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モンブランのグレートキャラクターズ「エンツォ・フェラーリ」スペシャルエディション ジャッロモデナ ボールペン レビュー

2025年11月18日

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皆さんこんばんは。
 
2025年も年の瀬になろうとしています。
社会人になって、特に家庭をもってからというもの時間が経つのが本当に早く、慌ただしくしていたらなかなか記事を書く時間も取れない…という状況。
 
年末付近は使ってみたい筆記具の発売も多いため、早く手持ちの筆記具レポートを進めていかなくてはならないのですが…。
 
さて、2025年になってから私が10万円以上の大枚を叩いて買ったボールペンが二本あるのですが、そのうち一本のレポートをしていきたいと思います。
多分、半年以上は買おうか迷っていたモデルではないでしょうか。最終的な購入の決め手はそのカラーリングとデザインに他なりません。
 
モンブラン グレートキャラクターズ エンツォ・フェラーリ スペシャルエディション ジャッロモデナ。
相当長い名前ですが、あまりモンブランに詳しくない方のために 順に紐解いていくと…
 
・モンブラン(MONTBLANC)…ドイツの筆記具メーカー。
・グレートキャラクターズ…モンブランが、歴史や文化に強い影響を与えた偉人(ジャンルは政治・科学・芸術・音楽など多岐にわたる)に敬意を表して作った筆記具シリーズ。
・エンツォ・フェラーリ…モータースポーツ業界の偉人。自動車メーカー「Ferrari」。
・スペシャルエディション…グレートキャラクターズのバリエーション(後ほど詳しく解説します)
・ジャッロモデナ…エンツォ・フェラーリにおけるモデル名
 
となります。
 
グレートキャラクターズの「エンツォ・フェラーリ」自体は、2021年にロッソ(レッド)モデルが発売されており、今年2025年の2月にバリエーションとしてジャッロモデナ(イエロー)の発売に至っています。
このようなラインナップは珍しく、おそらくフェラーリの熱烈なシンパからの要望があったか、もともとロッソとセットで発売する予定というモンブランの構想であったかは定かではありません。
 

 
美しいフェラーリイエローのボディに、チャコールブラックのトリムというカラーリング。
モータースポーツ業界のフェラーリを象徴するロッソ・コルサ(レーシング・レッド)と並んで「第2の魂」と言われている、モデナ市のカラー(ジャッロ・モデナ、またはジアッロ・モデナと言われる)であるイエロー。
 
日本人だとフェラーリと言えば赤いボディのクルマを連想される方が多いのかもしれませんが、同じくらいフェラーリの象徴的なカラーとなっているのです。
 

 
先にも書いたとおり、私の購入動機がまさにこのイエローであり、このフェラーリのレーシングカーを見事にペンに落とし込んだデザイン。
モンブランの筆記具ラインナップにおいてイエローの筆記具は珍しく、他ではPIXコレクションかジェネレーション(過去のモデル)くらいではないかと。
 

 
今まで黄色い筆記具というと、人にプレゼントする時にしか選ばなかったカラーですが、改めて筆記具としても不思議と魅力のあるカラーです。
心が晴れるというか、使っていてワクワクするような感覚。
 
ジャッロモデナは珍しいイエローのプレシャスレジンと共に、ルテニウムコートのトリムが採用されています。後で詳しく見ていくのですが、このルテニウムのトリムのグロスとマットの使い分けが秀逸で、フェラーリのレーシングカーのイメージともピタリと合致しているように思います。
 
モンブランのグレートキャラクターズはどのモデルも重厚で太軸なラインナップ。
そのため重くて太軸が好みの私にはピッタリの筆記具シリーズですが、太軸が苦手な方は購入前に試筆されることをお勧めします。
 

▲左がエンツォ・フェラーリ ジャッロモデナ、右がジョン・F・ケネディ
 
ジャッロモデナのディティールについて見ていく前に、作家シリーズやパトロンシリーズと比べて若干マイナーな感じもする「グレートキャラクターズ」のラインナップについて書いていきたいと思います。
 

 

グレートキャラクターズの発売が始まったのは2009年。
以降、1~2年おきに新モデルが発売されている状態で、2009年のマハトマ・ガンジーから2025年のクイーン(Queen)まで、現在のところ全15モデルとなっています。
 
グレートキャラクターズのラインナップを列記すると、
 
2009年 マハトマ・ガンジー(非暴力・自由の象徴)
2011年 アルフレッド・ヒッチコック(心理スリラー映画のパイオニア)
2013年 アルベルト・アインシュタイン(物理学者)
2014年 レオナルド・ダ・ヴィンチ(発明・科学・発明家)
2015年 ジョン・F・ケネディ(進歩と外交、アメリカ合衆国第35代大統領)
2015年 アンディ・ウォーホル(ポップアートの父)
2016年 マイルス・デイビス(モダンジャズ開拓者)
2017年 ザ・ビートルズ(20世紀のポップカルチャーを代表するバンド)
2018年 ジェームズ・ディーン(若者文化・反抗の象徴)
2019年 ウォルト・ディズニー(エンターテイメント界の革新者)
2020年 エルヴィス・プレスリー(ロックンロールの王)
2021年 エンツォ・フェラーリ(レーシング界の伝説):ロッソ
2022年 ジミ・ヘンドリックス(エレキギターの革命児)
2023年 モハメド・アリ(公民権活動家、スポーツ界の象徴)
※2025年 エンツォ・フェラーリ(レーシング界の伝説):ジャッロモデナ
2025年 クイーン(イギリスの伝説のロックバンド)
 
の全15モデル。(フェラーリは1モデルとしてカウント)
 
そして、各グレートキャラクターズにはバリエーションがあり、
 
・スペシャルエディション …日常使い+コレクション(シリアルナンバーはなし)
・リミテッドエディション …装飾がより豪華となった数量限定モデル(限定数のシリアルナンバーあり)
・アルチザンエディション …貴金属をふんだんに使った最も高価なモデル
 
という3つのグレード構成となっています。
 

 
私が手にしているのは、最も普段使いに適したスペシャルエディション。
やはり筆記具は使ってナンボということと、既婚且つ一介のサラリーマンがなんとか買える価格帯ということで一択となります。(それでも16万円~ショップによっては20万円くらいします…)
 
リミテッドエディションやアルチザンエディションは、その希少性や素材から、コレクション用モデルの位置付け。
これはもはや家宝クラスの製品でしょう。
 

 
それではジャッロモデナのデザインを詳しく見ていきましょう。
比較として並べてあるのが、モンブランのフラッグシップモデルであるマイスターシュテュックの#P164と#P161。
#P164が通常サイズのボールペンで、#P161は太くサイズも大きめ。全長で言うと、2つの中間となるミッドサイズのボールペンとなっています。
 
このモデルは他のグレートキャラクターズと違いかなりメッセージの刻印が多く、デザインでフェラーリのマシンの特長を、刻印でフェラーリの思想や記念日を表現する形となっています。
 

 
私が気に入っているキャップ部のフォルム。
イエローのプレシャスレジンにはエアインテークのようなデザインがあります。
そして特にこのサイドから見たクリップの流線。私はこのペンについて好きな部分が複数ありますが、その中でもコレは上位。
 
先にも書いたとおり、ルテニウムコートのトリム部分は マットとグロスの2パターンの表面処理が施されており、マットな部分はエンジンを連想させ、グロッシーな部分はクルマの外観的なデザインを想起させます。
 

 
キャップの上部、クリップの右側には「Ferrari」のサイン。細かな線で精密に彫られています。
クリップのベースにあたる部分には6本のエングレービングラインが刻まれているのですが、これは反対側の6本と合わせて計12本で、フェラーリの象徴であるV12エンジンを意味しています。
 

 
クリップの左サイドにはシリアルナンバー(製造コード)。
この部分のマットな質感がたまりません。
 
上部の天冠には「Officina Meccanica Alfredo Ferrari」(工房の名前)が刻まれています。
一般的にルテニウムコートというとこの天冠の部分のようにグロッシーな仕上げですが、このグロスとマットのバランスが素晴らしい。
 
「Officina Meccanica Alfredo Ferrari」はエンツォ・フェラーリの父であるアルフレッド・フェラーリが経営していたメカニック工房で、モデナ付近にあったとされています。
このペンはエンツォ・フェラーリだけでなく、フェラーリ家のルーツである工房にまでフィーチャーしたモデルと言えるのです。
 

 
背面には「MONTBLANC」と跳ね馬のロゴ。
その下には、「LE PORTERÀ FORTUNA」(これがあなたに幸運をもたらすでしょう)というメッセージ。
 
このメッセージは1923年6月17日、イタリア北部のサヴィオサーキットで行われたレースで初優勝を果たしたエンツォ・フェラーリに向けて、エンリコ・バラッカ伯爵と共に来賓として参加していたパオリーナ・デ・ビアンコーリ伯爵婦人からかけられた言葉。
第一次世界大戦の英雄パイロットだったフランチェスコ・バラッカ(息子)が戦闘機に黒い跳ね馬のエンブレムを描いていたことから、それをフェラーリの車に使うように勧めたといわれています。
 
エンツォ・フェラーリはその黒い跳ね馬の背景色にモデナ市のカラーであるイエローを配置し、フェラーリのエンブレムとしました。
 
黒い跳ね馬とこの言葉には特別な意味が込められていたわけですね。
 

 
天冠にはモンブランのペンではお馴染みのホワイトスター。
というか、私がこのペンで一番気に入っている部分。購入動機でもある、ブルーのホワイト(?)スターが鎮座しています。
 
まるで名車フェラーリ500のフロントグリルのようなデザインのモンブランのエンブレム。
フェラーリのカラーと見事にマッチしているのではないでしょうか。
 

 


 
クリップにも文字が刻まれています。本当に情報量が多いペンですよ。
「YOU CANNOT DESCRIBE PASSION,YOU CAN ONLY LIVE IT」(情熱を言葉に表すことはできない、それはただ生きることだ)
これはエンツォ・フェラーリ自身が語った言葉で、信条となっています。
 

 
ペン先の刻印は、エンツォ・フェラーリの誕生日である「18-02-1898」(1898年2月18日)と、レースでの初勝利記念日である「17-6-1923」(1923年6月17日)がエングレービングされています。
 
両日ともフェラーリにとって特別な日。
天冠からペン先に至るまで、フェラーリを作りあげてきた言葉で埋められています。
 

 
ペン先を出したときの、視認性とシルエットのバランスの良さも、こういった特別なモデルには珍しく“ちゃんと”しています。
というのも、特別生産品についてはデザインやコンセプトを重視するあまり、ペンとしての使いやすさを捨てる傾向にあるため、こうしたペンとして抜かりない作りには好感が持てます。
 

 
先に使っていたJFKモデルのペン先と比べて口金の厚みが薄いため、非常に使いやすい。
JFKの手元の視認性が限りなく悪いと言うわけではありませんが、たった0.5mm以下の厚みの差で使い勝手は結構違ってくるということがよく分かります。
 

 
ジャッロモデナのボールペンは回転繰り出し式。軸の太さや価格は変われど、いつもの丁度良い粘度で使いやすい純正リフィルが対応。
油性ボールペンインクでは上位に入る使いやすさ。流石はモンブランといったところ。
 
ジャッロモデナのスペックは、
全長:143mm
重量:55g
グリップ部の胴軸径:12mm
 
重心はキャップ寄りでややリアヘビー。胴軸側の接続部内側にも金属パーツが使われているため、全体的にどっしりとしておりスペック通りの重量感があります。
個人的にはこの重量感・筆記時の安定感がたまりません。
 

▲写真右側は過去モデルのモンブラン×ポルシェのコラボモデル「TURBO」。どちらもレーシングマシンを彷彿とさせるデザインが随所に散りばめられています
 
さて、今回は久しぶりの購入となったモンブラン グレートキャラクターズから、エンツォ・フェラーリ スペシャルエディション ジャッロモデナをレポートしました。
 
ジャッロモデナは、偽物の存在も確認されているモデルとなりますので、某オークションや某フリマで安いものが出品されていたら注意が必要です。(e●ayにはよく分からないカラーのフェラーリモデルがあったりしますし…)
当記事の詳細な写真で見比べて頂ければ幸いです。
 
モデナイエローは自然光下では山吹色に近く、蛍光灯下ではレモンイエローっぽく見える独特なカラーリング。このイエローに惹かれた方は間違いなく買いなモデルかと思います。そして、天冠のブルーのモンブランスター。これだけでも一見の価値ありではないでしょうか。
 
美しい全体のシルエットと、各所に配置されたフェラーリの歴史を凝縮したような言葉の数々。
フェラーリにそれほど精通していなくとも愉しめるモデルではないかと思います。
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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