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モダンなカランダッシュも良い!カランダッシュの(廃番)上位モデル「RNX.316」ボールペン レビュー

2023年5月28日

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皆さんこんばんは。
 

今回も前回に引き続き「カランダッシュ」の記事です。
いやー、大好きなんですよ。カランダッシュが。
 

何本持ってるんだと突っ込まれそうですが…
油性ボールペンのインクが良すぎるので、ついつい色んな軸を試したくなってしまうのです。
 

前回の記事ではゲルインクが使える最新の849ローラーボールをレポートしましたが、今回の記事は廃番モデルの記事。
 

ユーズド市場でもなかなか出てこないモデルのため、根気よく某フリマサイトやオークションをチェックし、ようやく手に入れた一本です。
 

いやー、これほど格好良い筆記具があっただろうかという。
個人的には100点のデザインに加えて、文句のつけようがないゴリアットリフィル搭載ですので、こりゃ手に入れないわけにはいかないでしょうという感じです。
 

その追い求めていた筆記具というのが、
「カランダッシュ RNX.316 PVDブラック ボールペン」
 

 
もともと黒い筆記具が大好物名な私ですが、エレガントなストライプがさらに所有満足感を掻き立てます。
 

それでは早速、詳しくレポートしていきたいと思います。
 

 

 

 

RNX.316のデザインとディティール

まずはカランダッシュの筆記具ではモダンなデザインとなる「RNX.316」のデザインを見ていきます。
 

それにしてもまるでスポーツカーのような名前の筆記具ですね「RNX.316」。
 

名前の由来はボディの高級素材「ステンレススチール316L」からきています。
 

一般的に知られるステンレススチールの中でも特に腐食しにくい素材として「316L」があり、医療用のメスやハサミ、アクセサリーに使用されている素材となります。
 

RNX.316はそんな腐食しにくい母材に、さらにPVDコーティングされているという代物。
 

PVDコーティングを調べてみると、プラズマ状態となった金属とガスを母材の表面に蒸着皮膜する方法とのこと。
なんだか難しいことが書かれていますが、通常の貴金属コーティングと比べて高耐久・低摩耗となるようです。
確かファーバーカステル伯爵コレクションのマカサウッドの金属部分にも同じような処理がされていたような…。
 

最先端の素材や技術が注ぎ込まれたペンがRNX.316というわけですね。
そして、伝統的なデザインの筆記具が多いカランダッシュの中では異彩を放つこのボールペンのディティールです。
 

 
胴軸表面の湾曲ストライプが特徴的なPVDブラック。
 

ペン先~グリップ部とクリップの付け根付近は丸軸なのですが、胴軸は六角形という何とも不思議なデザインをしています。
 

 
しかもエクリドールや849とは面の配置が違う六角軸となっており、筆記具として見てもなかなか珍しい形ではないでしょうか。
(クリップの位置に面がくるのではなく、外角がくる)
 

ラインナップはブラックの他にスチールやファイバーといった模様があり、いずれも万年筆・ボールペン・ローラーボール・ペンシルがあります。
(万年筆は首軸を外すのに面白い機構が備わっています)
 


 
ストレートクリップの付け根は胴軸の端でクリップリングが無いという、これまた珍しいデザイン。
この形状もあり、クリップにバネは仕込まれていません。
 

 
クリップの左側面には「SWISS MADE」の刻印。
この刻印は製造時期によって有り無しがあるようです。
黒とシルバーのラインが美しい。
 

 
クリップの形状は849と似ていて、さながら固定金具のない849クリップのようです。
RNX.316 PVDブラックのクリップは正面から見ると胴軸のストライプに隠れるようなデザインとなっていて面白いです。
 

 
ノックボタンは現行と同じペンシルマーク。
シンプルなマークがRNX.316とも合っていますね。
 

 
軸の面に対して一直線でないストライプ模様。
ストライプが胴軸の両端に向けて絞られていることで、まるで軸全体が丸みを帯びているような錯覚を覚えます。
 

 
モダンなデザインと聞いて真っ先に思い浮かぶ筆記具がラミーの「LAMY2000」。
モダンなボールペン2本を並べてみましたが、実はこの2本、グリップポイントの軸径が似ていることから、握り具合いもよく似ているのです。
 

そのため、私は気分に応じてですがこの2本を使い分けしています。
 

手元のLAMY2000はブラックウッド。冬から春先に向けて仕事で使っていましたが、これからの暑い季節は総金属軸でひんやりと冷たいRNX.316が活躍しそうです。
 

 
クリップ周り。
モダンな2本は重量もよく似ています。
 

RNX.316…38g
LAMY2000ブラックウッド…36g
 

 
ノック音について、RNX.316は「シャコッ」というカランダッシュらしい控えめな音色。
LAMY2000のコクッというノック音は、最近気付いたのですが マウスのクリック音に似ており、事務所内でも自然と馴染む音色です。
 

PVDコーティングにより光沢のあるRNX.316と、対象的にマットな質感のLAMY2000。
ステンレススチール316Lとグラナディラという高級素材の共演です。
 

 

RNX.316の操作性と書き味について

先ほどの項でLAMY2000ブラックウッドに重量やグリップ部の軸径が近いと書きましたが、RNX.316は総金属軸ということもあり、また違った個性があります。
 

ご覧の通りRNX.316はノック式のボールペン。
カランダッシュのノック機構は回転繰り出し式のモデル以外は共通しており、ノックボタンがペンの繰り出し機構を兼ねています。
 

 
絶妙な太さのノックボタンはRNX.316でも健在。
ペン先繰り出し中はノックボタンが沈み込み、ホールドされます。
 

ノックボタンのロゴは刻印ではなくペイントとなっており、つるんとした質感。
CとEの間には「SWISS MADE」があり、これは現行のエクリドールと同じ。このあたりの年代による刻印の変化もお馴染みですね。
 

 
グリップポイントはペン先パーツの少し上になるでしょうか。
この辺りも丸軸となっており、またPVDコーティングは低摩耗と言われますが、滑ることなく良好なグリップ感。
 

 
重心バランスはクリップ先の少し下と まさにペンのど真ん中に位置しており、以前にレポートしたレマン(回転繰り出し式)と同じくバランスの良い書き心地!
 

通常のボールペンのようにキャップと胴軸で分かれていない、言わばエクリドールのような一体型軸のため、パーツ合わせによるガタつき等とは無縁なところもこのペンの強みではないでしょうか。
 

 
ペンの上部にも重さを感じない秀逸な造り。
ペンのコントロールがしやすいのは、自分が書く文字の出来にも影響してきます。
その点でも、このRNX.316は私にとって100点のボールペンなのです。
 

 
仕事にも気兼ねなく使えるデザインと重心バランス、そして忘れてはならないゴリアットリフィルの書き心地。カランダッシュの筆記具ではレマンと同等の太軸となるため、エクリドールやバリアスの軸径よりも太い物をお探しの方にもフィットするボールペンでないかと思います。
 

 

カランダッシュボールペンの重量と全長の比較図

とうことで、こちらの項ではサクッとカランダッシュのボールペン比較を行っていきます。
 

基本は六角軸のイメージが強いカランダッシュですが、RNX.316は六角軸と丸軸の間に位置するペンとなっています。
 

 
金属軸の高級路線筆記具で、丸軸はレマンかマディソンくらいしか見当たりませんが、六角軸のラインナップは多いですね。
 

重量は30gを超えるため、ボールペンとしては重量級の部類に入るRNX.316。
保有するカランダッシュのボールペンを並べてみました。
 

 
左から、
 

849(ネスプレッソエディション)BP
エクリドール
849 RB
ヘクサゴナル カーボン
エクリドール(SV925)
バリアス(メットウッド)
RNX.316(PVDブラック)
レマン(バイカラー)
 

各ボールペンの重量は記載の通りとなっています。
 

写真を撮りおわった後に849とエクリドールの中間である「リコシェ」を入れるのを忘れたことに気付きました…。
 

ちなみにリコシェの重量は26gですので、上の写真でいくと849(RB)とヘクサゴナルの間となります。
 

全長は真ん中くらいにあるエクリドール アンモナイトが128mmで、849(BP)も同等。
他のモデルがノックボタン1つ分(約10mm)長くなっています。
 

この項は以上となりますが、カランダッシュのゴリアットリフィルが好きだけど、どんな軸があって自分は何が合うのか分からない…という方はぜひ参考になさってください。
 

 

カランダッシュのボールペンにおける「あるパーツ」の比較

最後は、カランダッシュボールペンのあるパーツの比較を行っていきましょう。
これだけ手元にカランダッシュのボールペンが増えてくると、色々と比較したくなるのが筆記具好きのさだめ。
 

RNX.316も大半のカランダッシュ製ボールペンと同じく、ノック式で同じノック機構を搭載しています。
 

その心臓部とも言えるノックボタン(兼ノック機構)。
これを比較していきましょう。
 

 
まずはノックボタンですが、849やエクリドールと同じくボタンのネジをクリクリと回して外します。
RNX.316も胴軸パーツが一つ、ノックボタンが一つという構造的にシンプルな造り。
 

※ペン先のパーツが分かれていそうにも見えますが、回し外すことはできません。
 

 
849やエクリドール、バリアスは同じようにノックボタンを捻って外し、そこからリフィル交換を行います。
外してみて分かるのが、ノック機構は同じだけどノックボタンのサイズや形が微妙に違うこと。
 

 
左側の849~エクリドール(SV925)のノック機構は同じで、ネジ切りのついたプラスチックパーツは年代によって色味が異なります。
(旧:白 → 新:グレー)
 

違いが出てくるのが右側3つのノック機構。
RNX.316はノック部分(黒いPVDコーティングの部分)が別パーツとなっていて、ネジ切り部分はグレー。
 

その右にあるバリアスは、更にノック部分が大きく、リフィルを押す部分となる真鍮が他のモデルと比べて長くなっています。
 

そして一番右は849のローラーボール。
長さは横のバリアスと同じくらいで、ノック部分が六角軸モデルの中では最大。
ローラーボールはG2タイプのゲルリフィルを使うのですが、リフィルを押し出す部分のパーツは他と同じです。
 

同じノック機構でもモデル毎に特色のあるノックボタン。
シンプルな造りゆえに壊れることは少ないですが、無くしてしまった場合など互換性の参考になるかも知れません。
 

 

さて、今回はカランダッシュのボールペン「RNX.316」からPVDブラックを見てきました。
 

 
仕事でも使えるモダンなデザインもさることながら、優れた重量バランスと絶妙な軸径の握り心地、そしてゴリアットリフィルの滑らかな書き味など…。
廃番なのが惜しいくらいよくできたボールペンと言えます。
 

私にとってはバリアスに並んで、カランダッシュボールペンの「アガリの一本」となるわけですが、万年筆も非常に気になるところ。
 

出逢う機会があれば何かの縁ですが、カランダッシュについてはしばらくはこのRNX.316と木軸のバリアスで事足りそうです。
 

モダンなカランダッシュをお探しの方には、書き味含め相当マッチする一本ではないでしょうか。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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