ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
たまーに気になったガジェットのレポートも。
物欲のままに手に入れたアイテムをレビューしたりしなかったり。

モンブラン ドネーションペン ヘルベルト・フォン・カラヤンの謎

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皆さん明けましておめでとうございます。
 

さて、当ブログサイトも2017年2月に開設し、今年の2月で早くも5年目に突入しようとしています。
はじめはお求めやすい筆記具からスタートした(と思う)筆記具沼でしたが、今やどっぷりと浸かってしまい特別生産品などの限定モデルを紹介することも増えてきました。
 

始めた当初に憧れていた筆記具も徐々に手元に揃いつつあります。
単なるコレクションではなく、自分にとって使いやすい筆記具は何なのかを追求し、これからも生々で感じたことを記事にしていけたらと思います。
 

また幾度とないお願いにはなりますが、記事末には人気ブログランキングのリンクを貼り付けています。
記事をお読み頂き、参考になったとお感じの場合はリンクからお気に入り登録して頂ければ執筆のモチベーションが上がりますので是非ともお願い致します。
 

そして、今までの記事でコメントもたくさん頂きありがとうございます。
至らない点も多いブログサイトですが、皆さんと正しい情報交換ができればと思います。
 

今年も当サイトをよろしくお願い致します。
 

 

さて、ご挨拶が長くなりました。
 

2022年一発目の記事ですが、今までのパターンに習い年末年始はモンブランに始まりモンブランに終わるということで(確か毎年そうだったような…、違ったらごめんなさい!)、今年もモンブランでスタートします!
 

モンブランと言えば、マイスターシュテュック。
そのマイスターシュテュックをベースとして作られているビジネスライクな特別生産品のレポートから初めていきたいと思います。
 

以前にもドネーションペンを2本ほどレポートしていますが、私が生涯を全うするまでに使いたいモンブランの筆記具ベスト5に入るボールペンを入手しましたので、そちらの比較や考察を行っていきたいと思います。
 

 
そのボールペンとは、
「モンブラン ドネーションペン ヘルベルト・フォン・カラヤン」。
 

ドネーションペンの中では一番欲しかったボールペン。
2003年のドネーションペンとなり、言わずと知れた指揮者の「ヘルベルト・フォン・カラヤン」モデルです。
 

万年筆も良いのですが、やはり仕事で使うには速乾性に優れたボールペンが一番なんですよね。
モンブランの油性インクも優秀ですし。
 

ドネーションのボールペンはこれで、メニューインと合わせて欲しかった2本が手元に。
もう1本どうしても欲しいボールペンが「ヨハン・セバスチャン・バッハ」なのですが、こちらは値段が跳ね上がるためいつか機会があればということで。
 

手に入らなければそれはそれで、この2本で既に大満足なのです。
(しかし、後述しますがバッハが気になる理由があるのですよ)
 

今後もドネーションペンが継続して発売されれば、他に欲しいペンが出てくるかもしれませんが…。
今のところデザイン的に手元に置きたいのがメニューイン、カラヤン、バッハの3本。
 

ひとまずはこの2本で筆記を楽しむとしましょう。
 

 


 
まず全長の比較からですが、ドネーション2本とマイスターシュテュック#P164の計3本で。
 

左のメニューインがブラック×ゴールドで、カラヤンがブラック×シルバー。
右のP164と全長はほぼ同じですが、メニューインの時も書いたとおり軸径についてはドネーションの方が太くなっています。
 

 
カラヤンとP164の胴軸径比較。
口金のサイズは2本とも同じですが、分かりにくいかも知れませんが左のカラヤンの方が軸のレジンが太いです。
この太さがまた絶妙で、#164(クラシック)と#161(ル・グラン)のちょうど間の軸径となり、重さと軸径のバランスが良いのが特徴。
 

 
重量と軸径の関係をデータで見ると、
 

#161…重量31g、胴軸径12mm(グリップ部径:11mm)
カラヤン…重量25g、胴軸径11mm(グリップ部径:10mm)
#P164…重量23g、胴軸径10mm(グリップ部径:9mm)
 

となり、#164の軽快さも持ちながら#161のような安定したグリップ感も持っているといった、、まさに「いいとこ取り」のモデルと言えます。
 

こういった細かいデータの違いは非常に有り難く、それだけ多くの人のニーズに応えられるということになります。
#161ル・グランは重すぎるけど軸径は好きという方や、#164のサイズ感が好きだけどもう少し軸が太い方が好みという方など、本当に細かな違いですがそれに応えるモデルがあるというのは良いことです。
(値段は違いますが…汗)
 

ドネーションペンもベースモデルの#164と同じく、キャップに向かって胴軸を反時計回りに回すとリフィル交換ができます。
 

 
胴軸のプレシャスレジンの厚みの違いがこちら。
ご覧頂くとおり#164に比べて約2倍の厚みとなっていて、これがダイレクトに軸径に影響していると言えるでしょう。
持ちやすさと同時に耐久性も申し分なし。安心の厚みです。
 

 
ドネーションのボールペンの口金はカラヤンのように飾り刻印が施されているものが多いです。
バーンスタイン、メニューイン、カラヤン、ゲオルグショルティ、トスカニーニ、ブラームス、ヨハンシュトラウス、ジョージガーシュウィン。
 

バッハとジョン・レノン以外はこの飾り刻印があります。(ジョン・レノンはドネーションペンというよりグレートキャラクターズという位置づけ?かも知れませんが…)
 

 
さらにメニューイン(左)の口金と比べると、文字の有りなしが見て取れます。
 

1996年のバーンスタイン、2000年のメニューインに見られるゴールドトリムのドネーションペンにはこの文字刻印「MONTBLANC-PHILHARMONIA OF THE NATIONS」が刻印され、2003年のカラヤン以降のシルバートリムモデルには刻印されなくなっています。
※2001年のモデルであるバッハはゴールドトリムですがなぜか口金の飾り刻印と文字刻印はなし
 

私がバッハを手元に置きたい理由として、ドネーションペンの法則に当てはまらない点が多いこと。
口金の刻印もそうですが、キャップにシリアルナンバー(○○○○/8000)が刻印されていることや、キャップのカラー自体も他のモノトーンなドネーションペンに反し鮮やかなコーラルレッドをしている事など。
 

いや、バッハの話は置いておいて、カラヤンの続きです。
 

 


 
キャップリングにはこのペン最大の特徴とも言えるピアノのモチーフがデザインされています。
立体的な鍵盤は樹脂でできており、それもあってか重量が他の金属キャップリングのドネーションペンと比べて軽く25g。
この部分のデザインが秀逸過ぎて個人的に震えるポイントですね。
 

カラヤン自身、ピアニストと言うより指揮者なのですが、やはりクラシック音楽と言えばピアノが連想されます。
作曲の原点とも言えるピアノのモチーフ。シンプルでありながら最も奥が深いデザインとなっているのではないでしょうか。
 

 
さらに、このキャップリングの素晴らしい点は胴軸との接続部。
鍵盤の黒い部分、白い部分、黒い胴軸へと続く段差が非常に美しく、胴軸とキャップは隙間なく合わさっています。
 

 
回転繰り出し機構を見てみると#P164と同じパーツが使われていることが分かります。
(内部の回転繰り出し機構の色はトリムのカラーと同じで、#164がゴールド、#P164がシルバーです)
 

繰り出し機構がキャップぎりぎりに設置されていることから、ただ単にキャップのデザインを変えるだけでなく全体のシルエットに拘って設計されていることが覗えます。
 

 
ドネーションペン、ヘルベルト・フォン・カラヤンのクリップは「タクト」のモチーフ。
これはまさにカラヤンモデルに相応しいクリップです。
 

キャップリングの鍵盤とクリップのタクト。
こちらは純白ではなく、オフホワイトとなっておりクラシカルな雰囲気を醸し出しています。
 

 
タクトがデザインされているクリップのベースは三角形の金属でタクトは樹脂。
このクリップのベースは、1996年のバーンスタイン、2001年のバッハ、そして2003年のカラヤンに共通する部分となっています。(バーンスタインとバッハのクリップはト音記号のモチーフ)
 

 
クリップを横から見たところ。美しい曲線を描いています。
 

バッハの仕様の違いと同じく、このカラヤンも謎の多いボールペンとなっています。
それは何かというと、「MONTBLANC」の文字や、カラヤンを表すサインや文字が一切ボールペン本体に刻印されていないこと。
 

 
クリップ裏に関してもお決まりの「GERMANY」や「Pix®」等の刻印も無く、タクトの樹脂があるのみ。
※写真下はメニューインのクリップ裏の刻印
 

非常にシンプルな仕上がりで、文字という文字や数字の類いが一切刻印されていないのがカラヤンのボールペンの特徴であり、謎な部分。クリップリングにも刻印はありません。
この一切の文字・数字が刻印されていない仕様はドネーションペンに止まらず、すべてのモンブランのボールペンの中でもこのカラヤンのみとなっています。
 

しかしそれが逆に鍵盤とタクトをモチーフとしたデザインを引き立てているようにも感じます。
まさに楽壇の帝王と称されるカラヤンの「独自の音楽性」を表していると言えるのではないでしょうか。
 

 
唯一、モンブランのペンであることが分かる証が天冠のホワイトスター。
こちらはドネーションペンでは共通のプリン型の天冠。
初期の天冠はホワイトスターの真ん中が少し尖った形状をしており、カラーもアイボリーに近いホワイトです。
 

 
左からカラヤン(BP)、ブラームス(FP)、メニューイン(BP)。ホワイトスターを並べてみました。
ブラームスのホワイトスターは純白となっていますが、確かカラヤンの次のモデルである2005年のゲオルグ・ショルティから純白に変わったのではないかと。
(ショルティが手元にないので間違っているかも知れませんが…)
 

 
艶やかで美しいカラヤンのボールペン。
ピアノの鍵盤はこのブラック×シルバーのモノトーンなボールペンにピッタリなモチーフではないでしょうか。
握り心地も良く、私個人としてもこれほど筆記モチベーションの上がるペンはないと感じています。
 

 
キャップに音楽家にまつわるモチーフがデザインされた3本。
バイオリンやピアノはクラシックに欠かせない楽器であり、ボールペンのデザインに落とし込まれることでペンとしてのインパクトがより大きなものとなっています。
 

 

さて、今回は音楽家にまつわるデザインを持ったモンブランの特別生産品、
ドネーションペンのボールペン「ヘルベルト・フォン・カラヤン」を見てきました。
 

昨今のドネーションペンはシルバートリムがメインとなっていますが、1996年~2001年の3モデル(バーンスタイン、メニューイン、バッハ)はゴールドトリム。
 

2017年のヨハン・シュトラウスのようにピンクゴールドっぽいトリムを持つモデルもあり、好みに合わせて選お気に入りの一本を探す楽しみも。
 

ボールペンのベースは#164のようにキャップを捻ってペン先を出す、シンプルな回転繰り出し式となるため 操作感にもクセがなく万人に使いやすいモデルとなっています。
 

 
モンブランの純正油性インクと併せて非常に完成度の高いボールペンですので、文字書きに止まらず絵描きにも使えるかと思います。
他と被らないデザインをお探しの方やクラシックに興味のある方は入手してみてはいかがでしょう。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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