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パーカー75の後継ボールペン 【ソネットとプリミエ比較】

2021年9月11日

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さて、今回の記事も前々から書こう書こうと思っていた内容になります。

仕事でボールペンを使うことが専らなのですが、その中でも出番が多いのがマイスターシュテュックとパーカー75。この2本は本当に使いやすくて、しかも先方に与える印象もいいので必然的に出番も増えてくるわけです。
 
パーカーというと「ビジネスに向くボールペン」として記事にしたことがありますが、いくつかパーカーボールペンの種類も増えてきたところで、そのなかの2つのモデルを比較してレポートしていきたいと思います。

 

パーカーのペンを使い始めたきっかけは言うまでもなくジョッターなのですが、異動の餞別やイベントの景品でパーカーのボールペンを頂く機会も多く様々な種類が集まりました。集めてるのではなく集まってくるパーカーのボールペン…。それだけ贈答品にはうってつけのネームバリューと品質なのでしょう。

 

 

 

今回見ていく2本は、パーカーの中堅モデルとされるソネットと、デュオフォールドに次いでの上位モデルであるプリミエ。ともにボールペンでの比較です。ペンを買ったり頂いたりしたのが数年前ですので、現行モデルのデザインとはまた違っていますがその点はご留意ください。そして最近のパーカーのボールペンについて思っていること、というか気になっている点もついでに挙げていきたいと思います。

それでは二本のボールペンを見ていきましょう。

 

 

 

 

【ソネットとプリミエ】

パーカーの筆記具の歴史からするとソネットの方が発売が早く、プリミエが後発となっています。ソネットのペンは軸径やデザインが性別・年齢を選ばないため、持っているという方は多いのではないでしょうか。2本ともブラックCTで比較できると良かったのですが、縁あってそれぞれ違うバリエーションのものが手元に入ってきました。ソネットがプレシャスシズレGT、プリミエがラックブラックSTです。

スペックを比較すると、

 

ソネット…全長:約138mm  重さ:30g  軸径:約10mm

プリミエ…全長:約138mm  重さ:34g  軸径:約12mm

※全長はいずれも芯を出した状態

 

プリミエの方が少し太いぶん重さがありますが、スペックはほぼ同じ。しかしこの重さの4g差が大きく、プリミエはブラスにラッカー塗装を重ねて作られていることもあり、ひんやりズッシリという感じです。細いラッカー軸は男性の手には滑りやすいですが、軸径約12mmの安定感は伊達ではありません。

 

一方、ソネットシズレは安定の握りやすさ。シズレパターンはデザインだけでなく持ちやすさも両立しているところがファンが多い所以なのかと思います。素材がスターリングシルバーという所もポイント高いですね。パーカー75のスターリングシルバーとは仕上げが違うのか(コーティングされている?)、しばらく使っていて思うのが硫化に強いような気がするのです。

 

スターリングシルバーといえば、銀の含有率であもる925の刻印が胴軸に施されているペンもあります。このソネットもスターリングシルバーということで、その刻印を探しましたが見当たりません。キャップリングの刻印は「PARKER SONNET FRANCE T」のみ。天ビス辺りにも見当たりません。しばらく軸を隅から隅まで見ているとそれらしいものがありました!

 

 

キャップのちょうどクリップの反対側のキャップリング寄りに何やらアルファベットと925の刻印、下にはダイヤ型のマークのようなものが見えます。残念ながらシズレパターンによって潰されてしまっていて何とかいてあるのか判別できませんが、925刻印が見つかって少しホッとした気分です。

 

 

デザインの違いを見ていくと、主に目を引くのが天ビス&クリップとペン先部分です。まず天ビスですが、ソネットはゴールドに黒い天ビスで、クリップも含め全体的に丸くまとめられています。このあたりが男女問わず人気の要因かも知れません。
 
矢羽クリップも流線型のデザイン。角が取れているのは近代パーカーペンの特徴とも言えるでしょう。クリップを横から見るとアールがかけられており柔らかなイメージ。スーツのポケットに挟むとしっかり固定してくれます。

 

左からプリミエ、ソネット、パーカー75。キャップデザインの違い

 

一方のプリミエはエッジの効いたデザイン。天ビスは平たくカットされくぼみが付けられていて、クリップは直線的なデザインで存在感があります。この旧型は天ビスとクリップがセパレートですが現行モデルではクリップが天ビスから出ており、一層パーカー75の面影を感じるデザインとなっています。

 

 

ペン先部分に目をやると、どちらも三本のラインがあることに気付きます。ソネットのペン先はプリミエに比べて小さめでキャップリングと同じ細めのラインが入っています。プリミエは天ビス、キャップリング、ペン先と同じくらいの幅のラインがそれぞれ入っていて統一感がありますね。

 

 

【パーカー75の後継モデルは本当はどっち?】

 

一般的にはパーカー75の後継モデルはソネットとされています。確かにソネットはパーカー75の交代モデルでスターリングシルバーシズレの軸がラインナップにあったり、軸径(すなわち書き心地)も近いところがあるためそうなのかも知れません。しかし、プリミエの天ビスの形は、まさにパーカー75そのものではないですか!現行モデルのプリミエはさらにパーカー75の生き写しのごとく似ており、2009年から登場したプリミエこそ真のパーカー75の後継モデルではないかと思うのです。

世代交代で一旦ラインナップを引き継いだのがソネット、パーカー75のデザインにインスピレーションを受けデザインを継いだのがプリミエと考えられます。パーカー75が発売されたのが1964年ですので、約半世紀近く後の2009年にパーカー75を模したプリミエを発売するあたり、パーカー社にとってもパーカー75のデザインは完成されていて重要なペンだったということが分かります。

 

 

【最近のパーカー筆記具で気になっていること】

最近の、と言ってもいつからかは定かではないですが、パーカーのペンに刻印されているはずの製造年のアルファベット表記と製造月を表すローマ数字が刻印されていないペンを見かけます。
 
かくいう今回の記事で使ったプリミエもこの製造年月の刻印が見当たりません。ソネットには刻印されています。どちらも信頼の置ける百貨店文具売り場や文房具店で購入しているため偽物の可能性も低いのですが、なにか釈然としません。

 

 

手元にあるプリミエに製造年月の刻印が無いのは先ほど書いた通りですが、不可解なことに同じモデル間でも刻印のありなしが存在します。私が持っているソネットはプレシャスシズレGTとプレミアムブラウンPGTの二本なのですが、シズレGTは製造年月の刻印あり(T)、ブラウンPGTは刻印無しです。どちらも店舗購入でギフトボックス・保証書ありなのですが同じソネットのモデルでも刻印のありなしがあります。

どういうことなのでしょう?

 

ちなみに、現在のパーカー筆記具の製造年月刻印は次のようになっています。

 

刻印:QUALITYPEN

   ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

意味:0123456789

この0~9は西暦の1の位の数字です。例)Pなら1997年製、2007年製、2017年製など。

そして、製造年のアルファベットの横(右側か左側かは年代によって異なる)に製造月のローマ数字。

 

四半期ごとにローマ数字が切り替わります。

1月~3月製造・・・III

4月~6月製造・・・II

7月~9月製造・・・I

10月~12月製造・・・  ※ローマ数字無し

 

という具合いです。お手持ちのパーカー筆記具はいかがでしょうか。

パーカーのペンにはこのような製造年月の刻印があるはずなのですが…。ヴィンテージ以外の比較的新しい年代のペンならなおさらに。こちらは正確な文献がないため真相は分かりませんが、ちょっと気になっていることでした。

 

 

【筆記感とまとめ】

パーカーボールペンの回転繰り出し動作はねっとり系。アウロラの回転繰り出し動作とは正反対の、クロスに近いねっとり感です。インクは油性で、まあこちらは言うことなしですね。
 
今やジェットストリームも使えるほど有名なパーカータイプのリフィル規格ですので、油性でも書き心地はお墨付き。油性の書き心地が苦手な方はリフィルを換えることで水性インクを使うこともできますので、好みに合わせて最高の書き心地を楽しみましょう!

この二本での書きやすさは個人的にはプリミエに軍配が挙がります。確かにシズレは滑りにくいのですが、プリミエの軸の太さから来る筆記の安定感とペン先部分の長さが字を書いていてすごく楽ちんです。

 

 

さて、今回は二本のパーカーボールペンを見てきたわけですが、やはり安定の書きやすさと確かな品質を感じるボールペンとしての質の高い仕上がりを改めて感じることができました。パーカー75から続く完成されたデザインは今もなおユーザーを魅了してやみません!個人的にはプリミエの軸径でシズレパターンの軸を持ってみたいのですが…発売されないでしょうかね。

パーカーソネットとプリミエは普段使いのボールペンでも少し高級な書き味を体験したい、という方にはうってつけのボールペンだと思います。もちろん誰かにプレゼントしてもきっと喜ばれることでしょう。

 

それではまた。

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