ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
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カランダッシュ リコシェはエクリドールなのか849なのか、という話

2021年7月10日

筆記具のバリエーションというのは本当に面白い。
その筋に詳しくない方からすると全く同じように見えるものを、幾つも買ってしまうというご経験はありませんか?
正確には買ってしまうというより気付いたら増えているという…。
 
カヴェコやカランダッシュに出逢ってからというものの、そのバリエーションに魅了されて もはや調査に喜びを感じるようになってしまっているこの頃です。
 
今回の記事はカランダッシュ。
 
主にエクリドールについて調べることが多いのですが、今回のカランダッシュ ボールペンはエクリドールと名は付いて入るものの「亜種的」な存在の1本。
 

 
「カランダッシュ エクリドール リコシェ ボールペン」です。
 
詳しく見ていくとその仕様は849でもありエクリドールでもあり。
もともとの出自はエクリドールの廉価版ということだったらしいですが、デザイン・素材をはじめ特徴を一つずつ見ていくと確かにそのような節は見られます。
 
バリエーションはリコシェとクレノの2種類。
しかも、筆記モードはボールペンのみで、メカニカルペンシルや万年筆はありません。
(もしかしたらあるのかも知れませんが全く見かけませぬ…)
 
リコシェは300本の日本限定で復刻したモデル。
ということは元となったモデルがあるということになります。
 
この手元のリコシェがオリジナルなのか復刻なのかは、複数本所有して調査する必要があるため今は判断できませんが、ネットの上澄みを見ているとクロムプレート?と書かれたもの、ニッケルと書かれたものが存在しやや情報が錯綜しているように思います。
※リコシェについてネットの深いところや海外ブログまでは未確認。
 

 
849とエクリドールを並べてみました。
細かな部分の仕上げは後々見ていくとして、外観的特徴からこの図のようになるかと考えます。
 
リコシェは849とエクリドールの中間に位置する、第三のビール的な存在。
 
急にビールの例えを出してびっくりされた方もいらっしゃるかもしれませんが、エクリドールをビール、849をカクテルやチューハイと置き換えると、リコシェは第三のビール(発泡酒)ということになります。
(未成年の方やお酒飲まない方、ピンとこなくてすいません…!)
 
はい、成人されている方はご存じの通り。
第三のビールは「新ジャンル」。
 
ということで、リコシェ/クレノ=エクリドールや849と捉えるのでなく、リコシェ/クレノ=リコシェ/クレノと捉えるのが正となります。
 

 
手元のリコシェは色味の特徴からニッケルプレートと判断。
 
この「ニッケルプレート」はエクリドールの仕上げではラインナップされていないため、ニッケルの少し赤みがかかった(薄いガンメタのようでもある)色合いが好みな方は抜群に楽しめるかと思います。
 
そういえば、よくカランダッシュの記事を書いていて、軸の表面仕上げがプレートなのかコーティングなのか表現に迷うことがあるのですが 調べても厳密な定義がないのです…。
 
なので当ブログでは、厚みがある方がプレート、厚みが無い方(表面処理)がコーティングということで解釈して書いています。
エクリドールで言えば、真鍮(地金)に10μの厚みでシルバープレートし、さらにその上に薄くパラジウムをコーティング、という感じかなと。
 
写真のように、エクリドールには表面仕上げが数種類あり、そのどれにも当てはまらないのがリコシェのニッケルプレートとなります。
それぞれの色味の特徴は、
 

 
・ニッケルプレート:やや赤みがかっている
・クロムプレート:青白い
・シルバープレート/シルバー925:やや黄みがかっている
・パラジウムコート:白い
・ガラスビーズブラスト:白くてツヤ消し(表面には微細な凹凸)
 
他にもエクリドールレーシングのブラッククロムのような特殊な仕上げもあります。
 
同じ柄でも表面仕上げが違ったり、素材が違ったり(真鍮かシルバー925か)。
本当に種類が豊富で飽きません。
 
続いてクリップの形状を見ていきます。
 

 
左から、849(旧クリップ)、リコシェ、849(現行クリップ)、エクリドール(旧クリップ)。
 
見て頂くとおり、リコシェのクリップは849の旧クリップと同じ。
これは復刻ということもあり、オリジナルのリコシェが849旧クリップ世代の発売であったことが覗えます。
 
クリップのパーツ自体が849のものですので、エクリドールのシルエットとは異なり849のシルエットとなります。
 

 
クリップの斜めからと正面からのショット。
クリップが着けられている位置も849コレクションと全く同じ。ということは、クリップが破損した場合は849から移植可能ということになります。(クリップ外しは製造年代によってできるできないがあるようです。移植は自己責任の上お願いします。)
 

 
849寄りかと思いきや、クリップ下のプリントや刻印はリコシェにはありません。
エクリドールのように彫刻が続くのみ。
モデル名の刻印やプリントが無い潔さはエクリドールと同じですね。
 

 
胴軸の彫刻です。
リコシェはフランス語で跳ね飛び(日本だと水切りですかね)という意味らしく、皆さんも一度はやったことがある平たい石をサイドスローで投げ、水面をぴょんぴょん走らせるアレです。
 
中央のラインを水面と見立てて、石が跳ねているようなデザイン。
筆記具の柄としてよく考えられた彫刻だと思います。ホントにカランダッシュはセンス良いです。
 
849の軸は基本 塗装のためこのように彫刻が入ることはありません。
したがって、この部分(真鍮に金属プレート含め)はエクリドールとなります。
 

 
手元の個体はクリップと対称面に長めのネームスペース。
849の場合ネームスペースではなくネームプリントとなり、エクリドールの場合はネームスペースの位置にバリエーションがありました。
 
リコシェについてもネームスペースの位置は個体によって違う可能性があります。
お手元のリコシェ/クレノはいかがですか?
 
最後はノックボタン兼ノック機構について。
 

 
左から、849ネスプレッソ、リコシェ、エクリドールシェブロン。
 
改めて見ると849もエクリドールも、全長や胴軸の形状やノックボタンは同じなんですね。
カランダッシュにおいて普遍的なデザイン。筆記具の性能としても変えようのない完成されたデザインと言えますね。
 

 
ノックボタンの刻印をみると、リコシェは849と全く同じだということが分かります。
ボタン表面の仕上げについても若干の荒さを感じる仕上がりで、エクリドールのそれとは違います。
やはり表面処理はエクリドールの方が滑らか。
 

 
ノック機構を比べてみます。
構造は3本とも同じで、849とリコシェはキャップのパーツ自体も同じ。
 
エクリドールはノック機構自体は同じでキャップ部分のみ高級に仕上げられています。(キャップについてもおそらくボディと同じ工程で仕上げてありそう)
 

 
ノックストロークやノック後に残るボタンの出具合いもエクリドールや849の可愛さそのまま。
今まで何回書いたか分かりませんが、このノック後横からのシルエットがたまりません。
 
さて、今回はカランダッシュのボールペンから「エクリドール リコシェ」を見てきました。
 
まとめると、カランダッシュ エクリドール リコシェは、849のシルエットが好きでもう少し筆記時の重量感を調整したいという849ユーザー向けの一本ではないかと。
もちろんゴリアット芯の書き味は申し分なしで、油性でありながら柔らかなインクは個人的に海外メーカーのインクで一番書きやすいと思っています。
 
エクリドールと名は付いているものの、やはりエクリドールとは質感や総合的な仕上げに差があると感じました。彫刻が施された重みのある849という方が近いかも知れません。
 

 
じゃあ結局、リコシェ/クレノはエクリドールなのか849なのかどっちですの?
と聞こえてきそうですが、どちらでもないのです。
 
それもそのはず、リコシェ/クレノはカランダッシュにおける新ジャンル(新デザイン)のボールペン。
 
日本限定300本とありますが、ユーズドではよく見かけるモデルのため、新ジャンルを試されたいカランダッシュファンの方はぜひゲットしてみてください。
 
それでは今回はこの辺で。
また次回お会いしましょう。

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