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こんなに使いやすいのに何故か少ない、マイカルタ製のボールペン【セーラー プロフィット マイカルタ レビュー】

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皆さんこんばんは。
 

久しぶりに日本メーカーのボールペンを入手しました。
しかも、私にとってこのメーカーのこのボールペンはアガリの一本。
 

最近記事にしたビスコンティの「ホモサピエンス」もそうですが、通常の樹脂軸ではなく一風変わった素材の軸に惹かれるこの頃です。
 

そして、今回の軸の素材は溶岩でも希少木材でもなく「マイカルタ」。
軸全体にマイカルタをふんだんに使ったボールペンとなります。
 

 
ということで、国内三大筆記具メーカーの一つである セーラー万年筆の
「プロフィット マイカルタ ボールペン」をレポートしていきたいと思います。
 

プロフィット マイカルタはペンドクター 川口明広氏が企画された筆記具の第3弾。
第1弾は、三色の異なる「赤」が配置された「還暦万年筆」(プロフェッショナルギアがベースの万年筆)
第2弾は、これまたプロフェッショナルギアをベースとしたマイカルタ製の万年筆で、ゴールドトリムが美しい「プロフェッショナルギア マイカルタ」
 

そして、第3弾の「プロフィット マイカルタ」。
こちらはクロームトリムの万年筆と同時に、ボールペンもラインナップされました。
 

2011年9月の発売ですので、実にもう13年も前の筆記具となるんですね…。
 

一般的にこのプロギアやプロフィットのマイカルタは万年筆に人気が集中し、ボールペンの存在はいささか影が薄いと言わざるを得ないのですが、ボールペン好きの私からすると俄然、ビジネスのメイン道具であり万年筆よりも管理が楽なボールペンに目が行くのであって…。
 

今回は運良く、発売時とほぼ同じくらいの値段で入手することができました。
 

当時の価格でボールペンは税込み22,000円、万年筆はその約3倍の税込み約60,000円となっており、素材としてはよく知られているマイカルタですが、この素材が使われている筆記具が少ないのは加工の難しさからか、不思議なところではあります。
(需要はあるんじゃないかと思うのですが…)
 

 
マイカルタという素材は、ナイフのハンドル部分の素材として広く知られていて、素材の特性上、頑丈で耐久性もあり、水に強いという、実に男心をくすぐる性質を持っているのです。
 

コットンやキャンバスをフェノール系樹脂で高圧をかけて固めた素材ということで 表面にはその繊維が見て取れ、どことなくギロシェ模様のような風合いとなっています。
 

 
実は私としては2本目となるマイカルタ製の筆記具。
1本目はツイスビーのマイカルタ。通称:葉巻と勝手に呼んでいる万年筆です。
 

ツイスビーの方はキャンバスマイカルタだったような気がしますが、並べてみるとプロフィットマイカルタとは表面に出ている模様が異なるようです。
 

そんな状況もあり、万年筆よりもボールペンに食指が動いた今回のプロフィットマイカルタ。
ナイフのハンドルだけにしておくのはもったいない、色々と筆記具向けの側面を持った素材ではないかと思います。
 

 
マイカルタの触り心地は「まるで革のよう」と比喩されます。
表面には粗めの凹凸があり、握ってみると確かに革っぽくもありますが、このザラッとしながらもしっとりとした独特の触り心地は、=革と呼ぶには何かが違う、まさにマイカルタのアイデンティティーと言えるでしょう。
 

グリップ感が良く、かつ手汗に対しても強いため それはもう快適な書き心地になるわけです。
 

 
カラーはブラックですが、グレーのようなグリーンのような渋い色合いで、経年利用によって色濃く表情を変えていくと言われます。
 

発売から年月は経っているものの 使用感が少ない手元のプロフィットマイカルタは、まだまだこれから変化をしていく事でしょう。
 

これほど筆記具に向いた素材であるマイカルタですが、ボールペンの素材としてはほぼ見かけることがありません。
調べてみると、このプロフィットベースのマイカルタ軸で、ゴールドトリムのボールペンがあるようですが、それはMARUZEN(丸善)の「タイムトラベラー」という別のボールペン。
 

丸善のゴールドトリム「タイムトラベラー」とセーラーの「プロフェッショナルギア マイカルタ」。
皆さんはどちらがお好みでしょうか?
 

 
プロフィットとプロフェッショナルギア(プロギア)のデザイン的な違いは天冠部分。
プロフィットはこのように山形でロゴがない仕様となり、プロギアの天冠は台形でセーラーのロゴが入ります。
 
モンブランのマイスターシュテュックやアウロラの88のような シンプルなシルエット。
ただ、素材がマイカルタとなることで軸に唯一無二の表情が加わり、捻りのあるデザインへと変化している所がまた面白い。
 

 
サイズは通常のプロフィットよりも一回りゴツい(軸径が太い)仕様で、さらに大きいプロフィット21ボールペンと並べるとこのようなサイズ感。
 

クリップのデザインは同じで、キャップリングと口金のデザインが異なっています。
絞るところは絞ってある、とてもスタイリッシュなデザインに好感が持てます。
 

 
口金はペン先に向かって真っ直ぐ伸びており、紙面への視認性も良好。
対応新は4C芯となっていて、インクの容量は少ないものの対応するメーカー(リフィルの選択肢)が多いのは嬉しいところ。
 

 
リフィル交換の際はキャップを真っ直ぐに引き抜くことで、リフィルアダプターにアクセス可能。
キャップはかなりカッチリと硬めに収まっているため、引き抜くには力が入ります。
 

出てきた黒い樹脂のノブを回し、リフィルアダプターの先に着いた4C芯を交換します。
(例によってZEBRAの芯は芯径が違うので、無理矢理着けられなくはないですが注意が必要!)
 

 
ちょっとマニアックかも知れませんが、このキャップを外したところの金属の部分。
私が愛して止まない万年筆「プロフェッショナルギア KOP」の首軸接続部、およびキャップのデザインに似ていて気分が上がります!笑
 

2本のローレットのようなデザイン。
ああ、美しい。
KOPサイズの万年筆をマイカルタで作ってくれないでしょうか?セーラーさん。
 

 
さて、続いてはリフィル関係で試したい事があり、この3本を並べてみました。
左から、プラチナ セルロイド ボールペン(旧型)、プロフィットマイカルタ、CROSSタウンゼント。
 

この絵面だけでピンときた方はかなりの猛者でしょう。
 

 
3本ともキャップを真っ直ぐに引き抜きます。
ということで、よく似たリフィル構造による3本による「リフィルに互換性があるか」の検証をしてみます。
 

最高の軸を持ったプロフィットマイカルタの唯一のウィークポイントが、4C芯利用によるインク容量不足だと考えています。
ボールペンをよく使う方であれば数ヶ月でインク切れを起こしてしまうのが4Cタイプの惜しい部分。
 

 
三菱の「SK-8」やCROSSの純正リフィルが使えれば、その弱点を埋められるのではないか、というわけで早速入れてみました。
 

 

が…、
 

結果は使えず。
三菱のSK-8も、CROSS純正リフィルもどちらも合わず。
(CROSSのペンシルリフィル「スイッチイット」も試しましたが合わず…)
 

逆(セーラーのリフィルアダプタをプラチナに)はいけたのですが…。
CROSSにはセーラーのリフィルアダプタはネジが噛み合わず入りませんでした。
 

 
うーむ、形は似てるんですけどねぇ…。
 

よく見るとリフィルの先の形状が微妙に違い、このSK-8とCROSS純正リフィルの段差部分が仇となり、プロフィットの口金からは出すことができませんでした。
 

 
ぐぬぬ、この段差がなければ…。
まあインクについては、4C芯のコスパの高さとバリエーションでカバーするしかないようです。
 

 
セーラーのインクはしっかりと黒く、かつ粘度も良い塩梅のため 力加減で線の濃淡をコントロールできる秀逸なインク。
文字書きもいけてデッサンもいける、オールマイティーなインクです。
 

より軽い書き味が必要な場合は、ジェットストリームを装填して使うのがお勧め。
特にこのグリップ感とジェットストリームの極細字は相性が良いように感じます。
 

ペンの重心はキャップリングの少し上あたりでややリアヘビー気味ですが、グリップ感が良いのと流線型のフォルムから、筆記時にそこまで後ろに引っ張られるような感覚はありません。
 

 
ねっとりとした回転繰り出し動作も心地良く、硬質な素材も相まってか 全体的にカチッとまとまった印象を受けるプロフィットマイカルタ。
 

クロームトリム×マイカルタという渋い組み合わせはビジネスシーンでも使いやすいため、万年筆よりボールペンをこよなく愛する方や、セーラー筆記具ファンは機会があれば是非入手されることをお勧めします。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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