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普段使いに最適な70年代のモンブランボールペン!【モンブラン #285 ボールペン】レビュー

2021年5月19日




 

前々回の記事でモンブランのハンマートリガーボールペン#782をレビューしましたが、今回は同じ70年代のボールペンで#782の先輩モデルであり、デザイン上モンブランの万年筆#225のボールペンラインとも言える#285をレビューします。#782と同様のヘアライン加工によるキャップと軸のフィニッシュはとても上品で、現在でもビジネスシーンで活躍できるデザインとなっています。

 

 




 

使ってみると、今は無きモンブランのスライドレバーメカニズムの合理性と仕上げの美しさから改めて70年代のモンブラン筆記具の素晴らしさをうかがい知ることができます。それではモンブラン#285ボールペンを#782他と比較しながら見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

【#285のスペックとデザイン】

モンブラン#2851970年代前半のボールペンで、1960年代から脈々と受け継がれてきたスライドレバー式のボールペンです。スペックは、全長128mm、軸径11mm、重さ約16gとコンパクトかつ軽量。マイスターシュテュック164を使い慣れている身としてはかなり軽く感じるボールペンです。

 

 

デザインは#782のようなヘアライン加工なのですが、発売年代からするとこちらの方が先輩となります。#782は樹脂部分がザラザラのマット加工でしたが、#285は胴軸部分もヘアライン加工。キャップ部分がヘアライン、天冠とクリップとキャップリングがクロームメッキというコンビで、ボールペン全体を見ても統一感のある上品なデザインとなっています。

 

 

キャップリングには「MONTBLANC」「285」の刻印のみでとてもシンプル。この年代の「MONTBLANC」刻印はAの文字が雪山のようなデザインになっていて格好いいんですよね。キャップのヘアラインは繊細に光を反射して美しく触り心地も抜群。胴軸もヘアライン加工のお陰でグリップ感良好です。

 

 

天冠にあるホワイトスターのデザインは後に発売となる#782と全く同じ。クリップのデザインは#285が繊細であるのに対して、#782は幅が太くモダンなデザインに変更された事が分かります。

 

 

リフィルについては#782と同じく、現行のモンブラン純正リフィルにアダプターを着けることで使用可能。昔のジャイアントリフィルはアダプターの部分までリフィルがあった(長かった)のですが、現行のリフィルは短くなっているためこのようなアダプターが必要なのです。現在のモンブランでスライドレバー(ハンマートリガー)の機構を持ったボールペンはないのですが、なんとか復活させてほしいところ。

 

 




 

 

【#285のスライドレバーの心地良さ!】

285の病みつきポイントとしては、片手親指でスライドできる細くて軽めのスライドレバーの心地良さでしょう。前々回の記事でレビューした#782は、太いレバーに硬めのスライド感のため親指の横で芯出しはできても同じ動作で芯戻しができませんでした。

 

 

一方、#285は薄めのスライドレバーで軽い操作感のため右手親指の横で軽くレバーを撫でるだけで芯出しと芯戻しが行えます。すなわち、筆記体勢のままペンを持ち変えることなく親指を振る動作だけで芯の出し入れができるのです。この右手親指のみでの芯の出し入れがなかなかの心地よさと使い勝手の良さに繋がっていて、現在はマイスターシュテュック164より職場での稼働率が高いです。

 

 

横から見たスライドレバー式キャップのシルエットの優美なこと…。#782に比べるとレバーは細身で華奢ですが、クリップやキャップとシルバーでまとめられた一体感は#285ならではですね。クリップの先端もこの年代のマスターピース(現マイスターシュテュック)然としたおにぎり型になっています。

 

 

ちなみにハンマートリガーとスライドレバーという呼び方の厳密な違いは不明(正式な機構名としてはどちらもセーフティレバーメカニズム)なのですが、ハンマートリガーは#782のようなモダンなデザインのボールペンに使われ、動作に重みがあり芯戻しの時の音が大きめ。スライドレバーは細めのレバーで軽快な動作かつ動作音もマイルドなためクラシックシリーズのボールペンに対して使われることが多いように思います。

 

 

 

【他のモンブランボールペンと比較】

それでは他のモンブランボールペンと比較です。ここでは同じ芯繰り出し機構を持つ後輩の#782と、おそらく一番ユーザーが多いであろうマイスターシュテュック164の3本で比較します。

 

上から、マイスターシュテュック164、#285、#782

 

まず大きさですが、#285と#782は長さが全く同じです。これはデザイン的な共通点もあることから#782のようなボールピックスシリーズは#285の後継モデルではないかと思われます。重量差はわずか1gで#285の方が軽いのですが、持ってみると#782の口金部分のように重さが一ヶ所に集約されていないため#285の方がずいぶんと軽く感じます。マイスターシュテュック164と比べると両者との重量の差は約5g程あり、164はさすがの重量感。威厳を感じますね。もう何回も何回も書いていますがマイスターシュテュック16421gという重量と、次で取り上げる重心・筆記バランスは数あるボールペンの中でも頂点ではないかと。様々なモンブランのボールペンを使ってみて、改めて感じるマイスターシュテュック164の素晴らしさは他のボールペンの追随を許しません。

 

 

続いて重心の違いです。それぞれの重心はこちらの通り。#285はキャップの素材がステンレスのため若干リアに重心が寄っていますが、それでもほぼ真ん中だということが分かります。全体的な重量が軽めなうえ重心もほぼ真ん中ということで、変に力むこと無く誰にでも書きやすいボールペンと言えるのではないでしょうか。

 

 

最後にホワイトスターを並べてみました。マイスターシュテュックのこんもりとした天冠に雪が乗っているのもいいですが、フラットな天冠から控えめに覗くホワイトスターも粋なものです。モンブランのホワイトスターは真上から見たら同じ形なのですが、立体加工された様々なバリエーションの天冠があって愉しいです。これはノブレスオブリージュやジェネレーションも欲しくなってきますね!

 

 

 

【モンブラン#285まとめ】

さて、様々な角度からモンブランのヴィンテージである#285を見てきました。1970年代初頭に出たモデルとは思えないほど洗練されていて、ビジネスライクなヘアライン加工と使い勝手の良いスライドレバーが魅力のボールペンでした。

 

285は一言でまとめると、(重量が)軽い!(芯の繰り出しが)早い!(他のモンブランボールペンと比べて)安い!という、まるで牛丼のようなボールペンだということです。いや、ボールペンなので牛丼とは違うのですが、非常に使い勝手が良くてどのボールペンを使おうか迷ったとき、真っ先に手が伸びるボールペンだとうことです。

 

同じ70年代に発売された#281や#380のようなクラシックシリーズに似ていながらも、ヘアライン加工により使う者に上品かつ洗練された印象を与えるボールペン。この年代のボールペンは比較的オークションやフリマサイトにも状態が良いものが出回りやすいので見かけたときは狙ってみるもの良いかと思います。買って後悔しないのがモンブランのボールペン!(本物に限る)です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた次回。

 




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