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夏はモンブランの4色ボールペン+単色1本の編成で軽やかに立ち回る!【MONTBLANC Pix-O-matとシャーボXの比較等】

2021年8月23日

最近、「筆記具の機動力」について考えることが多いです。

 

機動力と言っても、もちろんガンダムのような推進力的なものではなく、筆記具で言うところの持ち運びしやすいとかすぐに書き出せるとか…。
ようは「書きたいという欲求発動からペンを手に取り、書きたいものを書くまでの時間」の時間短縮的なものを指します。

 

何故こんなことを考えるかというと、夏は軽装なのでそれに合わせてなるべく手持ちを減らしたいからという感情に行き着く訳ですが、どちらかというと使いたいペンはクラシックなデザインが好みなため 長く書き続けたいと思うとどうしても単色ボールペン数本がメインになってしまうのです。

 

そうなるとカヴェコスポーツのようなコンパクトな筆記システムを数本(コンパクトな3本差しペンケースに入れて)持ち歩くか、私はあまり頻繁に使わないのですが「多色ペン」を持ち出すかということになりますね。
カヴェコスポーツの使いやすさは言うまでも無いのですが、私が多色ボールペンを頻繁に使わない理由として、インク容量の少なさが挙げられます。
国内メーカーの一部や海外筆記具メーカーのほとんどは4C芯を使うため、どうしてもインクタンクの容量に不安が残るのです。

 

ペンというわずか軸径10mm~15mm程度の筒に異なる色のリフィルを入れようと思うと、リフィルの容量を削るか、逆にインク容量を上げるならペンをもっと太くする必要がでてきます。

 

実際に使っていてもインク切れは突然やってきますので、4C芯自体がコンパクトでスペア芯が嵩張らないとはいうものの、筆記時に交換しなければならないという手間は発生してしまいます。

 

それでも、身軽になりたいときは多色ペンを使いたい!ということで、今回は多色ボールペンの記事。
しかもなるべくコンパクトに持ち運びたいという軸はブレずにいきたいと思いますので、最近のモデルではなく、ヴィンテージの中に「コンパクトな多色ボールペン」を見いだしていきます。

 

今回のボールペンは、
「MONTBLANC Pix-O-mat(モンブラン ピックス・オ・マット)」
 

 
この名前の中にある「mat(マット)」と言う文字。
確か、カヴェコのディア(Dia)の多色ボールペンにもついていた文字です。

 

そのまま訳してしまうと畳とか敷物(マット)になってしまうのですが、おそらく「match」から来ていて、配合、合わす、合わせるといった意味ではないかと思います。(考察のため違う可能性あり)

 

それでは、身軽になりたい時になぜヴィンテージのPix-o-matが必要なのかを考えていきましょう!

 

 

 

 

【MONTBLANC Pix-O-matのデザインと使い方】

MONTBLANC Pix-O-matは1960年代の多色ボールペン。このクロームプレートに12角柱のモデルの型番はNo.101。約60年前の代物ということになります。
60年も使い続けられるモノが他にあるかと考えると、丁寧にメンテナンスされ続けた車か、マニュアルカメラか機械式時計くらいではないでしょうか。

 

そう考えると、筆記具の道具としての機構のシンプルさと素材の多様性、保管のし易さは特に後世へ残しやすい性質なのかも知れません。
(そうするとペンでいうところの1960年代はヴィンテージと呼んで良いのかと思うくらい若い)

 

50~60年代にかけてのモンブラン多色ボールペンは、主流のスライドレバー式からキャップスライド式に変わり一世を風靡していた時代。
 

 
そのためいくつものバリエーションが発売され、今回のクロームプレートにバーレーコーンのモデルもその中の一つとなります。

 

いつかはシルバー925製のモデルや、さらに前のスライドレバー式のモデル(特にこれは重量/精密感もあるためかなりそそられます!)も欲しいところ。

 

胴軸は真鍮ボディにクロームプレート。
この年代の真鍮ボディは現代のカヴェコスペシャルブラスのように分厚い真鍮ではなく薄く造られており、重量も見た目に反して21gと軽いのが特徴。
 

 
▲左はファーバーカステル伯爵コレクションのギロシェ。

 

この軸の柄はバーレーコーンと呼ばれていますが、グレンドージュやギロシェとも似ています。
どちらも実った穀物のような見た目からそのように呼ばれていて、今では珍しい柄ですが昔のペンにはこういった模様がよく使われています。
 

 
クリップは短めでシンプルな造り。
クリップ先は面が設けられておらず、矢印の両端を潰したような設計です。
 

 
キャップの刻印は「MONTBLANC Pix-O-mat」。
このモンブランの字体がクラシックでお気に入りです。Pixの文字は現行のマイスターシュテュック等にも刻印されていて、ある意味ブランド名のようになっています。
 

 
Pix-O-matのバリエーションは幾つもありますが、初期のノブレスやハンマートリガーボールペン(#281等)のようなフラットな天冠のものや、2桁シリーズに見られるカーディナルハットと呼ばれるデザインをしているものがあります。

 

カーディナルハットは以降モンブランの「主要」となるデザインのためそのように呼ばれているのではないかと推測しますが、レジン製の黒い天冠に白いホワイトスターはいかにもモンブランで可愛いですね。
 

 
モンブランのNo.22のデザインを踏襲したと言われているカーディナルハットということで、No.22(万年筆)と比較してみるとなるほどと。
 

 
▲クリップ上には「GERMANY」の刻印。

 

クリップからちょこんと頭を出すような短めの天冠はフラットではなく傾斜があり、このデザインは後の一部の作家シリーズやドネーションペンといった限定モデルにも使われています。

 

続いてMONTBLANC Pix-O-matの使い方。
 

 
特徴的なキャップトップには4つの色がマーキングされていて、操作性の良さに一役買っています。
冒頭でも書いたとおり、このモデルはスライドレバーからキャップノック式に変わった後のモデル。
ということで、胴軸内部のプロペラにより出す芯を選択する振り子式となっています。
 

 
振り子式は出したい色のマークを上面に持っていきキャップをノックすることで芯を出す機構。
ようはラミー2000の4色ボールペンのような操作感です。(あれはノックボタンですが)

 

出したペン先を仕舞う時は、ペン全体を立てて軽くノックすれば軸内に仕舞われます。

 

これを繰り返してペン先を出したり仕舞ったりという具合いなのですが、慣れてくるとペンを横に向けなくても少し傾けた状態で思い通りの色が出せるようになってきます。
 

 
これがなかなかに使いやすくて、やっぱり一本で4色使えるメリットは大きいなーと感じるのです。
黒文字の印刷物に文字を書き込む際、黒いペンだとどうしても文面に溶け込んでしまい、どこが重要なのかわからなくなります。

 

そんなとき赤や青のボールペンがあると強調したい部分や重要なコメントを引き立たせることができますが、それが1本でできる機動力は素晴らしいです。
あとはインクがもつ4C芯があれば…!といったところです。
 

 
4C芯を交換する場合は、交換したい色を出す場合と同じ動作でキャップをノックしたまま保持し、そのままペン先からリフィルを引き抜きます。
 

 
そしてそのまま新しいリフィルを装填。
普通のキャップノック式ボールペンのようにキャップを捻って外そうとすると多分壊れますのでやらないように注意です。

 

 

【ヴィンテージ4色ボールペンのリフィルは今でも入手可能?】

ボールペンのリフィルというのは時代とともに変化します。
ヴィンテージの筆記具を入手する時に気をつけなければならない点は、対応するリフィルが現在も入手可能かどうか。
もしくは、現行品を工夫(加工)することで代用できそうかどうか。

 

ことMONTBLANC Pix-O-matにおいて、今も使われている4C芯が使用できるのは大きなメリットとなります。

 

しかし黒と赤のリフィルはまだしも、単品の青と緑のリフィルは普通の文房具店で見つけることが難しい状態。(もしかすると私の周りだけかも知れませんが…)

 

ブルーブラックなどの魅力的なインクが豊富なゼブラの4C芯は通常の4C芯に比べ軸径が太いため使えないとなると、青と緑はどうしよう…ということになります。

 

そんなときにお勧めなのが、ラミー20004色ボールペンで使われる4C芯。
4C芯という規格や黒・赤・青・緑というカラーまでピッタリなのです。
 

 
ラミー2000の4色ボールペンは今も現役で販売されていますので、今後のことも含め一番安心して買い足せる4色芯ではないでしょうか。

 

しかも4本セットで1500円程度。
Amazonであれば注文から2~3日で届くため、文具店を探し回る必要がありません。
 

 
ラミーM21リフィルの良いところとして、ペン先にそれぞれのカラーのペイント(樹脂コーティング)がしてあること。
これ、地味に良い仕事してるんですよ!
 

 
Pix-O-matに装填してペン先(グリーン)を出した状態です。
このようにペン先から出ているリフィルの色が確認できるので、ノックを行う際にキャップの方に目をやる必要が無いわけです。いわゆるペン先だけ見るブラインドノックが可能です。

 

これが着いていない振り子式の多色ボールペンだと、書いてみないと希望の色がちゃんと出ているか分からないという事態に陥りがち。
この辺りのミニマルな機能性はさすがラミーといったところですね。

 

書き味はどうでしょう。
ということで、色を変えながら適当に書いてみました。
 

 
ラミーM21リフィルの少し残念な所は、書き出しが若干擦れること。
連続した筆記の場合は気になりませんが、久しぶりに書く時は何回か文字をなぞる必要があります。

 

Pix-O-matの使い心地は書いてある通りなのですが、12角柱の軸は色を切り替えながら使うことを想定してか操作しやすく、さらに21gと軽いため快適な操作感。
ラミー2000のように丸軸も良いですが、この12角柱という所がいかにもモンブランらしいではないですか。

 

 

【使うならシャーボXかピックスが良い理由】

さて、ここからは話を戻して、4色ボールペンの「機動力」について書いていきたいと思います。

 

私自身そこまで毎回使うことがない4色ボールペンですが、サイズ・重量・使い勝手の良さで出番の多い2本
が、今回のPix4色ボールペンとゼブラのシャーボX(LT3)。

 

Pix-O-matは言うまでも無く多色ボールペンの「モンブラン」であること。
うーむ、モンブランといえばクオリティの高い単色ボールペンなのですが、4色ボールペンも大きくデザインを損ねていないところがいいんですよね。
 

 
天冠にホワイトスターがあるだけでワクワクしてしまいます。(ちょっと病気かも知れないです…笑)

 

シャーボXは就職してから初めて買った(と言っても数年前ですが)多機能ペンで、そのコンパクトさとミニマルなデザインは今も他の追随を許していないと思います。
カラーは当時の限定色であるハーブグリーン。

 

LT3はシャーボXの中でも一番細軸でコンパクトとなっていて、しかも軸全体が金属(真鍮)製。
デザインもシンプルで美しいため、コンパクトなガジェット好きならお勧めできる多機能ペンです。
 

 
ゼブラのシャーボX(LT3)とPix-O-matを並べてみると、全長がピタリ。
太さはPixが4色ボールペンでシャーボX(LT3)が3色ですのでPixの方が少し太くなりますが、同じ全長で太さもほぼ変わらないというコンパクトさ。

 

どちらも総金属軸ですが、重量はシャーボX(LT3)の方が重く23g。
といってもその差わずか2g。重量バランスはどちらもリア寄りで、Pixの方は胴軸側がほぼ筒のため軽く感じます。

 

 

ついでにシャーボXを少し詳しく見ていくとしましょう。
 

 
シャーボXのデザインはモダンでエッジの効いたシルエットに、限定色は胴軸がマットな塗装でクリップがグロス塗装となっています。
 

 
ペン先の繰り出し機構は回転繰り出し式。
キャップという概念がなく、胴軸真ん中あたりの「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」を切り替えて機能を選びます。
切り替え動作も滑らかそのもの。

 

ボールペン2、シャープメカ1という組み合わせは固定ですが、ゼブラボールペンの4C芯は中間色もあり、バリエーション豊か。
シャープメカも0.3mm、0.5mm、0.7mmの3種類から選ぶ事ができるので、好きな字幅・好きなカラーを自由にカスタマイズできると言っていいでしょう。
 

 
ブルーブラックのボールペンが選べるのもゼブラの良いところでしょう。
ペン先にはラミー同様にカラーのペイントがあり、何色を使っているかが一目瞭然。
 

 
リフィルの交換は胴軸真ん中を外して行います。
ネジ切りもそうですが、総金属製ということで精密感も抜群。
この状態でリフィルを引き抜いて交換します。
 

 
天冠側はネジを回して外すことで消しゴムが現れます。
この小さな消しゴムはシャープペンの宿命でもありますが、精神安定剤としての役割であって、いざという時の実用以外には向きません。

 

グロス塗装のクリップ側面には「JAPAN」の刻印。
実はこのクリップもちゃんとバネ式になっていて快適な操作感となっています。

 

ということでシャーボXをついでに詳しく見てきましたが、コンパクトでデザインもよし、造りも良しとなかなかの名品です。
 

 
今年の夏はこのシャーボX(LT3)かPix-O-matどちらかにプラスして単色のクラシックなボールペンを1本持ち歩いています。
1本で多色使える安心感。これは大きいです。
 

 
ところで、巷では既知の事実となっている「ゼブラ4C芯は他の4C芯とは芯径が違うため互換性がない」ですが、見比べてみてもどうも同じに見えます。
 

 
しかし、上から見ると0.0数ミリ単位で太くなっていて、通常の4C芯対応のペンに挿し込めたとしても軸側を傷めかねないためお勧めしません。ヘタすると軸側の受けが広がりガバガバになります。
(それでもゼブラの4C芯の魅力に取り憑かれた方は自己責任で…!)

 

 

【おまけ:インクの色合い比較】

さて、最後はおまけと言うには多少ボリューミーですが、お洒落な元祖多色ボールペンである「Bic4色ボールペン」のインクや書き味とPix-O-mat×ラミーM21リフィルを比較してきます。

 

まずはBic4色ボールペンの詳細から。
 

 
重量わずか12gという軽さに太軸の安定感。普段20g~30gのペンを使用している身からすると、綿毛のように軽いです。
4色ボールペンの走りとも言われるBic4色ボールペンはオフィスの頼れる味方。
これぞクーゲルシュライバーといったベーシックかつシンプルな出で立ちがお洒落です。

 

価格は税込みにして385円。
廃番になったBicオレンジも記憶に新しいですが、あの滑らかな書き心地を4色同時に楽しめるこのボールペンはファン必携ではないでしょうか。
 

 
軸の上部にあるレバーをスライドさせてペン先を出します。
脳が使いたいと判断した色のレバーを下げることで操作がダイレクトにペン先に伝わりその色が繰り出される、とても親しみ慣れた機構。
天冠部分にはストラップホールが付いていて、紐をとおして首からぶら下げるといったアクロバティックな使用も可能。
しかも何となくBicボーイの顔に見えなくもないのが面白い。
 

 
ボディにはBicボーイとロゴのエンボス。
昨今のエンブレムが巨大化する自動車のように大きく堂々たるロゴと、Bicボーイデザインのギャップが可愛いですね。
 

 
ロゴの対面には「MADE IN FRANCE」。
クリップの形状もデザインとレバー操作を邪魔しない、控えめ且つ最低限の機能が備わっています。
 

 
Pix-O-matと同じ黒・赤・青・緑の4色設定。
人差し指で黒と赤のレバー操作、親指で青と緑のレバー操作という棲み分けがなされています。
(左利きの方はその逆)
 

 
リフィルの交換は胴軸を捻って外し行います。
4C芯に比べるとかなりのインク容量を有しています!
インクが無くなったらリフィル交換も可能で、こちらも定価は4色セットで275円(税込み)。
非常にコスパの高い商品です。

 

それでは本題の書き比べです。
 

上がPix-O-mat×ラミーM21、下がBic4色ボールペンで書いた文字です。
 
どちらもインクの粘度は似ており、ザ・油性といった具合のヌラヌラな書き心地。

 

文字を拡大してみます。
 

 
色味はラミーM21の方がコントラストが高く、色も濃いめで文字がクッキリしています。
一方、Bicは少し退色系の色合いでコントラストも低め。

 

ハッキリ濃い色派はラミー、目に優しい枯れた色合い派ならBicがお勧め。

 

ただ、Bicは少しダマになりやすいと感じました。(「清」や「手」の文字を参照)
まあこれはリフィルの値段の差もありますので、Bicにこれ以上の完璧を求めてはいけません。
 

 

 

さて、今回は夏に使うなら機動力の高いヴィンテージの多色ボールペン!
ということでモンブランの「Pix-O-mat」をレポートしてきました。

 

比較をするうえでシャーボX(LT3)やBicも詳しく見たため、多少ボリューミーな記事になってしまいました。
(うーむ、脱線したと言えなくもない記事…)

 

仕事ではクールビスでワイシャツ、普段着もTシャツにポケット1つといった軽装になりますが、拘りのペンを持っていくならコンパクトな多色ボールペン1本とお気に入りの単色ボールペン1本という組み合わせがお勧めです。

 

ぜひこの記事を参考に、ご自身なりに機動力のあるペンの組み合わせを考えてみてください。

 

それでは長い記事になりましたが、今回はこの辺で。
 

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