ビスコンティ レンブラント 【ヴァン・ゴッホと比較】
みなさんこんにちは。
万年筆ブームも冷めらやぬ昨今ですがいかがお過ごしでしょうか。最近は万年筆のネタが多くなっていますが、今回の万年筆は最近買ったものではなく かれこれ半年前くらいに入手した万年筆についてです。
レポートを書こう書こうと思いながらズルズルと今になってしまったわけですが、改めてこの万年筆に目を向けてみてやはりかっこいいな~と思うのです。
その万年筆とはビスコンティのレンブラント(カーキグリーン)。
以前もビスコンティの万年筆はヴァン・ゴッホ(ファン・ゴッホ)のタートルブラウンをレポートしましたが、今回はエントリーモデルのレンブラントです。ビスコンティの筆記具といえば美しいレジンの軸が特徴ですが、レンブラントのカーキグリーンはニブを含めシックな色合いで統一されている、大人の雰囲気漂う万年筆となっています。
レンブラントという名前は言わずもがな、ネーデルラント連邦共和国(現オランダ)の画家であるレンブラント・ファン・レインから取られており、色合い華やかなヴァン・ゴッホのペンとは対象的に、レンブラントならではの「光と影」を再現したコレクションとなっています。ラインナップも、ピンクを除くと全体的に渋めの色で構成されているため、ビジネスに使いたい社会人の方や黒軸が好みの方に人気があるようです。
それではレンブラント カーキグリーンをヴァン・ゴッホ タートルとディティール比較しながら見ていきたいと思います。
【レンブラントの軸とニブ】
レンブラントの軸はレジン製でマーブル軸。透明のマーブル軸が多いなか、カーキグリーンは昔のペリカンM200のようなパールがかった不透明の色合いをしています。まるでレンブラント最初の作品である「大自画像」の服の一部のような深緑の軸を見せてくれます。
インク供給はコンバーター・カートリッジの両用式。私はコンバーター派なので純正のコンバーターをセットしています。軸はシンプルに胴軸・首軸・キャップに大分できます。
そしてこの首軸ですが、ニブを反時計回りに回すことで首軸と分離させることができます。とうことはペリカンのようにニブを交換することもできそう…ですが、そういった使い方が正しいのか定かではありません。私は首軸とニブを外して洗っていますが、もともとは洗浄時にコンバーターと一緒にクルクル回るニブを見て偶然発見しただけで、公式の仕様ではないかも知れません。
胴軸にはゴールドやシルバーのリングのような装飾と言える装飾はなく、あくまでプレーンで尻軸に黒い金属装飾があるのみ。首軸に向かう胴軸には段差があり、軸を寝かせて書く場合、ちょうどこの段差をつまむように握ることができます。
首軸は金属製で黒でありながらも美しい金属光沢を放っています。首軸の素材のせいもあり少しフロントヘビーな握り心地で、キャップを尻軸に差すことでベストなバランスが得られます(でも私はキャップを差さずに使うのですが…)。
特徴的な黒いニブはスチール製。字幅はFをチョイス。ビスコンティ万年筆の書き味の特徴に柔らかいニブが挙げられます。カリカリすることなくソフトなタッチで文字を走らせることができ、しっかりと文字の濃淡も出るため、明るめのインクと相性が良いように思います。
キャップはキャップリングとクリップ、天冠の装飾がブラック。ビスコンティの象徴とも言えるクリップには「VISCONTI」の文字。
キャップリングには「Rembrandt」の文字とバロック絵画のような動的でダイナミックな模様が施されていて、ヴァン・ゴッホとはまた違う出で立ちです。このキャップと胴軸は後述するマグネティックロックシステムが採用されています。
【レンブラントとヴァン・ゴッホのディティールの違い】
ここからはヴァン・ゴッホと比較しながら各部を見ていきます。意外と細かなところで違いがあり、雰囲気は似ている二本ですが全く別物だということに改めて気付かされます。
二本を並べた感じがこちら。カラーは動と静のように正反対です。マキシサイズのヴァン・ゴッホに比べ少しだけ全長が短くなっています。ペン先から首軸までの長さは二本ともに同じですが、胴軸の長さがヴァン・ゴッホが長い分差が出ています。
対象的なペン先。素材もですが、黒ニブと白ニブで全く違う印象となりますね。個人的に黒ニブは好きで、ラミーの万年筆でも黒ニブを好んで使っています。より筆記に集中できる気がします。
意外と違うな、と思ったのがこのクリップのディティール。ヴァン・ゴッホのクリップは「VISCONTI」の文字がエンボスになっていますが、レンブラントはフラットなペイントです。このあたりはエントリーモデルっぽいです。キャップの全景もレンブラントの方がよりシンプルにつるんとした金属的な見た目となっています。
【マグネティックロックシステム】
レンブラントの一番の売りがこれではないでしょうか。マグネティックロックシステム!分かりやすく言うと磁石嵌合式とでも言いますか、いや分かりにくいか。
マグネットが仕込まれていて、キャップと胴軸を近づけることで力を入れずにカチンと閉まります。なかなかクセになる締め心地です。これが体験したいがためにレンブラントを買ったと言っても過言ではない!
「カチンッ」と吸い込まれるように閉まるキャップは心地よく、かつ機能的でもあります。
近い方によっては片手でキャップの開け閉めが可能ですし、最近はこういった機構を持つ筆記具も増えてきていますので、最先端な筆記具が好きな方にもお勧めです。
特にレンブラントは万年筆というクラシックな筆記モードと、このマグネティックロックという先進的な機構のギャップが面白い筆記具と言えますね。
【筆記感とまとめ】
さて、今回はビスコンティのレンブラントを兄弟軸であるヴァン・ゴッホと比較して見てきました。書き心地はどちらもさすがはビスコンティということで、柔らかな筆記感が楽しめます。
そして、筆記感だけでなく独自性の高い美しい軸もビスコンティ万年筆の見所でもあります。デザインもレンブラントの名に恥じない細かな模様やマーブルレジンの質の高さが感じられます。
ペン先の字幅はFですが、ペリカンよりも細くモンブランより気持ち太い、文字の濃淡を楽しむのにちょうど良い字幅だと感じました。私は軸色がカーキグリーンということもあり、ラミーのペトロール(頂き物です)やパイロットの松露をいれて楽しんでいます。
華やかなイタリア万年筆のなかに潜む「光と影」を手にしてみてはいかがでしょう。
それではまた。
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