ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
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ヴィンテージボールペンを楽しむ【シェーファー・YARD・ペリカン】

2025年1月20日

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ヴィンテージな筆記具との出会いは一期一会。
皆さんが筆記具にハマるきっかけとなったものはなんでしょうか。私の場合は、いただいたある一本の万年筆です。
 

 
モンブラン No22。コンパクトな吸入式の万年筆です。私の筆記具沼の入り口はこの一本の万年筆でした。
ヴィンテージペンの魅力とは何でしょうか?
現在では絶版となり新品で買うことができない希少価値。以前どんな人が使っていたのだろうと前オーナーに思いを馳せながら使うこと。
その理由は人により様々だと思います。
 
オークションなどでは思いがけない逸品に出会うことがあります。また、古くて状態のよいものを探すのも楽しみの一つでもあります。
50年前、100年前のペンにだって出会う可能性もあります。なんともロマンチックな話ではないですか。
 
誰かが手放したペンが、こうして違う誰かの手に渡り文字を書いていく。
たとえば、シャープナーなら鉛筆を削るため。コンパスなら円を描くため。そしてペンなら書くため(描くため)。ひとつの動作に直結している道具は、人間に同じ動作をさせるために人の手を渡っていくのです。
 
私が使っているペンも、いずれは私の手を離れ、違う誰かの愛用の一本になるかもしれない。そう思うと、道具は単に購入して手に入れるものではなく、その道具にとっての一時的な時間(期間)借りていると考えに行き着きます。
 
繰り返しになりますが、まさにヴィンテージな筆記具との出会いは一期一会。絶版品ならなおさら、同じものに二度と出会うことがないかもしれません。
そんなことで、今回は私が出会ったヴィンテージペン達を見ていきたいと思います。
 
今回のレポート、はボールペンとメカニカルペンシルです。
※冒頭のモンブランNo22は万年筆カテゴリーで別の記事として書く予定ですので今回は登場しません
 

 

 

 

シェーファー/ニューコソノアール


 
シェーファーは歴史が深いアメリカの筆記具ブランド。万年筆では特徴的なニブのインペリアルが有名ですね。
ニューコソノアールは金属軸でずっしりと安定感があり、ねっとりとした回転繰り出し式機構も好みなのです。
ちなみに「ニュー」が付いていないコソノアールは樹脂軸のようです。
 
樹脂軸のコソノアールもいつかお目にかかりたいものです。コソノアールが1980~90年にかけて発売されていますので、ニューコソノアールもその年代か1990年以降かということになりますね。
 

 
シェーファーというと通常アメリカ製ですが、こちらはイングランド製。調べてはみたもののどの年代にかけてシェーファーのペンがイングランドで製造されていたのか分かりませんでした。
 

 
ねっとりとした繰り出し機構から出されるペン先はキュッと細くなっており、筆記時の視認性も良好。軸からペン先にかけてのラインが綺麗です。
 

 
黒と金の軸ですが金色の占める割合が少ないためいやらしい感じはせず。クリップの丸い形状も品がある。
 
クリップの上にはシェーファーの筆記具に必ずつけられる品質の証「ホワイトドット」が鎮座。クリップの丸と言えば、毎回比較で登場するパイロットのカスタム74。
今回も例にならって比較してみます。
 

 
さっそくクリップ部を比較。
双子かと思うほど似ていますね。玉の大きさもほぼ同じ。
 

 
全長はカスタム74の方が約5mmほど長いです。
ニューコソノアールのデザインはキャップと胴軸の段差がなくまっすぐ。キャップのダブルリングとペン先のダブルリングがアクセントです。
重さはニューコソノアールが35g、カスタム74が29g。
素材にブラスが使われているため、スマートな見た目に反してかなり重めです。
 

 
最後にリフィルについてですが、一般的な海外メーカーのボールペンに使われているパーカータイプではなく、シェーファーオリジナルのリフィルです。
個人的にはこの辺がかなり惜しいところですが、歴史の古いメーカーだからこそ独自のペン開発をしてきた軌跡としてとらえるのもアリです。
ちなみに一番下はカスタム74のリフィルで、こちらもシェーファーと互換性はありません。
 

 

YARD-O-LED/ディプロマット


 
純銀のイングランド製メカニカルペンシル。
昔から一本一本が職人の手仕事という伝統の逸品。芯は今となっては珍しい規格の1.18mm芯を使用。
 
ブログ立ち上げ初期に紹介したファーバーカステルのエモーションペンシルのような無段階回転繰り出し式の機構を備えています。
このオール銀製のずしりとくる存在感と握ったときの純銀ならではの暖かみがたまりません。
 

 
このYARD-O-LEDのペンシルでお気に入りの部分はというと、なんといってもこのクリップ形状!
くねったクリップを止める2本のビスが何とも中世のイギリスといった趣で歴史を感じるのです。
YARD-O-LEDというと現在も純銀製のペンを製造しており、ひとつひとつが職人の手作業によって彫刻されていることで有名。工芸品として見ても非常に価値の高い筆記具です。
ペンシルもそうですが現行品の万年筆はいつか持ってみたい筆記具の一つですね。
 
現行品を買うとなると経済的にかなり勇気がいりますが、ヴィンテージをオークション等で手に入れる場合はさほど高価にならず手に入れることができます。
 

 
現行のディプロマットモデルは六角軸ですが、こちらは丸軸のもの。
バーレイ模様が施されているため丸軸でも滑らず、安定した筆記感です。芯は前述にもあった1.18㎜芯。
鉛筆などの芯は常に尖ってないと気が済まない性分なので芯削りで先を尖らせています。
 
そして、YARD-O-LEDと言えばホールマーク!ホールマークとはざっくり言うとイギリスの銀製品の品質を保証するためにつけられている刻印です。1300年頃から始まっているため刻印の種類は多岐にわたります。
 

 
左の英字は一部消えかかっていますが、「JM&Co」=ジョンソン・マッセイのスポンサーマークのようです。
ちょうど真ん中に見えるライオンパサントはこの製品がスターリングシルバーであることを示しています。その右がアセイオフィスマークでライオンの顔。これはロンドンの検定所で検定を受けたことの証。
そして一番右がデイトレター。角のない四角に入っている「d」の刻印から、1959年製ということになります。
 
イギリスの銀製品はこのようなマークを読み解く面白さもありますね!
 

 
キャップには「MADE IN ENGLAND」と「PATENT No」とライオンパサントの刻印。
ライオンパサントはキャップ・クリップ・胴軸の各パーツに刻印されています。
芯の繰り出しや補充はこの部分を回したり引き抜いたりで行います。
 

 
ネームスペースにはファーストオーナーのイニシャル?のようなものが刻印されています。
相当古いものですが、何年もかけて人の手を渡り、現在私の手元にあることに対して感慨深いものがありますね。
 

 

???/馬のボールペン


 
メーカー不明。謎に包まれたクロームに輝く馬のボールペン。
一見シュールにもみえるが上品さもあり。機構は回転繰り出し式で軸の太さなどはCROSSのクラシックセンチュリーに酷似しています。
 

 
クリップはなく、ブランドロゴ等の刻印も一切ない、天冠に立体的な馬頭が鎮座するのみというシンプルな作り!なかなかにハンサムな馬です。
わかっているのはリフィルがCROSSのセンチュリーシリーズと互換性があることだけ。
 

 
キャップを外すと明らかに馬のボールペンの方が軸が短いのですが、しっかりとCROSSのリフィルが使えます。
 

 
リフィルが一緒なついでにクラシックセンチュリーと軸の比較です。軸径はほぼ同じで、握った感じもすごく似ています。長さは馬のボールペンの方が長く、馬頭の分だけ?重さもあります。
 

 
ペン先はちょっとだけ違うようです。目隠しして利き酒ならぬ利きボールペンとかで使うと面白いかも知れません。
もしくは、非常にシリアスな会議中に使いたい。こういった出自の不明なヴィンテージペンを探すのも面白いですね。
 

 

ペリカン/K200 マーブルグリーン


 
最後は昔から続くペリカンのノック式ボールペンのリニューアル版。今回紹介する中では唯一現行で新品が入手可能です。
ペリカンのノック式ボールペンといって思い浮かぶのは、スーベレーンK400ではないでしょうか。軸のストライプが美しいスーベレーンはペリカンの代表作。
 
今はスーベレーンのボールペンを持っていませんが、茶縞軸のものなどは機会があれば手に入れたい逸品です。
スーベレーンのスタイリッシュなストライプもいいですが、こちらはマーブルグリーンのレジン削り出しです。最近、私の中でマーブル軸がブームなのですがこちらもなかなかの美しさ。
 

 
おわかりでしょうか、ペリカンのマーブルは見る角度によって表情を変えるため、軸を眺めていて飽きません!
色はマーブルグリーンなのですが、スーベレーンのようなはっきりとしたグリーンではなく青味がかったグリーンです。この辺もクラシカルな雰囲気を出す演出でしょうか。
 

 
ノックボタンは金色のペリカン。ヒナは一匹です。
軸径や長さと言ったスペックはスーベレーンと同じであるため、書きやすさはお墨付き。重さも軽いのでたくさん文字を書くようなシーンでも疲れません。
値段も比較的リーズナブルなので、手軽に本格的なペリカン筆記具を試したいという方にはうってつけです。
 

 

まとめ

今回はヴィンテージというタイトルのもと、いくつかの筆記具をまとめてレポートしました。
 
馬のボールペンのような一本だけでは記事にしにくいペンも取り扱えて個人的には満足です(笑)。ヴィンテージペンとなると必ず自分でない誰かが一度は使っていた代物になります。
それをどのように取るかは人それぞれですが、誰がどのような思いで、どのような環境で使っていた筆記具なのか。
そういったことに思いを馳せながらペンを走らせるもの楽しいものです。
 
最後に、年代物の筆記具を手に入れる場合、友人から譲り受ける以外はオークションか中古を取り扱うショップからの購入になります。
特にオークションなどは筆記具のコンディションが分かりにくいことが多いので、入札の際は色々下調べしたうえで注意して入札・落札しましょう。
 
ではまた。

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