• トップページ
  •  > ペンシル
  •  > ファーバーカステル パーフェクトペンシル プラチナコーティングの比較レビュー

2018.10.20 Saturday

ファーバーカステル パーフェクトペンシル プラチナコーティングの比較レビュー

0

    みなさんは鉛筆を使う機会はあるでしょうか。ほとんどの方が小学校卒業後はメカニカルペンシルへと移行し、鉛筆は美術の授業で使う以外はほぼ使わず、その後、美術系大学などの専門分野に進まない限りは再び鉛筆に触れることもないかと思います。しかし社会人になってからも鉛筆に興味を向けさせる筆記具というのが存在します。

    ファーバーカステルのパーフェクトペンシルがそれです。

     

     

     

    パーフェクトペンシルについては他で語り尽くされているため長くは語りませんが、書く消す削るを1本のペンで完結できる筆記具で、シャープナーが内蔵されているキャップ兼ペンシルエクステンダーは、スターリングシルバー製およびプラチナコーティングで仕上げられていて所有満足感は十分。鉛筆の部分についてもカリフォルニアシダーを使い持ちやすいようにリブパターンが刻まれています。いわば鉛筆という削らなければ書き続けることができない道具でありながら、尻軸に交換可能なキャップ付き消しゴムが装備されているなど贅を尽くした仕様。パーフェクトペンシルはただ単にシャープナーと鉛筆と消しゴムが一体になった筆記具というだけではなく、その素材、デザイン、造りすべてにおいて持つ喜びをこれでもかと感じさせてくれる文字通り完璧な筆記具と言るでしょう。

     

     

    今回はパーフェクトペンシルをじっくりと観察するとともに、パーフェクト具合いを「書く」「消す」「芯を削る」の観点から他の鉛筆達と比較しながらまったりとレビューしていきたいと思います。

     

     

     

     

     

     

    【パーフェクトペンシルの各部を観察する】

     

    それではまず、パーフェクトペンシルの各部を細かく見てきます。同じパーフェクトペンシルである9000番と比較してみると9000番がプラスチック製で少しふっくらとした形なのに対して、プラチナコーティングはシャープな印象。キャップの違いはもちろんですが、ペンシル部分もプラチナコーティングは消しゴムにキャップが付いたりと全体的にデザインに抜かりがありません。キャップへのペンシルの差し加減はどちらもキャップの中に板バネが仕込まれていてしっかりした差し心地です。

    ちなみに伯爵コレクションのパーフェクトペンシルには通常のサイズのものとマグナムと呼ばれる太軸のものがあります。太軸好きとしてはマグナムの方も気になりますね。

     

     

    キャップには「GRAF VON FABER-CASTELL GERMANY」の刻印。すぐ下にはローレットが刻まれていて、ペンシルエクステンダーとして使った時の安定したグリップ感に一役買っています。

     

     

    伯爵コレクションといえばこのクリップです。しっかりとしたバネでホールド感も抜群。クリップ先が反っているためポケットを傷めることがなく、かつエレガントな雰囲気を演出しています。

     

     

    キャップ部分は天冠がシャープナーとなっているのですが、まずはこの天冠の形状。ヤード・オ・レッドもそうですが、ラッパ型についたキザがなんともクラシカルでお洒落ではないですか。プラチナコーティングがシングルのローレットでスターリングシルバーがダブルローレットとなっています。

     

     

    天冠にはファーバーカステルの紋章が誇らしげに輝いていますね。このように拡大してみると男性と塔、そして盾がハッキリと見てとれます。一見、伯爵が杯を持ってカンパーイ!としているように見えますが、ファーバーカステルのHPにもあるようにファーバー家の紋章にある鉄槌を持った男性であると判断できます。右の塔はカステル家の紋章のものです。ファーバーカステルの紋章はこのファーバー家とカステル家の紋章が合わさり誕生した紋章であることが分かります。

     

     

    天冠をまっすぐ引き抜くとシャープナーが現れます。最初ネジ式かと思いましたが嵌合式。この辺の精度も流石で、収納されたシャープナーがぐらつくこともなくピタリと合わさり、そこにシャープナーがあるということを外見からは微塵も感じさせることのないデザインとなっています。

     

     

    ペンシルの尻には金属製のキャップが。これを回して外すと中から消しゴムが現れます。ペンシル部は、ペンシル(消しゴムを付けるユニット付き)・消しゴム・キャップという3つの部品で構成されていますが、リフィルと呼ぶものは消しゴムとペンシルの2つでキャップは購入時のものを使い回します。

    このNo.5のペンシルリフィルはブラックの他にブラウン・ナイトブルー・グレーがあるので、無くなったら違うリフィルを試してみるのも面白そうです。

     

     

     

    【「書く」を比較してみる】

    パーフェクトペンシルに付属するNo.5のペンシルは硬度Bです。硬度Bとは言っても国産鉛筆のHB程の硬さとなり、書き味もサリサリと心地の良い音が響くほどの硬さ。絵を描く用のペンシルと言うよりは文字を書くのに適した書き心地に感じます。さて、「書く」の比較では、ペンシルではなくキャップ兼エクステンダーの部分を比較していきます。比較に使うのは9000番パーフェクトペンシルのエクステンダーとe+mのペンシルエクステンダーです。

     

     

    まずはエクステンダーのみの重さですが、

     

    プラチナコーティング:24g

    9000番エクステンダー:5g

    e+mエクステンダー:15g

     

    プラチナコーティングはかなりの重量で、エクステンダー単体で中型万年筆くらいの重さがあります。高級感と引き換えの重量。付属のペンシル自体も最初は6g程あるためペンシルが長い状態で差すとかなりのリアヘビーとなります。そのため相当短くなってからエクステンダーとして使うのが良さそうです。ペンシルがまだ長い間も後ろに差したくなりますがグッと我慢!()

    一方、廉価版である9000番のエクステンダーは5gとかなりの軽さ。軽いということは鉛筆がまだ程長い状態で差しても安定した筆記ができるということです。e+mエクステンダーはさすがにエクステンダー専用に作られているため鉛筆を差したときのバランスが一番いいですね。

    基本、プラチナコーティングのキャップは特別な軸径のNo.5リフィル専用という認識がありますが、他の鉛筆を差すとどうなるのでしょうか。まずは9000番パーフェクトペンシルの消しゴム付きリフィルを差してみると

     

     

    これが普通に使えるのです。しかし消しゴムが付いていない通常の9000番鉛筆を差すとスカスカでした。他の鉛筆でも試してみると次の写真ようになります。

     

     

    手元にあるもので、トンボのMONOR、三菱赤鉛筆、ステッドラーノリス(三角軸)、ブラックウィング(キャップとしてのみ利用可能)は伯爵パーフェクトペンシルエクステンダーに差し込んで使えます。9000番パーフェクトペンシルより右の鉛筆は伯爵に差すとスカスカですが、9000番のエクステンダーなら差せる鉛筆です。9000番の右から順に、カランダッシュテクノグラフ、ステッドラーマルス、三菱UNI、ステッドラーノリス(六角軸)、カランダッシュスイスフラッグ。

    消しゴム交換できるという点では、ペンシルリフィルにブラックウィングを使ってもパーフェクトペンシルが完成するということになります!※消しゴムはむき出しですが…

    ブラックウィングが1本約350円程ですので、No.5リフィルに比べて非常に経済的。ただし、ブラックウィング自体がもとからかなり長い鉛筆のため、あまり削り進んでない状態でプラチナコーティングのキャップを差すと220mm超えの長さとなり筆箱に収まらないので注意が必要です。伯爵コレクションのパーフェクトペンシルは通常のプラチナコーティングに加え、ブラック(マグナムのみ)やローズゴールドといった新色も発売されているため選ぶ幅が広がっています。ペンケースの中の他の筆記具とも色合わせしやすくなったのが嬉しいところ。ローズゴールドのパーフェクトペンシルエクステンダーにゴールド軸のブラックウィングを合わせても面白そうです。

     

     

     

     

    【「消す」を比較してみる】

     

    次に「消す」の比較です。こちらはシンプルに9000番の尻軸消しゴムとの比較と、通常の消しゴムであるファーバーカステルのアートイレイサーとの比較を行っていきます。まずは9000番消しゴムとの消し字力比較から。

     

     

    文字にあるように上がプラチナコーティングのNo.5リフィルで下が9000番です。同じ硬度Bのペンシルですがなぜか9000番の方が濃く書けています。結果として消し字力は互角でした。当たり前なのかも知れませんが、値段は違えど消しゴム自体は同じもののようです。No.5リフィルの消しゴムの方が角が立っているため細い字が消せそうですが使っていくと角は丸くなるので同じと言えます。

     

     

    続いて単独消しゴムであるアートイレイサーとの比較。こちらはファーバーカステルの2B鉛筆で書いた字をそれぞれの消しゴムで消しています。上の段がNo.5リフィルの消しゴム、下がアートイレイサーです。黒く塗りつぶしたマスを消したところを見ての通り、こちらは流石にアートイレイサーの方がスカッと消せますね。グリーンの消しゴムというのも珍しくてかっこいいので、No.5リフィル用のアートイレイサーも発売して欲しいところです。

    ペンシル尻軸消しゴムの宿命として、一度に大量の字消しが容量的にも苦手なのは揺るがない事実と言えます。したがって、No.5ペンシルの消しゴムも「いざとなったら消せるぜ」くらいの言わば精神安定剤的な運用がよさそうです。手元に大きな単独消しゴムがあるならそっちを使うのがベスト!

     

     

     

     

     

    【「芯を削る」を比較してみる】

    最後は「芯を削る」の比較です。同じく9000番パーフェクトペンシルのシャープナーと比較します。エクステンダーの中に収納されているシャープナーだけあって非常にコンパクトな造り。

     

     

    それぞれのペンシルを削ってみたところ軸の削られ具合いはどちらも一緒ですが、削っている時の持ちやすさはプラチナコーティングの方に軍配が挙がります。これは素材の違い=値段の違いがダイレクトに出るところですね。削り心地はさすがにDUX等の単独シャープナーには及びませんが、芯が引っかかることもなくスムーズに削れます。伯爵コレクションのパーフェクトペンシルは削りカスすら美しい!

     

    このシャープナーのユニットですがブレードのみを交換することはできず、長年使って削りにくくなってきた時はユニットごと交換となります。天冠を回すとシャープナーユニットのみ外すことができブレード周りごとまるっと交換。このユニットがなかなかの値段で、9000番パーフェクトペンシルのユニットが約1300円〜1700円程(店舗によって異なる)。プラチナコーティングに至っては約5000円〜7000円が相場です。パーフェクトペンシルは維持費も伯爵級なのです!

     

     

     

     

    【まとめ】

    さて、今回はファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシルプラチナコーティングを多角的に比較しながら見てきました。たかが鉛筆、されど鉛筆。「書く」「消す」「芯を削る」を一本のペンシルに集約しファーバーカステルがデザインするとこれほど素晴らしい筆記具になるのかと感心しました。一方で、他の筆記具と違って維持費が高いのも悩ましいところです。使えば使うほどお金がかかりますが、この素晴らしい筆記具を使って勉強や仕事のパフォーマンスを上げることの対価と考えれば前向きな気持ちになれるでしょう。

     

     

    今回の検証でNo.5ペンシルリフィル以外の一部の鉛筆にもキャップやエクステンダーとして利用できるなど、意外と応用できそうなことが分かりました。パーフェクトペンシルを自由に使いこなすという点で、ブラックウィングと組み合わせても面白いかも知れません。また、この一本ですべてを解決させると肩を張るより、ポケットシャープナーやアートイレイサーなどと組み合わせて使うことで、より効果的に長く使い続けられるようになると感じました。こうしたアレンジが値段に見合う本来の価値以上に、パーフェクトペンシルを楽しめる秘訣ではないかと思います。

    ではまた。

     

     

    【関係のある記事】

    パロミノ・ブラックウィング 【消しゴム付き鉛筆の比較】

     

     


    2018.10.11 Thursday

    太軸万年筆用ペンケース 【モンブラン149/ペリカンM800/プラチナ出雲】

    0

      こんにちは。

      皆さんは普段どのようなペンケースをお使いでしょうか。収納力のあるペンケースや限られた数本を持ち運ぶためだけのペンケースなど色々あるかと思います。特に最近は万年筆を使うかたも増えてきて、なかなか一度に数本を持ち歩くということが難しいと感じていらっしゃるかたもおられるかも知れません。かくいう私も万年筆は何があってもいつでも持ち歩きたい派なのですが、何本も入る大きなペンケースを持ち運ぶのは億劫ですし、かといって持ち歩くことを断念したくはない。

       

      私の構想では木製のコレクションBOXに万年筆を収納・保管。そしてそれを母艦にして1本〜3本を収納できるペンケース(ペンシース)にその日のお気に入りだけを収納しコンパクトに持ち運ぶ。というのがベストではないかと思い立ちました。そして、最近熱心なマイスターシュテュック癸隠苅垢筍隠苅供▲后璽戰譟璽鵤唯牽娃亜▲廛薀船覆僚弍世里茲Δ並声緩年筆を、傷つけることなく持ち運べる頑強なペンケースに入れたい!という欲望のもと、頑丈でシックで経年変化が楽しめそうなペンケースを探し始めます。

       

       

      頑丈な1本差しあるいは2本差しのペンケース(ペンシース)を色々探すうちに、どうやら絞り技法のペンケースが良さそうだと。絞り技法はタンニンで鞣した革を水に濡らして型にはめ込んで作る製作過程がとても繊細かつ手間のかかる技法です。お気に入りの万年筆を専用のペンケースに入れたいと思い、マイスターシュテュック癸隠苅垢肇后璽戰譟璽鵤唯牽娃粟賤僂離撻鵐院璽垢鮹気靴燭箸海躓い砲覆襪發里鯣見。その名も「ル・ボナー1本差しペンケース」。絞り技法で頑丈そうで、何よりマイスターシュテュック癸隠苅浩賤僂離院璽后しかも経年変化も楽しめそうな逸品!あとは革色ですが種類が多くて迷う迷う。約一週間ほど色に迷います。使うほどに艶が増してくる鮮やかなグリーンやネイビーも捨てがたいですが、ここは中に入れる万年筆とのマッチングを考えて、黒×金を引き立たせるブラックで…。

      ということで太軸用のペンケースが増えていくのでした。今回は太軸用の1本差しおよび2本差しのペンケースに絞ってレビューしていきます。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

      【ル・ボナー1本差しペンケース】

       

      先の理由から、マイスターシュテュック癸隠苅浩賤僂離撻鵐院璽垢箸靴董△修靴藤硲个之佛変化に惚れてまず購入したのがこちら。ル・ボナーといえば「デブ・ペンケース」を思い浮かべる方も多いでしょうが、こちらもとても所有満足度の高いペンケースです。レザーはイタリアのブッテーロが使われています。ブッテーロは美しい色艶が出る経年変化で有名なタンニンなめしの革で、そのカッチリしたペンケースの造りとも相性抜群。表面はすべすべしていて手の中に握るとギュッギュッと革が鳴きます。

      カラーラインナップは8色で、トープ(ベージュっぽい色)、キャメル、チョコ、ワイン、レッド、グリーン、ネイビー、ブラック。サイズは長さが約160mm、幅が約30mm。太軸を納めるのに必要最小限のサイズと言えます。

       

       

      マイスターシュテュック癸隠苅垢縫團奪織蟾腓Δ茲Δ忘遒蕕譴討い萄垢靴心兇犬皀タつきは皆無。しっかりと固定されます。ここは結構重要で、ペンケースの中で万年筆がガタつくと持ち運ぶうちに振動でキャップが緩まり、最終的にはペン先のインクを乾かしかねません。ガタつきがないことはインクを長持ちさせるということにも繋がるのです。

       

       

      横から見るとこの革の厚み。コバもしっかりと磨かれていて手触りもなめらか。キッチリ収まるのと革の厚みとで万年筆が守られ、ものすごく安心感があります。これなら鞄の中に無造作に放り込んでおいても万年筆に傷がつくことはまずありません。欲しかったのはこの安心感!ちなみに上の写真のように癸隠苅垢茲蠅眥垢ぅ廛薀船覆僚弍世鯑れた場合も難なく収まります。が、キャップの軸径が出雲の方がより太いため癸隠苅垢茲螢チキチの収納感となり、抜くのが若干大変です。

       

       

      使い込んでいくうちに一番艶が出てくるであろうつま先部分。ステッチもていねいに縫われていて、丁寧な職人の手仕事を感じることができます。艶を出すにはハンカチで磨いて手入れをするのがいいそうです。磨いて艶を出すもよし、焦ることなく時に任せてのんびりと経年変化を楽しむもよしです。

       

       

      裏側には「Flathority by Le Bonheur」の刻印押しが。ロゴはこの裏側の控えめな一点のみですので前からの見た目は非常にシンプル。毎日使う上で道具として生活に馴染むのに「シンプルなデザイン」というのはとても重要に感じます。

       

       

       

       

       

      【革職人になる!!さんのM800専用ペンケース】

       

      私がどうしても毎日持ち運びたい万年筆はマイスターシュテュック癸隠苅垢梁召砲△硲暇棔▲后璽戰譟璽鵤唯牽娃阿鉢癸隠苅兇あるわけですが、先ほどのル・ボナーのペンケースラインナップには2本差しのペンケースがありません。1本差しか3本差しのみ。3本差しはイル・ブセットのペンケースがあるので、今たちまち必要なのは2本差しの頑丈なペンケース。

      ということで2本差しのペンケースをあらゆる方面で探したところ、ありました。革職人になる!!さんが作られている絞り技法を使ったペンケースが。こちらも丁寧な手仕事でこだわりのある造り。なによりM800専用のペンケースということでニーズにピッタリ合致しました。M800が入るということは、同じようなサイズのマイスターシュテュック癸隠苅兇眛るということ。これは買うしかありません。

       

       

      ということで手元にやってきたのがこちら。泣く子も黙る日本の栃木レザーが使われていて芳醇な香りも魅力。

      スペックは長さが約160mm、幅が約51mmとやはりM800にピッタリのサイズ。長さに至っては1本差しのル・ボナーとほぼ一緒という、製作者は違うながらもこの統一感。ペンケースを2つ並べても全く違和感がありません。造りも頑丈そのもので安心感◎。

       

       

      デザインを比較していくとフラップの部分が丸形なのが革職人さんの2本差しペンケース。絞り加工の部分も2本差しのペンケースの方がボリュームがありますね。このこんもり感がたまりません。革質は2本差しのペンケースの方がさらに固く、まるで万年筆に鎧を着せているかのよう。M800専用だけあってガタつきは無し。一緒に入れている癸隠苅兇錬唯牽娃阿茲蠎慣造細いため少し余裕が出てカタカタと鳴りますが私の中では許容範囲内です。この2本を一緒に持ち運べるというだけでテンション上がりますね。

       

       

      裏面はロゴ等も無くフラットかつシンプル。この剛性感はル・ボナーを凌ぐものがあります。コバの処理も見事と言うほか無くスベスベに磨き上げられています。買いたてのため革の表面はつや消しのごとく鈍い色合いですが、これがどのように変化していくか非常に楽しみなペンケースです。

      革職人になる!!さんのサイトではカスタムオーダーも受けておられるため、自分の好みに応じた専用のペンケースを作ってもらうことも可能です。制作工程もブログに載せておられますので気になる方はチェックです。

       

       

       

       

      Simple Songのひも綴じのコンパクトなペンケース】

       

      最後に、もう1本の太軸万年筆であるプラチナ/出雲向けに買った革のペンケース。出雲というとプラチナ純正の織物のペンケース「筆衣」がありますが、あえてレザーに包んでみたくなるのが経年変化マニア。こちらのSimple Songのペンケースはウォッシュ加工が施されていて表面の凸凹が特徴的です。なるべく出雲に合う和風なペンケースを探してこちらにたどり着いたわけですが、和風といえばやはりひも綴じでしょう。

      色はブラウン、ブラック、ナチュラルの3色。私は赤茶な色合いのブラウンをチョイス。サイトのサンプルではペンが2本収納されていますが、出雲を1本入れるのにちょうどいいサイズです。長さは出雲を入れて約155mm(入れるペンによって変動)、幅が約40mm。

       

       

      革が洗ってあるので触り心地は固いながらも、使われている革自体は薄いので非常にフレキシブルです。縫製は袋縫いで縫い目が内側に収納され、さながら見た目は革の袋という感じ。出雲を差す時の注意点として、漆塗りの万年筆のためそのまま入れるとウォッシュ加工された裏面の革で軸の表面を傷つけかねないことです。出雲を差す場合はフェルトか布でインナーケースを作って入れるなどカスタムが必要かと。また、革紐で巻くのですが革紐の先端が結んであるだけなので、チャームのようなものを付けると良さそうですね。

       

       

      布製のペンケースは見るからに和風ですが、経年とともに布がほつれるという心配がついて回ります。革ならその点の心配はなく、さらに経年変化まで楽しめるというわけです。このSimple Songのペンケースもカスタムオーダーを受けておられるので弄りたい部分がある場合は相談も可能です。

       

       

       

      さて、今回は1本差しと2本差しのペンケースを見てきました。お気に入りの太軸万年筆を専用のペンケースで持ち運ぶと特別感が出てさらに愛着が湧きます。皆さんも大切な1本のための特別なペンケースを探してみてはいかがでしょう。

      ではまた。

       

       

      【各ペンケースのリンク先】

      ル・ボナーの1本差しペンケース(ル・ボナーの一日)

      2本差しM800専用ペンケース(革職人になる!!)

      ひも綴じのコンパクトなペンケース(Simple Song)

       

      【関連のある記事】

      太軸万年筆が似合う!イル・ブセットのペンケース


      2018.10.02 Tuesday

      パーカー75の後継ボールペン 【ソネットとプリミエ比較】

      0

        さて、今回の記事も前々から書こう書こうと思っていた内容になります。

        仕事でボールペンを使うことが専らなのですが、その中でも出番が多いのがマイスターシュテュックとパーカー75。この2本は本当に使いやすくて、しかも先方に与える印象もいいので必然的に出番も増えてくるわけです。パーカーというと「ビジネスに向くボールペン」として記事にしたことがありますが、いくつかパーカーボールペンの種類も増えてきたところで、そのなかの2つのモデルを比較してレポートしていきたいと思います。

        パーカーのペンを使い始めたきっかけは言うまでもなくジョッターなのですが、異動の餞別やイベントの景品でパーカーのボールペンを頂く機会も多く様々な種類が集まりました。集めてるのではなく集まってくるパーカーのボールペン…。それだけ贈答品にはうってつけのネームバリューと品質なのでしょう。

         

         

        今回見ていく2本は、パーカーの中堅モデルとされるソネットと、デュオフォールドに次いでの上位モデルであるプリミエ。ともにボールペンでの比較です。ペンを買ったり頂いたりしたのが数年前ですので、現行モデルのデザインとはまた違っていますがその点はご留意ください。そして最近のパーカーのボールペンについて思っていること、というか気になっている点もついでに挙げていきたいと思います。

        それでは二本のボールペンを見ていきましょう。

         

         

         

         

         

         

         

         

        【ソネットとプリミエ】

        パーカーの筆記具の歴史からするとソネットの方が発売が早く、プリミエが後発となっています。ソネットのペンは軸径やデザインが性別・年齢を選ばないため、持っているという方は多いのではないでしょうか。2本ともブラックCTで比較できると良かったのですが、縁あってそれぞれ違うバリエーションのものが手元に入ってきました。ソネットがプレシャスシズレGT、プリミエがラックブラックSTです。

        スペックを比較すると、

         

        ソネット…全長:約138mm  重さ:30g  軸径:約10mm

        プリミエ…全長:約138mm  重さ:34g  軸径:約12mm

        ※全長はいずれも芯を出した状態

         

         

         

        プリミエの方が少し太いぶん重さがありますが、スペックはほぼ同じ。しかしこの重さの4g差が大きく、プリミエはブラスにラッカー塗装を重ねて作られていることもあり、ひんやりズッシリという感じです。細いラッカー軸は男性の手には滑りやすいですが、軸径約12mmの安定感は伊達ではありません。

        一方、ソネットシズレは安定の握りやすさ。シズレパターンはデザインだけでなく持ちやすさも両立しているところがファンが多い所以なのかと思います。素材がスターリングシルバーという所もポイント高いですね。パーカー75のスターリングシルバーとは仕上げが違うのか(コーティングされている?)、しばらく使っていて思うのが硫化に強いような気がするのです。

         

        スターリングシルバーといえば、銀の含有率であもる925の刻印が胴軸に施されているペンもあります。このソネットもスターリングシルバーということで、その刻印を探しましたが見当たりません。キャップリングの刻印は「PARKER SONNET FRANCE T」のみ。天ビス辺りにも見当たりません。しばらく軸を隅から隅まで見ているとそれらしいものがありました!

         

         

        キャップのちょうどクリップの反対側のキャップリング寄りに何やらアルファベットと925の刻印、下にはダイヤ型のマークのようなものが見えます。残念ながらシズレパターンによって潰されてしまっていて何とかいてあるのか判別できませんが、925刻印が見つかって少しホッとした気分です。

         

         

        デザインの違いを見ていくと、主に目を引くのが天ビス&クリップとペン先部分です。まず天ビスですが、ソネットはゴールドに黒い天ビスで、クリップも含め全体的に丸くまとめられています。このあたりが男女問わず人気の要因かも知れません。矢羽クリップも流線型のデザイン。角が取れているのは近代パーカーペンの特徴とも言えるでしょう。クリップを横から見るとアールがかけられており柔らかなイメージ。スーツのポケットに挟むとしっかり固定してくれます。

         

        左からプリミエ、ソネット、パーカー75。キャップデザインの違い

         

        一方のプリミエはエッジの効いたデザイン。天ビスは平たくカットされくぼみが付けられていて、クリップは直線的なデザインで存在感があります。この旧型は天ビスとクリップがセパレートですが現行モデルではクリップが天ビスから出ており、一層パーカー75の面影を感じるデザインとなっています。

         

         

        ペン先部分に目をやると、どちらも三本のラインがあることに気付きます。ソネットのペン先はプリミエに比べて小さめでキャップリングと同じ細めのラインが入っています。プリミエは天ビス、キャップリング、ペン先と同じくらいの幅のラインがそれぞれ入っていて統一感がありますね。

         

         

         

         

        【パーカー75の後継モデルは本当はどっち?】

         

        一般的にはパーカー75の後継モデルはソネットとされています。確かにソネットはパーカー75の交代モデルでスターリングシルバーシズレの軸がラインナップにあったり、軸径(すなわち書き心地)も近いところがあるためそうなのかも知れません。しかし、プリミエの天ビスの形は、まさにパーカー75そのものではないですか!現行モデルのプリミエはさらにパーカー75の生き写しのごとく似ており、2009年から登場したプリミエこそ真のパーカー75の後継モデルではないかと思うのです。

        世代交代で一旦ラインナップを引き継いだのがソネット、パーカー75のデザインにインスピレーションを受けデザインを継いだのがプリミエと考えられます。パーカー75が発売されたのが1964年ですので、約半世紀近く後の2009年にパーカー75を模したプリミエを発売するあたり、パーカー社にとってもパーカー75のデザインは完成されていて重要なペンだったということが分かります。

         

         

         

        【最近のパーカー筆記具で気になっていること】

        最近の、と言ってもいつからかは定かではないですが、パーカーのペンに刻印されているはずの製造年のアルファベット表記と製造月を表すローマ数字が刻印されていないペンを見かけます。かくいう今回の記事で使ったプリミエもこの製造年月の刻印が見当たりません。ソネットには刻印されています。どちらも信頼の置ける百貨店文具売り場や文房具店で購入しているため偽物の可能性も低いのですが、なにか釈然としません。

         

         

        手元にあるプリミエに製造年月の刻印が無いのは先ほど書いた通りですが、不可解なことに同じモデル間でも刻印のありなしが存在します。私が持っているソネットはプレシャスシズレGTとプレミアムブラウンPGTの二本なのですが、シズレGTは製造年月の刻印あり(T)、ブラウンPGTは刻印無しです。どちらも店舗購入でギフトボックス・保証書ありなのですが同じソネットのモデルでも刻印のありなしがあります。

        どういうことなのでしょう?

         

        ちなみに、現在のパーカー筆記具の製造年月刻印は次のようになっています。

         

        刻印:QUALITYPEN

           ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

        意味:0123456789

        この0〜9は西暦の1の位の数字です。例)Pなら1997年製、2007年製、2017年製など。

        そして、製造年のアルファベットの横(右側か左側かは年代によって異なる)に製造月のローマ数字。

         

        四半期ごとにローマ数字が切り替わります。

        1月〜3月製造・・・III

        4月〜6月製造・・・II

        7月〜9月製造・・・I

        10月〜12月製造・・・  ※ローマ数字無し

         

        という具合いです。お手持ちのパーカー筆記具はいかがでしょうか。

        パーカーのペンにはこのような製造年月の刻印があるはずなのですが…。ヴィンテージ以外の比較的新しい年代のペンならなおさらに。こちらは正確な文献がないため真相は分かりませんが、ちょっと気になっていることでした。

         

         

         

         

        【筆記感とまとめ】

        パーカーボールペンの回転繰り出し動作はねっとり系。アウロラの回転繰り出し動作とは正反対の、クロスに近いねっとり感です。インクは油性で、まあこちらは言うことなしですね。今やジェットストリームも使えるほど有名なパーカータイプのリフィル規格ですので、油性でも書き心地はお墨付き。油性の書き心地が苦手な方はリフィルを換えることで水性インクを使うこともできますので、好みに合わせて最高の書き心地を楽しみましょう!

        この二本での書きやすさは個人的にはプリミエに軍配が挙がります。確かにシズレは滑りにくいのですが、プリミエの軸の太さから来る筆記の安定感とペン先部分の長さが字を書いていてすごく楽ちんです。

         

         

        さて、今回は二本のパーカーボールペンを見てきたわけですが、やはり安定の書きやすさと確かな品質を感じるボールペンとしての質の高い仕上がりを改めて感じることができました。パーカー75から続く完成されたデザインは今もなおユーザーを魅了してやみません!個人的にはプリミエの軸径でシズレパターンの軸を持ってみたいのですが…発売されないでしょうかね。

        パーカーソネットとプリミエは普段使いのボールペンでも少し高級な書き味を体験したい、という方にはうってつけのボールペンだと思います。もちろん誰かにプレゼントしてもきっと喜ばれることでしょう。

         

        それではまた。

         

         

        【関連のある記事】

        ビジネスに向くボールペンとは? 【パーカー75】

        パーカー・ジョッター新旧比較!(誰得記事)


        2018.09.29 Saturday

        ビスコンティ レンブラント 【ヴァン・ゴッホと比較】

        0

          みなさんこんにちは。

          万年筆ブームも冷めらやぬ昨今ですがいかがお過ごしでしょうか。最近は万年筆のネタが多くなっていますが、今回の万年筆は最近買ったものではなく かれこれ半年前くらいに入手した万年筆についてです。レポートを書こう書こうと思いながらズルズルと今になってしまったわけですが、改めてこの万年筆に目を向けてみてやはりかっこいいな〜と思うのです。

           

           

          その万年筆とはビスコンティのレンブラント(カーキグリーン)

          以前もビスコンティの万年筆はヴァン・ゴッホ(ファン・ゴッホ)のタートルブラウンをレポートしましたが、今回はエントリーモデルのレンブラントです。ビスコンティの筆記具といえば美しいレジンの軸が特徴ですが、レンブラントのカーキグリーンはニブを含めシックな色合いで統一されている、大人の雰囲気漂う万年筆となっています。

          レンブラントという名前は言わずもがな、ネーデルラント連邦共和国(現オランダ)の画家であるレンブラント・ファン・レインから取られており、色合い華やかなヴァン・ゴッホのペンとは対象的に、レンブラントならではの「光と影」を再現したコレクションとなっています。ラインナップも、ピンクを除くと全体的に渋めの色で構成されているため、ビジネスに使いたい社会人の方や黒軸が好みの方に人気があるようです。

           

          それではレンブラント カーキグリーンをヴァン・ゴッホ タートルとディティール比較しながら見ていきたいと思います。

           

           

           

           

           

           

           

           

           

          【レンブラントの軸とニブ】

          レンブラントの軸はレジン製でマーブル軸。透明のマーブル軸が多いなか、カーキグリーンは昔のペリカンM200のようなパールがかった不透明の色合いをしています。まるでレンブラント最初の作品である「大自画像」の服の一部のような深緑の軸を見せてくれます。

           

           

          インク供給はコンバーター・カートリッジの両用式。私はコンバーター派なので純正のコンバーターをセットしています。軸はシンプルに胴軸・首軸・キャップに大分できます。そしてこの首軸ですが、ニブを反時計回りに回すことで首軸と分離させることができます。とうことはペリカンのようにニブを交換することもできそう…ですが、そういった使い方が正しいのか定かではありません。私は首軸とニブを外して洗っていますが、もともとは洗浄時にコンバーターと一緒にクルクル回るニブを見て偶然発見しただけで、公式の仕様ではないかも知れません。

           

           

          胴軸にはゴールドやシルバーのリングのような装飾と言える装飾はなく、あくまでプレーンで尻軸に黒い金属装飾があるのみ。首軸に向かう胴軸には段差があり、軸を寝かせて書く場合、ちょうどこの段差をつまむように握ることができます。首軸は金属製で黒でありながらも美しい金属光沢を放っています。首軸の素材のせいもあり少しフロントヘビーな握り心地で、キャップを尻軸に差すことでベストなバランスが得られます(でも私はキャップを差さずに使うのですが…)。

           

           

          特徴的な黒いニブはスチール製。字幅はFをチョイス。ビスコンティ万年筆の書き味の特徴に柔らかいニブが挙げられます。カリカリすることなくソフトなタッチで文字を走らせることができ、しっかりと文字の濃淡も出るため、明るめのインクと相性が良いように思います。

           

           

          キャップはキャップリングとクリップ、天冠の装飾がブラック。ビスコンティの象徴とも言えるクリップには「VISCONTI」の文字。キャップリングには「Rembrandt」の文字とバロック絵画のような動的でダイナミックな模様が施されていて、ヴァン・ゴッホとはまた違う出で立ちです。このキャップと胴軸は後述するマグネティックロックシステムが採用されています。

           

           

           

           

           

           

          【レンブラントとヴァン・ゴッホのディティールの違い】

          ここからはヴァン・ゴッホと比較しながら各部を見ていきます。意外と細かなところで違いがあり、雰囲気は似ている二本ですが全く別物だということに改めて気付かされます。

           

           

          二本を並べた感じがこちら。カラーは動と静のように正反対です。マキシサイズのヴァン・ゴッホに比べ少しだけ全長が短くなっています。ペン先から首軸までの長さは二本ともに同じですが、胴軸の長さがヴァン・ゴッホが長い分差が出ています。

           

           

          対象的なペン先。素材もですが、黒ニブと白ニブで全く違う印象となりますね。個人的に黒ニブは好きで、ラミーの万年筆でも黒ニブを好んで使っています。より筆記に集中できる気がします。

           

           

          意外と違うな、と思ったのがこのクリップのディティール。ヴァン・ゴッホのクリップは「VISCONTI」の文字がエンボスになっていますが、レンブラントはフラットなペイントです。このあたりはエントリーモデルっぽいです。キャップの全景もレンブラントの方がよりシンプルにつるんとした金属的な見た目となっています。

           

           

           

           

           

          【マグネティックロックシステム】

          レンブラントの一番の売りがこれではないでしょうか。マグネティックロックシステム!分かりやすく言うと磁石嵌合式とでも言いますか、いや分かりにくいか。

          マグネットが仕込まれていて、キャップと胴軸を近づけることで力を入れずにカチンと閉まります。なかなかクセになる締め心地です。これが体験したいがためにレンブラントを買ったと言っても過言ではない!

           

           

          ということで当ブログで初めて短い動画を埋め込んでみました。

          カチンと合う感じ、お分かりいただけたでしょうか。

           

           

           

           

          【筆記感とまとめ】

          さて、今回はビスコンティのレンブラントを兄弟軸であるヴァン・ゴッホと比較して見てきました。書き心地はどちらもさすがはビスコンティということで、柔らかな筆記感が楽しめます。そして、筆記感だけでなく独自性の高い美しい軸もビスコンティ万年筆の見所でもあります。デザインもレンブラントの名に恥じない細かな模様やマーブルレジンの質の高さが感じられます。

           

           

          ペン先の字幅はFですが、ペリカンよりも細くモンブランより気持ち太い、文字の濃淡を楽しむのにちょうど良い字幅だと感じました。私は軸色がカーキグリーンということもあり、ラミーのペトロール(頂き物です)やパイロットの松露をいれて楽しんでいます。

          華やかなイタリア万年筆のなかに潜む「光と影」を手にしてみてはいかがでしょう。

           

          それではまた。

           

          【関連のある記事】

          マーブルレジンの万年筆 【ビスコンティ/ヴァン・ゴッホ タートル】

          梅雨時期に気分を上げる筆記具 【ビスコンティ/ヴァンゴッホ グリーン】


          2018.09.25 Tuesday

          和製極太万年筆!プラチナ万年筆の出雲溜塗り/空溜

          0

             

            みなさんこんにちは。

            ついにやってしまった…。ベーシックな筆記具ラインで万年筆を楽しもうと心に決めて、今までブログを書いてきたわけですが…。筆記具にも地方で普通に生活していてその辺の文房具店で手にすることはない特殊なモデルというのがあります。ちょっとお高いモデル。モンハンで言うところのリオレウス亜種みたいなもんです(限定品ではないので希少種ではない)。それに手を出してしまうとは自分でも意外でした。

            いつか書いたように、私の筆記具沼の底はモンブランのマイスターシュテュック癸隠苅后だと思っていました、ハイ。149を手にするまでは。149が筆記具の沼の底だと思っていたのですが、実は149が筆記具沼の入り口だったということが判明しました。149に手を出すということは、太軸万年筆に興味が向いてしまうということだったのです!※太軸に向く傾向には個人差があります

             

            実際に所有する万年筆も、一般のボールペン並みの太さ(9mm〜10mm径)のものに始まり、ペリカンスーベレーンM400やプロフィットといった中級クラスを経て、パイロットカスタムやモンブラン146のような軸径が12mm〜13mmの太めな万年筆に向かっていきました。そして149を手にしたとき、極太万年筆の持ちやすさ、筆記の安定感、所有満足感がこれほどまでに高く素晴らしいものかと感動しました。それ以来、万年筆やボールペンを物色するときは「軸径が太いか」がひとつの購入判断材料になっています。

             

             

            そのような経緯から今回手にしてしまったものが、プラチナ万年筆の「出雲溜塗り/空溜」です。

            出雲シリーズは、創業者 田中俊一氏の生誕の地である島根県出雲市の協力のもと2010年に創出された万年筆です。出雲シリーズの万年筆は、素材を吟味し、各分野の職人が最高の技術を施した「出雲ブランド」の筆記具となっています。

             

            このブランド説明からも、ただならぬ亜種感が出ています…。

            今回はこの出雲溜塗り/空溜の細部をレビューすると共に、他の太軸万年筆や#3776との比較も行っていきたいと思います。

             

             

             

             

             

             

             

             

            【出雲溜塗り/空溜の各部詳細】

            この出雲溜塗り/空溜(以降空溜)は漆塗りです。その「塗り」の幾つかある技法のなかの「溜塗り」という技法が使われており、炭で表面を研ぎ、漆を塗り込み磨くことを繰り返して仕上げられています。職人の技術と手間がかかった工芸品と呼ぶにふさわしい表面の艶は、時間とともに変化を見せてくれることでしょう。

            出雲シリーズの万年筆はいくつか種類がありますが、この溜塗りは比較的リーズナブルに手に入れることができるモデルです。

             

             

            さて、軸をよく見ると、真っ黒ではなく透き通っている事が分かります。幾重にも塗られた漆がこのような味わい深い深い色合いを醸し出しているのです。エッジの部分からは下地の緑色が見えていてこれがなんともシブい佇まいです。胴軸・キャップ・天冠はエボナイト製。エボナイトといえばクラシックモンブランのペン芯にも使われている素材ですね。素材が希少なために昔ほど万年筆の軸には使われなくなったようですが、空溜はこの希少なエボナイト軸に漆を塗ることで作られています。

            手に収めた感じはまるで陶器を触っているかのようなしっとりとした手触りと剛性感があります。それもそのはず、胴軸・キャップともに厚みのあるエボナイトで作られているため強度も期待できます。しかし他の万年筆同様、取り扱いには細心の注意を払う必要がありますが。

             

            全体のフォルムは飾り気のないつるんとした出で立ちで、胴軸から尻軸にかけてはリングはなく一体型。まっすぐな軸ではなく、流れるようなラインがつけられています。このラインもキャップのシルエットとつながっていて、ゴールドやシルバーのトリムをあしらった王道のスタイルを外した、おおよそ万年筆離れした形に見えます。

             

             

            キャップを外すと首軸に向かって段階的に細くなっています。黒・緑・金の組み合わせから和を感じることができ、まさに「日本の色」と呼ぶにふさわしい色合いではないですか。金色の部分はネジ切りでキャップ開閉と、コンバーター(またはカートリッジ)へのアクセスを兼ねています。現行品ではこの金色のネジ切りは黒に変更されているようです。黒もまたシブい!

             

             

            コンバーターまたはカートリッジ式で、純正コンバーター500の金色が付属しています。ここまで来たら吸入式にしてほしかったですが、わがままは言いません。コンバーターにはいつか深緑のインクを吸わせたいものです。今はウォーターマンのブラックインクを入れています。

             

            左が#3776、右が出雲。

             

            ペン先を見てみましょう。

            ニブはプレジデントと同じ形の18金ニブが使われています。バイカラーとなっていて見た目もかなり格好良く仕上げられていますね。プラチナ万年筆お馴染みの「ハート型のハート穴」の下には刻印が「PRESIDENT 18K M(字幅) PRATINUM」。センチュリー#3776と見比べてみると、形は違えどニブの大きさはほぼ同じ。ペン芯はフィンが細くなり、横から見た形はどちらも同じような平べったい形をしています。ちなみにペン芯まではエボナイト製ではないようです。書き味はサリサリと音が鳴るほど硬めで、インクフローが潤沢ということもあって筆圧あり・なしでも同じような文字を書くことができます。

             

             

            続いてキャップを見てみます。

            径が18mmもある太いキャップは、特殊なクリップを含め出雲のシンボルのようです。天冠とキャップをつなぐエッジにも溜塗りの色合いが出ていてアクセントになっています。クリップは大型かつ特殊な形状で、「PRATINUM」の刻印付近の飾り刻印は和を思わせるデザインとなっています。

             

             

             

             

            【モンブラン癸隠苅溝召箸糧羈咫

             

            では、ここからは同じ太軸万年筆であるモンブラン マイスターシュテュック149他と比較していきます。全体はこのように149が可愛く見えてしまうほど。2本ともクリップやリング全体の仕上げで見事に和と洋を表現していますね。本当に素晴らしい万年筆です!

             

             

            胴軸はくびれがない分149の方が太いですが、全長は154mmと空溜が長くなっています。空溜は34.5gと重量もあるためキャップは尻軸に差さず使っています。というより、漆塗りの軸に傷がいくためにキャップは尻軸に差さずに使うのが本来の使い方のようです。ニブの大きさは癸隠苅垢諒が大きいですね。こう比べると、いやー、流石はマイスターシュテュックの首軸からペン先にかけてのこの存在感ですよ。

             

             

            ニブのサイズでいうと空溜(プレジデントニブ)はモンブランの癸隠苅兇汎嬰のサイズとなっています。ついでにM800のニブサイズとも比較してあります。こう並べるとニブサイズは似ていますが、いずれも書き心地は全くの別物。これが万年筆の面白さでもありますね。この4本の万年筆だと書き心地は右に行くほど硬くなります。

             

             

             

            【まとめ】

             

            出雲溜塗り/空溜、いかがだったでしょうか。職人の技術と漆塗りの深い透明感からにじみ出る和の雰囲気。日本製の万年筆も見た目は和洋折衷なものが多いですが、これは純和製のデザイン(ニブはプレジデントですが…)。たまらなくシブいです!いつまでも手に持っていたくなるしっとりとした漆塗りの手触りは他では味わえないものとなっています。

            かなり全長が長いため、これに合うペンシースがなかなかありませんが、モデルによっては万年筆袋がついているものもあるようです。私はレザーオーダーメイドの店で特別に作ってもらおうかと考えています。

            またこのような特殊なモデルを入手した際は追ってレポートします。

             

            ではまた。

             

            【関連のある記事】

            極細字の日本製万年筆 【プラチナ #3776 センチュリー】


            2018.09.19 Wednesday

            パイロット カスタムカエデとカスタム74 ボールペン 【74二種とカエデの比較】

            0

              JUGEMテーマ:文房具・ステーショナリー

               

              こんにちは。

               

              今回は久しぶりのボールペンのレポートでいきたいと思います。しかも書き心地で定評のある国内メーカーです。国内メーカーのボールペンは性能が良く、その技術は常に世界のトップを走り続けているといっても過言ではありません。

              とは言っても、このブログを読んでくださっている方ならお分かりかと思いますが、毎度の事ながら、私は筆記具においては最新技術のものより伝統的なものを取り上げる妙なクセがあります。そして今回も例外なく、フリクションのような最新ボールペンではなく、クラシカルな趣の軸で王道の油性ボールペンであるパイロットのカスタム74とカスタムカエデを取り上げてしまうのです。

               

               

              パイロットは2018年、創業100周年を迎えました。1918年に株式会社並木製作所として創業開始、1938年にパイロット萬年筆株式会社への商号変更を経て、1989年に現在の株式会社パイロットとなっています。パイロットの筆記具に付けられた「74」や「823」等の数字は、創業以来の年数だとされています。1992年に誕生したカスタム74は今も一番ポピュラーなモデルとして愛されています。

               

              今回レポートするのは、カスタム74ボールペンの中でもエントリーモデルの「BKKー500R」の伊東屋限定カラー「BKKー500RSB」と、カスタムの木軸モデルであるカエデ「BKー1000K」の2本。

              以前に回転繰り出し式ボールペンのカスタム74「BKKー1000R」をレポートしましたが、この2本はキャップノック式(キャップスライド式)の兄弟モデルです。

               

               

              伊東屋限定カラーを選んだ理由は、カスタム74「BKKー1000R」が黒金の仏壇カラーということもあり、パイロットの爽やか()な黒銀モデルを持ってみたいという簡単なものでした。パイロットの黒銀カラーのボールペンで私が真っ先に思い浮かべるのがカスタムヘリテイジですが、よりクラシカルなカスタム74に惹かれてしまいます。仕事でも黒金のボールペンより黒銀のボールペンの方が先方に爽やかなイメージを与えることはまず間違いないですし、「カスタム74だけど黒銀」というフレッシュなギャップを仕事しながら味わいたかったというのも本当のところです。

               

              カスタムカエデを手にした理由は、木軸だということ。そして次に、木軸であるということ。最後に加えるならば、やっぱり木軸だから、なんですよね。ようは木軸の筆記具がたまらなく好きなのです。ペンともに歩んできた時間が軸の色変化に現れるという、なんとも愛着が湧く素材ではないですか。カスタムカエデは素材にイタヤカエデが使われています。このボールペンも美しく透き通る宝石のような木肌を見せてくれます。

               

              とうことで今回はこの2本を、上位モデルである回転繰り出し式のカスタム74「BKKー1000R」と比較しながらレポートしていきます。

               

               

               

               

               

               

               

               

              【カスタム74とカエデ スペックの比較】

              カスタム74が2本あるので、以降は分かりやすく「BKKー500RSB」をカスタム74(500)、「BKKー1000R」をカスタム74(1000)と表記します。

              それでは3本の軸から見ていきましょう。

               

               

              まずスペックですが、

              カスタム74(500) :全長 137mm、最大胴軸径 13.0mm、重さ 17.5

              カスタムカエデ     :全長 137mm、最大胴軸径 12.8mm、重さ 27.2

              カスタム74(1000):全長 142mm、最大胴軸径 13.8mm、重さ 27.7

              となります。

               

              全長についてはカスタム74(500)とカスタムカエデが同じ137mm。上位モデルのカスタム74(1000)5mm長い142mmとなっています。上位モデルのカスタム74(1000)は大きめの万年筆と合わせて持ち歩いても違和感がないくらい堂々とした佇まい。一方、一般的と言える全長のカスタム74(500)とカエデは普段使いに適したサイズと言えます。特にカスタム74(500)は重さの面でも一番軽く、エントリーモデルらしく万人向けと言えるでしょう。

              重さといえば、カスタムカエデはカスタム74(1000)とほぼ同じ重量で、握った感じもずっしりと安定しています。コンパクトでいてズッシリくる、ガジェット好きにもたまらないこの密度感が所有欲を満たしてくれます。

               

               

               

              【カスタム3本の軸を比較してみる】

               

              カスタムカエデの胴軸を見ると、クリップ付近からペン先に伸びる木目がまるでドット柄のような模様となっています。そして裏面は対象的に、光の当たり具合により表情を変える透き通った美しい木目を楽しめます。こういった一本一本の個性も、マーブル軸と同じで同じ表情のものが二つとしてない木軸ペンの面白さと言えましょう!

               

               

              3本の軸を並べてみると、それぞれに美しさがあります。黒銀は誠実で爽やかな印象を与え、黒金の軸は貫禄と威厳をまとっているようです。そして木軸と金トリムの一体感が美しいカエデはカジュアルでありながら洗練された、日本人の手にも馴染む色合いとなっています。

               

              3本それぞれのキャップリングの違いです。

               

               

              カスタム74(500)はシルバーの細いクリップリングに「CUSTOM 74 ★ PILOT MADE IN JAPAN ★」の刻印。カスタム74(1000)のように黒く墨入れはされておらず、エントリーモデルだということがうかがえます。こう並べてみるとリングの太さも(1000)(500)でかなり違いますね。(1000)は重厚感が漂います。一方、カスタム74(1000)と同じゴールドトリムのカスタムカエデは段差がついたシングルのキャップリングを採用しています。刻印も「CUSTOM ART CRAFT  JAPAN」と非常にシンプル。リングを二重にしないのは、はやり素材の良さを際立たせたいからでしょうか。それもそのはず、胴軸はとても艶やかに磨き上げられていて、透き通る木目の美しさを堪能できます。

               

               

               

              【キャップノックと内部構造を比較していく】

              カスタム74(500)とカエデはノック感にも確かな違いがあります。軸が軽いカスタム74(500)はノックも軽やか。少々軽すぎる気もします。定価5000円のボールペンですので、個人的にはもう少し重みがあるノック感でも良かったのではと思います。カエデについてはその軸の重みに相まって、非常に弾力のあるノック感となっています。私が持っているキャップノック式のボールペンでいうと、以前記事にしたアウロライプシロンのノック感に似ています。このノック感には素材の重さが関係しているのではと考えます。アウロライプシロンはスターリングシルバーのキャップ、カスタムはイタヤカエデ。心地よい弾力でキャップをはじく事ができます。

              ※パイロットのHPには「キャップスライド式」と記載されていますが、キャップごとノックして芯を出す仕組みのため当ブログでは紛らわしくならないように「キャップノック式」と表現しています。ちなみにカスタム74(1000)は回転式です。

               

              キャップを外して構造を見比べてみます。

               

               

              2本を見比べてみると、胴軸側のネジ切りがカエデの方が頑強に作られていました(画像の部分)。リフィルは3本共に「BRFN-30」。カスタム74(1000)のみ初回装填リフィルは太字、他の2本は細字です。

               

               

              キャップ側の中の構造も2本で違っています。カスタム74(500)はプラスチックのネジ切り、カエデは金属製のネジ切りが使われています。カエデは安定した重みとノック感を実現するために内部構造に金属を多用してあります。これが気持ちのよいノック感の秘密だと言えますね。

               

               

              天冠とクリップの形状はどちらも同じですが、カエデの天冠は木目とツヤが素晴らしい出来で、いつまでもナデナデしたくなるのと同時にノック願望を誘発させてきます()。本当に木軸の筆記具はいつまでも触れていたい欲望に駆られますね。罪な素材です。

               

               

               

              【気になる書き心地とまとめ】

              筆記感はアクロインキ特有の、油性インクでありながらダマにならず滑るような筆記を楽しめます。職場ではサラサラの書き心地であるジェットストリームが人気ですが、個人的には油性インクの王様はアクロインキだと思っています。それほどアクロインキの書き心地は別格と言えます。なので、ジェットストリームのように、パーカータイプのアクロインキリフィルが出たらいいなーと思うのです。

               

               

              さて、今回はパイロットボールペン3兄弟をレポートしました。

              値段的には定価がカスタム74(500)が五千円、カスタム74(1000)とカスタムカエデが一万円ですが、この5千円の差は大きい!と感じました。所有満足感・筆記感を満たしてくれるのは間違いなく一万円の方ですので、500と1000と二種類あるけどどうしよう?と迷われているかたにはカスタム74(1000)やカスタムカエデをお勧めします。カスタム74(500)は手軽にアクロインキの書き味を試してみたい!というかた向けかと。(とは言っても、このカスタム74で黒銀の組み合わせがたまらなくかっこいいわけですが

               

              書き心地はいずれも折り紙付き。あとは重量・素材でお好みを選んでみるのはいかがでしょうか。

              それではまた。

               

              関連のある記事

              本気のボールペン!パイロットカスタム74【モンブラン マイスターシュテュッククラシック164比較】


              2018.09.08 Saturday

              筆記具のメンテナンス方法あれこれ

              0

                こんにちは。

                皆さんは普段、筆記具のお手入れはどのようにされていますか。万年筆やボールペンやメカニカルペンシルなど、筆記具は使うこと前提ですが、毎日使っていてもなかなか本腰を入れてメンテナンスすることは多くないのではないでしょうか。個人的には人がケータイやパソコンの次に一日によく使う道具が筆記具だと思っています。(もちろん業種によって違いますが…)

                ケータイやパソコンも使用後は一度電源を落として休ませるのがいいのですが、筆記具はどうでしょう。

                 

                 

                 

                一般的にはめがね拭きなどのクリーニングクロスで軸を拭くメンテナンス方法がありますが、それ以外にも様々な場面に合わせたメンテナンス方法があります。毎日使う自分の道具だからこそ、また、道具を長く使い続けるために良い状態に保ちたいものです。

                 そこで今回は筆記具のメンテナンスについてレポートしていきます。一般的なクリーニングクロスを使ったクリーニングから歯磨き粉を使ったクリーニングまで、私が行っている方法でご紹介していきます。

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                【クロスでのクリーニング】

                まずはもっともポピュラーなクリーニング方法から。クロスといっても色々ありますが、おすすめはめがね拭きです。筆記具の軸は樹脂やラッカー塗装された金属軸がメインですので、なるべく柔らかい布で拭きたいところです。ティッシュなどで拭く場合もありますが、こちらもなるべく柔らかいティッシュで。また、布が柔らかい固い限らずにゴシゴシと拭くと必ず軸の表面に小傷ができてしまうので、あくまでソフトなタッチで拭いてあげましょう。

                 

                 

                 

                日常使用している道具ですので傷は必ずついてしまいます。あまり神経質になる必要はないのですが、メンテナンスで傷を付けてしまっては元も子もありませんのでやさしくやさしく。

                 

                 

                 

                ほら、綺麗になりましたね!

                 

                 

                 

                 

                 

                【ブロアー・ブラシでのクリーニング】

                クロスで拭くほど汚れていない時や、毎日のちょっとした筆記具への労いで使いたいのがブロアーやブラシです。ブロアーはどのようなものを使うのがいいのでしょう。パソコンキーボード用のガスが入ったブロアーもありますが、ここはエコかつ使用音が小さいカメラ用品のブロアーがおすすめです。

                 

                 

                 

                こちらはカメラ用品店で売られている安価なブロアーで、ブロアーとブラシがセットになっています。カメラのメンテナンスやフィルムのホコリ飛ばしに活躍。筆記具も樹脂製万年筆などは軸の表面に静電気によりホコリがつきやすいです。

                 

                 

                表面についたホコリをブロアーでシュコシュコと飛ばしていきます。一日の終わりの軽いメンテナンスはクロスとブロアーで仕上げるのが簡単かつ効果的。

                 

                 

                凹凸のあるデザインやクリップ裏の掃除に最適

                 

                筆記具もいくつかのパーツで構成されているため、クリップ裏や胴軸とキャップの境目などホコリがつきやすい箇所があります。

                ブラシは筆記具のデザインで入り組んだ箇所などのホコリ取りに最適です。特にクリップ裏にはホコリが溜まりやすいので、ブラシでこちょこちょしてあげましょう!

                 

                 

                 

                 

                【特殊なクロスでのクリーニング】

                通常のめがね拭き用クロスではなかなか対処できない傷や汚れには特殊な効果が付いたクロスを使いましょう。プラスチック・レジン用クロスと金属用のポリマークロスがあります。

                 

                 

                プラスチック・レジン用クロスは樹脂軸の筆記具に最適です。超微粒子の研磨剤やツヤ出し剤を含んだクロスで、軽く拭くだけで小傷を目立たなくしたりツヤを出したりできるスグレモノです。ただし、めがね拭きと同じく力を入れてのゴシゴシはNG。軽く磨きたい部分に当てて軽くていねいに磨きましょう。

                 

                 

                注意点としては、新品の筆記具に使うとツヤが損なわれること。小傷を消したい、目立たなくしたい時やツヤを蘇らせたいときに使うクロスということで、長年使ってきた筆記具や買いたての中古品に使うことで効果大となります。

                筆記具の金属部分については金属用のポリマークロスを使います。

                 

                 

                金属用にも種類がありますので磨きたい金属の種類で選びましょう。スターリングシルバーのくすんだ軸を磨く場合はこのポリマークロスの出番です。

                 

                 

                ヤード・オ・レッド等のスターリングシルバー軸は保管期間により硫化して黒ずんでいきます。しかしポリマークロスで軽く磨くだけでこのようにキレイになります。ポリマークロスを使った後は軸に研磨剤やツヤ出し剤が着くので柔らかい布で拭いてあげて完成です。クロスの方は使った部分が黒くなりますが洗濯してしまうと研磨剤やツヤ出し剤といった有効成分が落ちてしまうので水洗いはNGです。

                 ※めがねやカメラのレンズをこれらで拭くと逆に傷が付くので注意。

                 

                 

                 

                 

                 

                【歯磨き粉でのクリーニング法】

                ここからは急に解説写真が多くなります()

                 

                 

                万年筆やボールペンのキャップリングやクリップリングなど、部分的に使われている金属部分を磨くときに私が使う方法です。

                本格的に綺麗にしたい時にはこの方法が一番!経年劣化で筆記具の金属部分が黒ずんでいる場合や、レザーのペンケースに入れていて変色してしまった金属部分に使うと効果的です。

                 

                度々記事の中で書いていますが、レザーペンケースの中には内側に銀面(革の表面)を使っている場合と、床面(革の裏側)を使っているものがあります。私がいくつかのペンケースを試した経験上で、レザーペンケースの内側が床面の場合はなめし剤?の作用で筆記具の金属部分が腐食あるいは変色する可能性が高いです。※同じ床面でもスウェード処理してある革の場合は発生しない。

                もしそうなってしまった場合でも歯磨き粉を使えば、ピカピカの状態に戻すことができるのです!

                それではやり方です。

                 

                 

                今回は試しにマイスターシュテュックのキャップリングの黒ずみ変色(赤線で囲んだSとTの上の辺り)を直していきます。経年劣化やペンケースによる変色でよく見る個所ではないでしょうか。

                 

                 

                歯磨き粉を少量とり、磨きたい部分につけます。歯磨き粉はだいたいが白いので着けた場所が分かりやすくていいですね。

                 

                 

                爪楊枝や竹串など、先の細い物でていねいに擦っていきます。このとき力を入れすぎないこと。周りの樹脂部分を擦ると傷がつく恐れがありますので慎重に。汚れが取れてくると歯磨き粉が黒くなってきます。この歯磨き粉の色変化(白→黒)の、異様なまでの汚れ落ちてる感が心強い。

                 

                 

                 

                あとは流水ですすぐか濡れティッシュで拭ったあと、から拭きして完成です。このように綺麗になりました!(SとTの上の部分)

                ちなみに真鍮なども歯磨き粉で磨くと綺麗になりますが、経年変化がリセットされてしまうので慎重にお願いします。

                 

                万年筆に歯磨き粉かよー…と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、歯磨き粉は優れた研磨剤かつ人の口に入れるものなので清潔。しかも爽やかなミントの香りで作業モチベーションも上がります!筆記具の金属部分の変色が気になる方はぜひお試しを!

                 

                 

                 

                 

                【保管や持ち運び時】

                毎日大切に使うため、道具に敬意を払うために保管や持ち運びにも気をつけたいものです。大きめのペンケースにひとまとめに入れるのも効率的ですが、大切な万年筆などはやはり一本一本が孤立するペンケースの方が安心です。

                 

                 

                樹脂はデリケートな素材ですので筆記具同士が擦れ合うと簡単に傷がつきます。綺麗な状態で長く使うため、また、次のユーザーへ綺麗な状態で引き継ぐためにもペンケースに入れて持ち運びましょう。

                 

                 

                 

                家ではペントレーや保管BOXに置くのがスマートです。私はペントレーを活用し、使いたいときにすぐに使える状態にしています。ペントレーの素材も経年変化が楽しめるレザーや真鍮製だとより気分も高まりますね。

                 

                 

                 

                 

                【まとめ】

                さて、いかがでしたでしょうか。様々なメンテナンス方法をご紹介しましたが役に立つものはあったでしょうか。玄人にはお馴染みのメンテナンス法ですが、万年筆ブームに乗って始められたかたや、長年引き出しにしまわれていた錆びた筆記具を出して改めて使ってみようという方に少しでもご参考になれば幸いです。ポリマークロス系においてはパッケージ裏の注意文をお読みいただき適正に使いましょう。歯磨き粉も本来の使い方ではないので、あくまで参考に。自己責任で行っていただくようお願いします。

                 

                色々なメンテナンス法がありますが、一つ言えることは、万年筆については使い続けることが一番のメンテナンスだということです。貴重な限定モデルや歴史的価値のあるものは置いておいて、筆記具は使ってナンボですので毎日傍らにおいて、仕事でもプライベートでもガンガン使いましょう!

                そして感謝の念を込めて一日の終わりには磨いてあげてください。

                 

                それでは今日も良い筆記具ライフを。


                2018.09.04 Tuesday

                1970〜80年代のモンブラン マイスターシュテュック146

                0

                  みなさんこんにちは。久しぶりの記事更新となります。酷暑も和らぎ、朝晩は涼しさを取り戻してきました。万年筆を手に机へ向かうのに最適な気候になりつつありますね。

                   

                  さて、以前の記事でイル・ブセットの三本差しペンケースを取りあげました。このときモンブランのル・グランシリーズを三本差そうと心に決めていたわけですが、真ん中に収まるべき一本であるマイスターシュテュック癸隠苅兇未入手でした。少し前、その真ん中に入る一本を手に入れたのでレポートしていきたいと思います。

                   

                   

                  私が入手した146は、現行モデルではなく1980年代のモデル。特徴は全金の14Kニブ、エボナイト2段芯、インク窓はクリアグレー、ピストン機構はプラスチック製です。オークションなどの中古市場でも比較的安価で美品が手に入る146。特に1970〜80年代のマイスターシュテュック146は書き味も柔らかく、質の高いモンブラン万年筆を楽しむ事ができます。よくネットで149と146の書き味を比較して、149は固めで146は柔らかめと表現されていますが、実際に書いてみて、なるほど と。私の手元にある149と146も、同じ製造年代ながらも146の方が書き味が明らかに柔らかです。

                  私が体験したモンブランの万年筆の書き味でいうと、以前にレポートしたヴィンテージの癸横欧亮,暴世蕕いと感じました。しかしペン先の柔らかさでいうと、癸横欧留毛のような柔らかさの右に出るものはないと感じます。

                  現行の146を持ち合わせていないため現行品との比較はできませんが、後半では上位モデルの癸隠苅后▲┘鵐肇蝓璽皀妊襪離ラシック145と比較しながらレポートしていきます。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  【146の外観〜キャップ〜】

                  マイスターシュテュックの中ではミドルクラスの万年筆。太めの軸と相まってスタンダードながらも筆記バランスやインク吸入機構など、パンチの効いた一本となっていてファンも多いモデルです。さっそくキャップから見ていきたいと思います。

                   

                   

                  こちらの個体のクリップの形状は「いかり」、クリップ先は「いなり」型です。70年代〜80年代のクリップ形状はクリップの肩が「なで」と「いかり」、クリップ先の留め具が「おにぎり」と「いなり」でそれぞれ2種類。「なで+おにぎり」の組み合わせが70年代初期のもので、「いかり+いなり」が現行に近い組み合わせとなっています。厳密には「なで→いかり」の移行期にあたる形状のものや、「なで+いなり」もあるようですが。これを年代ごとに集め始めると、もうモンブラン沼に胸のあたりまで浸かっているということになるのでしょう。

                   

                   

                  クリップリングの背面方向に「GERMANY」の刻印。こちらについては「W-GERMANY」の刻印のものもあるはずです。90年以降のものについてはGERMANYに併せてシリアルナンバーの刻印がある個体も出始めますが、こちらは70年〜80年製造のためシリアルナンバーはありません。

                   

                  ちなみに以前のクレジットの「偽モンブランを掴まないための記事」に出てきた偽モンブラン164のクリップ裏に刻印された「MADE IN GERMANY」ですが、あれ以降そのような刻印が入った個体とは出逢っていないため、おそらくは偽モンブランオリジナル刻印(?)の可能性が高いです。確かにクリップリングにGERMANYと打ってあるのに、クリップ裏にまでMADE IN GERMANYなんてくどくどと打たないような気がします。しかしながら、正確な文献は無いため参考程度にお願いします。

                   

                   

                   

                  キャップリングの「MONTBLANC - MEISTERSTUCK 146 -」刻印は細字。Nooの下にアンダーラインが入っていますね。キャップリングに若干変色があるので見にくいかもしれません。※ちなみにイル・ブセットのペンケースですが、モンブランのペンを入れておいたところキャップリングに変色(腐食?)が発生しました。ペンケース内部底側のなめし剤?が作用している可能性があります。モンブランのペンを入れる場合はご注意ください。

                   

                  ボールペンもそうですがベルリンの壁崩壊前のここの刻印は細字の個体が多いです。個人的に太字よりも趣があるため細字の刻印の方が好きですね。現行品はこの刻印が太くなっています。

                   

                   

                   

                   

                  【146の外観〜胴軸からペン先〜】

                  胴軸からペン先にかけて見ていきましょう。

                   

                   

                  70〜80年代の146のインク窓は透明グレー。現行の146は149と同じストライプのインク窓となっています。インクの視認性はもちろんのこと、ブラックやブルーブラックのインクを入れると窓が完全に消えるのもシブいですね。やっぱり吸入式はこういったインク窓があると便利です。

                   

                   

                  字幅はF。ニブのデザインは全金で、「4810」「モンブランロゴマーク」「14K」「MONTBLANC」「585」の刻印があります。全金ニブかバイカラーニブかで大きく印象は変わりますね。全金のニブは装飾柄などはなく非常にシンプル。

                   

                   

                  ペン芯はエボナイト製の二段。70〜80年代のペン芯はエボナイト製で、製造年によって段差があったりなかったりです。ペン芯が二段になっているところに切り込みが入っており、インクフローの良さに一役買っています。エボナイトという素材はインクとの相性が良いらしいのですが、製造コストが高いため現行品はプラスチックのペン芯に変更されています。

                   

                   

                  太すぎず細すぎず。普通の1cm幅のノートに書くと「夏」のような縦長の文字は潰れがちですが、万年筆で書いた文字の味は楽しめます。それにしてもこの字幅にはミッドナイトブルーがよく似合いますね。

                   

                   

                  手に持ったサイズ感はこちら。国産万年筆でいうとキャップを尻軸に差した長さがパイロットカスタム74とほぼ同じ。軸の太さはプラチナセンチュリー#3776に似ています。なので、普段カスタム74やセンチュリー#3776をお使いのかたであれば、柔らかい書き味も含めてヴィンテージの146も使いやすい万年筆ではないでしょうか。

                   

                   

                  尻軸にキャップを差さない場合はかなり軽くなります。現行の146はピストン機構の金属化にあたり、キャップを差さない場合でもバランスがとれているのではないかと思います。あ〜現行146欲しくなってきた。(いかんいかん)

                   

                   

                  尻軸をひねるとピストンが下がります。中に見えるネジが現行品だと金属に。それ以前はプラスチック製となっています。※50〜60年代初めのマイスターシュテュックはテレスコープという機構。個人的には寝かして書く派なので、軸はもう少し重い方がいいです。ということで現行品の146も気になってくるわけですね〜(いかんいかん)

                   

                   

                   

                  【ル・グランシリーズで比較】

                  それでは、ここからは比較です。

                   

                   

                  他のル・グランシリーズと並べてみます。キャップだけ見るとどれがどれだか分かりませんね…笑。

                   

                   

                  軸全体で見るとこの通り。左からボールペン、万年筆、メカニカルペンシル。当然ですがこの統一感です。男女問わず人気があるのは、おそらくクラシック145だと思いますが、軸の太さ重さを踏まえた万年筆としてのバランスは間違いなく146だと思います。

                  ボールペンとメカニカルペンシルは結構重量があるので万年筆が軽く感じます。もっとも、軽いのは70〜80年代の146であって、現行の146は胴軸のピストン機構が金属製のため、ボールペンやメカニカルペンシルと比べても遜色のない重さとなっています。

                   

                   

                   

                   

                  【モンブラン万年筆で比較】

                  次にマイスターシュテュック万年筆のシリーズで並べてみます。

                   

                  左から癸隠苅機↓癸隠苅供↓癸隠苅垢任后

                   

                  面白いのが、クリップの長さが3本とも同じということ。キャップを閉めたときの万年筆の全長もそれほど大差はありません。キャップリングの太さや尻軸のリングの幅も同じという統一感!比べてみて分かるのが、軸の太さと少しの軸の長さの違いだけで大きく印象が変わること。何年も続くモンブランマイスターシュテュックのデザインがいかに完成されたものかがうかがい知れます。モンブランと同じくサイズ違いでグレードの変わるペリカンのスーベレーンシリーズだと、クリップの長さ・大きさは軸の大きさに比例して大きくなっていきます。どちらがいいというものでもありませんが、ポケットに万年筆を挿した時でも仰々しくならないというのは良いことです。

                   

                   

                   

                  続いてホワイトスターの比較です。左から並びは先ほどと同じ。基本的にマイスターシュテュックのレギュラーラインは、軸の大きさに関わらずホワイトスターの大きさは同じです。私の持つ146と149の個体は少し小ぶりのホワイトスターのため、並べるとそれが目立ってしまいますが…。

                  ペンケースを開いたときにこの雪が並んでいると楽しくなってきますね!

                   

                   

                   

                  最後はニブ比較です。146のみバイカラーではありませんが、ニブの大きさの違いは顕著です。ちなみに現行品は146がバイカラー、149が白帯(金・白・金)となっています。

                   

                  グレードに合わせてニブの大きさも変わりますが、ここまで分かりやすいと気分がいいです。146のニブの長さはちょうどペリカン スーベレーンM800やセンチュリー#3776のニブと同じ。149のニブと並ぶと小さく見えてしまいますが、筆記するのになかなか絶妙なサイズのニブだということが分かります。ニブのデザインですが、現行の146は145のような中白バイカラーとなっていて装飾柄も145と同じです。全金のニブもシブイですがやっぱり私はバイカラーのニブの方が好みですね。

                   

                   

                   

                   

                  【まとめ】

                  さて、さまざまな角度からモンブランマイスターシュテュック146を見てきました。晴れてル・グランサイズの万年筆・ボールペン・メカニカルペンシルが揃ったわけですが、マイスターシュテュックという万年筆を調べれば調べるほど、次の1本が欲しくなってしまうという悪魔のループがあることに改めて気付かされました。かくいう私もすでに現行品の146が欲しくなってしまっています。(いかんいかん!)シリーズを揃えるだけでは済まない、恐るべしモンブラン。

                   

                  やはり歴史が長いメーカーほど様々なバリエーションの万年筆が世に出ているため、いろんなバリエーションを手に取りたいという思いに取り憑かれてしまいます。そうなってしまうと危ないので、色々調べたうえで、これぞ!という一本を選んでみてはいかがでしょうか。きっと長いモンブランの歴史の中から皆様に合う一本が見つかるはずです。自分の生まれ年代の一本を探すのもありですね。

                  それでは良い万年筆に出会えますよう!

                  今日はこの辺で。

                   

                  【関連のある記事】

                  モンブラン メカニカルペンシル 【クラシック165とル・グラン167の比較と使い方】

                  偽モンブランを掴まないための記事 【本物と偽物の比較】

                  モンブラン×リフィルアダプターMB-01+各種4C芯のレポート


                  2018.08.16 Thursday

                  偽モンブランを掴まないための記事 【本物と偽物の比較】

                  0

                    こんにちは。

                    突然ですが、次の3つのホワイトスターのうち偽物は Ν◆Νのどれでしょう?

                     

                     

                    難易度は高めかも知れません。回答は後ほど。

                     

                    “ついに手にしてしまったモンブランの筆記具。いや、ついに手にしてしまったと“思っていた”モンブランの筆記具。使うにつれて沸いてくる疑問。ネットで調べていくうちに疑問は確信へと。そしてもう一本(正規品)購入へ…”

                     

                    今回はモンブラン マイスターシュテュック クラシックのボールペンの本物と偽物を比較レポートします。外観比較で使用するのは3本(+α)、

                    マイスターシュテュック/クラシック・プラチナライン/ボールペン

                    マイスターシュテュック/クラシック・ゴールド/ボールペン

                    マイスターシュテュック/クラシック・プラチナライン/万年筆

                     

                     

                    さて、オークションで手に入れたペンは本物か偽物かという疑問が付きまといます。推測するに、オークションで出回っているモンブランの筆記具の半分以上は、写真や状況から偽物(コピー品)だと考えています。

                    手に入れた経緯を伏せてレポートすることもできるのですが、「情報を後世に残す」というこのブログのコンセプトから、他の誰かが同じような経緯で手に入れたペンがあった場合、真贋が少しでも明らかになるように共有していきたいと思います。

                     

                    モンブランのボールペンを正規ショップで買うことを考えると、オークションで落札したものは中古といえど格安なため、まともな商品であった場合かなりお得にゲットできたということになります。これはオークションの醍醐味といえますね。しかしながらその分リスクもつきまとうわけで…。ということで、今回のペンは新品ではなく中古美品。プラチナラインのボールペンの方は箱や説明書などはなくペンのみ、ゴールドの方は正規品の箱も説明書兼保証書もあり、プラチナラインの万年筆は正規品です。オークションで中古のものを手に入れた時点で、本物であってもどの年代のモンブラン筆記具なのか不明確であり、偽物である可能性も踏まえて自分なりにいろいろと調べ、そして使っていくうちに今回手にしたプラチナラインのボールペンは偽物と確信しましたので後述していきます。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    【真贋判定について】

                    左のプラチナが偽モン、右のゴールドが本物

                     

                    さて、この偽モンブラン(以降:偽モン)ですがなかなかよくできています。ぱっと見は本物ではないかというクオリティです。

                     

                     

                    自力でなんとか真贋判定しようと思いましたが、ネットにはシリアルナンバーなどの情報が少なく、近年偽物のクオリティも上がってきている(笑)らしいので、最終的にオークションで落札した品の真贋を正確に判定するにはモンブランブティックに持ち込むという方法しかなさそうです。確かに本物の定義をパキッと出すとそれをまたコピーされかねませんのでしょうがないのかも知れません。

                    ということで、モンブランブティックが近くにないこと、本物の具体的な条件は公開されていない(らしい)ことを踏まえて、あくまで正規品とそれ以外(偽モン)の比較として、現在手元にあるモンブラン筆記具の違いを記録として残していきたいと思います。

                     

                     

                    【スペック比較】

                    本物:筆記時の全長140mm、軸径12mm、重さ23

                    偽モン:筆記時の全長139mm、軸径12mm、重さ23

                     

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    スペックを比べてみるとほぼ同じですが、手元の偽モンは全長が1mm短いです。

                     

                     

                    ただし、ペンの全長などは製造された年代によって細かな仕様変更がされてるようで、これだけでは真贋判定できません。

                     

                     

                    【外観比較/ホワイトスター】

                    それではまず、外観の比較として天冠の部分からペン先へと順に辿っていきたいと思います。モンブラン筆記具の象徴といえるホワイトスター。お洒落ですよね。

                     

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    ぱっと見は本物のように見えますが、細かく見ていくとホワイトスターの輪郭に滲みが見られる部分があります。ホワイトスターは角が丸められた正三角形が2つ重なったデザインをしています。この丸められた角の部分の仕上げが均等ではない(尖っていたりする)のが偽モンです。これはかなりまじまじと見ないと分からないレベルです。

                     

                    ということで、冒頭の問題の答えは,任靴拭

                    正解できたでしょうか?

                     

                     

                     

                    また、このホワイトスターのある天冠部分は、本物はねじ式で取り外すことができます。ただ、これも正確な文献がなく、製造年代によって外れないものもある可能性がありますので、真贋判定の決定打ではないと思われます。

                     

                     

                    【外観比較/クリップ】

                    クリップの外見はほぼ違いがないように見えます。しかし厳密に見ていくとクリップ部分の仕上げが偽モンは甘いです。また、一番のポイントが「GERMANY」の刻印とシリアルナンバーです。私が今回、このプラチナラインのボールペンを偽モンと確信した要因のひとつがシリアルナンバーです。

                    モンブラン筆記具のクリップ部の刻印には、ライカカメラのような角張ったデザインのフォントが使われています。

                     

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    刻印の「GERMANY」の“A”の部分のフォントですが、偽モンが通常のAに対して、本物のAは上部が角張っています。もしかしたら製造年による仕様変更とかで過去の本物も通常のAである可能性はありますが、現行品のAは上部が角張ったフォントが使われています。また、製造年代によっては「W-GERMANY」(西ドイツ)と彫られているものもあるようです。

                     

                     

                    そして、肝心のシリアルナンバーです。手元にある偽モンのシリアルナンバーは「IW1666858」。実はこれと同じシリアルナンバーのペンが世界中に存在しているようです。シリアルナンバーの重複に気づくにはGoogle検索で、「モンブラン XXXXXXXXXXはシリアルナンバーの数字の部分)」で検索するとヒットする確率が高いです。

                     

                    手元にあるシリアルナンバー「IW1666858」は海外の掲示板で発見しました。しかも現在もこれと同じシリアルナンバーのボールペンがヤフオクでも出品されています。※出品者も偽物(コピー品)と気づいていない可能性がある

                    厳密にモンブラン筆記具のシリアルナンバーの構成や桁数については明記されていないので、アルファベットがどうとか、8桁なのか9桁なのかという部分についての定義は分かりませんが、普通に考えて同じシリアルナンバーは世界に二つとあってはいけません。ですのでシリアルナンバーは、真贋判断のひとつの有力な材料であることは間違いなさそうです。

                     

                    ※シリアルナンバーが付きだしたのは1989年のベルリンの壁崩壊後、東西ドイツ統合以降製造から(およそ1991年〜)とされていますので、クリップリングの刻印が「W-GERMANY」あるいは「GERMANY」(レーザー刻印ではない)の場合は、逆にシリアルナンバーが付いていないものが正と考えられます。

                     

                     

                     

                    次にクリップの部分ですが、正面から見た分についてはほぼ同じと前述しました。

                     

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    クリップ裏側にも刻印があるのですが、偽物の刻印は「Made in Germany」、本物は「Pix®」です。ただこれについてもはっきりとした文献はなく、製造年によって変わっている可能性はあります。現にPix®に変わったのは1991年からとされています。これ以前の刻印は「Made in Germany」の可能性もあるわけですね。

                     

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    クリップ部での本物と偽モンの違いは、クリップ性能にもあります。これは実際に厚手のポケットに挿してみないと気づかないのですが、横から見た形状についても若干異なっています。偽モンの方が矢印の部分が膨らんでいますね。このため厚めのポケットに挿すときに引っかかりが生じます。一方、本物はクリップの先に向けて緩やかにカーブしており、生地がクリップの奥へ入りやすいようになっています。このあたりのこだわり抜いた細かな仕上げも本物は流石です。使っていて気持ちいい!

                     

                     

                    【外観比較/三連リング】

                    ボールペンの真ん中の部分に当たる三連リングを細かく比較していきます。リングの間隔等は同じに見えます。

                     

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    違いは刻印の深さ。刻まれた文字の深さというかくっきり度が、偽モンの場合薄いです。手元にある偽モンの「Pix®」の部分は読むのが難しいほど薄いです。

                    これは偽モンの万年筆にも言えることですが、全体的に刻印が薄い。ニブの刻印などを見れば一発で分かるレベルです。また、字体の大きさが偽モンの方が大きいです。

                     

                    左:偽モン  中:本物  右:本物(万年筆)

                     

                    一番太い真ん中のリングを細かく見てみると、まず上下がライン取りされています。真ん中のスペースに「MONTBLANC-MEISTERSTUCK-Pix®-」と刻印してあります。“A”“U”の特殊なフォントは本物も偽モンも同じ。ただ、文字が掘ってある上下のラインとのバランスが悪いのが偽モン。そして、この三連リングのあたりの仕上げが雑なのが偽モンです。黒い樹脂の部分を見てみると歪みがあります。本物はこういった歪みはなく細部まで美しい仕上がりです。

                    ただ、今まで比較してきた部分も、実際使ってみたり遠巻きで見ただけではまるで気づかないレベルまできていて、偽モン恐るべしと言わざるを得ません。

                     

                     

                    【外観比較/口金】

                    左:偽モン  右:本物

                     

                    最後は口金の比較です。偽モンを使ってみて最初に違和感を覚えるのが筆記感かも知れません。ペン先を見ると口金が分厚く、リフィルに対しての穴も大きいので筆記時にペン先がブレます。これはいただけません。

                     

                    上:偽モン  下:本物

                     

                    口金が分厚いためにペンポイントも若干見にくくなっています。最初から装填されていたリフィルも本物なのかどうなのか分かりませんが、印刷されているロゴなどの文字が滲んでいました。このままでは使いづらいので、リフィルの先にマスキングテープを巻いて口金との隙間を埋めて使っています。また、私の手元にある偽モンは大丈夫なのですが、偽モンの中にはフィリル交換の際、同軸からバネが出てくるそうです。そうなってくると軸のクオリティーはその辺の100円ボールペンと同じですね。

                     

                     

                     

                    【まとめ】

                    さて、今回、手にした偽モンを隅々まで確認してきました。ぱっと見は本物に近いですが、様々な作り込みが偽モンでした(偽物なので当然と言えば当然ですが…)。ネットでモンブランを購入するときは注意が必要です。特にオークションなどはかなりの確率で偽物に遭遇するリスクがあるので、しっかりと見定めましょう。

                     

                     

                    ◆オークションで偽物を見抜くためのまとめ◆

                     

                    _菫でシリアルナンバーが確認できない場合は質問する

                     偽モンは詳細な画像を載せていない場合がほとんどです。ピンぼけや引いて撮影してある画像は要注意。

                     よく「専門的な知識がないため質問には答えられない」といった出品者がいます。専門的な知識がなくても シリアルナンバーの確認くらいできるはずですので、質問してみて何らかの回答をしてこない出品者は怪しいです。

                     

                    同様に、クリップ裏の刻印の確認、ボールペンについては天冠の部分が外れるかを確認

                     これも専門的な知識がなくても現品が手元にある出品者なら確認できるはずです。

                    ただ、前述したようにクリップ裏の刻印が無いからといって偽モンという判断はできません。ベルリンの壁崩壊以前のモデル(クリップリングにW-GERMANYまたはGERMANYの刻印のみ)についてはもともとクリップ裏の刻印が無い可能性が高いです。

                    現行モデルでいうと、角ばったフォントのGERMANYと同フォントのシリアルナンバー、キャップリングのPix®とクリップ裏のPix®、この4点が揃っていることが本物の判断基準と言えそうです。 

                     

                    出品者の評価や出品リストを見る

                     偽モンを取り扱う出品者は、種類を変えてモンブランのペンばかりを出品していたり、評価数も50以下というケースが多いです。専門知識のない個人出品者でモンブランのペンを大量に持っているというのは一般的にありえない話です。専門知識のあるモンブランマニアが大量のモンブランを持っているならまだしも、です。

                     

                    そ佗覆気譴討い襯皀妊襪箏身屬鮓極める

                     近年、偽モンのクオリティも上がってきていると書きましたが、それ以前に出品されているモデルが本当にモンブラン筆記具のラインナップにあるものなのか、これを最低限見極める必要があります。見極めるといってもモンブランのサイトを見るだけなのですが、明らかにラインナップに無いおかしな軸色をしたマイスターシュテュックや、ペン先のおかしなスターウォーカーの万年筆や、細かいところでマネし切れていないアガサクリスティーモデルやヘリテイジモデルなどなど。パッと見ただけでも相当な数のモンブランの偽物が出品されています。まず最初のフィルターとして、そこには引っかからないようにしましょう。

                     

                     

                    入札する前にこの4つを押さえるだけでも、偽モンをかなりの確率で避けることができるはずです。また、ネット上には堂々と「モンブランコピー」とうたって模造品を販売しているサイトもあります。定価を切る値段(ボールペンであれば3万円以下)で販売されている場合は疑った方がよさそうです。

                    悲しいのは、偽モンが溢れているせいで偽モンを本物と思って気づかず使ってしまっている方がいるということです。偽物が出回ることで本物の価値を下げてしまいます。本物のモンブランは素晴らしい筆記具です。決して安くはない買い物ですが、本物を使いましょう!

                    以上、モンブランボールペンのレポートでした。

                     

                     

                    【番外編:偽モンとそっくりさん?の比較】

                     

                    比較の番外編として、今回の偽モンとなぜか職場にあったヒルトンホテルのアメニティー?とおぼしきボールペンを比較します。なぜ比較するかというと、そっくりさん?は明らかにモンブランのボールペンを意識している(と思われる部分がある)からです!

                     

                    【外観/キャップ部】

                     

                     

                    ペン自体の長さはほぼ同じ。素材はプレシャスレジンではなく、見るからに普通の黒いプラスチックです。一番のそっくりポイントはこのクリップの形状!天冠に白いマーカーで星を書きたくなります()

                     

                     

                    クリップは似せながらも回転式ではなく、オリジナリティーのあるノック式!キャップをノックして芯を出す方式です。そして見た目の重厚感?とは裏腹に、わずか約10gという軽さ!

                    ヒルトンホテルに宿泊した際はこのボールペンに出会えるかもしれません。

                     

                     

                    以上、モンブラン マイスターシュテュック/クラシック ボールペン(+α)の比較レポートでした。モンブランは筆記具沼の底と定義していたので、これで私の筆記具道楽は一段落ついたと言っていいです。※あくまで一段落なのでまだまだ欲しいものはあります

                     

                    ではまた!

                     


                    2018.07.24 Tuesday

                    至高のシャープナー!エル・カスコ M430-CN の使い方

                    0

                      夏本番となり、朝晩冷房無しでは過ごせなくなってきました。いささか机に向かうのが億劫になる気候ですが、いかがお過ごしでしょうか。夏の暑い夜はどこかの高校生のように、部屋にこもって汗をだらだら流しながら鉛筆で建築物を描くのがお勧めです。そんなときは、ペットボトルに入った冷たい水と何本かの鉛筆、そしてモチベーションが上がる鉛筆削りが欠かせません。

                       

                      以前、モチベーションが上がるポケットシャープナーをレポートしましたが、今回は「ポケット」ではない方のシャープナーをレポートしていきたいと思います。このシャープナーは前々からずっと欲しかったのですが、その値段からなかなか手が出ず見送っていました。しかし、ずっと気になっていたモノをそのままにしておくわけにはいきません。

                      オークションで状態の良い物がお安く出品されていたのでポチリ。晴れて迎え入れることができたわけです。

                       

                       

                      そのペンシルシャープナーは、エル・カスコのシャープナー「M430-CN」。

                      コンパクトでありながらこの重厚感。おそらくこれ以上の鉛筆削りは無いでしょう。

                      ネットにもそれほど情報が無いので使い方と細部をレポートしていきます。

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                      【デザインと特徴】

                      エル・カスコはスペインのメーカーで1920年に創業されました。ヨーロッパの文房具メーカーというと大体は、ドイツかイタリアかイギリスか…といったところですが、こちらはスペイン。やはり人間の書くという行為において培われてきた長い歴史は、どの国にもあるようです。エル・カスコ社もデスクトップアクセサリーの老舗で、その重厚かつ高級感溢れる文房具でコアなファンが多いメーカーです。シャープナーの他では独特な形のステープラーが有名ですね。ステープラーについてもいつか手に入れたらご報告します。

                       

                       

                      特徴としてまず目に入るのが、クロームのハンドルに輝く木製の持ち手ではないでしょうか。昔からある一般的なシャープナーの形ですが、素材やデザインが違うだけでこうまで削りたい欲求が変わってくるとは…。このシャープナーと対峙したとき、とりあえず無言で木製の持ち手をつまんでしまうことは避けられません。木に触れたい衝動はもはや人間の生理現象と言えます。

                       

                       

                      クロームの部分はピカピカに磨かれ、前面にはエル・カスコのロゴが。これがまたかっこいい。ファーバーカステルといいエル・カスコといい、なんでこんなにメーカーロゴがかっこいいんでしょう!ロゴと言うか、もうエンブレムですね。ちなみに裏面はプレーンなクロームとなっています。

                      指紋はつきますが、使用後のメンテナンスとして柔らかい布で優しく拭いてあげましょう。

                       

                       

                      ハンドル部分には削り具合を調整するつまみがついていて、4段階に変更することができます。ローレットの入ったノブを引き出して回転させてマークを切り替えます。マークは上に行くほど長く削れるようになります。これについては最後の項で比較しながら見ていくこととします。

                       

                       

                      鉛筆を差し込む部分は、よく見るつまんで開けるタイプです。鉛筆は日本製のようにガチガチにロックれません。

                      続いて上面を見てみましょう。

                       

                       

                      窓があります。

                      なんと、ここから鉛筆が削られるメカニズムを見ることができます。なにもそんな窓付けなくても…、という声が聞こえてきそうですが、これがなかなか面白いのです。

                       

                       

                      ドリルが幾重にも配置されていて、ハンドルを回すとまるでピタリと合った歯車のようにくるくると回る様は鉛筆を綺麗に、そして早く削ることに情熱を傾けてきた、メーカーの歴史そのものではないかと思うのです。

                       

                       

                      そして削られた木と黒鉛は真下の引き出しへと落ちてゆきます。かなりの大容量。いったい何本の鉛筆を削り終えればこの引き出しがいっぱいになるのでしょうか。

                       

                       

                      引き出しには大きめの持ち手。そして持ち手の上には芯の仕上がりを調整するためのヤスリが設けられています。まさに鉛筆への愛情が生み出した、完璧なシャープナー。

                       

                       

                      台にはレバーがあり、レバーを動かすことで本体と机を吸着し固定する仕組みです。平らな机でないと効果がありませんが、ピタリと吸着すると微動だにせず素晴らしく削りやすいです。

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                      【操作方法】

                      それでは次に操作方法です。

                       

                      ・鉛筆の仕上がり具合を調節するレバーを引き出し、好みの位置まで回転させて合わせます。

                       かなり強めのスプリングが入っていますので力強く引っ張らないといけません。

                       

                       

                      ・机などの平らな台に置き、台座のレバーを手前から奥(もしくは奥から手前)にゆっくり倒して吸着させます。

                       

                       

                      ・静かにロックレバーをつまみ、鉛筆を確認したらチャック部に差し込みます。

                       

                      ・本体は机にピタリと吸着しています。鉛筆の端を軽く握り、チャック部に向けて軽く押しながら右手はハンドルに。

                       

                      ・ハンドルを回すとゴリゴリと大きめな音を立てながら鉛筆が削られていきます。ハンドルを通して伝わる鉛筆が削れていく感触を楽しみます。

                      目を閉じ削り上がりを想像しながら、じっくりとコーヒーを挽くように回しましょう。鉛筆が削れるときに漂う木の香りを楽しむこともお忘れなく。半分ほど削れる感触を楽しんだら、次は上部の丸い窓から鉛筆が削られていく様を眺めつつ削ります。

                       

                      ・削り終わるとハンドルを回す手応えが軽くなるので、再びロックレバーをつまみ ゆっくりと鉛筆を抜きます。

                       

                      ・鉛筆の先には削りカスがついているので、引き出しの上部にあるヤスリで鉛筆のカスを落とし、必要に応じて芯の尖り具合を整えましょう。

                       

                       

                      ・引き出しに削りカスが溜まってきたら捨てます。

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                      【削り具合の調節と比較】

                      前述したように、エル・カスコ/M430-CNにはハンドルに鉛筆の削り上がりを調節するレバーがついています。かなりアバウトな表示ですが、実際どのように変化するのか比較してみます。

                       

                       

                      ちなみに日本製の鉛筆削りのようにピンピンには尖りません。日本語を書くのに苦労するのでは?とも思いましたが、意外と大丈夫。前回のレポートにも書いたように、ある程度芯の太さがある方がとめ・はね・はらいも書きやすいですし、意外と細い字も書けます。

                       

                       

                      今回用意したのはトンボのMONOR、2B鉛筆4本。2B鉛筆は削ったときの木軸と芯のバランスが一番良いように感じます。

                      それでは、ハンドルについている調節レバーを下から順に切り替えて削っていきます。

                       

                      ・一番下のマーク

                       

                       

                       

                      ・下から2番目のマーク

                       

                       

                       

                      ・上から2番目のマーク

                       

                       

                       

                      ・一番上のマーク

                       

                       

                      それぞれで削ったところ、画像のような結果となりました。鉛筆はかなり湾曲して削れています。それはまるで中世の槍のようなシルエットだと思いませんか?

                       

                       

                      別々だと分かりにくいかも知れませんので、4本並べてみました。下から上に行くほど長く削れているのが分かりますね。一番下と一番上では芯の長さが4mmも違ってきます。鉛筆を尖らせるためではなく、芯の長さを調節するための機能だということが分かりました。分かったことが、一番下が一番スタンダードな削り長だということです。一般的な鉛筆削りだとだいたい一番下のマークくらいの長さに削れるかと思います。

                       

                       

                      対象的に一番上のマークだとかなり長くなり、長時間の筆記やスケッチに向く鉛筆に仕上がります。2Bという柔らかめの芯だからか、少し強めに筆圧を加えても折れるということはありませんでした。

                       

                       

                      若干 閲覧注意な絵面ですが、削りカスも細かく、削られた木のひとつひとつが小さな螺旋を描いています。鉛筆の削れ方と削りカス、どちらも非常に優美な仕上がりとなります。

                       

                       

                      さて、今回はついに手にしてしまった究極のシャープナー、エル・カスコのM430-CNをレポートしました。個人的には満点なシャープナーなのですが、こんなものを手に入れてしまったら 今度はファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシルが欲しくなってしまう…。あの美しい木軸を中世ヨーロッパの槍みたいに削ってみたい!という欲望が沸いてしまうのでした。すでにパーフェクトペンシルを持っている方は要注目なシャープナーであることは間違いありません!

                      M430-CNについて、現在は廃盤となっているため中古かデッドストックの入手となりますが、鉛筆好き・シャープナーファンにはたまらない逸品です。様々なギミックとこだわりが見られる素敵なシャープナー。どこかで見つけたら、ぜひ持ち帰りデスクの片隅に置いてみてはいかがでしょう。

                       

                      ではまた。

                      ■カレンダー
                       123456
                      78910111213
                      14151617181920
                      21222324252627
                      28293031   
                      << October 2018 >>
                      ■エントリー
                      ■カテゴリー
                      ■アーカイブ
                      ■その他
                      ■プロフィール
                      サイト内検索
                      Others
                      Mobile
                      qrcode
                      Powered by
                      30days Album
                      無料ブログ作成サービス JUGEM