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宇宙から見た美しい地球をテーマにした筆記具「モンブラン スターウォーカー ブルー・プラネット ドゥエ」レビュー【スターウォーカー ボールペン新旧比較】

2023年5月28日

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皆さんこんばんは。
 

クラシックで重厚なイメージのあるモンブランの筆記具のなかで、若い世代に向けたコンセプトで2005年に発売が開始されたスターウォーカー。
 

 
透明なドームを天冠に配した独創的なデザインで人気の筆記具。
 

クラシックなモンブランも良いですが、たまにはモダンなモンブランも楽しみたいところ。
 

以前より使っているスターウォーカードゥエに加え、数年前にフルモデルチェンジを遂げたNEWスターウォーカーを入手しましたので違いやデザインの変化、使用感の変化などをレポートしていきたいと思います。
 

 

 

 

スターウォーカー新旧で変わった点

モンブランの筆記具の中ではモダンなデザインのスターウォーカー。
 

ラインナップはボールペン(油性)、ローラーボール(水性)、万年筆。
何故かメカニカルペンシルのラインナップがないスターウォーカーですが、これは後にも見ていきます特徴的なペン先の繰り出し機構からくる操作性が要因ではないかと思います。
 

発売から約10年に渡り愛されてきたスターウォーカーですが、2016年にフルモデルチェンジとなっています。
 

 
今回のデザインコンセプトは宇宙探査。
 

新しいスターウォーカーの最大の特徴である天冠のブルードームは、漆黒の宇宙空間から見た水をたたえる地球のように 透き通った輝きを見せてくれます。
 

 
スターウォーカーにはカラーや仕上げの異なるモデルが幾つか存在し、
 

・ブラックレジンの胴軸にプラチナ仕上げトリムの「スターウォーカー プレシャスレジン」
・キャップやペン先がメタル仕様の「ドゥエ」
・ペン先、胴軸共に総金属の「メタル」
 

の他、
胴軸がブループレシャスレジンでデザインされた「ブルー・プラネット」。
こちらにも、
 

・ペン先がブループレシャスレジンの「ブルー・プラネット プレシャスレジン」
・キャップとペン先がメタル仕様のドゥエ、
・メタルギョーシェ模様が刻まれたボディに半透明のブルーラッカーを施した「ブルー・プラネットメタルドゥエ」
 

があります。
 

手元にあるのは、胴軸がブループレシャスレジンでペン先がメタルの「ブルー・プラネットドゥエ」。
 

モンブランの中でも珍しい、ブルーのプレシャスレジンは宇宙探査のデザインテーマにもピタリと沿った美しい仕上がり。
 

 
スターウォーカードゥエの新旧を並べてみました。
実は全長が違う新と旧。
 

新モデルの全長は135mm、旧モデルは138mmということで3mmの差があります。
パーツで分けて見てみてもペン先、胴軸、天冠のドームと、それぞれで長さと形が違うことが分かります。
 

旧モデルのスターウォーカー登場時にもその先進的なデザインに度肝を抜かれましたが、NEWスターウォーカーは更にデザインに磨きがかかっている感じがします。
 

 
中でも個人的に感心したのがクリップの根元からクリップリングにかけて斜めに入ったライン。
また、クリップの背も「いかり肩」から「なで肩」へ。
勘ぐりすぎですが、これは1970年代の伝統的なマイスターシュテュックのクリップデザイン(なで肩)へのオマージュでしょうか。
 

 
クリップリングは幅が狭くなり、ソリッドなシルバーからマットシルバーな加工へ。
ドームも楕円色が強かった旧モデルに比べて、丸みが増しています。
 

 
ペン先の比較。
グリップ部の中央にあった2本のラインは胴軸との堺へ移動。
よく見るとグリップ部のシルエットも違いがあり、膨らみの位置が胴軸寄りからペン先側へと変わっています。(これは後で詳しく見ます)
 

 
ホワイトスターは丸みのある旧モデルに対して、少し角が鋭角になった感じがします。
上から見るとドームの形が違うのも分かりやすいですね。
 

続いて、見た目では分からない部分で変わった点を見ていきましょう。
フルモデルチェンジということで、実は構造自体も変わっているのです。
 

 
ペン先部分を外してみました。
 

見て頂くと分かるとおり、新と旧では雄ねじと雌ねじの仕組みが逆です。
このことからも、モデルチェンジしたスターウォーカーが内部機構から見直され製造されている事が覗えます。
そして当然ではありますが、新モデルと旧モデルでは部品の互換性は無しとなります。
 

ペン先の部品は左の新モデルと右の旧モデルで形状に違いがあり、後述するのですが、このわずかな違いが筆記感に大きく影響する事になります。
 

旧モデルにあったラインも無くなり、より未来的でソリッドな印象を受けますね。
 

 
胴軸との接続部分。ネジが逆となっています。
新モデルの方が胴軸内深くまで金属を配しているのか、持ってみると全体的な重さが分散されているように感じます。
 

フルモデルチェンジと言うだけあって、デザインに止まらず内部機構までも見直した新しんスターウォーカー。次項ではディティールを詳しく見ていきます。
 

 

スターウォーカー ブルー・プラネットのディティール

続いて、スターウォーカー ブルー・プラネットのディティールを見ていきます。
 

 
宇宙飛行士のヘルメットのようにも見えるクリップ周りと天冠。
この写真だけでも既に様々な情報が映り込んでいますが、一つずつ見ていくとしましょう。
 

 
クリップの付け根、クリップに向かって右側にシリアルナンバーの刻印があります。
モンブランのシリアルナンバーではお馴染み9桁のアルファベットと数字の組み合わせ。
フォントも独特で、モンブランの筆記具以外ではなかなか見ることがありません。
 

 
クリップの裏には「Made in Germany」のデボス加工(凸加工)の文字と、ドゥエやソリテールではよく見られる「METAL」という素材のデボス刻印。
 

マイスターシュテュックではキャップリングの表側に配置される事が多い刻印ですが、スターウォーカーではキャップの裏に配置されています。
 

 
モンブランの中では太軸の部類に入るスターウォーカー。
先に向かうにつれて内側に湾曲するクリップのシルエットが非常に美しいですね。
しかし残念ながらバネは仕組まれておらず操作感はとても硬いです。
 

こちらのクリップの注意点として、メンテナンスをこまめに行わないとすぐに劣化してしまうこと。
ユーズドのスターウォーカーにおいて、新旧どちらのモデルにおいてもこのクリップ劣化した個体が非常に多いです。
 

スターウォーカーのクリップ劣化の特徴としてプツプツとした錆が浮かんでくる事。
これは何故かは分かりませんが、マイスターシュテュックにはそれほど頻繁に見られるものではないのですが、スターウォーカーにはとにかく多い。
 

ユーズドを手に入れる際はチェックした方が賢明ではないでしょうか。
 

 
クリアドームのディティール比較。
左から、旧ドゥエ、アーバンスピード、新ドゥエ(ブルー・プラネット)。
 

アーバンスピードはクリップの赤いラインとプリン型のドームが特徴的。
同じスターウォーカーでも、コンセプトによって特徴となる部分が大きく違うところもマイスターシュテュックと異なるところ。
 

 
アーバンスピードのみローラーボール。
艶やかなブラックも良いですね。ブルー・プラネットは爽やかなブルーがまた格好いい。
 

次項では肝心の書き味について書いてきます。
 

 

筆記バランスと書き味

さて、NEWスターウォーカーの書き味について。
見た目も重要ですが、筆記具にとって一番重要なのは書きやすいかどうか。
 

重心バランスについては、旧スターウォーカー ドゥエと同様にフロントヘビーとなっており、スターウォーカーらしさが溢れています。
 

旧モデルに比べると少し重さが分散されたかと感じる新モデルですが、2本を持ち比べて初めて感じる程度であって基本は変わっていません。
 

このフロントヘビーについては置いておいて、新スターウォーカーは書きやすいのかという点について。
 

 
結論から言うと、NEWスターウォーカー「ドゥエ」に限って言うと「扱いが難しい」といった感想となります。
もちろんこれは個人的な感想であって、万人がそうではないと思いますが…。
 

扱いが難しいと感じる点は大きく2点。
 

まず1点目は、グリップのし難さ。
これにも2つの要因があり、1つは「仕上げによる滑りやすさ」、もう一つは「グリップ部の形状」です。
 

仕上げによる滑りやすさについては、想像して頂きやすいかと思います。
旧スターウォーカードゥエは、軸に対して横向きに入る細かなラインにより滑りやすさは緩和されていましたが、新スターウォーカードゥエはつるんとした鏡面仕上げにプラチナコーティング。
 

 
これに「グリップ部の形状」が合わさって、結果、保持のし難さに繋がっていると言えます。
 

グリップ部の形状は旧に比べて新の方がデザイン的な膨らみが大きく、これが“保持できるポイントが少ない”という事態を招いていると考えます。
 

 
膨らみの頂点をドンピシャで握らない限り快適なグリップを得られないのです。
(手を洗った直後で指紋が新鮮なときはまだマシ)
 

膨らみよりペン先を握ると保持する力がペン先に抜けていき、書いていると指がペン先の方へ滑っていきます。また、膨らみより胴軸側を握るとペン先からグリップ部が離れすぎてしまいペン先を立てて書くのが難しくなる。
 

といった具合に、2つの要因が快適なグリップ感・筆記感を邪魔していると感じてしまうのです。
 

2点目として、口金から出るリフィル繰り出し量の小ささ。
 

 
口金から出るリフィルの繰り出し量が小さいとどうなるかというと、いざ筆記する際にペンポイントが見にくくなるということ。
 

これは同じモンブランの純正リフィルでも、どういうわけかリフィルの製造年代によって(?)繰り出し量に差があり、リフィルによっては快適なものもあるのですが…。
 

口金の加工が細くなればなるほど文字を書くときの視界が開けるため、書いた文字を確認しつつ書き続けることができますが、口金が太いとそうもいかなくなります。
 

 
新モデルと旧モデルのペン先を並べてみました。
新モデルの口金の方が金属の厚みが増しています。
 

厚みが増す=自分の視点で紙に向かってペンを構えたときに、ペンポイントが隠れる範囲が増えるということ。
まあこれを気にする方がどれだけいらっしゃるか ということもありますが、個人的には非常に気になる点のため挙げさせて頂きました。
 

先進的な見た目は100点なだけに 扱いが難しいのは少し残念ですが、これはスターウォーカーへの愛情で乗り切るしかありません!
 

 

リフィルアダプター「MB-01」を使って書き味を変える

グリップ部の形状と仕上げについては自分で改良することは難しいですが、ペン先の繰り出しについては「リフィルアダプターMB-01」を使って改良することができます。
 

 
リフィルアダプターMB-01はモンブラン純正リフィルに変わり、4C芯を使うことが出来る商品。
アダプタ部分は金属製で、その先に4C芯を差し込んで使います。
 

モンブランではマイスターシュテュックのような回転繰り出し式のボールペンをはじめ、特別生産品のヘリテイジエジプトマニアのようなノック式に、そしてもちろんスターウォーカーでも使用可能。
 

 
リフィルアダプターMB-01は2つのパーツから成っており、シルバーの部分を捻ることで全長を調整することができます。
これを利用して、分厚い口金に隠れてしまうリフィルを改善しようという試み。
 

 
上がリフィルアダプターMB-01+4C芯。
下が純正のモンブラン油性リフィル。
 

4C芯の形状にもよりますが、このようにリフィルの繰り出し量を調整することで自分にとって快適な筆記感に近づけることができるのです。
 

しかし、注意点として4C芯は手軽に手に入る反面、内蔵されているインクの容量が少ないため長期間の利用に堪えないということでしょうか。
 

私もよほどの事が無い限りモンブランの純正リフィルを使用し、今回のようなことがあった場合のみリフィルアダプターMB-01を使います。
 

ここはうまく使い分けたいところですね。
 

 

さて、今回はモンブラン スターウォーカー ブルー・プラネット ドゥエをもとにフルモデルチェンジを遂げた新スターウォーカーを比較してみました。
 

未来的なデザインはさらにブラッシュアップされ、野暮ったい部分がまるでない洗練されたデザインに。
 

青い胴軸と美しいブルードームの天冠は、月から見た青く美しい地球の稜線をイメージさせてくれます。
 

 
▲特にJFKモデルとのデザインマッチングが素晴らしいため、この2本のペアで持ち出すことが多い。
 

一方、書き味や使い勝手については少しクセがあるため、プラチナコーティングの軸が個人的に滑りやすいという方はペン先がプレシャスレジンのモデルを手にされる方が良さそうです。
 

プレシャスレジンの軸+リフィルアダプターMB-01の併用でかなり快適に筆記できるようになるのではと感じます。
 

普段はクラシックなモンブランを使うことが多いですが、進化を続けるモダンなモンブランも良いものです。
 

それでは今回はこの辺で。
最期までお読み頂きありがとうございました。

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