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太軸万年筆が似合う!イル・ブセットのペンケース

2024年2月19日

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前回の記事でマイスターシュテュック ル・グランのメカニカルペンシルを取り上げました。メカニカルペンシルに限らずモンブランの太軸ペンが増えているわけですが、お気に入りのペンであればあるほど粗雑には扱いたくないものです。
 
基本的に万年筆を使う人であれば、万年筆を大きめのペンケースに他の文房具と一緒にガサッと入れているかたは少ないのではないでしょうか。たいていは、二本差しか三本差し。
あるいはとっておきの一本を一本差しのペンシースに大切に入れることでしょう。
 
モンブランのマイスターシュテュック ル・グランもしかり、どのようなペンケースが似合うのか。
純正のケースも確かにいいかもしれませんが、個人的にはペンケースに経年変化を求めたいので除外。以前記事で取り上げたMunekawaのペンケースもいいのですが、ル・グランサイズのペンを数本入れようとすると少し小さいため、他を探すことに…。
 
しかも一本差しがいいのか二本差しがいいのか…。
現在、手元にあるル・グランのペンはボールペンとメカニカルペンシル。この際、ル・グランの万年筆も揃えて三本差しのペンケースに入れてみてはどうだろうとおかしな考えが浮かんでしまいました。
いやまて、ル・グランの万年筆は値段が高いと一度冷静になりましたが、どうせいずれ買うのだからと、先に三本差しのペンケースを探し出すことにしました。
 
条件としては、
①三本差し
②オールレザー(経年変化を楽しみたい)
③ペンケース内に仕切りがある(ペン同士を干渉させたくない)
の3点。
 
何日間か調べた結果、「イル・ブセット」のペンケースがいいのでは?という結論に。
イル・ブセットといえば、以前にも名刺ケースの記事を書いたことがあり、そのときついでにペンケースもチラッと見ていたことがあったなー、と。
 

▲イル・ブセットの三本差しペンケース。奥に見えるのは以前取り上げた名刺ケース。
 
しかしレザー製のペンケースを使う上で気をつけている事があり、ペンの金属部分に悪影響を与えないかという点です。今までの経験上、ペンケースの内側に革が貼っていないペンケース(すなわち革の裏地が直接ペンに触れる)の場合、少なからず金属部分に変化が見られたからです。革の裏地に染みている薬品なのか革の裏地の成分なのかは分かりませんが、以前、CROSSの10金張ペンをペンケースに入れていたところ腐食(変色?)させてしまった苦い経験があります。
 
そのペンケースは革の裏地が直接ペンに触れる作りでした。ペンケースの裏地に革の表面が貼ってある土屋鞄のロールペンケースやMunekawaのペンケースではそのようなことが起こらないことから、革の裏地が何かしら関係していそうです。※金張や銀無垢のペンで起こる可能性が高く、クロムメッキやコーティングされたものは大丈夫っぽいです
 

 
 
さて、イル・ブセットのペンケースに関しては、フラップの裏はレザーが貼り合わせてあり○、ペンを入れるポケットの内側は起毛素材が貼り付けてあり○、ペン先が当たる底の部分のみ革の裏地で△。
マイスターシュテュックの口金部分の素材が何かは分かりませんが、金張や銀無垢でないのは確かなため大丈夫だろうという判断でイル・ブセットのペンケース購入に至ったのでした。
 
そして、三本差しなのだからやっぱりル・グランの万年筆もいるよね!と、なぜかすぐさまモンブラン146もポチってしまう始末。146が届くまでの間はマイスターシュテュッククラシックを入れていたのですが、やはりクラシックにはこのペンケースは大きいようで、中でペンがカタカタ動いてしまいます。
デルタやビスコンティの太めの万年筆を入れてみるとピッタリ。やはりこのペンケースには太軸の万年筆が似合いそうです。

 

 
そして実際にマイスターシュテュック ル・グランを入れてみたところ、
ピッタリではないですか!!まさにル・グランのためにあるようなペンケース!
 
ということで、いつものように前置きが長くなりましたがイル・ブセットのペンケースをレポートしていきます。
 

 

 
まずはペンケースの表面ですが、名刺ケース同様に縫い目の無いシームレスな作り。イタリアンレザーを使い、フィレンツェの伝統的な製法で作られています。※製造国はタイ
 
このつるっとした手触りと芳醇な革の香りがなんとも言えず、これだけで所有欲が満たされます。革の匂いはいつまでも嗅いでいられますね。光沢があり縫い目の無いデザインから、一段とシンプルな印象を受けます。その表面処理からも傷はつきやすいですが、傷も経年変化の一部として楽しむこととしましょう。
フラップのストッパーは浅く、フラップを少し引っかける程度に差し込みます。革がしっかりしているためフラップがストッパーから抜けることはなく、かつ、浅いがゆえにフラップが開きやすくなっています。
 

 
横から見た図。下から上に向かって緩やかに太くなるように設計されており、ペンがペン先に向かうにつれて細くなるという形に寄り添うように作られています。
 

 
裏面には「Il Bussetto ITALIAN LEATHER」の刻印とブランドロゴ。
色は黒と迷いましたがダークブラウンで。カラーラインナップは黒・ダークブラウン・レッド・グリーン。他にも色鮮やかな文具店オリジナルカラーもあるようです。
 

 
このダークブラウンのカラーがまた素晴らしい。艶やかな加工のせいもあってか非常に深いブラウンで透明感があります。
同じダークブラウンでもトーンオイルヌメロールペンケースよりもさらに黒に近いダークブラウン。経年変化によりどのように色変化していくのか楽しみです。
 

 
そして、特筆すべきはペンケース自体の革がとにかくゴツい!堅牢です。ペンをしっかり守ってくれる、そんな感じが溢れ出ています。
入れたペンは左からル・グランのボールペン、万年筆、メカニカルペンシル。ル・グランが軸径約13mmですので、軸径約15mmの149でもゆうゆうと納めることができます。
 
最後に、全体像・サイズ感・カラーを他のペンケースと比較してみましょう。
お持ちのかたも多いであろう土屋鞄のトーンオイルヌメロールペンケースと、コンパクトなペンケースであるMunekawaのペンケースArch Pen M(二本差し)を比較に用います。比較と言っても収納本数はまるで違いますので、あくまでサイズ感を知る参考にしていただけたらと思います。
 
万年筆でいうと、
土屋鞄 トーンオイルヌメロールペンケース:約7本
イル・ブセット シームレスペンケース:3本
Munekawa Arch Pen M:2本
が収納できます。
 

 
縦の幅はロールペンケースと比べると縦は4分の3ほどのサイズ。Munekawaとはほぼ同じくらいのサイズです。
イル・ブセットは横一列に三本差しとあって、この3つの中では一番横幅がありますね。
 

 
ペンケース自体の厚みは、トーンオイルヌメロールペンケースが5cm、イル・ブセットが3cm、Munekawaが2cm。こう見るとロールペンケースのような巻き型ペンケースは、コンパクトに数本万年筆を携帯できる、非常に収納力に優れたペンケースだということが分かります。それぞれブランドロゴは前面には出さずにあくまで控えめなのが嬉しいところ。筆記具メーカーの純正ペンケースではこうはいきませんよね。
 
 
さて、今回はマイスターシュテュック ル・グランシリーズにピッタリのペンケースとして、イル・ブセットのペンケースをレポートしました。
 

 
大型の万年筆もピタリと収まる収納力と、重厚な太軸万年筆との見た目のマッチング。堅牢な作りで鞄の中でもペンに対して圧迫などの影響を受けにくい等、安心してペンを入れておけるペンケースでした。
艶やかでシームレスな作りはシンプルで上品な印象です。まさにとっておきの万年筆を入れるのに持って来いの逸品。
ラインナップには五本差し、二本差し、一本差しもありますので、持ち歩きたい太軸万年筆の本数に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

 

それではまた。

 

(2018年9月追記)

数か月イル・ブセットの三本差しペンケースを使ってきましたが、残念なことにモンブランのル・グランシリーズのキャップリングやクリップリングに変色が見られるようになりました。おそらく、ペンケース底部の革の裏地のなめし剤か何かが作用しているものと思われます。変色部分はキャップリングとクリップリングのみで、万年筆のペン先やボールペン・メカニカルペンシルの口金は変色せず、クロムメッキの筆記具を入れた場合も変色は無しでした。

ゴールドトリムの筆記具を入れようかとお考えの方は多少注意していただくようお願いします。ちなみにもう変色しちゃったよという方は、筆記具のメンテナンス法の記事で変色の改善を行っていますのでそちらもご参考にお願いします。

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Posted by たにけん