バイク乗りも注目!ジュラルミン製高級ボールペン MechaSEA レビュー
こんにちは。
今回、完全に一目惚れと好奇心から禁断の高級ボールペンを手に入れてしまいましたのでレポートします。
荒木エフマシン製のジュラルミン削り出しボールペン「MechaSEA」(メカシー)は、今までのボールペンにはないギミックが盛りだくさん。傍らにあるとついつい触ってしまうボールペンです。
なぜバイク乗りも注目!なのかというと、メーカーの荒木エフマシン株式会社はバイクや自動車のアフターパーツを製造されている会社。
その高度な金属加工技術を駆使して作られたのがMechaSEAというわけです。もちろんバイク乗りの方に限らず、メカメカしいものが好きな方や、筆記具ファンも押さえておきたい逸品です。
ぶっちゃけ私はバイク乗りではないのですが、実際にペンを触ってみてバイク乗りの方に使いやすいだろうなーと感じる機能が何点かあります。(それは後述で)
さて、話は変わりますが、筆記具に魅力を感じる部分とは何でしょうか?
書きやすさ(筆記バランス・芯の太さ)や持ちやすさ(重さ・軸の太さ)、デザイン、色、素材、好きなブランドなど、人により様々だと思います。
私の場合はまずデザインでしょうか。そして次に素材や持ちやすさ。しかしいくら優れたデザインでも素材を伴わなければ優れたデザインとは言えません。優れたデザインというのは、その素材も要素として含んでいると言えるでしょう。
人の心を掴んで離さない3大マテリアルがあるとどこかで読んだことがあります。それは、ウッド(木)・レザー(革)・メタル(金属)だそうです。私もまったくその通りだと思います。
今回手に入れたボールペンはそんな3大マテリアルの中のひとつ、メタルの素材感が全面に出ています。優れた素材がデザインの良さをもたらしています。
それでは、ジュラルミンのボールペンがどのようなものか見ていきましょう。
重厚な専用ケース
ケースもジュラルミン製で重厚感があります。重量もかなりズッシリしてます。ジュラルミンというと一般的にアタッシュケースなどに使われており、よく目にする素材ではないでしょうか。
そもそもジュラルミンとは何なのかというと、アルミニウムと銅やマグネシウムなどを混ぜたアルミニウム合金の一種です。アルミニウムに比べ高硬度で、航空機などにも使われているそうです。詳しくはウィキペディアをご覧ください。
一般的に筆記具で使われる金属素材は、真鍮やステンレスやシルバーなどですね。ジュラルミンのボールペンというのは今回初めて目にします。
ケースをアップで。表面には「MechaSEA」のロゴが刻印されています。こちらも削り出しで高級感があります。
キッチリと嚙み合ったケースを開けるといよいよボールペンの登場です!
いやはや美しい。ケースの中にペンがピタリと固定されています。さながらジュラルミン製の工芸品といったいで立ちです。
別角度から。
私が買う前から一番気になっていたのがこの天冠の部分。MechaSEAのロゴとも重なるこの丸い部分は何なのか?実に変わった形です。ボールペンといえばノック式かレバー式か軸回転式かですが、どれにも当てはまらない形をしています。はやる気持ちを抑えつつ、さっそく芯の繰り出し機構を見てみましょう!
芯繰り出し機構
なんということでしょう!!
判明しました、一番気になっていた部分。
芯の繰り出し機構は「ノブ回転式」と言いましょうか、天冠の丸い部分を縦に180°回転させることにより芯を繰り出します!まさにノブスイッチ。今までこんな斬新な芯の繰り出し方法があったでしょうか!!
私が記憶する限りではありません!
初めての体験に戸惑いつつ様々な回転方法を模索した結果、軸を手中にグリップして親指で回転させるのが一番しっくりきます。慣れないうちは丸いジュラルミンが滑りますが、コツを掴むと弱い力でも軽く回せるようになり、用もなく芯を出し入れしてしまいます。
これは気持ち良い!!ノック・レバー・軸回転に次ぐ、第四の芯繰り出し機構が見事に誕生しています。
おっといけません、興奮する気持ちが勝って、ボールペン全体像を紹介するのを忘れていました。
全体のフォルム
ボールペン全体像。このフォルムです。
天冠には先ほどの斬新なノブスイッチが。その下にはクリップがあります。
軸はスクエア軸ですが寸胴ではなく、真ん中の部分がゆるやかにカーブしています。ペン先に向かっては別パーツで構成されており、4本のビスでとめられているのが確認できますね。
素材はオールジュラルミン製。もしこれが真鍮製だとすると相当な重量になるはずですが、ジュラルミンは軽くて強い素材です。
スペックは、
重さ:約36g
全長:約14.4cm
軸径:1.2cm
この密度感で重さ約36gです。軸径は一般的な太軸筆記具と同じくらいですね。
前述したバイク乗りの方にも使いやすいポイントとして感じたのが、この軸の太さと先ほどのノブスイッチです。
グローブをしたままの状態でも握りやすい太さと、親指一本で繰り出せる芯。親指一本と言えばノック式もありますが、ノック式の上から押す動作よりも指先でノブ側面をなでるだけの方が小動作です。
かといってレバー式のボールペンでは、グローブをはめたままだとレバーが小さすぎると感じることでしょう。
※繰り返しますが、私はバイク乗りではないのであくまで想像です
ぐるっと一回転してみました。ところどころに見えるビスがメカメカしさをさらに引き立てています。少し写真が小さくて見にくいですが、右下の写真の矢印部分、ノブとクリップの間に小さなスイッチがあります。これは何でしょうか。
次はクリップ周りを見ていきます。
クリップ部
まずは軸と一体型のクリップ部です。バネ式で弱い力でも持ち上がります。薄い生地の服やノートに挟むのに適しています。そして、このボールペンのもう一つの感動部分がこちらです!
側面のレバーを赤い矢印の方向へ入れると…
クリップのユニットがポップアップし、クリップに幅をもたせることができます!!これまた心地よい振動が指に伝わります。
このクリップのポップアップ機構は、より厚い生地に挟み込む場合に使います。厚めのキャンバス地や、ライダースジャケットなどにも良さそうですね。収納する際は指でカチッと押し込みます。
荒木エフマシン様曰はく、先ほどのノブ回転機構とこちらのクリップのポップアップ機構は10万回繰り返しテストをされたそうです。ボールペンのクリップ部に対して何万回もの動作テストを行うということは普通の筆記具ではあまり考えられません。(ノック機構のテストや筆記耐性のテストはよく聞きますが…)
素材だけではない、安心して長く使ってもらうためのこだわりが感じられます。
タイトルの画像をもう一度。この角度が美しいです。
こうして見るとクリップ部は朱鷺(トキ)の顔のようにも見えます。ペリカンクリップならぬトキクリップ。精密な金属が幾重にも重なるデザインに惚れ惚れします。
次はペン先へと視線を向けてみましょう。
ペン先・リフィル交換
ジェット機のノーズのようなデザインのペン先が4本のビスで軸に固定されています。ビスを付け外しするための溝がいいデザインアクセントとなっていますね。
リフィル交換はこの4本のビスを外して行います。ひと手間かかりますが、リフィルは頻繁に交換するものでもないので使い切ったあとのお楽しみとも言いましょうか。このひと手間を楽しむ心の余裕を持ちましょう(笑)
ビスはM1.6規格の六角レンチで開け閉めします。こちらは別売りなので各自用意しましょう。ホームセンターにて数百円で手に入ります。
溝に沿って六角レンチを差し込みます。それほど深い六角ビスではないので4本外すのに思ったほど時間を要しません。
ドライバー等でネジをクリクリする作業は制作に参加しているようで楽しいですね。
ビスをすべて外すとリフィルとバネが出てきます。替え芯は宇宙でも使えるフィッシャーリフィルです。今のところは宇宙に行く予定がないので試せませんが、このMechaSEAも宇宙で使うことができそうです。
最初から装填されているリフィルには白いアダプターキャップが着いています。
繰り出される芯の長さをMechaSEAに合うように調整するためのアダプター。芯を交換するときはこの白いアダプターを次のリフィルに付け替えましょう。使い終わった芯と一緒に捨てないよう注意です。
今回、以前カランダッシュの記事で紹介したリフィルアダプターのフィッシャーVerを試そうと思いましたが、リフィルアダプターの方がフィッシャーのリフィルより若干太いのか、白いアダプターをとり着けることができませんでした。厳密にいうと、力任せに着けることはできそうですが、おそらく抜けなくなるためおすすめしません。
まとめ
オール金属の満足感、それでいて軽く通常使用も問題なしの設計。ノブ回転式芯繰り出し機構やポップアップするクリップなど、楽しめるギミックもたくさんありました。特に芯の繰り出し機構は感動のひと言!ちなみにメーカーにて修理部品の供給も行っているとのことでアフターも安心。長く使い続けることができます。
違う分野で培った技術を筆記具に転用しようというチャレンジ精神と、細部にまでこだわったクラフトマンシップが感じられるボールペンでした。
オフィスで使うとインパクトがありすぎるため、私はいつも持ち歩くカメラバッグにフィッシャーのブレットとともに忍ばせています。冬には手袋をして撮影に臨むこともあるので、室内・野外問わずマルチに活躍してくれそうです。
以上、メイドインジャパンの高精度なジュラルミン製ボールペン、「MechaSEA」のレポートでした。
2024年9月現在、新たにメカニカルペンシルの作成に取り掛かられているそうです。こちらもどのようにデザインで、どのようなギミックを搭載した筆記具になるのか…、非常に楽しみですね!下部の「荒木エフマシン株式会社」のサイトもぜひ覗いてみて下さい。
それでは、また。
【メーカーサイト】
荒木エフマシン株式会社
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