ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
たまーに気になったガジェットのレポートも。
物欲のままに手に入れたアイテムをレビューしたりしなかったり。

アートを持ち歩く!赤銅錆レザーのKeu ステーショナリーケース レビュー

スポンサーリンク

皆さんこんにちは。
まだまだ暑いですが、芸術の秋を前にペンシルや芯ホルダーを使う機会が増えている筆者です。
 
私は普段ボールペンや万年筆を持ち歩く際、ペン同士が独立するロールペンケースやジップペンケースを持ち歩いています。太軸や中太軸の高級筆記具はそれでいいのですが、なんとなくスケッチする時に使う芯ホルダーや細軸のメカニカルペンシルは、あまりかしこまった感じにならずラフに持ち運びたいもの。
(という、なにかよく分からない拘りがあるのです…)
 
ということで、久しぶりにネットでペンケースを物色していたのですが、サイトの広告(お勧め)に表示されていたペンケースがとてつもなく好みに合っていたため買ってみることに。
あまり見かけないタイプのペンケースに興味津々。
 
株式会社wajiが手掛けるブランドの一つ「Keu」のプロダクトであるステーショナリーケース。
 

 
「Keu(けう)」は、意表を突くものづくりを根幹に置いたブランドで、単に実用性のない変わったモノを作るでもなく、単にデザイナーのエゴを付加するものでもなく、単にメイドインジャパンを謳うこともない、という考えのもと、本革に金属を吹き付け「錆」を起こした工芸品のようなレザーを使った製品を生み出しています。
 
そのコンセプトや実際に生み出されている製品は、まさに稀有(けう)そのもの。
シンプルなシルエットでありながら他にない(というか、今までに見たことない)素材の製品は、ただ、持ちたい・使いたいという意識が湧くアイテムに仕上がっていると感じます。
 

 
購入したカラーは赤銅錆。
赤銅(しゃくどう)は銅に少量(5%ほど)の金を混ぜて作られる日本特有の合金。錆は緑青のような濃淡のある緑となり、赤銅の深みのあるブラウンととてもよくマッチしています。
 
レザーの表面はコーティングされているため、錆が手に付いたり、落ちたり(他の生地に移ったり)する事はありません。
表面はザラッとした手触りで心地良く、この触感も含めて新鮮なステーショナリーケースとなっています。
 

 
錆を呼び起こしたレザーは、当然のことながら一点一点違う表情。
錆の偶発的な模様と発色されたグリーンの濃淡が美しい。
 
ステーショナリーケースとしてのシルエットは箱型で上部にフラップがひとつ。
フラップには赤銅のプレートが縫い付けられ、異素材のアクセントとなります。
 

 
裏側がまた独特な表情で格好良い。
見知らぬ地形の航空写真のようでもあり、和を感じる色あいは繊細に塗られた浮世絵のようでもあります。
 
構成されるレザーパーツは、表面(側面)、背面、フラップの3つのみ。錆が吹いたレザーが十分に愉しめるように複雑な構造は持っておらず、シンプルなデザインとランダムな模様のコンビが素晴らしい。
 

 
フラップはボタン式。
同じく赤銅色の裏地は、中に入れる文房具を傷めないようベロアが使用されています。
フラップの台形のカットも珍しく、一見計算されていないようで計算し尽くされた意表を突くカタチ。
 

 
フラップに縫い付けられている金属プレートは、本体のカラーに合わせて3種類。
赤銅錆には赤銅板、真鍮錆には真鍮、鉄錆には鉄のプレートがそれぞれ縫われており、レザーの有機的な質感と相反する無機質な美しさを放っています。
 
赤銅は別名、「烏金(うきん)」や「紫金(しきん)」と呼ばれ、仕上げにより紫がかった独特の風合いに。
裏側のグラデーションは特にお気に入りです。
 

 
フラップの反対側(お尻)の部分。
表面と裏面のレザーが折りたたまれ、リベットで固定されています。
内部にはリベットの打ち付け部品が露出しているため、完全に中に入れるペンを保護したい場合は、ハギレを中に敷いておくほうが良いかもしれません。(ペンに傷がいくほどのものではないですが)
 

 
サイズは、
縦:約185mm
横:約75mm
厚み:約25mm
 
で十分な容量(右側は150mm定規)。
個人的にはもう少しコンパクトなほうがいいのですが、それは万年筆やボールペンを入れる場合であり、今回のように芯ホルダーや画材を入れるとなると、これくらいの長さが必要になってきます。
(その理由は後述)
 

 


 
サイズ比較のため他のペンケースと並べてみました。
左から、Keu ステーショナリーケース(赤銅錆)、土屋鞄 トーンオイルヌメロールペンケース(ナス紺)、イルブセットの3本差しペンケース(ブラウン)。
 
トーンオイルヌメロールペンケースよりも約5mm縦は短く、イルブセットの横幅よりも約10mmほど広いサイズ。四角いシルエットのためスペック以上に大きく見えますが、実際は平均的なサイズかと思います。
 

 
中にじゃらっと7本の芯ホルダーを入れてみました。
内径は、縦幅:約16mm、横幅:63mmで十分な容量。
 
ステーショナリーケース自体の縦幅が185mmありますので、筆記具だけを入れてみた感じは結構深いです。
鉛筆だけなら結構な数(15~16本?)入りそうですが、ステーショナリーケースですので、定規やハサミ、芯ケースなどもざっくり入れて使うのが合っていそう。
 

 
中身を取り出すときはペンケースを傾けることで、これまたじゃらっと出てきます。
この慣れ親しんだラフな使い方もまた新鮮です。
 
容量があるため、中に入れる文房具をどのようにレイアウトするかを考えるのも愉しいものです。
 

 

それでは、ここからは恒例ともなるペンケースの使い方アレンジとして、このKeuのステーショナリーケースをアレンジして使う方法をご紹介します。
このステーショナリーケースが気になっている方や、既に使っているという方の参考になればと思います。
 

 
Keuのステーショナリーケースの使用上の良点として、大容量かつシンプルな構造のため自由に中に入れる文房具をレイアウトできるということ。
ざっくりと筆記具を放り込むのもお勧めですが、筆記具同士の干渉を抑えたい、必要な筆記具(文房具)だけを選んで取り出したい、というかたには以下の方法がベストではないかと考えます。
 
それは、ハギレ(本革)を使ったパテーションをつかう方法。
私は実際この運用方法で使用していますが、利点として中で筆記具がカチャカチャと音を立てて動かない事(=ペン同士が干渉しない)。また、内部スペースをすべてキッチリと使うため、フラップの開閉がしやすい事。
この2点だと思っています。
 

 
まず用意する物は本革のハギレ。
本革のプロダクトに対するアレンジには、本革のハギレは必須。
 
フリマサイトでもちょうど良いハガキサイズのものや、中敷きに使えるような小さめのハギレなど様々ありますし、値段も手頃ですのでお勧めです。
今回はブラウンや生成り系のハガキサイズのハギレを使います。
 

 
これをステーショナリーケースの縦幅に合うくらいの長さにパタパタと交互に織っていきます。
レザーも硬すぎない(厚すぎない)ものを選ぶのがベストかと思います。
 
レザーは弾力があるため、輪ゴムで止めると効果的。
輪ゴムで止めたらしばらく放置。コーヒーでも煎れてのんびりしましょう。
お供はスタバのチョコレートチャンクスコーンがお勧めです。
 

 
ある程度クセが付いたら輪ゴムを外し、指で広がりを抑えながら中に入れていきます。
中でハギレの蛇腹がばらけないように慎重に。
 

 
このような感じで入りました。
いい感じにペンを入れる8つの部屋ができたかと思います。
 
まずはハガキサイズのハギレを選び、幅がありすぎる(各部屋が小さくなりすぎる)ようであれば、ハギレをカットして調整。自分が使いやすいように部屋数やパテーション自体のレイアウトを考えて微調整していきましょう。
 

 
先ほどの7本のペンを入れてみました。
いい感じに収まっています。
 
部屋を三角にするメリットは、ペンにクリップがある場合に収まりが良いこと。
三角の頭にクリップが収まることで、ステーショナリーケース内でペンが動かないよう確実に固定することができます。
 
小さめの部屋が一つ余ってしまいましたが、ここには無印良品の芯ケースでも入れましょうか。
 

 
中でペンが独立するため、使いたいペンだけをつまんで取り出すことが可能となりました。
ペン同士が干渉することもないのでお気に入りのペンに傷が付く心配もありません。
 
上のスペースが寂しいですが、ここにはピッタリの文房具がちょうど収まるようになっているのですよ。
フフフ…。
 

 
はい、消しゴムでございます。
ファーバーカステルのアートイレイサーやステッドラー マルスのプラスチックイレイサーがピッタリと収まります。
ついでに2mm芯削り器の中で私が一番信頼している、ファーバーカステルの芯研ぎ器も一緒に添えて…。
 
ここに消しゴムを入れるメリットはスペースの有効活用に止まらず、フラップのボタンが閉めやすくなるという最大のメリットを生み出します。
 
フラップのボタン部分の内部が空いていると閉める際にレザーが沈み込んで閉じにくいのです。
それが消しゴムによってストレスフリーとなります。
 

 
ということで、レザーパテーションを作成し芯ホルダー7本を内部でちぐはぐに入れることで、効率の良い収納が可能となると共に、中のペンをいたわることもできるというアレンジのご紹介でした。
 
自分がペンケースを作るとしたら、こういったアレンジの効く「システムペンケース」になるでしょうか。
またチャレンジしたいものです。
 

 
今回は、株式会社waji発のブランド「Keu」より、金属+レザーで作られたステーショナリーケースをレポートしました。
 
金属吹きつけによるレザー表面への錆の呼び出し、その表情の変化を閉じ込めた唯一無二のレザー素材を用いたステーショナリーケース。持つ喜びはもちろんのこと、独特な風合いと手触り、ステーショナリーケースとしての容量を備えた逸品。
 
アレンジでは、中にパテーションを作ることで入れる文房具の固定レイアウトを自由に考えることも可能。
それを許容するペンケースとしての基本容量と柔軟性がこのステーショナリーケースにはあります。
まさに普段の相棒(ペン)と一緒にアートを持ち歩くというイメージにピッタリな「Keu」のステーショナリーケース。
 
筆末には株式会社wajiのサイトを貼り付けていますので、気になるかたは是非訪問してみて下さい。
何かいいモノが見つかるはず。
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
 
株式会社waji official site
※ステーショナリーケースが売切れの場合は、monoやteema(テーマ)など各種Webサイトをご確認ください。

◆当ブログは人気ブログランキングに参加中です◆

クリックしていただけると
ブログ更新の励みになります!
人気ランキングチェックはこちら↓


文房具ランキング