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極細(XF)万年筆と超極細(UEF)万年筆を比較してみた 【プラチナ/CROSS/パーカー】

2021年5月19日

皆さんこんにちは。

突然ですが、皆さんはどの字幅の万年筆をお使いでしょうか。筆記具において自分の手に合う・合わないという判断基準に軸の太さ・軸の重さ・字幅など様々な要因があると思います。特に万年筆においては「自分にとっての字の書きやすさ」というのは重要で、書きやすい字幅が細字なのか中字なのかという事以外に、ニブの硬さや大きさからくるフィーリングは言葉では表せない判断基準として誰もが持っているものではないでしょうか。

 

かく言う私も、字がうまく書ける字幅とうまく書けない字幅があり、例えば同じMの字幅でも書きやすいMと書きにくいMがあるわけです。なぜ同じMの字幅で書きやすい・書きにくいが出てくるのか。

様々な万年筆を使ってきて、私の場合はペン先が柔らかい万年筆で書いたとき、字がまとまらないと言いますか、何か自分の字までフワフワしてしまう傾向にあるのです。逆に同じ字幅Mでもペン先が硬い万年筆で書いたときは自分として見慣れたいつもの字が書けるという。もちろんこれは私の場合であって、人それぞれで個人のフィーリングというのがあります。

 

 




 

字を書くという行為をただ楽しむのであれば、色々な字幅・ペン先の硬さ・軸の形・軸の幅・重さの万年筆を使って書くのがいいのですが、いざ、改まって文章を書きたいとき・丁寧に字を書きたいときなどは、慎重に万年筆を選ばないと楽しさがストレスに変わることも出てくるわけです。皆さんはそんな経験はないでしょうか。

 

日本で生活して日本語を書いて過ごしている以上、日本語(漢字)がストレス無く書けることが一番なのですが、複雑な漢字・画数の多い漢字を書くときは、ほぼほぼ細字以下の字幅の万年筆が登場することになります。そこで、今回は最近入手した細字の万年筆をもとに、「極細字の万年筆」に焦点を当ててレポートしていきたいと思います。

 

 




 

 

 

 

 

 

【細く繊細な文字を書くには日本製万年筆】

いきなり核心に迫ってしまいますが、まず間違いなく極細字で綺麗な字が書きたい、極細字万年筆を使いこなしたい場合は日本製万年筆です。これは動かしようのない事実ではないでしょうか。日本語が書きやすいように設計され、日本語がより書きやすいように進化してきた万年筆たち。まさに日本の日本による日本語ための万年筆。「日本語のための」と書くと語弊がありますが、海外でも繊細な字運びができる日本メーカーの万年筆は絶大なる支持を得ていてファンも多いようです。

 

 

手持ちの国産極細字はプラチナ センチュリー#3776UEF。センチュリーのUEFは言うこと無しのキングオブ極細字。筆圧をかけてもペン先はまったくしならず安定した極細字を書くことが可能。かといって文字に抑揚が付けにくいというわけではないのが#3776のすごいところ。

 

 

多少文字を崩して書いても様になり、こんなに細いにも関わらず、はね・はらいがしっかり分かるほど繊細でシャープな線が書けるのです。ペンケースの中に一本あると非常に助かる万年筆と言えるでしょう。

 

 

 

 

【現行品へと続くパーカーのXF

極細字が書ける海外製万年筆と言えば世界三大筆記具メーカーのひとつのパーカーの万年筆ではないでしょうか。パーカーであれば現行の万年筆でも極細字を求めることができます。しかしここで紹介したいのがパーカーによる極細字万年筆の始祖、パーカー75です。

 

 

今のパーカー筆記具を作り上げたと言っても過言ではない名作、パーカー75。当ブログでもしばしば比較で登場していますが、改めて万年筆のパーカー75を取り上げます。もちろん字幅はXF。型式としては天冠の形とキャップリングの刻印から中~後期に製造されたものになります。

 

 

オークションやフリマサイトでも比較的見かけることの多いパーカー75は状態が良いものも多く、値段も1万円前後と手が出しやすい価格帯の万年筆です。キャップと胴軸がスターリングシルバー、首軸が樹脂となっていて所有欲と書きやすさを同時に満たしてくれます。パーカー75は極細字なのですが14金ペン先でニブの形状からペン先もしなるため、XFといえど細すぎない字幅で書くことができます。極細が使いたいけどカリカリの書き味は苦手という方に特に使ってほしい万年筆です。

 

 

字幅の表記はペン芯の部分にあり。特徴としては専用の工具があれば自分のペンの持ち癖に合わせて、首軸に対してペン先の角度を調整できるようになっていること。今はそのような機構を持った万年筆は無いため初期のものは首軸の目盛りに0が打ってあるものがあり中古でも比較的高値で取引されています。

 

 

このパーカー75が書きやすい要因は首軸の形にあります。首軸は通常の万年筆のように円柱ではなく、人差し指と親指が当たる部分とペン芯側の部分が平らになっていて正面から見ると三角形をしています。分かりやすく言うとラミーのサファリやペリカーノのような首軸で、持ち方の矯正ができるようになっているのです。

この首軸の平らな部分には線が刻まれていてグリップも良好。パーカー75は万人にお勧めできる本当に書きやすい万年筆です。

 

 

 




 

 

CROSSの極細字万年筆】

最近手に入れた極細字万年筆で、一風変わったというか珍しい万年筆があります。CROSSの型番不明な万年筆。なぜかいつもクロスではなく“CROSS”と書いてしまいますね()

 

 

クリップの「・CROSS・」ロゴから判断するに1999年以前に製造されたであろうこの万年筆ですが、現行品にはない特徴をいくつか持っていますのでサクッとレビューしていきます。じっくり掘り下げると一記事分になるため、スペックや各部詳細など掘り下げたレビューはそのうち独立した記事でしていきたいと思います。

 

▲上から、プラチナセンチュリー、CROSS、パーカー75

 

まず、CROSSのセンチュリーⅡに似ているようで似ていない全体のシルエットですが、細軸を得意とするCROSSらしからぬ中太軸。軸の太さはシェーファーのインペリアルとほぼ同じです。それでいて樹脂軸。CROSSというとほとんどが金属軸にラッカー仕上げもしくはクローム軸という印象ですが、キャップ・首軸・胴軸に至るまで全て樹脂。色合いも美しくグリーン×ゴールドで、タウンゼントのマーブルラッカーグリーンを思わせる深い緑色です。この色じゃなかったら私の目に止まらなかったことでしょう。

 

 

さらに珍しいのはキャップが嵌合式ではなくスクリュー式ということ。これは今のCROSS万年筆では見かけません。樹脂軸+スクリュー式キャップというクラシカルな仕様の万年筆です。

そしてペン先はXFCROSSも現行品でXFの字幅がラインナップされていますが、これもクラシカルなニブデザインのXFスチールペン先です。

 

 

筆記感はかなり硬めで、プラチナほどでないですがカリカリと音を立てるほど。その字幅はプラチナのUEFやセーラーのH-Fに迫る勢いです!細くて硬いペン先ですが弾力があるため文字にも表情が付けやすいと感じます。

 

 

 

【プラチナ・パーカー・CROSSの極細字万年筆比較】

3種出そろったところでそれぞれの極細字を比較してきましょう。厳密に言うとパーカーとCROSSは極細(XF)で、プラチナは超極細(UEF)なので全く同じ字幅の比較ではないのですがXFEFと同じで、これについてはメーカーによって表記が変わるわけです。

 

 

まずはニブの形から。プラチナ#3776とパーカー7514金ペン先。CROSSはスチールペン先となっています。書き味はプラチナ#3776が一番硬く、その次がCROSS、そしてパーカー75と続きます。プラチナはこれでもかというほど平たいニブ且つ大型。このニブの形状あってこその超極細なのが分かります。見た目も満足感抜群のペン先ですね。

 

CROSSはペン先がかなり下を向いていて、スチールペン先ということもありかなり硬めの書き心地。字の細さだけで言うとプラチナのUEFに匹敵するほどの超極細字を生み出すことができます。モデル名が不明ながらもなかなかの超極細感のため、超極細時好きの方は見つけたら即買いでしょう!

 

パーカー75はこの中では一番柔らかいタッチをしていてクセが無いです。極細だけどしなやかで扱いやすさはダントツ。他の2本と比べると同じ極細でも字幅はやや太めで国産万年筆のF(細字)に近く線がハッキリとしています。

 

 

最後に国産の中字~海外の細字と今回の極細3本の文字比較です。ウォーターマンのEFとパーカーやCROSSXFを比べてみると分かるのですが、EFXFは同じとは言うもののXFの方が字が細いです。実際の書き味もXFEFよりも硬く、そして国産の中字は外国産の細字と同等の細さだということもよく分かりますね。

 

さて、今回は日本語を美しく書くなら極細字の万年筆がストレス無く書けるのではないかという観点から、極細字と超極細字の万年筆を比較検証してきました。検証していくなかで、筆圧をかけてペンを使うことが多い日本人の筆記傾向に寄り添う形で極細字の万年筆なら手軽にとめ・はね・はらいを出すことができ、繊細な日本語を美しく書けると感じました。

万年筆を使っていてどうしてもボテッとした字になってしまうという方は、海外メーカーのXFやプラチナのUEFで一度書いてみることをお勧めします。極細字はきっと万年筆の新境地を切り開いてくれるに違いありません。

それではまた。

 

 

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