2018.12.13 Thursday

美しさと書きやすさの同居!Penbbsの万年筆 「落日」レビュー

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    みなさんこんにちは。今年ももう残すところわずかとなりました。一年が過ぎるのは早いです。最近巷でよく聞く()ようになった「忘年筆」という言葉。皆さんも使っているでしょうか。この言葉、なんとも都合のいい言葉だと思うんですよね。万年筆というのは文字通り筆記具であることから一般的に何本も必要ない、そして他の筆記具と比べて少し値の張るところを考えると普通は次から次へと買うものではないのですが、何かしらの理由を付けて買ってしまおうという。特に私のように世帯がある者にとってどこにいくら使うのかは重要になるのですが、自分への最後の一押しとして「忘年筆」という言葉が活躍してくるわけです。まあ一年間頑張った自分へのご褒美と思えば良いのですが。いやはや実によくできた言葉だな、と。

    「これが最後」という言葉を幾度となく繰り返しながら増えていく万年筆(筆記具)なのですが、「忘年筆」は一年の締めくくりとして使われる側面もあります。要するに「忘年筆」という言葉を使っている=沼にハマっている、と考えて良さそうです。

     

     

    さておき、かく言う私も「忘年筆」という言葉を借りて今年最後の万年筆を購入しました。Pennbbsの万年筆308/266の「落日」です。Penbbsというと聞き慣れないメーカーですが、それもそのはず2005年設立というまだ新しい中国の万年筆メーカーです。中国製万年筆と聞くとあまり良いイメージを持たれない方もいらっしゃるかと思います。私もそうでした。この「落日」を使うまでは。

     

    購入のきっかけはその美しい軸色にあります。というか値段もそれほど高くない万年筆でしたので、ガンガン使うというより綺麗な軸の万年筆をコレクション用にと思って買ったのです。しかしながら実際に手元に置いて使ってみてその独特の書き味に正直驚いてしまった。良い意味で裏切られたのです。

    それではPenbbsの「落日」どのような万年筆か、他の万年筆と比較しながら見ていきましょう。

     

     

     

     

    Penbbs 308/266「落日」の胴軸】

    まずは胴軸からじっくり見ていきます。何といってもこの美しいマーブルレジン。

     

     

    名前からも分かるとおり、日が落ちる間際のブラウンに近い暗めのオレンジで落ちていく太陽に染められた空の色を、陽が当たらなくなった大地を限りなく黒に近い深緑のレジンの2色で見事に「落日」を表現しています。この空と大地のマーブルレジンの割合は2本として同じものはなく、それがまたこの万年筆の価値を高めているのではないかと思います。

     

    上から、マイスターシュテュック146、落日、カスタム74

     

    軸の長さは収納時で145mm。これはパイロットのカスタム74やモンブランマイスターシュテュック146とほぼ同じ長さ。一番ベーシックな長さですが、手に持ったときの収まりの良さと万年筆という道具を所有する満足感という点からはベストなサイズではないでしょうか。

    重さは20gと軽め。マイスターシュテュック14630g、カスタム7421gですので、持ち具合いはカスタム74をイメージしていただければ分かりやすいかと。しかし胴軸の形は先細りの樽型でマイスターシュテュック寄り(というよりセーラー/プロフィットに近い?)なのです。

     

     

    キャップリングには「Penbbs」とロゴの「P」、背面には型番の「266」が刻印されています。非常にシンプル。値段のことを考えると妥当なのかもしれませんが、ここはもう少し凝って欲しかったところ。クリップ自体は剣先のようなデザインで嫌みがありません。

     

     

    落日にインク吸入をしてみて感心したのが、首軸のネジ切りにOリングが設置されていて万が一のインク漏れに備えている点です。このOリングのお陰で首軸から胴軸を外す際、心地よい感触がありちょっとやみつきになりそうです。もっちりしている感触というか、胴軸内が密閉されていくような独特な感覚です。

    コンバーターは初めから装着された状態で、つまみの部分が円筒ではなく平べったくなっているため操作感はまるでラミーのコンバーターのようです。コンバーターの中には小さめのコイルのようなもの()が入っていて、使っている時にインクが首軸側に落ちていくように工夫されています。※写真ではコイルのようなものがインクに没していて見えません。

     

     

    【ペン先の比較】

    続いてペン先の比較をしていきます。比較に使うのは先ほどと同じカスタム74とマイスターシュテュック146、そしてペン先の形が少し似ているプロフィットST

     

    左から、マイスターシュテュック146、プロフィットST、落日、カスタム74

     

    並べてみると落日のペン先はスタンダードな万年筆と比べ少し大きめで存在感があります。長さだけ見るとマイスターシュテュック146と同等。大型のペン先はしっかりと筆圧を受け止めてくれます。ペン先の刻印は「PENBBSSINCE2005FChina」。刻印は少し薄い気がしますがインクに浸ける内にクッキリしていくのでしょうか。

     

     

    裏を見てみると、驚いたことにペン芯にはエボナイトが使われています。どうりでぬらぬら書けるわけです。このインクを吸ってチョコレートブラウニーのようにしっとりとしたペン芯がインクフローの良さに一役買っているのです。いやはや5000円前後の万年筆にしては凝った造りをしています。この落日の仕様からもPenbbsの本気度がうかがえますね。

     

     

    【書き味について】

    先ほどからぬらぬら書けるとかペン先に独特な「しなり」があると書いていますが、まさに字のごとく。落日を使って中華万年筆への見方がガラリと変わりました。スチールペン先なのですがタッチは柔らかく、今まで使った万年筆の中だとカスタム74の筆記感に似ていると思います。母国語が漢字であるためかインクフローが良いと言ってもペリカンのようなぬらぬら感とはまた違い、文字に緩急をつけやすいしなりがあります。

    海外の万年筆掲示板でもこの書き味についてはなかなか良い評価を得られているため個体差というわけでもなさそうです。私が使っていて一つ残念なことはペン先のインクが乾きやすいということ。使用したらなるべくキャップしないまま放置しない方が快適に付き合えると感じました。

     

     

    筆記感については百聞は一見にしかずなので、機会がありましたら一度試していただきたいものです。

     

     

    【まとめ】

    さて、今回は私の中でもいろんな意味で意外だった中国製万年筆であるPenbbs308/266「落日」をレビューしました。ネットにはあまり情報がないため参考にしていただければ幸いです。いろんな意味で意外だったというのは、まず一つ目が自分が進んで中国製万年筆を買ったということ。これは軸の美しさに惹かれたわけですが、ジンハオや英雄のような重々しいデザインではなく、あくまでお洒落に美しく、そしてラインナップによってはポップに仕上げられていることに好感が持てます。

    二つ目にその書き味。その昔、デュークの万年筆を買ったことがあるのですがとにかく書き味が固かった。まさにスチールといった書き心地で閉口した覚えがあったため、中華万年筆には手を出すまいと思っていました。Penbbsはまだ新しいメーカーということで、中華万年筆も昔とは事情が変わってきているということだと思います。スチールペンでありながらしなやかで固さを感じさせない書き味。これはビスコンティのスチールペン先の万年筆を初めて使ったときと同じ衝撃です。中国製万年筆侮るべからずですね。

    それではまた。


    2018.12.03 Monday

    胸ポケットに栄えるボールペン!【モンブラン シニアム ボールペン】

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      みなさんこんにちは。日に日に寒くなってきましたね。個人的に寒さは苦手で一日中布団にくるまっていたい派なのですが、ボールペンのトリムや金属軸の筆記具を使うときのヒンヤリ感は嫌いではないです。

      さて、今回は前回に続きボールペンのレポートです。前回も触れたとおり、仕事ではもっぱらジャケットの胸ポケットにマイスターシュテュック164×2本、内ポケットに万年筆1本なのですが、胸ポケットのボールペン1本をパーカー75にしたりオプティマにしたりオタントットにしたり、たまにデルタのヴィア・ヴェネットにしたりと気分によって持ち変えています。時にボールペンはビジネスマンの顔になる場合もありますので、先方にお貸しした時に使いやすいもの、そして自分が使っていて気持ちが良いものをその都度選びたいものです。

       

       

      モンブランやパーカーのボールペンは何が良いのかというと、スーツのジャケットの胸ポケットに挿したときに収まりが良いうえに、ポケットから絶妙に覗く天冠やクリップのデザインにより胸周りの見栄えが違ってくるところだと思います。モンブランならホワイトスター、パーカーなら矢羽クリップがジャケットの胸ポケットに合うのです。その点、天冠が平べったく黒一色のオプティマなどは胸ポケットの中では地味になりがちですが、ポケットから出したときの華やかさや意外性があるわけです。モンブランやパーカーの、胸ポケットに収まっているときから放たれる存在感というものは、自分の背筋を伸ばさせるというか、仕事に対しての緊張感を持たせてくれるアイテムなのです。

       

      さて前置きはこのくらいにして、その胸ポケットに挿すべき珍しいボールペンを入手したためレビューしていきたいと思います。

      そのボールペンとは、「モンブラン シニアム」。

      何が珍しいかというと今はもう廃盤になっているボールペンというだけなのですが、それ以外にも比較的新しい世代のモンブランボールペンでありながら極細の金属軸、マットブラックのカラー、そしてノック式という伝統モデルとは真逆と言える仕様の珍しいボールペンなのです。それではモンブランのシニアム ボールペンをみていきましょう。

       

       

       

       

       

       

      【シニアムのスペックとデザイン】

      まずはそのスペックとデザインから見ていきます。前書きでも触れたようにシニアムはブラスベースの金属軸。かなり細身のボールペンでありながら手に取るとズッシリとした重みを感じます。スペックはペン先を出した状態で全長13.5mm、軸径が8mm、重さが25g。

       

       

      見た目は非常にシンプル。胴軸やキャップはブラス素材にマットブラックの塗装が施され、クリップのシルバーとの組み合わせは爽やかな印象です。シニアムのデザインコンセプトは「究極のミニマリズム」ということでデザインを極限まで磨いでいることがうかがえますね。

       

       

      キャップは胴軸と比べて少し太めとなっていて、その先にはお馴染みのホワイトスター。このシニアムのホワイトスターがなんともお洒落なのです。触ったときの温度から天冠は樹脂製と判断。一見プリントしてあるように見える小ぶりのホワイトスターですが、拡大するとしっかり別パーツとなっていることが分かります。マットブラックの天冠にグロスブラックのサークル、その中に若干アイボリーなホワイトスター。マイスターシュテュックとはひと味もふた味も違ったミニマリズムの中にも遊びのあるデザインです。これを拝むだけでも買う価値があるかも知れません。

       

       

      最後にクリップを見てみると、樽型で大きめのクリップリングにはお馴染みの字体で「MONTBLANC」と3本のライン。「SCENIUM(シニアム)」というモデル名やシリアルナンバーは刻印されていません。クリップはかなり長細くクリップエンドには半円の止めが付いています。この止めですが、胴軸を傷つけないように胴軸に触れる部分には密かに黒い小さなクッションが付けられています。この部分の耐久性は不明ですが、ポケットに挿すうちにとれてしまわないか心配です。

       

       

      どうでもいい話ですがペン先の方を持ってクリップが見えないように写すと魔法の杖のように見えなくもないですね。

       

       

      【シニアムと他の細軸ボールペンとの比較】

      細軸で金属軸のボールペンと言えば、私は真っ先にCROSSのクラシックセンチュリーが思い浮かびます。ということで、クラシックセンチュリーと大きさ・持ちやすさ・筆記感を比較しつつ、同じモンブランの定番マイスターシュテュック164や部分的に他のボールペン等とも比較していきたいと思います。

       

       

      まずはCROSSのクラシックセンチュリーと比べてみます。長さは4mmほどシニアムが長いですが軸径は同じ8mmで素材も金属製(シニアムは真鍮、こちらのクラシックセンチュリーはスターリングシルバー)です。重さはシニアムの方が重く、特徴的なキャップの分ややリアヘビー気味。芯の繰り出し機構はシニアムがキャップノック式、クラシックセンチュリーが回転繰り出し式となっています。筆記感を比べてみるとクラシックセンチュリーの方が素材や表面処理もあってかやや握りやすい感じがします。シニアムは真鍮にマットブラックのラッカー処理のため指が乾燥気味だと滑りやすく、ウエットだと持ちやすくなります。

       

      続いて同じモンブランのボールペンであるマイスターシュテュック164と比較すると、長さは約1mmシニアムが長めですがほぼ同じ。重量はかなりの差があり、持ち比べると樹脂軸のマイスターシュテュックがものすごく軽く感じます。見比べてみると本当に同じメーカーなのかと思うほどデザインが180°違いますね(ホワイトスター以外は)

       

      左から、シニアム、マイスターシュテュックの164、146(万年筆)、149(万年筆)

       

      そのホワイトスターを見比べてみると、シニアムのスターはかなり小ぶりだということが分かります。色の違いも一目瞭然。

      操作感についてレポートすると、ノック感はかなり小気味よくスプリングの押し心地はなめらか。その感覚は慣れ親しんだパーカー75のノック感に近いです。ノックのしやすさは大きな天冠が一役買っており、こちらはカヴェコペンシルスペシャルのような安定感のある押し心地。何かいいとこ取りのようなボールペンです。細軸だからといってすべてを細くせず、デザインと操作感をうまく両立させている気がします。

        

       

      【シニアムのリフィル交換方法】

      このシニアムを手に取って一番不思議だったのがリフィルの交換方法です。通常、モンブランのボールペンのリフィル交換はキャップを時計回りにひねり外して中のリフィルを取り出すのですが、シニアムは短いキャップ部分をどちらの方向にいくら回してもクルクルと回るだけでキャップを外すことができません。キャップを上に引っこ抜こうかとも思いましたが、少し力を入れただけでは外れそうもないですし、思い切りやって壊れては元も子もないと思い断念しました。ネットに情報も無く、小一時間ほどキャップの外し方で迷った結果、ここは恥を凌いでモンブランのサポートセンターに聞いてみることにしました。

      問い合わせして事情を説明すると、廃盤品であるにもかかわらず確認して折り電していただけることに。モンブランサポートセンターの印象ですが、当たり前かもしれませんがすごく丁寧で、話した内容について確認を取りながら相談に乗っていただけたので安心して待つことができました。

      しばらくして折り返しの電話があり、回答を伺うと…

      キャップを上に力強く引き抜いてください、とのこと(!!)。電話で操作を聞きながら恐る恐る力を込めて上に引き抜くと…、

       

       

      抜けました!ノック式ボールペンはパーカー75で慣れていたのでノック式でもキャップを回して外すとばかり思い込んでいましたが、実際は「CROSSのように上に引き抜く」が正解でした!

       

       

      キャップを引き抜くと中からブラス素材のノックユニットが顔を覗かせます。ノックユニットにも「MONTBLANC-GERMANY」の刻印がありパーツが精密に組まれていることが分かります。

      さらにこのブラスのノックユニットを時計回りに回転させて外すとリフィルを取り出すことができます。この軸の太さにこのリフィル。胴軸内に余分なスペースは無くキッチリとリフィルが収まっています。この精密感…たまりませんな。

      モンブランボールペンのリフィル交換にしてはこれはなかなか斬新でした。キャップを引き抜き、ユニットを外し、リフィルを入れ替える。言ってみればマイスターシュテュッククラシックのメカニカルペンシルのような操作となります。

       

       

      【まとめ】

      今回はすでに廃盤となってしまったモンブランのシニアム ボールペンをレビューしました。クラシカルなモンブランのボールペンラインナップとはまた違った、シンプルで近代的な姿と、個人的に驚いたリフィルの交換方法を含め一風変わったモンブラン ボールペンに仕上がっていました。細軸のボールペンですので太軸好きな私的にはあまり頻繁に出番のあるものでもないですが、胸ポケットにそこはかとなく挿しつつ使っていきたいと思います。

      シニアムのラインナップですが、ボールペン・ローラーボール・ファインライナーの3種類があったようです。いずれも廃盤となっていますので、中古市場やデッドストックを見かけたらコレクションに加えるのも良いかもしれません。

      それでは今回はこの辺で。

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      2018.11.25 Sunday

      モンブラン マイスターシュテュック ユニセフ シグネチャー・フォー・グッドをリペア&カスタマイズする

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        みなさんは大切でお気に入りのペンが壊れた時、どうしていますか?

        リフィルが交換できない100円のペンならそのまま捨ててしまうでしょうが、このブログを読まれている方が持たれているようなペンならそうはいかないかと思います。今回は新しい筆記具のレビューではなく、筆記具のリペアおよびカスタマイズの記事です。

         

         

        事の発端は例のフリマサイトでいつものように何かお手頃なペンはないか探していた時です。格安で出品されているどこかいつもと違うモンブランのマイスターシュテュック164ボールペンが目に止まりました。よくよく見ると天冠部分が通常のものと違います。調べたところマイスターシュテュック・シグネチャー・フォー・グッドという限定のユニセフモデル。こういった限定モデルを見つけた場合、まずは冷静になってそのモデルが実在するものかを調べます。レギュラーモデル並みに限定モデルの偽物も多く存在しますので一旦冷静になることが非常に重要なのです。かといってフリマはスピード勝負のためのんびりもしていられません。調べたところ2009年モデルのマイスターシュテュック ユニセフ・シグネチャー・フォー・グッドであることが判明。キャップに大きなクラックが入っているのと出品画像では天冠の宝石がみあたりませんでしたが、掲載写真からある程度分解可能でネーム刻印あり、クリップリングには「GERMANY」とシリアルナンバー、2か所のPix®の刻印も年代と合致するため偽物の可能性は低いという判断をし急いでポチリ。

         

         

        手元に届いたマイスターシュテュック ユニセフ シグネチャー・フォー・グッド 2009年モデル (以降:ユニセフ2009)1980年代のマイスターシュテュック164。まじまじと見比べたところ、現行のマイスターシュテュック164とユニセフ2009のパーツの違いはどうやら天冠部分だけのようです。このユニセフ2009は予想通りかなりの痛みがありそのまま使うのは躊躇われる程でした。

         

         

        特にひどいのがキャップで、ネームは目立たないように文字の金色が抜いてあるものの反対側には縦に大きな亀裂。クリップにも歪みがありメッキ剥がれがあります。天冠にはこのモデルの特徴とも呼べるオリーブの葉の美しい彫刻がありますが、やはり中央のブルーサファイアが欠損していてありません。天冠が外れることは承知の上ですので早速クリップについては歪みを補正。他も一度分解してみます。

         

        左がユニセフ2009、右が80年代のクラシック164

         

        80年代のマイスターシュテュック164とユニセフ2009の繰り出し機構を比べてみると若干の違いがありますね。昔のマイスターシュテュックの方が造りがしっかりしている(というか部品が綺麗?)ように思いますがいかがでしょう。ちなみに構造は違いますが重さは同じです。

         

         

        キャップはキャップリングとクリップ裏に「Pix®」の刻印。この刻印は1991年頃から現行モデルに続く仕様となっています。※キャップにネーム刻印がありますので白棒で一部伏せてあります。

        おさらいとしてマイスターシュテュック164の1980年代と現行モデルの違いは、

         

        【1980〜90年代】

        キャップリング:MONTBLANC-MEISTERSTÜCK- 字体は製造年代によって細いタイプと太いタイプがある

        クリップおよびクリップリング:クリップ裏の刻印なし、クリップリングにはGERMANY刻印のみ

         

        【現行モデル】

        キャップリング:MONTBLANC-MEISTERSTÜCK-Pix®- 字体は太いタイプでPix®は筆記体

        クリップおよびクリップリング:クリップ裏にPix®、クリップリングにはGERMANYとシリアルナンバーのレーザー刻印

         

        ここまで見てきて思い立ったのが、無事な部分だけを手持ちのマイスターシュテュック164に移植するということ。残念ながら現行モデルのマイスターシュテュック164を持ち合わせていないのですが、80〜90年代のマイスターシュテュック1643本あります。その中の一本にこの天冠を移植できないかと思いました。同じモデルですが、仕様が少しづつ変更されているようですので現行の天冠パーツが80〜90年代のものに付けられるかは分かりませんが、とりあえずこのままユニセフ2009の美しい天冠を死なせておくわけにはいきませんのでチャレンジしてみます。

         

         

        とりあえず移植できそうなパーツは天冠。あとは以前から使っているマイスターシュテュック164の回転繰り出しが軋む感じがするので内部機構も交換候補です。それでは交換していきましょう!

        まず天冠ですが、比べると形状こそ違いますが天冠底面からのネジの長さは同じです。80年代のマイスターシュテュック164にもピッタリとはまります。専用の天冠ではないのでネジを最後まで締め上げると中央がズレてしまいます。これは内部機構を90度ずつずらして合わせるか、クリップがガタつかない程度まで緩めるか、薄いワッシャーを一枚挟むかすることで調整できそうです。

        天冠の通常版とユニセフ2009版の重量の差は0.3g程ですが、付けてみると意外とその差を感じます。少しだけ重くなったことが確かに感じられちょうど良い重さに。これはいい!!

         

        内部機構については、交換してみたところキャップ内部のレジンの形が違うのか適合しませんでした。しかしながら天冠の締め付けを調整したお陰かキャップを回転させたときの軋む感じは無くなったので、これはこれでよしとしておきましょう。今まで締めすぎていたのでしょうか。

         

         

        天冠の交換がうまくいったところで、次に何とかしたいのが真ん中にあるはずのブルーサファイアです。さすがに欠損していて手元にないものですので、この穴に合うものを探すしかありません!定規で天冠の穴の直径を測ったところ約1.71.8mmほど。カラットに換算すると0.0240.026ctsくらいのものでしょうか。ネットでのSFG天冠の画像検索結果と穴の形からラウンドカットのブルーサファイアがはめ込めそうです。

         

        あとは困ったときの某オークション。大体の品は出品されていますので色々品定めをしてみます。最小で0.2cts辺りの出品はいくつかあるのですが、なかなか0.1ctsを切るサイズの出品がありません。いや、それでも諦めるべからず。某オークションは検索結果からお勧めの商品を表示してくれる便利な機能?があります。約一日ほど暇を見て某オークションサイトを覗いていると

        来ました来ました!0.024ctsのブルーサファイア!商品説明と評価からも品質良しで信頼できそうな出品者様のようです。そうと決まれば早速ポチリ。

         

         

        数日後、手元に届いたブルーサファイア。あとはこれを穴に接着するだけの楽しいお仕事です。接着面を綿棒で綺麗に掃除し、粘度の高い接着剤を用意。細かい作業になりますので接着剤は針の先に少しだけ付けて慎重にサファイアを置いていきます。

         

         

        かくして、本来あるはずの無い80年代マイスターシュテュック164のユニセフモデルが出来上がったわけですが、これはこれでモチベーションが上がりますね。これを現行のPix®モデルでやるとユニセフ2009が完全復活するわけですね。実は私の職場にはマイスターシュテュック164を使っている人間が私を含めて3人いる(一人がプラチナ、私ともう一人が80年代の164クラシック)のですが、その差別化という意味でも成功と言えるのではないでしょうか。

         

        さて、今回はボールペン(部品)のリペアとカスタマイズの記事でした。万年筆のカスタマイズや修理は難しいですが、ボールペンは構造もシンプルですし比較的簡単に直すことができます。保証切れの愛用筆記具が壊れてしまった場合、引き出しにしまうのではなく自分の手で直してみることもまた長く使い続けるための一つの手段ではないかと思います。

        それではまた。


        2018.11.22 Thursday

        デルタの万年筆レビューその参 【SEA WOOD】

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          みなさんこんにちは。今月はデルタ月間ということでドルチェビータ、スクリーニョと順に紹介してきました。今回もデルタ社追悼と表してデルタの万年筆をレビューしていきます。

          デルタと言えばフラッグシップのドルチェビータを筆頭にその美しいマーブルレジンの胴軸が真っ先に思い浮かびますが、中には異端とも呼べるモデルも存在します。それが今回レポートする「SEA WOOD」です。華やかなマーブルレジンとはまるで対照的なシブい木軸の万年筆。木軸と言えば国産のパイロットカスタムが有名ですが、海外メーカーのデルタにも密かに木軸万年筆がラインナップされていました。そもそもアジア以外の海外メーカーで木軸というのは珍しいのかも知れません。

           

           

          このSEA WOODはスクリーニョの後に購入しました。スクリーニョが太軸過ぎたため通常サイズのデルタ万年筆を求め入手に至ったのですが、こちらも意外と太軸でサイズ的にはモンブランの146と同等のサイズ。しかも手にした感じは木軸らしからぬズッシリとした感触。デルタに細軸は存在しないと確信したのでした。

          SEA WOODを使い始めた頃は書き始めにインクがかすれることがしばしば。そのため出番が少なめでしたが使っていく内に書き癖に馴染みインクが出るようになった噂に聞くデルタ万年筆らしい(失礼)万年筆でした。言うなれば「万年筆という筆記具を教えてもらった」万年筆なのかもしれません。今もメインの万年筆ではないですがペンケースを木軸で揃えるときなどに必ず登場し、赤いインクを吸わせて使用しています。

          それではデルタの異端万年筆、SEA WOODを見ていきたいと思います。

           

           

           

           

          SEA WOODの軸やスペック】

          SEA WOODはデルタの万年筆の中では見た目が地味な部類に入ると言えます。ラインナップはナチュラルウードとダークウードの2色。毎度のことながら私は経年変化をより楽しみたいため薄めのナチュラルをチョイスしています。SEA WOODと呼ばれるアフリカ産のイロコウッドは湿度に強く耐久性のある木材のため船舶や家財道具に使われることが多いそうで、常に人の手とともにせわしく動く万年筆の素材としてもピッタリではないでしょうか。希少なイロコウッドを職人が丁寧に削りあげ、仕上げられているのがSEA WOOD。その表面は飴色に輝き、マーブルレジンのように光の当たる角度によって表情を変える部分も見られます。胴軸とキャップはそのイロコウッドの木軸をメインに、ブラウンとアイボリーのマーブルレジンとクロームのトリムでまとめられていて上品さと高級感を醸し出しています。金属+木材の組み合わせが一般的ですが、金属+木材+レジンという組み合わせはこのSEA WOODだけではないでしょうか。

           

           

          キャップを見るとデルタ万年筆お馴染みのコレクション名とシリアルナンバー。少し見にくいですがマーブルレジンのキャップリング部分にシリアルナンバーが彫られています。クリップはスクリーニョと同じくホイールの無いシンプルなクリップで挟み込みは少し硬めに作られています。

           

           

          天冠には他の万年筆同様にデルタのペン先マークが施されていてデルタ筆記具としての統一感を感じます。この天冠・キャップリングのマーブルレジンが良い仕事をしており、とても手の込んだデザインとなっていますね。スペックは長さ約140mm、重さ約30g、軸径15mm。キャップ・胴軸ともに樽型に仕上げられており木のぬくもりと持ちやすさを両立させています。

           

           

          【吸入機構とペン先】

          続いてSEA WOODの吸入機構ですが、こちらはピストン吸入式。ピストンといってもドルチェビータ・ピストンフィリングのように胴軸に吸入機構が組み込まれているのではなく、取り外し不可能なコンバーターが付いているような形態です。胴軸を外すとインクタンクが見られます。このようにコンバーターのようなインク吸入方式でインクを入れることもでるのですが…。

           

           

          尻軸のマーブルレジン部分がキャップのようになっており、それを外すことで首軸と胴軸を分離することなくインクを入れることもできる変わった仕様なのです!しかしながら、やっぱりインクが入っていくところが見たいので、結局の所、私は首軸と胴軸を外してインクを入れてしまうのですが…笑

           

           

          ペン先を見てみます。こちらのモデルは通常のペン先ではなくフュージョンニブと呼ばれる仕様となっています。フュージョンとは融合の意。スチールペン先に被せるように18金のプレートが付いています。これは硬いスチールペン先とは違う熱伝導率の18金プレートを置くことでスチールペン先のインクフローを向上させるという狙いがあるようです。正直、私には普通のスチールニブとの書き心地やインクフローの違いが分かりませんでしたが、オリジナリティのあるペン先は嫌いではないです。

           

           

          ペン芯はデルタの大型万年筆に共通のフィンが細かいペン芯となっています。3本のデルタ万年筆のペン芯を並べてみるとこんな感じ。こういう細かいフィンのペン芯はインク吸入の際、ペン先を上にしてペン芯に残ったインクを吸い上げる時の“フィンの間のインクが順にインクタンクに吸われていく感じ”が見て取れるのでとても好きなのです(共感いただけるでしょうか…この感じ)。

           

           

          【他の万年筆との比較と筆記感】

          最後に他の万年筆とのサイズ比較です。自分もそうなのですが、やはり万年筆を持つ(買う)うえで自分にフィットする万年筆のサイズというのは重要だと思うのです。そのようなことから、万年筆を使う方々が所有させているであろうポピュラーな万年筆との比較を毎回行っています。少しでも参考になればと思います。

           

           

          左からパイロットカスタム74、デルタSEA WOOD、プラチナセンチュリー#3776、そしてモンブランのマイスターシュテュック146です。ほぼほぼ同じサイズだということがお分かりいただけるかと思います。長さ以外の違う点としては筆記バランス。SEA WOODは重さが約30gですが、キャップが約15g、胴軸が約15gと普通の万根筆の重量構成に比べてキャップが重くなっています(例えばマイスターシュテュック149ならキャップが10g、胴軸が20g)。

           

           

          そのためキャップを尻軸に差して書くとリアへビーとなり何やら落ち着きません。私はキャップを尻軸に差さずに文鎮代わりとして紙に置いて使っています。

           

           

          【まとめ】

          さて、デルタが放つ異端児SEA WOODはいかがでしたでしょうか。金属+木材+マーブルレジンの軸は、木軸万年筆にありがちな「渋さ」をある程度殺し、渋さに加え上品さと豪華さを演出していました。さらに独特なピストン吸入式の機構や珍しいフュージョンニブからは、新しい万年筆のあり方を切り開こうとしたデルタの志向がうかがえます。

           

           

          デルタ追悼記事によるデルタ万年筆のレポートは今回で一旦終わりになります。デルタの美しい万年筆達が製造されなくなったのは悲しくて仕方ありませんが、文房具店で見かけたらぜひその優雅な軸を手に取ってじっくり見ていただきたいです。きっとお気に入りの一本が見つかるかと思います。カヴェコやコンクリンのようにいつかまたデルタが復活することを夢見ながら、美しい万年筆を使い続けようではありませんか。

          それではまた。


          2018.11.12 Monday

          デルタの万年筆レビューその弐 【スクリーニョ】

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            こんにちは。デルタ社追悼記事1本目はデルタの顔とも言える「ドルチェビータ・ミディアム・オリジナル」でした。2本目の追悼記事は数年前にオークションで入手したマイナーモデルでいきたいと思います。なぜマイナーかというとデルタHPのラインナップにも載っていなかったこと、ウェブで調べても情報が少ないことから日本未発売のモデルなのではないかと。かといって限定モデルや上位モデルというわけではなく、ヴィンテージ等と同じようなエントリー〜中級クラスの万年筆。

            その名も「スクリーニョ」。スクリーニョとは宝石箱や貴重品箱という意味らしいです。なぜ宝石箱なのかは詳細をレポートしていく過程で触れていきます。

             

             

            このスクリーニョ、私が所有する数十本の万年筆の中で2本目に購入したものになります。4〜5年前でしょうか。そう考えるとかなり暖めてきた万年筆と言えますね。思い起こせば、金属軸の万年筆を主流にしていた時期に樹脂軸の魅力に目覚めるキッカケとなった万年筆かもしれません。じつはスクリーニョを買った当時はペンケースに収まる細軸万年筆を目当てにネット巡りをしていたのですが、情報をろくに仕入れずにポチってしまい手元に届いたときの軸の太さに閉口したものです。なので少し使ったあと何年も引き出しにしまわれたままの万年筆でした。最近は太軸にマーブルが私の趣向のためニーズにピッタリと合い、晴れて日の目を浴びる結果となったのです。

            それでは美しい太軸万年筆のスクリーニョを見ていきましょう。

             

             

             

             

            【スクリーニョのスペックと各部詳細】

            まずはスペックから見ていきます。長さは約150mmと大きめ、軸径は15mm、重さは約40gとズッシリ重め。ドルチェビータ・ミディアム・オリジナルと同じくカートリッジ/コンバーターの両様式です。スペックを見るだけでも大きな万年筆だとうことがお分かりいただけるかと思います。買った当時は軸径とか重さとかそれほど気にしていなかったので、届いたときの衝撃はなかなかのものでした。こんなに大きな筆記用具があっていいのかと。筆箱に入らんではないかと。今だとこの大きさに惚れ惚れしてしまいますので、人の好みというのは分からないものです。

             

             

            スクリーニョにはかなりのカラーラインナップがありますが、その中から選んだのはグリーンです。胴軸の樹脂がとにかく綺麗で光の反射による色の変化はドルチェビータ以上のものがあります。デルタ万年筆特有の職人によって磨き込まれたレジンはしっかりとした厚みがありとても艶やかで、持つとキュッと手に吸い付くような感触。

             

            クリップの形状にも違いがあり、ホイールは無し

             

            全体を見ると大きなキャップから尻軸にかけて細くなる独特のシルエット。スクリーニョはカラーラインナップのすべてがシルバートリムで統一されています。特にキャップの細い三連リングはスクリーニョの特徴ではないでしょうか。このキャップリングのお陰でペン全体がシンプルにまとまっています。そしてそのいで立ちはどことなく中世の杖のようなレトロな印象も受けます。

            ドルチェビータ・ミディアムに比べて首軸のネジ切りが浅く、その分全長が長くなっているのです。

             

            ドルチェビータ(上)は14金ペン先、スクリーニョ(下)はスチール

             

            ペン先はスチールのF。刻印はデルタのシンボルマークに「DELTA」「F」のみのシンプルさ。ペン芯の形はドルチェビータ・ミディアム・オリジナルと同じで大型です。書き心地はステンレスペン先特有の固さがあり、イタリア万年筆の細字の傾向と合わさって日本語はとても書きやすい。スペックのところでペンの重量40gとありますが打ち分けがキャップ20g胴軸20gですので、キャップを尻軸に差さずに使うことで一般的な万年筆くらいの重量で書くことができます。胴軸から首軸にかけての軸径はドルチェビータ・ミディアムより太いため、まるで筆で書いているような面白さがあるのです。

             

            尻軸にキャップを差すとかなり大型に。

             

             

            【意外と大型軸!他の万年筆とのサイズ比較】

            首軸の浅いネジ切りのせいもあり非常に長身となっているスクリーニョですが、他の大型万年筆との比較ではどうでしょうか。ここでは前回レポートした万年筆であるドルチェビータ・ミディアム・オリジナルと、太軸万年筆の代名詞モンブランマイスターシュテュック149、プラチナ出雲の3本とサイズ比較します。

             

            上からマイスターシュテュック149、スクリーニョ、出雲、ドルチェビータ・ミディアム

             

            こう並べてみるとスクリーニョのサイズはマイスターシュテュック癸隠苅垢判鼎軌奮阿呂曚榮韻検デルタのフラッグシップモデルであるドルチェビータ・ミディアムよりも大きなサイズとなっています。重さもこの4本の中ではダントツに重く存在感も抜群なのですが、デザインがシンプルなせいか見た目の重厚感は他の3本ほどありません。太軸好きにはたまらない大きさなのですが不便な点もあります。それは一般的な一本差しのペンケースに収まらないということ。クリップを含めるとキャップ径が相当太くなるため、ペンケースには胴軸が入ってもキャップがつっかえて入らないのです…。ですので私は一本差しは諦めて大きめの2〜3本差しペンケースに入れて持ち運んでいます。

             

             

            【なぜスクリーニョ(宝石箱)なのか】

            さて、前述したようにスクリーニョという名前は宝石箱・貴重品箱という意味でした。なぜそのような名前が付いたのか、秘密はその大きなキャップにあります。実は天冠部分がフタとなっており、くるくる回して開けるとキャップの中に何かを入れられるようになっているのです!

             

             

            しかしながらこの穴のサイズが微妙で何かを入れようにもなかなかサイズが合うものがない…。深さ20mm、径14mmという宝石箱のサイズは使う者を悩ませます。インクカートリッジでも入ったら便利だなーと思ったのですが、全く入らない。半分くらいまでしか入らない。ほんとに小石くらいしか入るものがないのです。でも入れたら入れたで中でカチャカチャ音がしそうで入れることが躊躇われる。まさに謎な存在のキャップ内収納庫。ここに何を入れたらいいのか。その答えは購入後4年ほど経った今もまだ出ていませんが、きっと中に入れるものは宝石であり、秘密の暗号であり、カンニングペーパーなのでしょう。

             

             

            裏面にはデルタ万年筆のお約束であるコレクション名とシリアルナンバー。「scrigno」の字体もなかなかお洒落です。あとはこの微妙なサイズの宝石箱の使い道を模索するのみです。

             

             

            【まとめ】

            スクリーニョは比較的安価に入手できる大型の万年筆です。ですのでモンブランやペリカンM1000のような太い万年筆が好きだけどもう少し太軸を手軽に楽しみたい、という方にはもってこいではないでしょうか。胴軸のマーブル模様も透明感がありとても美しいのでマーブルレジン好きのコレクションとしても良いかも知れません。筆記感はイタリア万年筆+スチールニブで細字な仕上がり。太軸で細字という組み合わせの万年筆は日本語が書きやすく疲れにくいので日常使用でどんどん使いたい方にもお勧めできます。

             

             

            また、キャップの宝石箱に宝石を入れて楽しんでもよし、フリスクを収納してもよし、手品を仕込んでもよし、とアレンジは自由自在です。キャップのせいで幾分全体の重量が増していますが、それもこのスクリーニョの個性ととらえてダイナミックな万年筆を楽しみましょう!

            以上、デルタ/スクリーニョのレポートでした。

            それではまた。

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            2018.11.05 Monday

            デルタの万年筆レビューその壱 【ドルチェビータ・ミディアム・オリジナル】

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              皆さんこんにちは。さて今回からあるメーカーの万年筆を継続的にレポートしていきたいと思います。あるメーカーの万年筆とは数々の名品を生み出しながらも2017年の7月から中期休業、2018年の2月に廃業したイタリアはデルタ社の万年筆。デルタといえばドルチェビータが有名ですが、その太陽のように輝くオレンジのレジンを使った煌びやかな万年筆がもう製造されないかと思うととても悲しい気持ちになりますね。

               

              私がデルタ社廃業を知ったのがつい先月のことです。2018年の2月に廃業しているので随分後になってから知ったことになります。デルタの万年筆はスクリーニョ、sea wood、ドルチェビータスリムを所有していて自分の中では満足していたためこれ以上デルタの万年筆を買い足すつもりはなかったのですが、遅ればせながらデルタ廃業を知り買わねばいけない(今買っとかないと後々買えない)思いに駆られてしまったのです。以前から地元の文房具店のショーケースに並んでいるドルチェビータミディアムオリジナルの存在には気付いていましたが、デルタ社廃業+太軸好きになってきた病の併発もあり回収に至ったわけです。

               

               

              ということでデルタ追悼の1本目はデルタ万年筆の王道、ドルチェビータ・ミディアム・オリジナルのレビューです。比較の基点として一般的なサイズのドルチェビータスリムを使っていきたいと思います。

               

               

               

               

              【ドルチェビータの軸を比較】

              まずはそのお洒落な全体像と軸から見ていきましょう。一発でドルチェビータと分かる煌びやかな佇まいです。オレンジのレジンは職人が一本一本丁寧に削り出して作り出されています(いました)。個人的にはモンブラン ヘミングウェイやペリカンスーベレーンM800バーントオレンジと並ぶ、黒×オレンジの代表格のような色合いの素晴らしい万年筆だと思います。

              ドルチェビータコレクションは一番太いミディアム・オリジナルの他に、ピストン吸入機構を備えたピストン・フィリング、軸径の細いスリム、小さめサイズのミニ、デザイン性に優れたパピヨン、全オレンジレジンとバーメイルのオーロ、黒とオレンジのマーブルが美しいマスターピースがあります。

               

              上がミディアム・オリジナル、下がスリム

               

              ミディアム・オリジナルとスリムの軸を比較してみると、私の手元の個体ではスリムの方がオレンジの色合いが濃いです。こうしたひとつひとつの表情の違いがまた持つ喜びを増幅させてくれます。

               

              左がミディアム・オリジナル、右がスリム

               

              尻軸にも違いがあり、ミディアム・オリジナルの方は胴軸と尻軸の境がシルバーのリングにより段差になっています。これは胴軸のオレンジマーブル部分が寸胴のため、キャップを差す時の軸径調整によるものです(尻軸を寸胴の幅に合わせてしまうとキャップが差せなくなる)。しかしながらこれもうまい具合いにデザイン上のアクセントになっていますね。

               

               

              ちなみに太軸の代名詞、モンブランのマイスターシュテュック149と並べてみてもほぼ同じ軸径となっています。まさに太軸好きのための太軸万年筆!手のひらに収まった時の安定感というか安心感というか、太軸は書いてて疲れにくいのがいいです。

               

               

              【ミディアムとスリムのキャップ比較】

              キャップに焦点を当ててみましょう。ドルチェビータと言えばこのシルバー925のキャップリングとクリップのローラーが特徴的。キャップリングの模様は職人の手彫りでひとつひとつ仕上げられていて非常に味わい深い仕上がりとなっています。購入時は店のショーケースにずっと置かれていたこともありシルバー925の部分が硫化して真っ黒でしたので銀磨きクロスで磨きました。ちょうどキャップリングの裏側にあたる部分に925の刻印とマークが入っています。改めて見るとミディアム・オリジナルとスリムでかなりキャップの太さが違いますね。ほんと太軸好きにはたまりません!

               

               

              デルタ万年筆の特徴としてキャップにシリアルナンバーとコレクション名が入れられていることが挙げられます。クリップリング下にコレクション名、キャップリング上にはシリアルナンバーです。ドルチェビータミディアムの方にはミディアムやオリジナルの表記はなく「DOLCEVITA」とのみ記されていますね。

               

              左がミディアム・オリジナル、右がスリム

               

              デルタというとこの「ニブのマーク」。天冠には金属製のマークが配置され、ニブにも同じマークが刻印されています。クリップの形状はどちらも同じでクリップ先のローラーはポケットの生地を傷めないようにする配慮であると同時にデルタ万年筆のアイコンとも言える存在となっています。

               

               

              【ペン先を他の万年筆と比較】

              ペン先を見てみましょう。ペン先は14K-585の大型で、ちょうどペリカンのスーベレーンM800と同じくらいのサイズのペン先です。太軸と相まってしっかりと筆圧を受け止めてくれる感じ。

               

               

              デザインを見ると全白のニブでデルタ社のマークが刻印されています。注目はハート穴がハートであること!私が持っている万年筆ではプラチナセンチュリー#3776や出雲(プレジデントニブ)に続いてハートのハート穴です。ハート穴はこのドルチェビータという甘い?名前にもピッタリではないですか!

               

              上がミディアム・オリジナル、下がスリム

               

              ペン芯をミディアム・オリジナルとスリムで比較してみます。形状がかなり違っていますね。ミディアム・オリジナルのペン芯はデルタの大型ニブ共通のペン芯で素材はプラスチック。フィンは細めで横から見た形状も非常に美しい形をしています。

               

               

              ちなみにドルチェビータのペン先は何年かの製造を境に18金から14金に変更されています。現在は製造されていない万年筆だと考えると、ペン先18金のドルチェビータはかなりのレアものということになりますね。

               

               

              【筆記感について】

              字幅はFです。気になる筆記感ですが、弾力があり筆圧を受け止めてくれるような安心感があり。よくデルタのペン先は個体差が激しいと言われますが、私が持つもう一本のドルチェビータ・スリムと比べてもさほど大差は無いように思います。どちらも適度なしなりがあり日本語にも適した細い字が書けます。デルタと言いアウロラと言い、どうもイタリア万年筆は細字の傾向にあるようです(ビスコンティは当てはまりませんが)。

              筆記感とは全く関係が無いのですがハート穴のトリオ+ペリカンM800で字幅を比較してみます。

               

               

              個人的には細字が好きなので、このミディアム・オリジナルの極太軸に細字のペン先がなんとも書きやすいです!現在インクはモンブランのトフィーブラウンを入れています。最初はオレンジのインクを探していたのですが、仕事でもどんどん使いたいので明るいオレンジは一旦置いといてやっぱりブラウンでしょ、ということで。これがなかなかのマッチングでビジネスにも使いやすい。いい色ですトフィーブラウン。

              次なるインクは明るめのエルバン/インディアンオレンジでも入れてみようかと思います。

               

               

              【まとめ】

              いかがだったでしょうか。今回からデルタ追悼の意味も込めてデルタ万年筆をフィーチャーしていきます。一本目はデルタの顔とも言えるドルチェビータ・ミディアム・オリジナルを同じくドルチェビータのスリムと比較しながら見てきました。やはり美しいオレンジのレジンと太軸の存在感は所有欲をこれでもかと満たしてくれます。字幅はFですが書き味もイタリア万年筆らしく細字に仕上げられていて、非常に日本語が書きやすい!細字好きだけど海外メーカーの万年筆は字幅が太めだからと海外メーカーを敬遠されている方にもデルタ万年筆はお勧めできます。

              悲しくも廃業してしまったデルタ社ですが、日本の市場からデルタの万年筆が一気に消えたわけではありません。デルタならではの美しい軸を見かけたら、まだある内に回収してコレクションに加えるのも良いかもしれませんね。

              それではまた。

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              2018.10.20 Saturday

              ファーバーカステル パーフェクトペンシル プラチナコーティングの比較レビュー

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                みなさんは鉛筆を使う機会はあるでしょうか。ほとんどの方が小学校卒業後はメカニカルペンシルへと移行し、鉛筆は美術の授業で使う以外はほぼ使わず、その後、美術系大学などの専門分野に進まない限りは再び鉛筆に触れることもないかと思います。しかし社会人になってからも鉛筆に興味を向けさせる筆記具というのが存在します。

                ファーバーカステルのパーフェクトペンシルがそれです。

                 

                 

                 

                パーフェクトペンシルについては他で語り尽くされているため多くは語りませんが、書く消す削るを1本のペンで完結できる筆記具で、シャープナーが内蔵されているキャップ兼ペンシルエクステンダーは、スターリングシルバー製およびプラチナコーティングで仕上げられていて所有満足感は十分。鉛筆の部分についてもカリフォルニアシダーを使い持ちやすいようにリブパターンが刻まれています。いわば鉛筆という削らなければ書き続けることができない道具でありながら、尻軸に交換可能なキャップ付き消しゴムが装備されているなど贅を尽くした仕様。パーフェクトペンシルはただ単にシャープナーと鉛筆と消しゴムが一体になった筆記具というだけではなく、その素材、デザイン、造りすべてにおいて持つ喜びをこれでもかと感じさせてくれる文字通り完璧な筆記具と言るでしょう。

                 

                 

                今回はパーフェクトペンシルをじっくりと観察するとともに、パーフェクト具合いを「書く」「消す」「芯を削る」の観点から他の鉛筆達と比較しながらまったりとレビューしていきたいと思います。

                 

                 

                 

                 

                【パーフェクトペンシルの各部を観察する】

                 

                それではまず、パーフェクトペンシルの各部を細かく見てきます。同じパーフェクトペンシルである9000番と比較してみると9000番がプラスチック製で少しふっくらとした形なのに対して、プラチナコーティングはシャープな印象。キャップの違いはもちろんですが、ペンシル部分もプラチナコーティングは消しゴムにキャップが付いたりと全体的にデザインに抜かりがありません。キャップへのペンシルの差し加減はどちらもキャップの中に板バネが仕込まれていてしっかりした差し心地です。

                ちなみに伯爵コレクションのパーフェクトペンシルには通常のサイズのものとマグナムと呼ばれる太軸のものがあります。太軸好きとしてはマグナムの方も気になりますね。

                 

                 

                キャップには「GRAF VON FABER-CASTELL GERMANY」の刻印。すぐ下にはローレットが刻まれていて、ペンシルエクステンダーとして使った時の安定したグリップ感に一役買っています。

                 

                 

                伯爵コレクションといえばこのクリップです。しっかりとしたバネでホールド感も抜群。クリップ先が反っているためポケットを傷めることがなく、かつエレガントな雰囲気を演出しています。

                 

                 

                キャップ部分は天冠がシャープナーとなっているのですが、まずはこの天冠の形状。ヤード・オ・レッドもそうですが、ラッパ型についたキザがなんともクラシカルでお洒落ではないですか。プラチナコーティングがシングルのローレットでスターリングシルバーがダブルローレットとなっています。

                 

                 

                天冠にはファーバーカステルの紋章が誇らしげに輝いていますね。このように拡大してみると男性と塔、そして盾がハッキリと見てとれます。一見、伯爵が杯を持ってカンパーイ!としているように見えますが、ファーバーカステルのHPにもあるようにファーバー家の紋章にある鉄槌を持った男性であると判断できます。右の塔はカステル家の紋章のものです。ファーバーカステルの紋章はこのファーバー家とカステル家の紋章が合わさり誕生した紋章であることが分かります。

                 

                 

                天冠をまっすぐ引き抜くとシャープナーが現れます。最初ネジ式かと思いましたが嵌合式。この辺の精度も流石で、収納されたシャープナーがぐらつくこともなくピタリと合わさり、そこにシャープナーがあるということを外見からは微塵も感じさせることのないデザインとなっています。

                 

                 

                ペンシルの尻には金属製のキャップが。これを回して外すと中から消しゴムが現れます。ペンシル部は、ペンシル(消しゴムを付けるユニット付き)・消しゴム・キャップという3つの部品で構成されていますが、リフィルと呼ぶものは消しゴムとペンシルの2つでキャップは購入時のものを使い回します。

                このNo.5のペンシルリフィルはブラックの他にブラウン・ナイトブルー・グレーがあるので、無くなったら違うリフィルを試してみるのも面白そうです。

                 

                 

                【「書く」を比較してみる】

                パーフェクトペンシルに付属するNo.5のペンシルは硬度Bです。硬度Bとは言っても国産鉛筆のHB程の硬さとなり、書き味もサリサリと心地の良い音が響くほどの硬さ。絵を描く用のペンシルと言うよりは文字を書くのに適した書き心地に感じます。さて、「書く」の比較では、ペンシルではなくキャップ兼エクステンダーの部分を比較していきます。比較に使うのは9000番パーフェクトペンシルのエクステンダーとe+mのペンシルエクステンダーです。

                 

                 

                まずはエクステンダーのみの重さですが、

                 

                プラチナコーティング:24g

                9000番エクステンダー:5g

                e+mエクステンダー:15g

                 

                プラチナコーティングはかなりの重量で、エクステンダー単体で中型万年筆くらいの重さがあります。高級感と引き換えの重量。付属のペンシル自体も最初は6g程あるためペンシルが長い状態で差すとかなりのリアヘビーとなります。そのため相当短くなってからエクステンダーとして使うのが良さそうです。ペンシルがまだ長い間も後ろに差したくなりますがグッと我慢!()

                一方、廉価版である9000番のエクステンダーは5gとかなりの軽さ。軽いということは鉛筆がまだ程長い状態で差しても安定した筆記ができるということです。e+mエクステンダーはさすがにエクステンダー専用に作られているため鉛筆を差したときのバランスが一番いいですね。

                基本、プラチナコーティングのキャップは特別な軸径のNo.5リフィル専用という認識がありますが、他の鉛筆を差すとどうなるのでしょうか。まずは9000番パーフェクトペンシルの消しゴム付きリフィルを差してみると

                 

                 

                これが普通に使えるのです。しかし消しゴムが付いていない通常の9000番鉛筆を差すとスカスカでした。他の鉛筆でも試してみると次の写真ようになります。

                 

                 

                手元にあるもので、トンボのMONOR、三菱赤鉛筆、ステッドラーノリス(三角軸)、ブラックウィング(キャップとしてのみ利用可能)は伯爵パーフェクトペンシルエクステンダーに差し込んで使えます。9000番パーフェクトペンシルより右の鉛筆は伯爵に差すとスカスカですが、9000番のエクステンダーなら差せる鉛筆です。9000番の右から順に、カランダッシュテクノグラフ、ステッドラーマルス、三菱UNI、ステッドラーノリス(六角軸)、カランダッシュスイスフラッグ。

                消しゴム交換できるという点では、ペンシルリフィルにブラックウィングを使ってもパーフェクトペンシルが完成するということになります!※消しゴムはむき出しですが…

                ブラックウィングが1本約350円程ですので、No.5リフィルに比べて非常に経済的。ただし、ブラックウィング自体がもとからかなり長い鉛筆のため、あまり削り進んでない状態でプラチナコーティングのキャップを差すと220mm超えの長さとなり筆箱に収まらないので注意が必要です。伯爵コレクションのパーフェクトペンシルは通常のプラチナコーティングに加え、ブラック(マグナムのみ)やローズゴールドといった新色も発売されているため選ぶ幅が広がっています。ペンケースの中の他の筆記具とも色合わせしやすくなったのが嬉しいところ。ローズゴールドのパーフェクトペンシルエクステンダーにゴールド軸のブラックウィングを合わせても面白そうです。

                 

                 

                【「消す」を比較してみる】

                 

                次に「消す」の比較です。こちらはシンプルに9000番の尻軸消しゴムとの比較と、通常の消しゴムであるファーバーカステルのアートイレイサーとの比較を行っていきます。まずは9000番消しゴムとの消し字力比較から。

                 

                 

                文字にあるように上がプラチナコーティングのNo.5リフィルで下が9000番です。同じ硬度Bのペンシルですがなぜか9000番の方が濃く書けています。結果として消し字力は互角でした。当たり前なのかも知れませんが、値段は違えど消しゴム自体は同じもののようです。No.5リフィルの消しゴムの方が角が立っているため細い字が消せそうですが使っていくと角は丸くなるので同じと言えます。

                 

                 

                続いて単独消しゴムであるアートイレイサーとの比較。こちらはファーバーカステルの2B鉛筆で書いた字をそれぞれの消しゴムで消しています。上の段がNo.5リフィルの消しゴム、下がアートイレイサーです。黒く塗りつぶしたマスを消したところを見ての通り、こちらは流石にアートイレイサーの方がスカッと消せますね。グリーンの消しゴムというのも珍しくてかっこいいので、No.5リフィル用のアートイレイサーも発売して欲しいところです。

                ペンシル尻軸消しゴムの宿命として、一度に大量の字消しが容量的にも苦手なのは揺るがない事実と言えます。したがって、No.5ペンシルの消しゴムも「いざとなったら消せるぜ」くらいの言わば精神安定剤的な運用がよさそうです。手元に大きな単独消しゴムがあるならそっちを使うのがベスト!

                 

                 

                【「芯を削る」を比較してみる】

                最後は「芯を削る」の比較です。同じく9000番パーフェクトペンシルのシャープナーと比較します。エクステンダーの中に収納されているシャープナーだけあって非常にコンパクトな造り。

                 

                 

                それぞれのペンシルを削ってみたところ軸の削られ具合いはどちらも一緒ですが、削っている時の持ちやすさはプラチナコーティングの方に軍配が挙がります。これは素材の違い=値段の違いがダイレクトに出るところですね。削り心地はさすがにDUX等の単独シャープナーには及びませんが、芯が引っかかることもなくスムーズに削れます。伯爵コレクションのパーフェクトペンシルは削りカスすら美しい!

                 

                このシャープナーのユニットですがブレードのみを交換することはできず、長年使って削りにくくなってきた時はユニットごと交換となります。天冠を回すとシャープナーユニットのみ外すことができブレード周りごとまるっと交換。このユニットがなかなかの値段で、9000番パーフェクトペンシルのユニットが約1300円〜1700円程(店舗によって異なる)。プラチナコーティングに至っては約5000円〜7000円が相場です。パーフェクトペンシルは維持費も伯爵級なのです!

                 

                 

                【まとめ】

                さて、今回はファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシルプラチナコーティングを多角的に比較しながら見てきました。たかが鉛筆、されど鉛筆。「書く」「消す」「芯を削る」を一本のペンシルに集約しファーバーカステルがデザインするとこれほど素晴らしい筆記具になるのかと感心しました。一方で、他の筆記具と違って維持費が高いのも悩ましいところです。使えば使うほどお金がかかりますが、この素晴らしい筆記具を使って勉強や仕事のパフォーマンスを上げることの対価と考えれば前向きな気持ちになれるでしょう。

                 

                 

                今回の検証でNo.5ペンシルリフィル以外の一部の鉛筆にもキャップやエクステンダーとして利用できるなど、意外と応用できそうなことが分かりました。パーフェクトペンシルを自由に使いこなすという点で、ブラックウィングと組み合わせても面白いかも知れません。また、この一本ですべてを解決させると肩を張るより、ポケットシャープナーやアートイレイサーなどと組み合わせて使うことで、より効果的に長く使い続けられるようになると感じました。こうしたアレンジが値段に見合う本来の価値以上に、パーフェクトペンシルを楽しめる秘訣ではないかと思います。

                ではまた。


                2018.10.11 Thursday

                太軸万年筆用ペンケース 【モンブラン149/ペリカンM800/プラチナ出雲】

                0

                  こんにちは。

                  皆さんは普段どのようなペンケースをお使いでしょうか。収納力のあるペンケースや限られた数本を持ち運ぶためだけのペンケースなど色々あるかと思います。特に最近は万年筆を使うかたも増えてきて、なかなか一度に数本を持ち歩くということが難しいと感じていらっしゃるかたもおられるかも知れません。かくいう私も万年筆は何があってもいつでも持ち歩きたい派なのですが、何本も入る大きなペンケースを持ち運ぶのは億劫ですし、かといって持ち歩くことを断念したくはない。

                   

                  私の構想では木製のコレクションBOXに万年筆を収納・保管。そしてそれを母艦にして1本〜3本を収納できるペンケース(ペンシース)にその日のお気に入りだけを収納しコンパクトに持ち運ぶ。というのがベストではないかと思い立ちました。そして、最近熱心なマイスターシュテュック癸隠苅垢筍隠苅供▲后璽戰譟璽鵤唯牽娃亜▲廛薀船覆僚弍世里茲Δ並声緩年筆を、傷つけることなく持ち運べる頑強なペンケースに入れたい!という欲望のもと、頑丈でシックで経年変化が楽しめそうなペンケースを探し始めます。

                   

                   

                  頑丈な1本差しあるいは2本差しのペンケース(ペンシース)を色々探すうちに、どうやら絞り技法のペンケースが良さそうだと。絞り技法はタンニンで鞣した革を水に濡らして型にはめ込んで作る製作過程がとても繊細かつ手間のかかる技法です。お気に入りの万年筆を専用のペンケースに入れたいと思い、マイスターシュテュック癸隠苅垢肇后璽戰譟璽鵤唯牽娃粟賤僂離撻鵐院璽垢鮹気靴燭箸海躓い砲覆襪發里鯣見。その名も「ル・ボナー1本差しペンケース」。絞り技法で頑丈そうで、何よりマイスターシュテュック癸隠苅浩賤僂離院璽后しかも経年変化も楽しめそうな逸品!あとは革色ですが種類が多くて迷う迷う。約一週間ほど色に迷います。使うほどに艶が増してくる鮮やかなグリーンやネイビーも捨てがたいですが、ここは中に入れる万年筆とのマッチングを考えて、黒×金を引き立たせるブラックで…。

                  ということで太軸用のペンケースが増えていくのでした。今回は太軸用の1本差しおよび2本差しのペンケースに絞ってレビューしていきます。

                   

                   

                   

                   

                  【ル・ボナー1本差しペンケース】

                   

                  先の理由から、マイスターシュテュック癸隠苅浩賤僂離撻鵐院璽垢箸靴董△修靴藤硲个之佛変化に惚れてまず購入したのがこちら。ル・ボナーといえば「デブ・ペンケース」を思い浮かべる方も多いでしょうが、こちらもとても所有満足度の高いペンケースです。レザーはイタリアのブッテーロが使われています。ブッテーロは美しい色艶が出る経年変化で有名なタンニンなめしの革で、そのカッチリしたペンケースの造りとも相性抜群。表面はすべすべしていて手の中に握るとギュッギュッと革が鳴きます。

                  カラーラインナップは8色で、トープ(ベージュっぽい色)、キャメル、チョコ、ワイン、レッド、グリーン、ネイビー、ブラック。サイズは長さが約160mm、幅が約30mm。太軸を納めるのに必要最小限のサイズと言えます。

                   

                   

                  マイスターシュテュック癸隠苅垢縫團奪織蟾腓Δ茲Δ忘遒蕕譴討い萄垢靴心兇犬皀タつきは皆無。しっかりと固定されます。ここは結構重要で、ペンケースの中で万年筆がガタつくと持ち運ぶうちに振動でキャップが緩まり、最終的にはペン先のインクを乾かしかねません。ガタつきがないことはインクを長持ちさせるということにも繋がるのです。

                   

                   

                  横から見るとこの革の厚み。コバもしっかりと磨かれていて手触りもなめらか。キッチリ収まるのと革の厚みとで万年筆が守られ、ものすごく安心感があります。これなら鞄の中に無造作に放り込んでおいても万年筆に傷がつくことはまずありません。欲しかったのはこの安心感!ちなみに上の写真のように癸隠苅垢茲蠅眥垢ぅ廛薀船覆僚弍世鯑れた場合も難なく収まります。が、キャップの軸径が出雲の方がより太いため癸隠苅垢茲螢チキチの収納感となり、抜くのが若干大変です。

                   

                   

                  使い込んでいくうちに一番艶が出てくるであろうつま先部分。ステッチもていねいに縫われていて、丁寧な職人の手仕事を感じることができます。艶を出すにはハンカチで磨いて手入れをするのがいいそうです。磨いて艶を出すもよし、焦ることなく時に任せてのんびりと経年変化を楽しむもよしです。

                   

                   

                  裏側には「Flathority by Le Bonheur」の刻印押しが。ロゴはこの裏側の控えめな一点のみですので前からの見た目は非常にシンプル。毎日使う上で道具として生活に馴染むのに「シンプルなデザイン」というのはとても重要に感じます。

                   

                   

                  【革職人になる!!さんのM800専用ペンケース】

                   

                  私がどうしても毎日持ち運びたい万年筆はマイスターシュテュック癸隠苅垢梁召砲△硲暇棔▲后璽戰譟璽鵤唯牽娃阿鉢癸隠苅兇あるわけですが、先ほどのル・ボナーのペンケースラインナップには2本差しのペンケースがありません。1本差しか3本差しのみ。3本差しはイル・ブセットのペンケースがあるので、今たちまち必要なのは2本差しの頑丈なペンケース。

                  ということで2本差しのペンケースをあらゆる方面で探したところ、ありました。革職人になる!!さんが作られている絞り技法を使ったペンケースが。こちらも丁寧な手仕事でこだわりのある造り。なによりM800専用のペンケースということでニーズにピッタリ合致しました。M800が入るということは、同じようなサイズのマイスターシュテュック癸隠苅兇眛るということ。これは買うしかありません。

                   

                   

                  ということで手元にやってきたのがこちら。泣く子も黙る日本の栃木レザーが使われていて芳醇な香りも魅力。

                  スペックは長さが約160mm、幅が約51mmとやはりM800にピッタリのサイズ。長さに至っては1本差しのル・ボナーとほぼ一緒という、製作者は違うながらもこの統一感。ペンケースを2つ並べても全く違和感がありません。造りも頑丈そのもので安心感◎。

                   

                   

                  デザインを比較していくとフラップの部分が丸形なのが革職人さんの2本差しペンケース。絞り加工の部分も2本差しのペンケースの方がボリュームがありますね。このこんもり感がたまりません。革質は2本差しのペンケースの方がさらに固く、まるで万年筆に鎧を着せているかのよう。M800専用だけあってガタつきは無し。一緒に入れている癸隠苅兇錬唯牽娃阿茲蠎慣造細いため少し余裕が出てカタカタと鳴りますが私の中では許容範囲内です。この2本を一緒に持ち運べるというだけでテンション上がりますね。

                   

                   

                  裏面はロゴ等も無くフラットかつシンプル。この剛性感はル・ボナーを凌ぐものがあります。コバの処理も見事と言うほか無くスベスベに磨き上げられています。買いたてのため革の表面はつや消しのごとく鈍い色合いですが、これがどのように変化していくか非常に楽しみなペンケースです。

                  革職人になる!!さんのサイトではカスタムオーダーも受けておられるため、自分の好みに応じた専用のペンケースを作ってもらうことも可能です。制作工程もブログに載せておられますので気になる方はチェックです。

                   

                   

                  Simple Songのひも綴じのコンパクトなペンケース】

                   

                  最後に、もう1本の太軸万年筆であるプラチナ/出雲向けに買った革のペンケース。出雲というとプラチナ純正の織物のペンケース「筆衣」がありますが、あえてレザーに包んでみたくなるのが経年変化マニア。こちらのSimple Songのペンケースはウォッシュ加工が施されていて表面の凸凹が特徴的です。なるべく出雲に合う和風なペンケースを探してこちらにたどり着いたわけですが、和風といえばやはりひも綴じでしょう。

                  色はブラウン、ブラック、ナチュラルの3色。私は赤茶な色合いのブラウンをチョイス。サイトのサンプルではペンが2本収納されていますが、出雲を1本入れるのにちょうどいいサイズです。長さは出雲を入れて約155mm(入れるペンによって変動)、幅が約40mm。

                   

                   

                  革が洗ってあるので触り心地は固いながらも、使われている革自体は薄いので非常にフレキシブルです。縫製は袋縫いで縫い目が内側に収納され、さながら見た目は革の袋という感じ。出雲を差す時の注意点として、漆塗りの万年筆のためそのまま入れるとウォッシュ加工された裏面の革で軸の表面を傷つけかねないことです。出雲を差す場合はフェルトか布でインナーケースを作って入れるなどカスタムが必要かと。また、革紐で巻くのですが革紐の先端が結んであるだけなので、チャームのようなものを付けると良さそうですね。

                   

                   

                  布製のペンケースは見るからに和風ですが、経年とともに布がほつれるという心配がついて回ります。革ならその点の心配はなく、さらに経年変化まで楽しめるというわけです。このSimple Songのペンケースもカスタムオーダーを受けておられるので弄りたい部分がある場合は相談も可能です。

                   

                   

                   

                  さて、今回は1本差しと2本差しのペンケースを見てきました。お気に入りの太軸万年筆を専用のペンケースで持ち運ぶと特別感が出てさらに愛着が湧きます。皆さんも大切な1本のための特別なペンケースを探してみてはいかがでしょう。

                  ではまた。


                  2018.10.02 Tuesday

                  パーカー75の後継ボールペン 【ソネットとプリミエ比較】

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                    さて、今回の記事も前々から書こう書こうと思っていた内容になります。

                    仕事でボールペンを使うことが専らなのですが、その中でも出番が多いのがマイスターシュテュックとパーカー75。この2本は本当に使いやすくて、しかも先方に与える印象もいいので必然的に出番も増えてくるわけです。パーカーというと「ビジネスに向くボールペン」として記事にしたことがありますが、いくつかパーカーボールペンの種類も増えてきたところで、そのなかの2つのモデルを比較してレポートしていきたいと思います。

                    パーカーのペンを使い始めたきっかけは言うまでもなくジョッターなのですが、異動の餞別やイベントの景品でパーカーのボールペンを頂く機会も多く様々な種類が集まりました。集めてるのではなく集まってくるパーカーのボールペン…。それだけ贈答品にはうってつけのネームバリューと品質なのでしょう。

                     

                     

                    今回見ていく2本は、パーカーの中堅モデルとされるソネットと、デュオフォールドに次いでの上位モデルであるプリミエ。ともにボールペンでの比較です。ペンを買ったり頂いたりしたのが数年前ですので、現行モデルのデザインとはまた違っていますがその点はご留意ください。そして最近のパーカーのボールペンについて思っていること、というか気になっている点もついでに挙げていきたいと思います。

                    それでは二本のボールペンを見ていきましょう。

                     

                     

                     

                     

                    【ソネットとプリミエ】

                    パーカーの筆記具の歴史からするとソネットの方が発売が早く、プリミエが後発となっています。ソネットのペンは軸径やデザインが性別・年齢を選ばないため、持っているという方は多いのではないでしょうか。2本ともブラックCTで比較できると良かったのですが、縁あってそれぞれ違うバリエーションのものが手元に入ってきました。ソネットがプレシャスシズレGT、プリミエがラックブラックSTです。

                    スペックを比較すると、

                     

                    ソネット…全長:約138mm  重さ:30g  軸径:約10mm

                    プリミエ…全長:約138mm  重さ:34g  軸径:約12mm

                    ※全長はいずれも芯を出した状態

                     

                    プリミエの方が少し太いぶん重さがありますが、スペックはほぼ同じ。しかしこの重さの4g差が大きく、プリミエはブラスにラッカー塗装を重ねて作られていることもあり、ひんやりズッシリという感じです。細いラッカー軸は男性の手には滑りやすいですが、軸径約12mmの安定感は伊達ではありません。

                    一方、ソネットシズレは安定の握りやすさ。シズレパターンはデザインだけでなく持ちやすさも両立しているところがファンが多い所以なのかと思います。素材がスターリングシルバーという所もポイント高いですね。パーカー75のスターリングシルバーとは仕上げが違うのか(コーティングされている?)、しばらく使っていて思うのが硫化に強いような気がするのです。

                     

                    スターリングシルバーといえば、銀の含有率であもる925の刻印が胴軸に施されているペンもあります。このソネットもスターリングシルバーということで、その刻印を探しましたが見当たりません。キャップリングの刻印は「PARKER SONNET FRANCE T」のみ。天ビス辺りにも見当たりません。しばらく軸を隅から隅まで見ているとそれらしいものがありました!

                     

                     

                    キャップのちょうどクリップの反対側のキャップリング寄りに何やらアルファベットと925の刻印、下にはダイヤ型のマークのようなものが見えます。残念ながらシズレパターンによって潰されてしまっていて何とかいてあるのか判別できませんが、925刻印が見つかって少しホッとした気分です。

                     

                     

                    デザインの違いを見ていくと、主に目を引くのが天ビス&クリップとペン先部分です。まず天ビスですが、ソネットはゴールドに黒い天ビスで、クリップも含め全体的に丸くまとめられています。このあたりが男女問わず人気の要因かも知れません。矢羽クリップも流線型のデザイン。角が取れているのは近代パーカーペンの特徴とも言えるでしょう。クリップを横から見るとアールがかけられており柔らかなイメージ。スーツのポケットに挟むとしっかり固定してくれます。

                     

                    左からプリミエ、ソネット、パーカー75。キャップデザインの違い

                     

                    一方のプリミエはエッジの効いたデザイン。天ビスは平たくカットされくぼみが付けられていて、クリップは直線的なデザインで存在感があります。この旧型は天ビスとクリップがセパレートですが現行モデルではクリップが天ビスから出ており、一層パーカー75の面影を感じるデザインとなっています。

                     

                     

                    ペン先部分に目をやると、どちらも三本のラインがあることに気付きます。ソネットのペン先はプリミエに比べて小さめでキャップリングと同じ細めのラインが入っています。プリミエは天ビス、キャップリング、ペン先と同じくらいの幅のラインがそれぞれ入っていて統一感がありますね。

                     

                     

                    【パーカー75の後継モデルは本当はどっち?】

                     

                    一般的にはパーカー75の後継モデルはソネットとされています。確かにソネットはパーカー75の交代モデルでスターリングシルバーシズレの軸がラインナップにあったり、軸径(すなわち書き心地)も近いところがあるためそうなのかも知れません。しかし、プリミエの天ビスの形は、まさにパーカー75そのものではないですか!現行モデルのプリミエはさらにパーカー75の生き写しのごとく似ており、2009年から登場したプリミエこそ真のパーカー75の後継モデルではないかと思うのです。

                    世代交代で一旦ラインナップを引き継いだのがソネット、パーカー75のデザインにインスピレーションを受けデザインを継いだのがプリミエと考えられます。パーカー75が発売されたのが1964年ですので、約半世紀近く後の2009年にパーカー75を模したプリミエを発売するあたり、パーカー社にとってもパーカー75のデザインは完成されていて重要なペンだったということが分かります。

                     

                     

                    【最近のパーカー筆記具で気になっていること】

                    最近の、と言ってもいつからかは定かではないですが、パーカーのペンに刻印されているはずの製造年のアルファベット表記と製造月を表すローマ数字が刻印されていないペンを見かけます。かくいう今回の記事で使ったプリミエもこの製造年月の刻印が見当たりません。ソネットには刻印されています。どちらも信頼の置ける百貨店文具売り場や文房具店で購入しているため偽物の可能性も低いのですが、なにか釈然としません。

                     

                     

                    手元にあるプリミエに製造年月の刻印が無いのは先ほど書いた通りですが、不可解なことに同じモデル間でも刻印のありなしが存在します。私が持っているソネットはプレシャスシズレGTとプレミアムブラウンPGTの二本なのですが、シズレGTは製造年月の刻印あり(T)、ブラウンPGTは刻印無しです。どちらも店舗購入でギフトボックス・保証書ありなのですが同じソネットのモデルでも刻印のありなしがあります。

                    どういうことなのでしょう?

                     

                    ちなみに、現在のパーカー筆記具の製造年月刻印は次のようになっています。

                     

                    刻印:QUALITYPEN

                       ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

                    意味:0123456789

                    この0〜9は西暦の1の位の数字です。例)Pなら1997年製、2007年製、2017年製など。

                    そして、製造年のアルファベットの横(右側か左側かは年代によって異なる)に製造月のローマ数字。

                     

                    四半期ごとにローマ数字が切り替わります。

                    1月〜3月製造・・・III

                    4月〜6月製造・・・II

                    7月〜9月製造・・・I

                    10月〜12月製造・・・  ※ローマ数字無し

                     

                    という具合いです。お手持ちのパーカー筆記具はいかがでしょうか。

                    パーカーのペンにはこのような製造年月の刻印があるはずなのですが…。ヴィンテージ以外の比較的新しい年代のペンならなおさらに。こちらは正確な文献がないため真相は分かりませんが、ちょっと気になっていることでした。

                     

                     

                    【筆記感とまとめ】

                    パーカーボールペンの回転繰り出し動作はねっとり系。アウロラの回転繰り出し動作とは正反対の、クロスに近いねっとり感です。インクは油性で、まあこちらは言うことなしですね。今やジェットストリームも使えるほど有名なパーカータイプのリフィル規格ですので、油性でも書き心地はお墨付き。油性の書き心地が苦手な方はリフィルを換えることで水性インクを使うこともできますので、好みに合わせて最高の書き心地を楽しみましょう!

                    この二本での書きやすさは個人的にはプリミエに軍配が挙がります。確かにシズレは滑りにくいのですが、プリミエの軸の太さから来る筆記の安定感とペン先部分の長さが字を書いていてすごく楽ちんです。

                     

                     

                    さて、今回は二本のパーカーボールペンを見てきたわけですが、やはり安定の書きやすさと確かな品質を感じるボールペンとしての質の高い仕上がりを改めて感じることができました。パーカー75から続く完成されたデザインは今もなおユーザーを魅了してやみません!個人的にはプリミエの軸径でシズレパターンの軸を持ってみたいのですが…発売されないでしょうかね。

                    パーカーソネットとプリミエは普段使いのボールペンでも少し高級な書き味を体験したい、という方にはうってつけのボールペンだと思います。もちろん誰かにプレゼントしてもきっと喜ばれることでしょう。

                     

                    それではまた。


                    2018.09.29 Saturday

                    ビスコンティ レンブラント 【ヴァン・ゴッホと比較】

                    0

                      みなさんこんにちは。

                      万年筆ブームも冷めらやぬ昨今ですがいかがお過ごしでしょうか。最近は万年筆のネタが多くなっていますが、今回の万年筆は最近買ったものではなく かれこれ半年前くらいに入手した万年筆についてです。レポートを書こう書こうと思いながらズルズルと今になってしまったわけですが、改めてこの万年筆に目を向けてみてやはりかっこいいな〜と思うのです。

                       

                       

                      その万年筆とはビスコンティのレンブラント(カーキグリーン)

                      以前もビスコンティの万年筆はヴァン・ゴッホ(ファン・ゴッホ)のタートルブラウンをレポートしましたが、今回はエントリーモデルのレンブラントです。ビスコンティの筆記具といえば美しいレジンの軸が特徴ですが、レンブラントのカーキグリーンはニブを含めシックな色合いで統一されている、大人の雰囲気漂う万年筆となっています。

                      レンブラントという名前は言わずもがな、ネーデルラント連邦共和国(現オランダ)の画家であるレンブラント・ファン・レインから取られており、色合い華やかなヴァン・ゴッホのペンとは対象的に、レンブラントならではの「光と影」を再現したコレクションとなっています。ラインナップも、ピンクを除くと全体的に渋めの色で構成されているため、ビジネスに使いたい社会人の方や黒軸が好みの方に人気があるようです。

                       

                      それではレンブラント カーキグリーンをヴァン・ゴッホ タートルとディティール比較しながら見ていきたいと思います。

                       

                       

                       

                       

                      【レンブラントの軸とニブ】

                      レンブラントの軸はレジン製でマーブル軸。透明のマーブル軸が多いなか、カーキグリーンは昔のペリカンM200のようなパールがかった不透明の色合いをしています。まるでレンブラント最初の作品である「大自画像」の服の一部のような深緑の軸を見せてくれます。

                       

                       

                      インク供給はコンバーター・カートリッジの両用式。私はコンバーター派なので純正のコンバーターをセットしています。軸はシンプルに胴軸・首軸・キャップに大分できます。そしてこの首軸ですが、ニブを反時計回りに回すことで首軸と分離させることができます。とうことはペリカンのようにニブを交換することもできそう…ですが、そういった使い方が正しいのか定かではありません。私は首軸とニブを外して洗っていますが、もともとは洗浄時にコンバーターと一緒にクルクル回るニブを見て偶然発見しただけで、公式の仕様ではないかも知れません。

                       

                       

                      胴軸にはゴールドやシルバーのリングのような装飾と言える装飾はなく、あくまでプレーンで尻軸に黒い金属装飾があるのみ。首軸に向かう胴軸には段差があり、軸を寝かせて書く場合、ちょうどこの段差をつまむように握ることができます。首軸は金属製で黒でありながらも美しい金属光沢を放っています。首軸の素材のせいもあり少しフロントヘビーな握り心地で、キャップを尻軸に差すことでベストなバランスが得られます(でも私はキャップを差さずに使うのですが…)。

                       

                       

                      特徴的な黒いニブはスチール製。字幅はFをチョイス。ビスコンティ万年筆の書き味の特徴に柔らかいニブが挙げられます。カリカリすることなくソフトなタッチで文字を走らせることができ、しっかりと文字の濃淡も出るため、明るめのインクと相性が良いように思います。

                       

                       

                      キャップはキャップリングとクリップ、天冠の装飾がブラック。ビスコンティの象徴とも言えるクリップには「VISCONTI」の文字。キャップリングには「Rembrandt」の文字とバロック絵画のような動的でダイナミックな模様が施されていて、ヴァン・ゴッホとはまた違う出で立ちです。このキャップと胴軸は後述するマグネティックロックシステムが採用されています。

                       

                       

                       

                      【レンブラントとヴァン・ゴッホのディティールの違い】

                      ここからはヴァン・ゴッホと比較しながら各部を見ていきます。意外と細かなところで違いがあり、雰囲気は似ている二本ですが全く別物だということに改めて気付かされます。

                       

                       

                      二本を並べた感じがこちら。カラーは動と静のように正反対です。マキシサイズのヴァン・ゴッホに比べ少しだけ全長が短くなっています。ペン先から首軸までの長さは二本ともに同じですが、胴軸の長さがヴァン・ゴッホが長い分差が出ています。

                       

                       

                      対象的なペン先。素材もですが、黒ニブと白ニブで全く違う印象となりますね。個人的に黒ニブは好きで、ラミーの万年筆でも黒ニブを好んで使っています。より筆記に集中できる気がします。

                       

                       

                      意外と違うな、と思ったのがこのクリップのディティール。ヴァン・ゴッホのクリップは「VISCONTI」の文字がエンボスになっていますが、レンブラントはフラットなペイントです。このあたりはエントリーモデルっぽいです。キャップの全景もレンブラントの方がよりシンプルにつるんとした金属的な見た目となっています。

                       

                       

                      【マグネティックロックシステム】

                      レンブラントの一番の売りがこれではないでしょうか。マグネティックロックシステム!分かりやすく言うと磁石嵌合式とでも言いますか、いや分かりにくいか。

                      マグネットが仕込まれていて、キャップと胴軸を近づけることで力を入れずにカチンと閉まります。なかなかクセになる締め心地です。これが体験したいがためにレンブラントを買ったと言っても過言ではない!

                       

                       

                      ということで当ブログで初めて短い動画を埋め込んでみました。

                      カチンと合う感じ、お分かりいただけたでしょうか。

                       

                       

                      【筆記感とまとめ】

                      さて、今回はビスコンティのレンブラントを兄弟軸であるヴァン・ゴッホと比較して見てきました。書き心地はどちらもさすがはビスコンティということで、柔らかな筆記感が楽しめます。そして、筆記感だけでなく独自性の高い美しい軸もビスコンティ万年筆の見所でもあります。デザインもレンブラントの名に恥じない細かな模様やマーブルレジンの質の高さが感じられます。

                       

                       

                      ペン先の字幅はFですが、ペリカンよりも細くモンブランより気持ち太い、文字の濃淡を楽しむのにちょうど良い字幅だと感じました。私は軸色がカーキグリーンということもあり、ラミーのペトロール(頂き物です)やパイロットの松露をいれて楽しんでいます。

                      華やかなイタリア万年筆のなかに潜む「光と影」を手にしてみてはいかがでしょう。

                       

                      それではまた。

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