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カランダッシュ 849 ローラーボール レビュー

2022年5月14日

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皆さんはどの形態の筆記具を使うことが多いでしょう。
 

私にのような社会人だとボールペンやローラーボールなど速乾性の高い筆記具となるのですが、仕事中に万年筆を無性に使いたくなるのも筆記具好きの性でしょうか。
 

見た目が万年筆、操作感がボールペンという筆記具にあたるものがローラーボール。
万年筆と同じ外観というだけで、ローラーボールというと普通の筆記具よりも少し格式の高い筆記具に思えてしまいます。
 

そんな見た目の仰々しさを取っ払ったローラーボールがカランダッシュから発売されています。
 

少し前に発売となり話題となっていたカランダッシュ「849」のローラーボール。
最近めっきりと話題から姿を消しているように感じているのは私だけでしょうか?
 

発売当初から気にはなっていたものの、なかなか手にする機会がなかったのですが、今回縁があり入手しましたのでサクッとレポートしていきたいと思います。
 

カランダッシュにおいてもローラーボールと言えば、エクリドールやレマン、バリアスといった高級ラインのモデルに見られたラインナップで、見た目もキャップ式で万年筆然とした佇まいでした。
 

しかし今回はカジュアルラインである「849」のローラーボール。
デザインも849を踏襲したものとなっています。
 

 
まず見た目なのですが、そのまんま849。
しかしよく見ると(よく見なくても)違うのがそのサイズです。
 

写真の中央、グレーの849がローラーボールでその下(ネスプレッソ エディション2)が油性ボールペン。
通常の849の1.5倍ほどもある胴軸。
 

 
3本の849を並べてみました。
左から、ネスプレッソ エディション2、849ローラーボール、849(旧モデル)
 

クリップの長さ自体は通常の849と同等ですが、胴回りが太い!
カラーラインナップはソリッドなカラーが揃っており、ツヤ消しのマットな質感となっています。
 

 
手に握ってみたところ。
かなりの太さです。
 

率直なところ、何故このサイズにしたのかが一番の謎。
鉛筆に近い六角柱のシルエットながらマグナムサイズの胴軸径。
 

慣れているからか通常サイズの849の方が持ちやすいです。
(この胴回りであれば丸軸の方が個人的に持ちやすい…)
 

 
ペン先の繰り出しは高級モデルによくあるキャップ式ではなく849にならってノック式。
押し心地は普通の849のようなジャコっと擦れる感じはなく、滑らかな押し心地です。
中のスプリングのサイズも大きくなっているからでしょうか。
 

 
ノックボタンの「CARAN D’ACHE」刻印やクリップ上の「SWISS MADE」の印刷も849と同じ。
(エッジ処理はローラーボールの方が甘い感じがします)
 

ノックボタンの沈み具合もそのまま849ですね。
 

 
クリップ下の「849」「CARAN D’ACHE」も通常の849と同じ。
うーむ、なぜローラーボールをこのサイズにしたのかますます謎。
遊んでいるとしか言いようが無いカランダッシュ。
 

 
ノック機構を外してみました。
 

一つ大きく感心するところが、ローラーボール用のリフィルが「G2タイプ」のメタルリフィルであること。
他の見た目が万年筆タイプのローラーボール(エクリドールやバリアスなど)はそれ用のリフィルがあるのですが、849は新たに用意されたG2タイプのリフィル対応となっています。
 

右のゴリアットリフィルと比べるとリフィルの全長が少しだけ長いため互換性はなし。
しかしこれが何を意味するかと言うと、他メーカーのG2タイプリフィル対応のボールペン、例えばパーカー、ペリカン、アウロラ、ファーバーカステル等の油性ボールペン軸で使えるということ。
 

※ゴリアットリフィルをG2タイプリフィル対応のボールペンに入れられないことはないですが、ペン先の繰り出しが短くパフォーマンスが出ない。
 

 
パッケージがお洒落です。
パッケージにあるようにF(0.5mm)とM(0.7mm)のラインナップで、日本製のゲルインク。
 

 
肝心のリフィルの書き味ですが、これがとても素晴らしい。
カランダッシュと言えば油性インクの書き味が最高ですが、このゲルインクも(日本製だからか)サラサラで非常に書きやすい。
 

ゲルインクはインクが無駄にドバドバ出てこないところがいいです。
製造国が日本ということで、どこかで使ったことがあるような書き心地となり真新しさは感じませんが、高性能なゲルインクリフィルと言えるでしょう。
 

各社のローラーボールで書き比べを行ってみます。
 

 
使用するのはこちらの5本。
左から、
 

・モンブラン ルージュ&ノワール(×モンブラン純正ローラーボールリフィル)
・ウォーターマン ナイト&デイ(×パイロット水性リフィル)
・カランダッシュ 849(×カランダッシュG2タイプローラーボールリフィル)
・ファーバーカステル SV925(×ペリカンローラーボールリフィル)
・クロス タウンゼントSV925(×クロス純正ローラーボールリフィル)
 

※ウォーターマンとファーバーカステルのみ、メーカー純正リフィルではなくお気に入りのメーカーの互換リフィルが入っています。
 

 
ロディア(RHODIA)のメモ帳に文字を書いて滲みや裏抜け具合いを見てみます。
ロディアは比較的紙の厚みがあるメモ帳ですので裏抜け具合いは各社それほど。
 

 
拡大してみるとお分かり頂けるのですが、モンブラン(字幅M)のみ相性が悪いようで滲みがみられます。
 

表は滲んでいるメーカーのリフィルもありますが、裏抜けは最小。
一番上のカランダッシュは全く裏抜けがありません。
 

 
続いて、PLOTTERの手帳用紙に書いてみます。
今回は分かりやすくリフィルのみを並べています。
 

リフィルのみを並べると分かりやすいですが、カランダッシュのG2ローラーボールリフィルはインクの容量が通常のローラーボールサイズよりも少なめ。
 

 
書き比べてみて思うのが、日本製の油性インクは非常に優秀であるということ。
カランダッシュとパイロットについては裏抜けがほぼなく、中でもカランダッシュのG2ローラーボールリフィルは字幅がMにも関わらず裏抜けが皆無となっています。
 

 
下のモンブランやペリカンと比べてもこの通り。
手帳は用紙が年々薄くなる傾向ですが、それにも対応できる性能のインクではないでしょうか。
 

高性能なゲルインクリフィルが各社のG2リフィル対応のボールペンで使える。
 

 
そう考えると、むしろニュースなのはカランダッシュ849のローラーボールが発売されたこと自体ではなく、カランダッシュの高性能なG2タイプローラーボールリフィルが発売された、ということになるでしょう。
 

ただ、G2リフィルには高性能な三菱のジェットストリームもありますので、どちらのリフィルを使うかは悩みどころ。
 

ジェットストリームプライム用のG2リフィルと字幅のラインナップも被ります(0.5mmと0.7mm)が、インクの粘度はジェットストリームよりも若干硬めのため書き始めや筆記中(特にペン先の急な方向転換)に擦れることがありません。
 

値段も実売価格でジェットストリームが500円弱、一方カランダッシュが1000円強と倍近くしますので、コスパ比較となるとジェットストリームに軍配が挙がります。
 

カランダッシュ銘柄ということが筆記モチベーションに繋がる場合はカランダッシュを選ぶということになるでしょうか。
 

 
さて、今回はカランダッシュから発売された新しいローラーボールの849を見てきました。
 

正直、この軸が使いやすいかというと疑問は残ります。
通常サイズのカランダッシュ849に慣れているからか、私は太い六角軸に違和感がありました。
 

パーツ形状や刻印を849に合わせてサイズのみアップするのではなく、サイズは通常849サイズでクリップデザインを変えるであったり、アルミ軸にエクリドールのような刻印を施すなどで見た目の差別化を図ってほしかったと感じます。
 

軸以上に、G2タイプのローラーボールリフィルの存在感が大きいと感じる849ローラーボール。
 

カランダッシュファンとしてペンケースに一本忍ばせるか、太い六角軸に興味のある方には面白い軸ではないでしょうか。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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