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高級ライターのような大人の筆記具 【S.T.デュポン モンパルナス ボールペン レビュー】

皆さんこんにちは。

 

今回はボールペンの記事なのですが、メーカーは当ブログ2回目の登場となります。

 

ヨーロッパの老舗筆記具メーカー(メーカーというよりブランドという方が良いのかもしれませんが…)は、日本のそれと違っていくつかのジャンルを股にかけている事があります。

 

例えば、モンブラン(現在の)であれば時計やアクセサリーやレザーグッズなど、カランダッシュであればライター、レザーグッズ、バッグといった具合いにステーショナリーのメーカーというよりは、総合的なブランドとして認知されています。

 

一方で、ほとんどの海外筆記具メーカーや日本のパイロットやセーラー、プラチナといった老舗筆記具メーカーは、分かりやすく筆記具のみを作り続けていますね。

 

さて今回フィーチャーするのは前者のタイプの筆記具メーカーになるのですが、タイトルにもあるこちらの筆記具メーカーはモンブランと同じくレザーグッズやアクセサリーのラインナップも充実しており、その中でも特にライターが有名。

 

ライン1(廃番)やライン2、ギャッツビーといった有名なライターがある中、注目したいのは1989年にラインナップに追加されたライン2「モンパルナス」。

 

ライン2というとライターのキャップを開けた時の「キーーーン…」という澄んだ美しい金属音が人気で、同時にライン2(ライン1)はデュポンライターの代名詞とも言えるほど。
 

そしてこちらと同じ名前の筆記具が、
 

「S.T.デュポン モンパルナス ボールペン」
 

 
ライターと同じモンパルナスのデザインで深く彫られた「ライン」が特徴的なモデル。
ライン以外のデザイン(漆やダイヤカット等)もありますが、デュポンと言えばまずベーシックなラインカットを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
 

それではフランスの高級筆記具メーカー、S.T.デュポンのモンパルナスを詳しく見ていきます。

 

 

 

 

【モンパルナスにはサイズが2種類】

S.T.デュポンモンパルナスにはサイズが2種類あります。
 

私が最初に手にれたのは「M-2」と呼ばれるスリムなタイプ。
そもそも、デュポンのモンパルナスは巻きニブの万年筆をチェックしていて、ボールペンには注目していませんでした。
 

ただ、万年筆はもう自分としても書きやすいものを数本所有していることから購入を躊躇っており、となれば仕事で常用しているボールペンはどうかと見始めたわけです。
 

モンパルナスのM-2を入手した時、あれ?モンパルナスってこんなにスリムだっけ?という印象。
万年筆だから太かったのか…と思いつつ、色々調べていくとあるではないですか、太軸が!

 

太軸すなわち「M-1」の方が繊細なM-2に比べるとやはり存在感があり、軸径をみても男性の手にピッタリではないかということで、しばらく某オークションに貼り付き、数ヶ月後にやっとのことで入手。
 

 
2本とも全長はほぼ変わらずで、M-1が137mm、M-2が136mmとその差はたったの1mm。
2本を並べるとM-1の方が長く見えますが、実はキャップの長さはM-2の方が長かったりと、しっかり「全く違う2本」として作られているのが印象的。
 

 
▲モンパルナスM-1
 
やはり太軸好きな私にはM-1が握りやすく、ズッシリとした重量は安定感がありますね。
重量スペックは以下。
 

M-1:胴軸が22g、キャップが13g。総重量35g
M-2:胴軸が17g、キャップが10g。総重量27g
 

キャップが胴軸幅に対して大きくせり出している特徴的なデザインなため、一見キャップが重いのでは?と思いますが、重量バランスは胴軸末端(キャップ寄り)になっており、軸の中心ではないものの さほど後ろに引っ張られる感じはしません。
 

グリップ感は深いラインが彫られているだけあって滑ることなく良好。
それにしてもこのシルエット。美し過ぎますね~。
 

 
ちなみにこのモンパルナスのボールペン、写真のようにキャップを持って下げ、胴軸を指で弾くと「キン!」という高い音色が…。

 

ライターの音色を再現しているのかは定かではありませんが、M-2では起こらないことから なんらかのギミックがあるのではと勘ぐってしまいます。

 

万年筆やローラーボールは尻軸のノブを捻って主軸を外すという それはまるでガスライターのような、筆記具としては珍しい機構を搭載しています。

 

それらを指で弾いた時の音色も、いつか聞いてみたいものです。

 

 

【M-1とM-2の内部構造の違いについて】

前項ではM-1、M-2それぞれのキャップの長さが違うということを書きましたが、それは内部機構にも当てはまり、同じモデルでありながらデザイン以外は別物のボールペンとなっています。
 

 
キャップを外したところ。
キャップを外す際は胴軸に対して真っ直ぐ上に引き抜きます。
 

スリムなM-2のキャップの方が大きなM-1のキャップよりも長いことが分かります。
キャップから出るパーツも2本で違っていますね。
 

 
キャップ側嵌合箇所の黒いパーツは樹脂製で胴軸側に見えるギアと噛み合い、リフィルを繰り出すという機構。M-2はキャップから黒いパーツがはみ出していないですが、キャップ内に収納されています。
 

 
胴軸側はリフィルを収納する筒に繰り出すためのギアが付いていますが、ギアの形も微妙に違うことからM-1とM-2の構成部品が違うということが分かります。
 

他の違いは胴軸の軸径。
M-1は内部機構と胴軸の間に隙間がり、これが指で弾いた時の音色に関係していると思われます。
 

モンパルナス ボールペンの面白い部分として、独特なリフィルの回転繰り出し動作があります。
 

モンパルナスはキャップが180°回転するのですが、リフィルが完全に繰り出されるのはそのうちわずか90°のところ。
残りの90°はリフィル繰り出しが伴わない空回転となっています。
 

 
もともとリフィル繰り出し量の少ないモンパルナスということで、ペン先から繰り出されたリフィルは他のボールペンと比べても控えめです。
左が細字(F)、右が中字(M)のボールポイント。
 

S.T.デュポンにもCROSSの「スイッチイット」と同じような、ペンシルリフィルが存在します。
もしかすると、この90°という回転角は、そのペンシルリフィルの動作(ガイドパイプ繰り出しと芯繰り出し)と関係しているのかも知れません。
 

何かわかりましたら追記していきたいと思います。
 

 

【M-1とM-2のデザインとキャップの刻印について】

さて、続いてモンパルナスM-1とM-2の両軸で本体のディティールを見ていきましょう。
 

 
キャップと胴軸の境目が抜群に格好良いモンパルナス。
この太さが切り替わる部分に「S.T.Dupont PARIS」の刻印。
 

 
PARISのあとにはライターでも有名な刻印があり、真贋判定に使われたりもします。
四角い枠の中に何やら鳥のような刻印とDの文字。
 

実はこれ、鳥ではなく「馬車の車輪に翼」で、デュポンのシンボルマークなのです。
下の「D」はDupontの頭文字。
 

ライターの刻印は年代を追う毎にこのシンボルマークがシンプル(アイコニック)になっていますが、筆記具はどうなのでしょうか?
 

こちらのモンパルナスは保証書から判断するに1990年の11月に購入されており、製造されたのもそれとほど近い年代となります。(1980年代後半~1990年)
 

それより前は「D」の頭文字ではなく、「ST DUPONT」のなっていたりと違いがあるため、筆記具についてもそのあたりを調べると面白そうです。
 

 
エレガントなモンパルナスのクリップ。まるでタイピンのようですね。
 

こちらはM-1よりM-2の方が長く、クリップ中央には漆黒のラインが入っており、カラーはモデルにより異なります。
クリップ根元にバネは仕組まれておらず、金属の「しなり」で衣類に止める仕様。
 

 
天冠部分。
全長はほぼ同じですが、太さがこれだけ違います。
このデザインにするならクリップはバネ仕掛けにして欲しかったところ。
 

M-2の方の天冠が少しくすんでいます。
モンパルナスはトリムがゴールドプレート、ボディがシルバープレートとなっており経年変化としてシルバーと同様のすくみや黒ずみが見られます。
 

クリップのサイドにそれぞれある刻印。
 

 
右側面にはシリアルナンバー(7桁)。中3桁がアルファベットなのは共通しています。
この2本、初めの3桁が同じですので、同じ時期に製造されているのかも知れません。
 

 
反対側(左側面)には製造国の刻印。
「MADE IN FRANCE」が打ち込みにより刻印されています。
この刻印の場所や内容はデフィと同じですね。
 

 

【リフィルの比較(CROSS)とデュポンブルーインクの色味について】

さて、デュポン モンパルナスのリフィルは以前にレポートしたデフィ(G2タイプリフィル)とは異なります。
どちらかというと、CROSSのリフィルに似た形状をしていてリフィル上部に樹脂製のノブがあり、キャップを引き抜いてリフィルを差し込み、ノブを回して締めるという操作感も同じです。
 

ということで、CROSSのフラッグシップモデル、タウンゼント ボールペンと比べていきます。
 

 
全長はタウンゼントが146mmとボールペンとしてもかなり長い部類に入るため、モンパルナスが可愛く見えてしまいます。
モンパルナスの段差のあるキャップも良いですが、タウンゼントのダブルリング・コニカルトップ・短めのクリップもクラシックで格好良い。
 

タウンゼントはただいま絶賛黒化中。
スターリングシルバーを最大までくすませて、黒いタウンゼントに仕立てている途中ですので磨きたくないわけではありません 笑。あしからず。
 

 
キャップを外して気付くことはリフィルに互換性がないということ。
これはインクで収益を得る筆記具メーカーでは当たり前のことですが、実際に見比べてみると胴軸から出たノブの大きさからリフィルはまったくの別物だと判断できます。
 

 
リフィル自体を比べるとこのようになっています。
ノブ大きさとのネジ切りの違い、ペン先の違い。デュポンはFINE(細字)でCROSSはMEDIUM(中字)です。
デュポンのリフィルはドイツ製(1990年の段階でですので、もしかしたら現在は変わっているかも…)
 

インクの粘度はパーカーのクインクフロー(QUINKflow)に近く良好。
それもそのはず、S.T.デュポンにはデフィの記事でも書いたように「イージーフロー」という優れたインクがあり、書き味には定評があります。
 

 
▲モンパルナスM-2
 

低粘度と油性の中間のようななめらかさで、インクダマが出来にくい。
重めの金属軸に乗って、スラスラと書ける様はクセになります。
 

CROSSのインクはどちらかというとモンブランに近く、しっかりとした油性ですが、近年のインク改良(というより低粘度ブーム)に乗って硬すぎないけどしっかり硬い(?)インクで、筆圧がある人にも扱いやすい粘度となっています。
 

 
仕事で青いインクを使うことが多いので、手元にある良く使う青インクで比較してみました。
私の中では油性の青インクにおいてはカランダッシュの書きやすさと色味が至高で、それに続き、モンブラン・パーカー・S.T.デュポンが好みです。
 

クラシックなインクは退色しているのか色が薄めで枯れており、これはこれで味わい深い色なのですが昨今のハイテクインクには書き味という意味で劣ります。
 

 
拡大してみました。
あまり聴き馴染みがないであろう、ヴァルドマンとシュミットはそれぞれ、YARD・O・LED(ヴァルドマン)とカヴェコ(シュミット)に入れています。
 

近年のインクは色が濃いめ(コントラストが高い)で、昔になるほど枯れた色合いとなります。
(インクが劣化しているだけかもしれませんが…)
 

メーカーにより色味は違いますが、皆さんのお好みはどの色でしょうか?
 
 

今回は、S.T.デュポンの「モンパルナス ボールペン M-1(とM-2)」を見てきました。
同じデザインではありますが、M-1からはダンディズムを、M-2からはエレガンスを感じるボールペン。
 

流石はフランスの老舗の筆記具メーカーというだけあって、インクと金属軸のバランスがとても良いと感じます。
 

これからの季節、ジャケットの胸ポケットにも映える細身クリップのモンパルナス。
ぜひコレクションに加えてみてはいかがでしょう。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
 
 

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