので、万一胴軸部分が破損しても#164と差し換えることで代替が効きます。
 

キャップのデザインがちがうだけで印象が大きく変わるマイスターシュテュック。
派生モデルはかなりの数にのぼります。
 

 
偽物ではあり得ない、キャップリングの「MONTBLANC-MEISTERSTÜCK-」にある文字の細工。
斜めのラインはペンの角度を変えたときでも文字を浮かび上がらせる効果があり、この効果はゴールドトリムで顕著に見られます。
 

2005年のモデルですが、キャップリングに「Pix®」の文字はなく、後で詳しく見ていきますが クリップの裏に刻印されています。
 

 
キャップを分解して内部の繰り出し機構を比較していきたいと思います。
 

キャップリング(三連リング)の一番下の形にも密かに違いがある#164とソリテール。
ソリテールの三連リングの3つ目は丸みを帯びたデザイン。
 

マイスターシュテュック#164は、天ビスのネジ切りを回して外すことで簡単に分解することができます。
 

 
同じ年代に生産された#P164のキャップ内部を比較してみると見事に同じ構造。
マイスターシュテュックにおいて芸が細かいと思うのは、#P164等のプラチナモデルの場合、内部機構のパーツもそれに合わせたシルバーカラーになっているということ。
 

この内部構造は私が勝手に「第2世代」と呼んでいるパーツ構成です。
第1世代はパーツの上部が異なり、第3世代は金属部分外装がブラック(樹脂)になります。
 

内部構造の違いについて詳しくは、こちらの過去記事「壊れたボールペンは自分で修理して使う!【モンブラン マイスターシュテュック164のリペアと各年代ごとの特徴】」をご確認下さい。
 

 
クリップを外した部分(天ビスとの接続部)のノーマルな#P164とソリテールの違い。
通常モデルはクリップを固定するパーツがキャップと一体型、キャップが金属素材のソリテールは別パーツとなっています。
 

 
白い樹脂の別パーツはキャップの内側から外す事が可能。
小さなパーツですが、クリップを固定するための重要なパーツとなるため 分解する際は無くさないように注意です。
 

 
クリップの裏側の「Pix®」刻印。
2000年から2006年辺りまでのマイスターシュテュックのクリップ裏はこの刻印。
それ以前のソリテールモデルには「METAL」の刻印といった具合に、製造年代の判別の参考になります。
 

 
この年代のクリップリングには「シリアルナンバー」と「GERMANY」の刻印が見られます。
独特なフォントが使われているシリアルナンバーですが、初めの2桁がアルファベット、後の7桁が数字という組み合わせ。
 

ただ、このシリアルナンバーの法則は2006年までに製造されたモデルまでで、2007年以降に製造されたモデルは、クリップの反対側にあたる位置にシリアルナンバーが移り、桁数は9桁のままで5桁目と9桁目以外はアルファベットとなっています。
 

 
おさらいとして、内部機構の世代とクリップリングの刻印の位置をまとめるとこのようになります。
第2世代のソリテールのクリップリングには「METAL」の刻印があるモデルもあり。
 

この内容を知っておくと そのモデルがだいたいどの年代に製造されたものかが分かるため、愛用するペンの情報を知るという意味から、また愛着が湧くキッカケになるのではないでしょうか。
 

最後に、マイスターシュテュックとその他特別生産品の重量比較をして終わりたいと思います。
 

筆記をする上で、ペンの重量と重心バランスはそのペンの書きやすさに関わってきます。
自分に合ったモンブランのボールペンを選ぶ上で参考になれば幸いです。
 

 
▲左から、#164、ドネーションペン(バーンスタイン)、作家シリーズ(ボルテール)、ソリテールドゥエ(B/G)、ソリテール(ラムセス2世)、ヘリテイジコレクション(エジプトマニア)
 

ベースとなる#164は重量は万人に対して程良い21g。重心はキャップと胴軸の境目。
右に行くほど重量は増していきますが、流石はモンブラン。
基本的に重心はペンの中心となります。
 

ソリテールドゥエはキャップが金属、胴軸が樹脂という仕様上、他のモデルに比べると重心はキャップ寄り。
と言っても、丁度キャップリングの位置となっています。
 

ヘリテイジコレクションは軸全体および胴軸内の広範囲に真鍮が使われており、重量が40gを超えるモデルが多いです。
 

写真のエジプトマニアはノック式でモンブランとしては珍しい仕様ですが、マイスターシュテュック系の重心バランスが気に入っていて、かつ重量を足したいという方にはうってつけのモデルではないかと思います。
 

 
さて、今回はモンブランのボールペン「ソリテールドゥエ ブラック/ゴールド」をレポートしました。
 

過去のモデルを狙うには、手に取って状態を確認できるリサイクルショップを除いて、画面の写真が頼りなオークションやフリマでの入手となります。
 

偽物を回避しつつ、且つ欲しいモデルを手に入れるにはタイミングや情報(知識)も借りながらとなります。
 

際どい状況で判断が必要なときは、焦らず当サイトの記事を見直して頂ければ幸いです。
そして、ぜひ自身にとって至高となる一本を手に入れて下さい。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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