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コスパの高いボールペンなら日本製!パイロット カスタム ヘリテイジ91 ボールペン レビュー 【カスタムは91にするか74にするか】

2021年9月10日

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皆さんこんにちは。

 

今回はボールペンの記事です。

仕事用にちょっといいボールペンをお考えの方に、選択肢に入れて頂く事をお勧めするボールペン。

 

ボールペンと聞いて思い浮かべるメーカーはどこでしょう。

海外メーカーの高級ボールペンはその価格や凝った軸のデザインから、世間一般に憧れの筆記具ように扱われることがありますが、実は日本のメーカーのボールペンも負けてはいません。

 

日本のメーカーのボールペンは軸に派手さこそありませんが、そのベーシックなデザインの中に使いやすさへの拘りが見られる、言うなれば「誠実な筆記具」と言えます。

また、使用する油性インクの研究は世界的に見ても進んでおり、リフィルの性能が良いのはお墨付き。

 

「快適に書くという事=軸とインクのバランスである」と気付かされるのが日本製のボールペン。

 

 

以前にパイロットカスタム74ボールペンのレビューをしましたが、今回はその兄弟モデルである「パイロット カスタムヘリテイジ91 ボールペン」をレビューしていきます。

 

カスタム74とカスタムヘリテイジ91、この2本を手に取り使ってみて同クラスのボールペンであることは間違いないのですが、デザインに至っては随所に差別化が図られています。

 

価格が税抜き1万円でありながらレジンの質感や回転繰り出し動作、インク性能が高いレベルでまとめられていて非常に高コスパなボールペンとなっています。

 

今回は兄弟モデルのカスタム74と比較しながらカスタムヘリテイジ91の魅力に迫っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

【カスタムヘリテイジ91ボールペンのラインナップについて】

まず押さえておかなければならない点が、カスタムヘリテイジ91もカスタム74も同じ商品名でキャップスライド式(キャップノック式)と回転繰り出し式の2種類があるということ。

 

型番は

回転繰り出し式が「BKVH-1MR

キャップスライド式が「BKVH-5SR

となっていて、

 

価格は回転繰り出し式が1万円(税抜き)、キャップスライド式が5千円。

※キャップスライド式はちょうど1年前の20191月にデザインがリニューアル

 

 

カスタム74の場合もそうですが、キャップスライド式と回転繰り出し式の価格差5千円は やはり質感や造りの違いに大きく現れています。

ボールペンとしての重みや質感は回転繰り出し式のBKVH-1MRの方が良く、価格差以上の所有満足感を得ることができます。

 

 

 [参考] 左からモンブランマイスターシュテュック#161、カスタム74、カスタムヘリテイジ91、カスタム74(伊東屋モデル)

 

所有満足感だけでいうと上位モデルの「カスタムURUSHI」や「CUSTOM 切子」の方がまた数段上ではあるのですが、コストパフォーマンスという観点で見ると回転繰り出し式のカスタムヘリテイジ91やカスタム74の方が優れていると言えます。

 

それでは、カスタムヘリテイジ91とカスタム74の違いは一体何なのか。

 

ひと言で言うとキャップデザインとトリムのカラーなのですが、カスタム74の仏壇カラーや玉クリップがちょっと苦手でもパイロットの書き味や質感は好きという方には、カスタムヘリテイジ91はピタリとハマるのではないでしょうか。

 

それでは次の項でカスタムヘリテイジ91とカスタム74を比較していきましょう。

 

 

 

 

【カスタムヘリテイジ91とカスタム74のデザインを比較する】

前述したようにカスタムヘリテイジ91とカスタム74の一番の違いはキャップのデザイン。

 

カスタムヘリテイジというと平らにデザインされた天冠のキャップが特徴的です。

 

 

 

全体のシルエットから比較すると、天冠の形の違いだけで大きく印象が異なっていることが分かります。

ペン先を収納した状態の全長はほぼ同じ(ヘリテイジ91の方が1mm短い)で、デザイン的な違いは天冠・クリップ・トリムの3点。

 

※パイロットHPのスペックではペン先を出した状態でヘリテイジ91の方が全長が3mm長い()のですが、手元の2本ではカスタム74の方が2mm長いです。

 

 

カスタムヘリテイジ91のキャップリングの刻印は「CUSTOM HERITAGE 91 ★ PILOT JAPAN ★

しっかりと墨入れされていることで高級感が増しています。

ちなみにキャップスライド式のカスタムヘリテイジ91との見分け方は、このキャップリングの刻印に墨入れがあるかないか。

 

 

 

カスタム74がダブルで、ヘリテイジ91がシングルとなっています。

カスタム74が兄貴、ヘリテイジ91が弟といったところでしょうか。

 

 

クリップの違いは見ての通り。

剣先型のヘリテイジ91と玉クリップのカスタム74

クリップの形状の違いの他、カスタムヘリテイジ91のクリップには「PILOT」の刻印がありません。

 

 

クリップを真横から見比べてみるとクリップ先の違いも明らか。

ヘリテイジ91のクリップ先は一般的なボールペンや万年筆と同じで半月型。

改めてカスタム74の伝統的な玉クリップはオリジナリティ溢れるデザインだということが分かりますね。

 

 

 

クリップリングの真ん中が膨らんだようなデザインなのはどちらも同じですが、天冠の形状が180°異なっています。

 

 

天冠は単に平らな処理ではなく、円形の飾りがあり立体感が出ています。

この円形の立体感は良い仕事していて、クリップリングとキャップリングの膨らみと絶妙にマッチしているのです。

 

 

 

【カスタムヘリテイジ91の繰り出し機構とリフィルについて】

カスタムヘリテイジ91とカスタム74の繰り出し機構を見比べていきます。

 

 

 

画像でも分かる通り、この2本については同じ回転繰り出し機構が採用されています。

胴軸側も同じ真鍮製のネジ切りとなっていて、キャップと合わせた時のねじ込み感も同じ。

 

このキャップと胴軸のねじ込みの固さ(というか粘り具合い)は他のヨーロッパ製ボールペンとはひと味違った操作感でクセになります。

何というか、精密感を感じる嵌め心地と言いましょうか。嵌めた後のキャップのカタつきなども皆無。

 

また、胴軸側の真鍮製ネジ切りパーツが程良い重みを加える役割をしていて軸全体のバランスが良いです。

 

 

ついでに、カスタム74レビューの時にベタ褒めしていた胴軸の樽型加工はカスタムヘリテイジ91でも味わうことができます。

 

ペン先側に行くほど太くキャップ側に行くほどシェイプされた独特の樽型胴軸は、親指と人差し指の腹に吸い付くように寄り添ってくれるため指への密着感が高くなるのです。

 

極端に言うと毛筆の筆を握るような感覚でしょうか。

自然と余計な力が抜けるようになっています。

 

 

リフィルはパイロットアクロインキの「BRFN-30」。

字幅は中字(M)・細字(F)・極細字(EF)3種類です。

 

 

先ほどヘリテイジ91とカスタム74の回転繰り出し機構は同じと書きましたが、リフィルを装填してペン先を出すと、なぜかヘリテイジ91の方の繰り出しが長くなります。(リフィル交換しても同じ)

 

ということは回転繰り出し機構の内部がヘリテイジ91とカスタム74で若干違うということになるのかも知れませんが、これが個性なのかたまたまなのか 分解するわけにもいかず実際どうなのか分かりません。

 

 

 

【やはり素晴らしいパイロットのインク性能】

 

仕事をしていて海外メーカーの高級ボールペンの書き味が苦手、という方をお見かけすることがあります。

 

しかし、書き味が苦手というのは決して軸が握りにくいということでは無く、油性インクのもつ“クセ”が苦手という方がほとんど。

 

昔からボールペンで使われている油性インクは速乾性という特性上、インクの粘度が高くなっています。

インクの粘度が高いということは同時にかすれやすくなるということでもあります。

 

書き始めにインクが着いてこなかったり、筆記中(特にペン先の向きを変える時)にかすれが生じることがよくあります。

(まあ、そこも含めて油性インクの“味”ですので、逆にそれが好きだったりするのですが…)

 

最近の低粘度インクブームもあって油性インクを敬遠される方も多いのが現状です。

 

 

 

ただ、そのような油性インクの欠点をも克服しているのがパイロットの「アクロインキ」。

 

書いてみるとスルスルと気持ちよく線が書けて、一般的な油性インクに比べかすれることがほとんどありません。

 

カスタムヘリテイジ91やカスタム74は大容量アクロインキの替芯「BRFN-30」に対応しています。

このBRFN-30が非常に書きやすい。

 

 

インクの色もクッキリとした濃い黒で視認性も抜群!

また、ぬらぬらと滑り出すインクはかすれる事を知りません。

 

 

持ちやすい軸に書きやすいインク。

カスタムヘリテイジ91ボールペンは誠実なデザインに加え 握りやすさ×かすれないインクの性能で、人がペンを握り書くという行為の大切さを教えてくれているような、そんな気がしてなりません。

 

 

さて、今回はカスタムヘリテイジ91ボールペンをカスタム74と比較しながら見てきました。

 

誠実で爽やかな印象を与えるカスタムヘリテイジ91と、使う者に貫禄を感じさせるクラシカルなデザインのカスタム74

 

見た目は違えど書きやすくするために考え練られた胴軸形状と、アクロインキのぬらぬらな書き心地は共通するものがあり、筆記具としてのクオリティーはそのままに2種類のモデルから選べるようになっていることにパイロットの心意気を感じます。

 

仕事ができるようになってきた自分にちょっといいボールペンを。

そんな時、きっとカスタムヘリテイジ91は値段以上の働きをしてくれることでしょう。

 

それでは今回はこの辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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