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壊れたボールペンは自分で修理して使う!【モンブランマイスターシュテュック164のリペアと各年代ごとの特徴】

2021年5月19日

お気に入りのボールペンが壊れてしまった時、皆さんはどうしていますか?

 

筆記具は学生・社会人において毎日使うものですので、消耗品と考えるか ずっと使っていく相棒(すなわち一生モノ)と考えるか、意見は分かれるところかと思います。

 

(このブログを読んで頂いている方には後者が多いのかも知れませんが…)

 

少し前、フリマアプリにてジャンク品のマイスターシュテュックP164ボールペンを入手しました。

出品者様によると見た目はまずまず綺麗な品だが、ペンの繰り出しができず使うことができないとのこと。

 

ジャンク品であれ何であれ、まず確認をするのは正規品かどうか。

こちらの個体はモンブランブティックで買われた物で箱と保証書(シリアルナンバーもペンと一致)付き。

 

見積もりにも出されたらしく修理は可能とのことでしたが、修理代が17000円ほどと高いため出品に至ったそうです。

ただ、画像で見る限りボールペンと言うよりはパーツ構成がペンシル?と思える部分もあり、半信半疑でしたが正規品とあれば部品取りでも何かの役に立つだろうと思いポチリ。

 

 




 

数日後、手元に届いたマイスターシュテュックP164を見て「なるほど」と。

これは部品取りではなくリペアして使える、ということで今回の記事はマイスターシュテュック#164ボールペンのリペアです。

 

リペアと言ってもたいそうなことはしておらず、同じく持っていたジャンクパーツを使って直しただけなのですが、その手順を記しておきたいと思います。

 

それでは直していきましょう!

 

 




 

 

 

 

 

 

【ジャンクのマイスターシュテュックP164ボールペンの状態】

手元に届いたマイスターシュテュックP164ですが、部品構成を見てみると胴軸・キャップ・クリップ・天冠・リフィルと一通り揃っているように思えます。

 

 

しかしながらキャップを回しても手応えがなく、繰り出しができない状態。

商品説明にあった通り、回転繰り出し機構に何らかの問題を抱えていそうです。

 

早速、天冠とクリップを外しキャップを引き抜いて中身を確認します。

 

こちらも商品説明にあった通りの状態が出てきました。

しかし今までのマイスターシュテュックボールペンとは何かが違います。

 

 

回転繰り出しユニットは黒一色の樹脂でできており、天冠を固定するための先は固定されていて回りません。

 

この状態でまずユニットが機能していない(リフィルを繰り出すための動作ができない)ことが覗えます。

 

 

一見、マイスターシュテュックのペンシル#165のような見た目ですが、ペンシルではない(ユニット先端にイレイサーが無い)ことは見ても明らか。やはりボールペン専用ユニットのようです。

 

 

黒い樹脂の部分には亀裂が入っており、胴軸と分離できる状態。

 

黒い樹脂パーツの中を見てみると、回転繰り出しユニットそのものがない(欠落している)ように見えます。

そして、繰り出しユニットと胴軸を繋ぐ金属パーツは胴軸と完全にくっついている状態で軽く捻っても外せません。

 

 

これは私が今まで見てきたマイスターシュテュック#164の回転繰り出し機構とは違い、現行の繰り出し機構が採用されている個体のようです。(保証書の販売日は201311)

 

まずはこの固着した回転繰り出しユニットを外すことから始めようと思います。

 

 

 

 

【一世代前の繰り出しユニットを移植】

このマイスターシュテュックP164を復活させるためには、繰り出しユニットを移植するしかありません。

 

 

そこで、以前に外観ヒビ割れボロボロのマイスターシュテュックをネットから拾い上げたことが生きてきます。外観ボロボロでしたが中身は無傷の回転繰り出しユニット、こんなところで役に立つとは…!

 

 

何とかこの破損した回転繰り出しユニットを外し、一世代前ではありますが同じマイスターシュテュック#164の回転繰り出しユニットを移植したい。

 

その前にお腹もすいてきたので、マクドに持ち込んでハンバーガーでもパクつきながらサクッと作業しようと思い立ちジャンクのボールペン持ってマクドへ。

 

ハンバーガーを食べ終えて手を洗い、いざ作業を…

 

と思ったものの、大の大人が持てる握力を振り絞ってもビクともしない胴軸。

1ミリも回らない。

口の中乾きました。

 

ハンバーガーの余韻に浸る間もなく家に帰り、この固い回転繰り出しユニットの金属部分を外すために色々試してみます。

 

まずは両手にゴム手袋(これは固い物を外す時の基本)、それでもダメ。

胴軸に太い輪ゴムを何重にも巻いて、抵抗を最大にしてからゴム手袋の握力マックス捻り!

でもダメ…。

 

やはり道具を使うしかないと思い、金属部分にガムテープを巻いてゴム手袋をしたままペンチで力任せに捻ったところ、

…やっと外せました!

 

 

ガムテープを巻いても金属部分にペンチの傷が入りましたが、ここはもう必要無い部品ですので良しとしましょう。

 

 

 

破損した回転繰り出しユニット()と一世代前の回転繰り出しユニット()

プラチナライン(P164)のキャップ内金属部品はシルバーで、通常の#164の部品はゴールド(真鍮)です。

 

こういう使用中の外観では見えない部分の色合わせにも拘っているモンブランは素敵ですね。

 

 




 

 

【組み立て~仕上げはプラスチック磨きで艶を出す】

見出しだけ見るとプラモデルを組み立ててるような感じになってますが、移植した内部ユニットをもとに組み立てて、元の姿に戻す工程です。

 

まずは一世代前の回転繰り出しユニットを現行のキャップ内部に収めます。

一世代前のユニットと現行のユニットの先端は形状が同じなため、同じキャップ内に収めることができるのですが、90年代以前のキャップとは天冠部分の形状が違うため適合しません。

 

 

クリップを収める部分はこのようになっています。

実際はクリップをキャップと天冠で“挟んで固定する”という表現の方が正しいですね。

 

 

キャップ内にしっかりと収まりました。

回転繰り出しユニットの先も固定され動作も良好。

 

 

胴軸との接続部分はゴールドになりましたがキャップの完成です。

よく見るとネジ切り部分の形状が少しだけ違うことに気付きます。

 

 

胴軸を結合したら回転繰り出しのチェック!

弾力のある適度な回転繰り出し動作で芯を出し入れできます。

 

ペン先がクッと固定される動作も心地よい、これぞマイスターシュテュックですね。

こうして無事にボールペンとしての機能を再度得たP164

 

 

最後に樹脂磨きクロスで念入りに表面を研磨し小傷を滑らかにしていきます。

プレシャスレジンのツヤを蘇らせることも非常に重要です。

 

 

 

 

 

2013年前後モデルのマイスターシュテュックP164の特徴】

今回手元に来たマイスターシュテュックP164ボールペンの特徴から、マイスターシュテュックの回転繰り出しユニットとクリップの刻印において世代分けができそうです。

 

 

モンブランマイスターシュテュック#164の回転繰り出しユニットとクリップリング・クリップ裏刻印の関係を大まかに世代分けすると次のようになります。

 

 

 

クリップの刻印について、シリアルナンバーが付き始めた頃からはクリップリングにはシリアルナンバーが、クリップリングとクリップ裏のどちらかにGERMANY(又はW.-GERMANYもしくはMade in Germany)が刻印されていることが分かります。

 

 

回転繰り出しユニットにおいて3種類が確認できますが、厳密にいつの年代を境に変更されたかは不明です。

 

今回ジャンクで手元に来たマイスターシュテュックP164の仕様を記しておきたいと思います。

(保証書記載の購入日は201311月となっていておそらく現行モデル)

 

 

キャップリングには「MONTBLANC-MEISTERSTÜCKPix®ー」の刻印。

Pix®が付くのは近年のモンブランの特徴です。

 

 

クリップ裏には「Made in Germany」のエンボス刻印。

※偽モンブランを掴まないための記事の偽モンクリップにも同様の刻印がありましたが、大きく違うところはクリップリングにも「GERMANY」の刻印があったこと。

クリップリングに製造国(GERMANY)、クリップ裏にも製造国(Made in Germany)の二重刻印というのは変ですね。

 

 

クリップ裏に製造国刻印があるため、クリップリングには「シリアルナンバー」のみ。

刻印場所はクリップの反対側。

 

 

ちなみに一世代前にあたるモンブランマイスターシュテュックシグナムクラシック(ローラーボール)のキャップの刻印は、クリップリングに「GERMANY」「シリアルナンバー」、クリップ裏に「Pix®」となっています。

 

 

胴軸内部にはリフィルのブレ防止用の樹脂スペーサー(筒)があります。

これはP164に限らず近年製造のマイスターシュテュック#164共通の仕様。

※キャップ側との接続部分ですが、ピントの加減で胴軸内側のネジ切りが無いように見えています。

 

ブラック×ゴールドのマイスターシュテュックもいいですが、ブラック×シルバーもまた格好いい。

しかしながら使っていて感じるのは、ボールペンにおいても70年代~90年代にかけてのマイスターシュテュックの方が造りが良いように感じること。

 

 

回転繰り出し動作もそうですが、口金から繰り出されるリフィルも少し現行品の方が短いのです。

使いにくいというわけではないですが、ちょっと気になった事でした。

 

 

 

 

今回はフリマアプリで手に入れたジャンクのマイスターシュテュックP164に、回転繰り出しユニットを移植して復活させる、という記事でした。

 

前オーナーと一緒に歴戦をくぐり抜けてきたであろう小傷だらけのマイスターシュテュック。

もう一度使うことができて感無量です。自分で直して使うということで愛着もひとしお。

 

もしも手元に壊れてしまった筆記具がある場合、修理代が高くつくとしまい込む前に一度復活を試みてはいかがでしょう。

 

やはり筆記具は使ってナンボ。いつかは壊れる時がやってくるのかも知れません。

そんな時も、少しの手間で直せる可能性があるということ、手放す前にちょっと待てと自分で踏みとどまることができれば、相棒との新しい未来が待っているかも知れません。

 

破損文具にも愛を。

 

それでは今回はこの辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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