太軸万年筆用ペンケース 【モンブラン149/ペリカンM800/プラチナ出雲】
こんにちは。
皆さんは普段どのようなペンケースをお使いでしょうか。
収納力のあるペンケースや限られた数本を持ち運ぶためだけのペンケースなど色々あるかと思います。特に最近は万年筆を使うかたも増えてきて、なかなか一度に数本を持ち歩くということが難しいと感じていらっしゃるかたもおられるかも知れません。
かくいう私も万年筆は何があってもいつでも持ち歩きたい派なのですが、何本も入る大きなペンケースを持ち運ぶのは億劫ですし、かといって持ち歩くことを断念したくはない。
私の構想では木製のコレクションBOXに万年筆を収納・保管。そしてそれを母艦にして1本~3本を収納できるペンケース(ペンシース)にその日のお気に入りだけを収納しコンパクトに持ち運ぶ。というのがベストではないかと思い立ちました。
そして、最近熱心なマイスターシュテュック№149や146、スーベレーンM800、プラチナの出雲のような太軸万年筆を、傷つけることなく持ち運べる頑強なペンケースに入れたい!という欲望のもと、頑丈でシックで経年変化が楽しめそうなペンケースを探し始めます。
頑丈な1本差しあるいは2本差しのペンケース(ペンシース)を色々探すうちに、どうやら絞り技法のペンケースが良さそうだと。
絞り技法はタンニンで鞣した革を水に濡らして型にはめ込んで作る製作過程がとても繊細かつ手間のかかる技法です。お気に入りの万年筆を専用のペンケースに入れたいと思い、マイスターシュテュック№149とスーベレーンM800専用のペンケースを探したところ気になるものを発見。
その名も「ル・ボナー1本差しペンケース」。
絞り技法で頑丈そうで、何よりマイスターシュテュック№149専用のケース。しかも経年変化も楽しめそうな逸品!あとは革色ですが種類が多くて迷う迷う。約一週間ほど色に迷います。
使うほどに艶が増してくる鮮やかなグリーンやネイビーも捨てがたいですが、ここは中に入れる万年筆とのマッチングを考えて、黒×金を引き立たせるブラックで…。
ということで太軸用のペンケースが増えていくのでした。今回は太軸用の1本差しおよび2本差しのペンケースに絞ってレビューしていきます。
【ル・ボナー1本差しペンケース】
先の理由から、マイスターシュテュック№149専用のペンケースとして、そしてHPで経年変化に惚れてまず購入したのがこちら。
ル・ボナーといえば「デブ・ペンケース」を思い浮かべる方も多いでしょうが、こちらもとても所有満足度の高いペンケースです。レザーはイタリアのブッテーロ。
ブッテーロは美しい色艶が出る経年変化で有名なタンニンなめしの革で、そのカッチリしたペンケースの造りとも相性抜群。表面はすべすべしていて手の中に握るとギュッギュッと革が鳴きます。
カラーラインナップは8色で、トープ(ベージュっぽい色)、キャメル、チョコ、ワイン、レッド、グリーン、ネイビー、ブラック。サイズは長さが約160mm、幅が約30mm。太軸を納めるのに必要最小限のサイズと言えます。
マイスターシュテュック№149にピッタリ合うように作られていて差した感じもガタつきは皆無。しっかりと固定されます。
ここは結構重要で、ペンケースの中で万年筆がガタつくと持ち運ぶうちに振動でキャップが緩まり、最終的にはペン先のインクを乾かしかねません。ガタつきがないことはインクを長持ちさせるということにも繋がるのです。
横から見るとこの革の厚み。コバもしっかりと磨かれていて手触りもなめらか。
キッチリ収まるのと革の厚みとで万年筆が守られ、ものすごく安心感があります。これなら鞄の中に無造作に放り込んでおいても万年筆に傷がつくことはまずありません。欲しかったのはこの安心感!
ちなみに上の写真のように№149よりも長いプラチナ出雲を入れた場合も難なく収まります。が、キャップの軸径が出雲の方がより太くなっているため、№149よりもキツキツの収納感となり、抜く時に若干大変です。
使い込んでいくうちに一番艶が出てくるであろうつま先部分。ステッチもていねいに縫われていて、丁寧な職人の手仕事を感じることができます。
艶を出すにはハンカチで磨いて手入れをするのがいいそうです。磨いて艶を出すもよし、焦ることなく時に任せてのんびりと経年変化を楽しむもよしです。
裏側には「Flathority by Le Bonheur」の刻印押しが。
ロゴはこの裏側の控えめな一点のみですので前からの見た目は非常にシンプル。毎日使う上で道具として生活に馴染むのに「シンプルなデザイン」というのはとても重要に感じます。
【革職人になる!!さんのM800専用ペンケース】
私がどうしても毎日持ち運びたい万年筆はマイスターシュテュック№149の他にあと2本、スーベレーンM800と№146があるわけですが、先ほどのル・ボナーのペンケースラインナップには2本差しのペンケースがありません。1本差しか3本差しのみ。3本差しはイル・ブセットのペンケースがあるので、今たちまち必要なのは2本差しの頑丈なペンケース。
ということで2本差しのペンケースをあらゆる方面で探したところ、ありました。
革職人になる!!さんが作られている絞り技法を使ったペンケースが。こちらも丁寧な手仕事でこだわりのある造り。なによりM800専用のペンケースということでニーズにピッタリ合致しました。
M800が入るということは、同じようなサイズのマイスターシュテュック№146も入るということ。これは買うしかありません。
ということで手元にやってきたのがこちら。泣く子も黙る日本の栃木レザーが使われていて芳醇な香りも魅力。
スペックは長さが約160mm、幅が約51mmとやはりM800にピッタリのサイズ。長さに至っては1本差しのル・ボナーとほぼ一緒という、製作者は違うながらもこの統一感。ペンケースを2つ並べても全く違和感がありません。造りも頑丈そのもので安心感◎。
デザインを比較していくとフラップの部分が丸形なのが革職人さんの2本差しペンケース。絞り加工の部分も2本差しのペンケースの方がボリュームがありますね。このこんもり感がたまりません。
革質は2本差しのペンケースの方がさらに固く、まるで万年筆に鎧を着せているかのよう。M800専用だけあってガタつきは無し。一緒に入れている№146はM800より軸径が細いため少し余裕が出てカタカタと鳴りますが私の中では許容範囲内です。この2本を一緒に持ち運べるというだけでテンション上がりますね。
裏面はロゴ等も無くフラットかつシンプル。
この剛性感はル・ボナーを凌ぐものがあります。コバの処理も見事と言うほか無くスベスベに磨き上げられています。買いたてのため革の表面はつや消しのごとく鈍い色合いですが、これがどのように変化していくか非常に楽しみなペンケースです。
革職人になる!!さんのサイトではカスタムオーダーも受けておられるため、自分の好みに応じた専用のペンケースを作ってもらうことも可能です。制作工程もブログに載せておられますので気になる方はチェックです。
【Simple Songのひも綴じのコンパクトなペンケース】
最後に、もう1本の太軸万年筆であるプラチナ/出雲向けに買った革のペンケース。
出雲というとプラチナ純正の織物のペンケース「筆衣」がありますが、あえてレザーに包んでみたくなるのが経年変化マニア。
こちらのSimple Songのペンケースはウォッシュ加工が施されていて表面の凸凹が特徴的です。なるべく出雲に合う和風なペンケースを探してこちらにたどり着いたわけですが、和風といえばやはりひも綴じでしょう。
色はブラウン、ブラック、ナチュラルの3色。私は赤茶な色合いのブラウンをチョイス。サイトのサンプルではペンが2本収納されていますが、出雲を1本入れるのにちょうどいいサイズです。長さは出雲を入れて約155mm(入れるペンによって変動)、幅が約40mm。
革が洗ってあるので触り心地は固いながらも、使われている革自体は薄いので非常にフレキシブルです。
縫製は袋縫いで縫い目が内側に収納され、さながら見た目は革の袋という感じ。出雲を差す時の注意点として、漆塗りの万年筆のためそのまま入れるとウォッシュ加工された裏面の革で軸の表面を傷つけかねないことです。
出雲を差す場合はフェルトか布でインナーケースを作って入れるなどカスタムが必要かと。また、革紐で巻くのですが革紐の先端が結んであるだけなので、チャームのようなものを付けると良さそうですね。
布製のペンケースは見るからに和風ですが、経年とともに布がほつれるという心配がついて回ります。革ならその点の心配はなく、さらに経年変化まで楽しめるというわけです。
このSimple Songのペンケースもカスタムオーダーを受けておられるので弄りたい部分がある場合は相談も可能です。
さて、今回は1本差しと2本差しのペンケースを見てきました。
お気に入りの太軸万年筆を専用のペンケースで持ち運ぶと特別感が出てさらに愛着が湧きます。皆さんも大切な1本のための特別なペンケースを探してみてはいかがでしょう。
それではまた。
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