重厚な手帳と相性抜群!カヴェコ スペシャル S ボールペン【エクリドールXSと比較】
今回の記事は久々のカヴェコネタ。
去年の始まりとともにプロッターのM6サイズ手帳を、そして今年に入ってからはM5サイズという更にコンパクトな手帳を使い出しています。
そしてコンパクトな手帳に合う筆記具と言えば、カヴェコ。
万年筆やボールペン、ペンシルを中心にカヴェコにはコンパクトな筆記具が盛りだくさんです。
今年度からプロッターM5と同じサイズ感のロロマクラシックmini5も比較で使い始め鞄には手帳が3冊。
プロッターに対してはカランダッシュのエクリドールがデザイン的にもピタリとハマり満足しているのですが、クラシックなデザインのロロマに合わせても今ひとつしっくりこないため、どこかモヤモヤしていました。
そこで久しぶりに、カヴェコを持ち出して合わせてみると、これがピタリと合うではありませんか。
ブラッククロームの(というよりブラックペイントと言う方がしっくりくるかも)なめらかな触り心地、八角柱の程良い太さの軸径とサイズの割にズッシリとくる重み、オールブラックの格好良さ。
やっぱりカヴェコは良い。
ということで、再度カヴェコスペシャルの良さを再確認したのですが、今回はM5サイズの手帳に合わせるカヴェコスペシャル。
そしてペンシルではなくボールペンです。
「カヴェコ スペシャル S ボールペン」
よく「カヴェコ スペシャル ミニ ボールペン」とも呼ばれる通常サイズよりも小さなカヴェコスペシャル。ボールペン以外にも2mm芯を使うペンシルもあるのですが、ここでは手帳に合わせてモリモリ使えるボールペンをレポートしていきます。
カヴェコスペシャルSボールペンのディティール
カヴェコと言えばまず頭に浮かぶのがペンシルスペシャルではないでしょうか。
学生から社会人まで、使われている方も多いかと思います。
ペンシルの方は結構レビューが多いのですが、何故かボールペンについてはあまり書かれているところを見かけません。
ボールペンを使ってみて、私なりに考えるそのあまり話題にならない理由のようなものは出ているのですが、それを差し置いてもやっぱり名品だなーと思えてしまうカヴェコスペシャル。
まずはデザインから見ていくとしましょう。
カヴェコスペシャルSボールペンは「S」と名の付くとおり通常サイズよりも短くなっており、ミニサイズのボールペンながらしっかりとカヴェコスペシャルのデザインを踏襲しています。
Sの意味は「Small」もしくは「Short」といったところ。非常に可愛く仕上がっています。
ペン先収納時の全長は105mmしかなく、カヴェコスポーツ万年筆の収納時と同サイズ。
例の3本差しペンケースにも丁度収まります。
ボディにはシルバーのペイントで「Kaweco Special S BP Germany」。
ブラッククローム(というよりブラックペイントのようなセミグロス)の軸に精密感のある文字が映えます。
ノックボタンにはお馴染みの「Ka/we/co」ロゴ。
こちらもブラック×シルバーで統一感があります。
クラシカルにローレットが入ったアールデコなノックボタンは、カヴェコスペシャルのアイコンとなっています。
ドーム状のノックボタンは押し心地も良くリズミカルな音を奏でます。
ノックストロークは深めで、ペン先を出した状態でもペンの全長は変わりません。
気になった点としては、普段カランダッシュを常用している身からすると随分とノック音が大きいこと。
パーカージョッターと比べてもノック音は高めで、私はこのカヴェコのボールペンがペンシルほど目立たないのはこの辺りにあるのではと考えています。
一方、カヴェコスポーツのボールペンは同じノック式で4C芯対応ですが、シュコッと小さめの音となっています。まあ、この辺りは好みでしょうが、スペシャルのボールペンは個人的には少し大きすぎるかなというノック音に感じます。
それでも使う物を魅了するカヴェコスペシャル。
このペンの素晴らしいところは軸の仕上げ。
ボディのブラッククローム×口金部分の梨地仕上げという最高に渋い組み合わせ。
同じ黒でもセミグロスブラックとマットブラックのコントラストが道具としての美しさを演出しています。
うむ、美しい。
アルミのボディに真鍮の口金で重量バランスも良く、小型のボールペンではありますが軸径も細すぎないため
力まずに筆記可能。
本当に絶妙な太さで握りやすい。書くための道具はこうでなくちゃいけません。
リフィル交換の仕方
さて、続いてはリフィル交換方法です。
通常サイズのボールペンはパーカー等と同じG2規格のリフィルですが、スペシャルSは4Cタイプの芯を使います。
リフィル交換は口金をボディに対して反時計回りに回して外すことで行えます。
ボディの太さ並みに太いネジ切りから溢れる精密感。
口金は真鍮製でズッシリと重みがあります。
ノックのためのバネが一体となっていて、こちらは4C芯のガイドの役目も果たしています。
胴軸側。
軸内を通るパイプにリフィルが収納されていますので、そのまま真っすぐに引っこ抜いてリフィルを取り外します。
パイプは言わばノック部分からぶら下がっているような状態で、真ん中に固定されているわけではありません。
このようなパイプにリフィルを通す仕組みであるがゆえ、鋭い方だとお分かりの通りゼブラの4C芯は非対応。ゼブラのリフィルはブルーブラックなど様々な色があるのですが、リフィル径が一般的な4Cと比べて若干太いためゼブラ以外の軸に差すといろいろ弊害が出てくるのです。
しかしながら書き味に定評のある「ジェットストリーム」についてはしっかりと差すことが可能。
リフィルは奥まで十分に差し込みましょう。
口金を戻して完了です。
どちらかというとフロント寄りに重心があるため、ザ・油性といったねっとり系のインクよりも低粘度系のインクの方が合うように感じました。
カランダッシュエクリドールXSと比較
次は、M5サイズの手帳にピッタリのカランダッシュ エクリドール XSと比較していきましょう。
もはやM5サイズ手帳になくてはならない存在のエクリドールXS。
冒頭でも書いた通りプロッターの手帳とのデザイン的な相性が良く常にセットで持ち歩いているのですが、ロロマのような重厚なデザインの手帳にはクラシカルなカヴェコのデザインがピタリときます。
手帳に差すとこの通り。
ロロマクラシックのデザインとカヴェコスペシャルのノックボタンがとても良く合いますね。
どちらに合わせたわけでも無いのですが、黒いカヴェコスペシャルに黒いロロマクラシック。
またロロマクラシックmini5のレビューをする際に詳しく書くのですが、カヴェコの軸径だとロロマの調整可能なペンホルダーが生きてきます。
逆にプロッターのペンホルダーリフターにはカヴェコスペシャルは太すぎて差せません。
軸のサイズはカヴェコスペシャルSの方がノックボタン分長くなっています。
こう並べるとエクリドールXSの小ささが際立って、さらにカラーも漆黒とシルバーの対比が面白い。
八角柱と六角柱。
使用感はまるで違う2本ですが、多角柱の軸という共通点があり、丸軸ショート軸のボールペンと比べても持ちやすいのです。
2本ともリフィルは4C芯対応。
というか、このサイズのボールペンはだいたいが4C芯ですね。
口金を捻ってリフィル交換を行うカヴェコと違い、エクリドールXSはノックボタンを外して上からリフィル交換を行います。まるで正反対の2本。
道具の多様性というのは面白く、このカヴェコとカランダッシュのように仕組みやデザイン、軸径、重量の違いにより全く別物の使用感・筆記感となります。
身体の神経が集中する手・指先を使う道具だからこそ、自分に合ったモノを探すという楽しみが時計や車といったものよりも奥深く、またそれを扱う楽しさという部分に繋がってくるのだと思います。
クリップを着ける際の注意点
カヴェコスペシャルといえば、クリップのないデザインが印象的で また革命的でもあるのですが、別売でクリップを付け足すことも可能となっています。
この辺りもこのペン(というよりカヴェコ)の面白いところではないでしょうか。
クリップはカヴェコスペシャルのサイズ(S/通常サイズまたボールペン・ペンシル)を問わず、共通のものとなっています。
カラーラインナップはシルバーのみ。
この辺りはブラックもあって良いのでは?と個人的に思うのですが、残念ながらシルバーのみ。
また、カヴェコスポーツと違い、形状はクラシカルな鰻型のクリップのみとなっています。
(すいません、勝手に鰻クリップと呼んでいます)
手前がスペシャル用で奥がスポーツ用。
デザインは同じですが対応する軸径が大きく違います。
刻印のパターンも同じ。
カヴェコスポーツは天冠側からクリップを着けるのですが、カヴェコスペシャルは口金を外して下から取り付けます。
※ノックボタン側からだとローレットが干渉して通らない。かといってノック部分は取り外し不可。
取り付けの際の注意点としてはほぼ確実に着け口(胴軸の端)の塗装が剥がれること。
これは通常サイズのスペシャルで検証済みなのですが、クリップがキツく塗装を傷めてしまいます。
クリップをどうしても着けたいんだ!という方は、セロハンテープで軸側の着け口を一巻きしてから取り付けられることをお勧めします。
私はロロマでしか使う予定が無いためクリップを無理に着けることはしませんが、クリップがあった方が良いという方や、転がり防止という観点からクリップ運用をお考えの方は取り付けの際にご注意ください。
さて、今回はカヴェコスペシャルのミニボールペン、「カヴェコ スペシャル S ボールペン」をレポートしました。
完成されたデザインの筆記具であるというのは皆さんご存じの通りですが、さらに可愛くコンパクトなサイズで、今流行のM5サイズやM6サイズの手帳にピッタリなボールペンとなっています。
そのサイズ感、重量、デザイン、質感から「やっぱりカヴェコは良い」ということを再認識させてくれる筆記具。皆さんの小型手帳にもぜひ黒い相棒を合わせてみてください。
きっと新たな筆記具ライフが待っていることでしょう。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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