アウロラの総金属六角軸ボールペン「パーマネント」レビュー
皆さんこんばんは。
やっと長い冬が終わり暖かくなってきましたね。
2017年2月に開設したこのブログサイトも早いもので丸8年が過ぎ、いよいよ9年目に突入。
これもひとえに、読んで下さる皆さんがいて、励ましの言葉を頂いたからこそ。
本当にありがとうございます。
8年間に様々な筆記具との出会いがありましたが、ボールペンもメカニカルペンシルも万年筆も、自分の好みの書き心地だけでなく、やっとそれぞれのペンの個性を愉しめるようになってきたのではないかと感じています。
また今年度も新たな気持ちで情報の共有をしていきたいと思います。
引き続き、よろしくお願い致します。
さて、今回の記事ネタは何にしようかと考えていたところ、随分前に買ってすっかりと記事にするのを忘れていたボールペンを思い出しました。
今回はタイトルにもある通り、アウロラのボールペンについて。
年始にも今年はイタリア軸のレポートが増えそうだとお伝えしていましたが、思い出したようにマーブルレジン軸以外のボールペンをレポートすることになるとは…。
「アウロラ パーマネント クローム ボールペン」
こちらについて書いていこうと思います。
パーマネントは、アウロラの筆記具の中では珍しい総金属軸のボールペン。
アウロラで総金属軸と言えば以前記事にした「テッシー」がありますが、テッシーのようなモダンなデザインではなくクラシック路線、言わばアウロラの王道デザインとなっています。
パーマネントは一番手前、真ん中はテッシー、奥は88(オタントット)。いずれもAURORA(アウロラ)。
パーマネントは丸軸が主流のアウロラの中でも異彩を放つ六角軸。
このペンの名前「Permanent(パーマネント)」の(デザイン的な)「永久の」「不変の」に意味に合わせて、「耐久性のある」という意味も込められているのだと考えます。
六角軸かつ金属軸というと真っ先に思い浮かぶのはカランダッシュのエクリドールですが、エクリドールよりも少し大きめで、よりクラシックなデザインとなっているのがこちらのペン。
デザインは1930年代のプロペリングペンシルが元となっており、オークションで今でもよく出品されるエヴァーシャープのアンティークペンシルを見ているかのよう。
私がこのペンを買おうと思った一番の動機が、このクラシックなデザインだった事は言うまでもありません。
胴軸のクリップ回りから天ビスにかけての美しいライン。
手にしたのはクロームプレートが施されたモデルですが、カラーラインナップが他にもあり、胴軸部分がブラッククローム(艶消し)で、ペン先とクリップ、天ビスがシルバーのモデル(CT)とゴールドのモデル(GT)、胴軸にシルバー925素材を贅沢に使ったモデルもあります。
ブラッククロームCTとかなり迷った挙げ句 クロームを手にしましたが、私的にはこれが失敗で、クロームプレートの軸は指が潤っていない私には、滑ること滑ること。
冬場は特に滑りやすいため しばし冬眠して頂き、暖かくなってきた今頃にまた引っ張り出してきたという具合です。
私のように指先が潤っていない方はブラッククロームかスターリングシルバーのモデルを購入される方が良いかと。(スターリングシルバーのボールペンは数年前に私が買う段階では売り切れていましたが…)
クリップはビスで固定されていますが、薄さもあってしっかりとしなり、洋服の生地へ挟む動作も問題なし。
板一枚+緩やかに反った作りのため、クリップの操作はそのまま生地に滑り込ませるだけという使いやすさ、そして保持力もあり安心です。
このペンのデザインにおいて、おそらく一番の「堪らないポイント」なのがこの天ビス。
誇らしげで美しい、アウロラの旧ロゴが配置されています。
ペン全体のクラシックなデザインとも非常にマッチしていて素敵ではありませんか。
このペンにおいても職人の手作業で作られており、この旧ロゴはそんな職人のものづくりへの誇りを感じる部分でもあります。
旧ロゴ部分のパーツ(メダル部分)は長期保管で硫化が見られることから、おそらくはシルバープレートかシルバー925が使われているものと思われます。
ペン先はエクリドールのような胴軸と一体形成ではなく、口金部分が別パーツ。
この辺はデザイン的にも一体型で良かったのでは?と思いますが、購入したサイトの情報ではこの部分が外れてリフィル交換ができる(はず)ようです。
(はず)と書いたのは、実際手元のパーマネントはここが外せず、天ビス部分を外してリフィル交換を行う必要があるため。でも、購入サイトは写真付きでここが外れてたんですけどね…。
これは私の手元の個体のみなのか それともそういう仕様なのか、ゴム手袋をして雄叫びを上げつつフルパワーで捻っても外れなかったことから、手元のパーマネントの口金は外れないということで理解しました。
ちなみに、パーマネントにはボールペンの他にメカニカルペンシルもあり、そちらはペン先のデザインがもっと細くなっています。(ファーバーカステルの伯爵コレクションのようなイメージ)
メカニカルペンシルは0.9mm芯対応で、ツイスト式(天ビスを回転させてノック)。
ペンシルも同じくスターリングシルバーのモデルがあり、これがなかなかに格好良いのです。
他の筆記具との比較と同時にスペックをみていきます。
左から、カランダッシュ エクリドール、アウロラ パーマネント、カヴェコ(モデル名不明)。すべてボールペン。
パーマネントのスペックは、
全長:132mm(携帯時)
重量:34g
胴軸径:9.5mm
となっており、先にも触れたとおりエクリドールよりも少しだけ大きな軸となっています。
このサイズで重さ34gは、かなり重い部類のボールペンになるかと思います。まあ私にはその重さが丁度良いのですが。
特に、手元の柄の名前不明なエクリドールと軸のデザインがもろ被りしている点も面白い。
横に並べるとまるで兄弟のようなボールペンとなります。
このデザインのエクリドールはシルバープレートのため硫化が進んでおり、色合いもシルバープレート特有の黄みがかった味のある色味。
一方、こちらのパーマネントのようなクロームプレートは少し青みがかった色合いとなります。
それぞれのリフィルを出してみました。
どちらも天ビス部分を外してリフィル交換を行いますが、エクリドールはノック式、パーマネントは天ビス部回転繰り出し式という違い。
パーマネントの回転繰り出し機構は、パーカー デュオフォールドのように胴軸内部奥側でリフィルを固定するため 大きめのものとなっています。
天ビス側から見た胴軸。
左がエクリドールで、右がパーマネント。
並べてみると胴軸径の違いが分かりやすい。
胴軸に使われる金属の厚みはどちらもほぼ同じとなっていますが、パーマネントの軸内には天ビスの回転繰り出し機構を固定する用の真鍮パイプが設けられており、それが重量増に影響しているものと考えます。
ということで、エクリドールを使っている方、もしくはこれから使おうとしている方で、軸径や重量がもう少し欲しい!と考えている方はパーマネントも選択肢に入ってくるかと。
デフォルトで装填されているアウロラの純正油性リフィルは「ロングライフリフィル」。
「AURORA」の横の「tangsten」はリフィル名ではなく、リフィルタンク素材のタングステンカーバイドの事だと思われます。
軸が重めのため、粘度が高い純油性インクだと指先に力が入り、私の手だと滑りがち。指を湿らせると途端にグリップ力が増し とても書きやすいペンだと感じます。
私にとっては、春夏にかけて活躍するボールペンとなります。
パーマネントを含むアウロラのボールペンは「G2リフィル」対応のため、油性インクでも粘度がちょうど良い具合い(硬すぎず柔らかすぎず)のパーカーのクインクフローや、大好きな方も多いであろう今再び話題のジェットストリーム(プライム芯)にリフィルを入れ替えて使うことも可能。
G2規格のリフィルは様々なメーカーのものがあるため、初期装填のメーカーのインク粘度が自分に合わなかったからと言って、そのボールペン自体の使用を断念するに至らないのが最大のメリットではないでしょうか。
さて、今回はアウロラの六角軸ボールペン「パーマネント」をレポートしました。
クラシック、アンティークなデザインが堪らない方にはドンピシャのペンではないかと思います。
このペンを選ばれるときは指の乾燥具合いとも相談が必要。
クロームプレートよりスターリングシルバーの方が滑らず、そしてスターリングシルバーよりブラッククロームの方が滑らないため、参考になさって頂ければと思います。
クロームプレートのオールシルバーな外観はとんでもなく格好良く気に入っているのですが、乾燥指の私はどうしても冬場に稼働が減ってしまうのが残念なところ。
また、エクリドールを愛用しているという方にとっても注目のペンで、特にエクリドールシルバー925軸ボールペンの実に半分の価格で、ボリュームのあるパーマネントのシルバー925製ボールペンやメカニカルペンシルが買えてしまうという。
手軽に(と言っても3.5万円以上しますが)クオリティの高い銀軸筆記具を入手したいという方にもお勧めです。
クラシカルなデザインが好きな方、そして、この旧アウロラロゴにピンときたら検討してみてはいかがでしょうか。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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