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モンブラン メカニカルペンシル 【クラシック165とル・グラン167の比較と使い方】

2024年10月10日

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こんにちは。
最近、モンブランの筆記具が増えてきています。増えるといっても新品をどんどん買っているのではなく、オークションで状態のいいものを物色している次第です。
なぜ増えてしまうのでしょう…、モンブラン。
 
歴史の長い筆記具は時代ごとにバリエーションがあります。たとえば、現行デザインのマイスターシュテュッククラシック(ボールペン)のバリエーションも大きく3つに分けられるかと思います。
 
ドイツ統一前のモデル:W-GERMANYおよびGERMANY(GERMANもあり?)の刻印、シリアルナンバーなし、胴軸短め
ドイツ統一後のモデル:GERMANYの刻印、シリアルナンバーあり
現行のモデル:GERMANYの刻印、シリアルナンバーあり、キャップリングとクリップ裏にPix®の刻印あり
 
と言った具合いです。ただ、これは自身がいくつかのマイスターシュテュックを入手して比べるうちに気付いたことであり、モンブランが公表しているものではありません。
 

 
ボールペンと同じくメカニカルペンシルについてもいくつかのバリエーションがあると思われますが、今回は純粋にモデルごとの比較です。
それでは、モンブラン マイスターシュテュックのメカニカルペンシル2種を比較していきたいと思います。
 
モンブランはネットでも万年筆についての情報は多いですが、ペンシルの情報は多くありません。実際に入手して気付いた点を、使ってみた感想を交えてレポートしていきます。
 
比較するペンシルは、
モンブラン マイスターシュテュック クラシック165(0.5mm
モンブラン マイスターシュテュック クラシック165(0.7mm
モンブラン マイスターシュテュック ル・グラン167(0.9mm
の3モデルです。
 
165のモデルについては0.5mm0.7mmの二種類が用意されていますね。
国内では0.5mmの太さのペンシルが一番ポピュラーかと思いますが、さすがはモンブラン。メカニカルペンシルの字幅については3種類がラインナップされています。ちなみにスモールサイズのモーツァルトは0.7mmのみ。
おっと、レオナルド スケッチペン(マイスターシュテュック169)を入れると4種類でした!
レオナルド スケッチペンは5.5mmの極太芯を利用のプッシュ式ペンシル。その名の通りスケッチ用ですね。
ただこちらはまだ持っていないのでいつか入手できたらご報告します。
 

 

 

 

クラシック165/スペックとデザイン

こちらはモンブランのメカニカルペンシルの中では一番ベーシックなモデルといえるでしょう。
軸径:120mm
長さ:140mm
重さ:約27g
というスペックです。
この項では0.5mm0.7mmを同時に扱います。
 

 
▲上がメカニカルペンシル、下がボールペン
 
見た目ですが、ペン先以外はボールペンと全く同じ。
ペン先についてもペンシルユニットのペン先の形がボールペンのようなデザインのため、ボールペンの芯を出した状態だとぱっと見、見分けが付かないくらいです。このデザインの統一性はさすが。
 

 
キャップ分解の図。キャップリングとクリップ裏にPix®の文字が見えます。
ホワイトスターはボールペンの時と同じく、回転させると取り外し可能で軽く分解できるようになっています。これ、掃除するときに地味に便利なんですよね。
 
胴軸はマイスターシュテュックではお馴染みのプレシャスレジン。この艶やかな黒と握ったときのキュッと指に吸い付くような手触りは他のペンでは味わえません!
 

 
書いてみた感じですが、個人的には0.7mmの方がしっくりきますね。
0.5mmという細さは製図ペンでよく使うせいか、この軸の太さのペンシルで使うと何か違和感を覚えます。とはいえ、しっかり芯の太さを2種類から選べるのはいいことです。
 

 
芯の繰り出し機構はキャップを反時計回りに回転させて1mmずつ芯を出す回転ノック式。回転動作はしっかりとした手応えがあり小気味よく芯が出てきます。
このメカニカルペンシルだからといって単なるノック式にしないところがいいですね。
 

 

 

クラシック165/ペンシルユニット

それでは続いて、気になるペンシルユニット部を見ていきましょう。
 

 
キャップの部分をそのまま上に引き抜くと、消しゴム付きの軸が姿を現します。消しゴムは交換可能でAmazon等で購入できます
10個入りで2000円程します
 

 
消しゴムは黒いプラスチックのカップにはまっていて、このカップごと交換します。
この内部の黒い軸は割れている個体も多いため、それほど強度は高くないと思われます。まあ、ここが割れていても補強すれば全く普通に使うことができるようですが…。
 


 
内部軸の銀色の部分をつまみ、胴軸を反時計回りに回転して外します。そうすると中からペンシルユニットが顔を覗かせます。
 

 
黒くて細い部分が芯キャップにあたり、芯を補充する際はこの黒い部分を引き抜いて中に芯を入れます。たまに入るだけ芯を入れる人がいますが、実際は2~3本がいいようです。
 

 
実はこのペンシルユニットだけでも筆記が可能です。黒い部分をノックすると先から芯が出てきます。
クラシック165自体は回転ノック式ですが、ペンシルユニットは普通のノック式。不思議ですね。どのような構造になっているのでしょう。
 

 
また、手元にあるペンシルユニットは0.5mm0.7mmでユニットのデザインが違います。これは芯の太さによるユニットの仕様なのか、または製造年代による差なのか、はたまたどちらかが偽物なのか…。
0.7mmの方にはMONTBLANCと印刷されていますが0.5mmの方には記載は無し。怪しい…(笑)
 

 
もし偽物だとしたら相当凝ってますが、真偽の確認は現行の0.5mmクラシック165を買うほかありません。
 

 

ル・グラン167/スペックとデザイン

こちらは万年筆でいうところの146と同じサイズのペンシルモデルです。
軸径:約15mm
長さ:約150mm
重さ:約33g
 
こちらもボールペンである161と見た目はほぼ同じ。太い軸が非常に握りやすく疲れにくいです。
 

 
今ほど見た目が「ほぼ同じ」と書いたのは、ペン先(口金)の長さが若干異なっているからで、この長さの違いがミソなのです。繰り出し機構にについては後述しますが、クラシック165と比べて単に大きさの違いというだけではない秘密があるのです。
 
こちらも天冠にはホワイトスター。私はこのル・グランのホワイトスターが大好きなのです。
 

 
クラシックとル・グランのホワイトスターの形・大きさは同じなのですが、このル・グランの天冠にちょこんと雪が乗っている感じがなんとも可愛いではないですか。万年筆の149になるとホワイトスターのちょこん度合いが増し、もっと可愛くなるに違いありません!
その感動はいつか149を手にするときまで楽しみに取っておくとしましょう。
 
モンブラン マイスターシュテュックのもう一つの面白いところは、ペンのサイズが違ってもクリップの長さは変わらないことです。
 

 
ル・グランとクラシックを見比べてみると分かりますが、軸の太さは違えどクリップの長さは同じ。
私は持っていないので分からないのですが、スモールサイズのモーツァルトのクリップも同じ長さなのでしょうか。気になるところです。
 

 

ル・グラン167/芯の繰り出し機構

私がル・グランのペンシルを手にして気付いたこと(驚いたこと)がこれです。
そして、前述した口金の長さの違いの秘密はここにあります。
 

 
なんと芯が回転繰り出し式なのです!
 
これは、ファーバーカステル エモーションペンシルやヤード・オ・レッドのペンシルのような、キャップを回転させた分だけ無段階に芯が繰り出され、逆回転で無段階に芯が収納されるアレです。言ってみればクラシカルな機構ですが、それがモンブランの、それも上級ラインのメカニカルペンシルで味わえるとは思いもよりませんでした。
口金の長さの違いはペンシルユニットが無いから、ということになります。
 

 
芯の補充方法もエモーション ペンシル等と同じで、キャップを開けて芯を入れるタイプでは無く、軸に収納されている芯を取りだしてペン先から入れて使う、というものです。
 

 
キャップを外してみると大きな消しゴムと、内軸には「0.9」の刻印。
一発で0.9mmの芯を入れるということが分かります。
 


 
さらに消しゴムを外すと中に芯を収納するスペースがあり、12本の芯をストックすることができ、このあたりもエモーションペンシルやヤード・オ・レッドと同じで古典的と言えます。
 
ノック式のシャープペンシルが主流の今、この芯が無くなった時の芯入れ替えの儀式というか一連の動作が、またル・グラン167を愛おしくさせる要因の一つでもありますね。
芯が0.9mmなのもル・グランに適していると感じます。太いペンから太い文字が出てくると、なんと言いますか安心感があります。
 

 
あとは太い字幅で豪快に文字を書くだけです!
最初から装填されている芯はHB程の硬度のため、柔らかめの芯が好きな方はBや2Bの芯を入れましょう。
0.9mmの芯も意外と様々なメーカーから出ており、好みに応じた濃さを選べるようになっています。
 

 

モンブランメカニカルペンシル・まとめ

さて、今回は2本のモンブラン メカニカルペンシルを比較してきました。
太さや重さは違えど、デザインの統一感や同じ長さのクリップを使っていたりと共通点はいくつかありました。そして他のペンシルと比べても、やはり所有満足感が違います。他のペンと同じく素材はレジンと金属なのですが、マイスターシュテュックには歴史の中で培ってきた威厳と格式を感じます。
それはペンシルでも同じだということが分かりました。
 

 
対応する芯の太さもこの2本で3種類と、シーンや好みによって使い分けもでき、好きな方であれば手元のペンをモンブランで統一することができます。
書き味は個人的にはル・グランが好みです。
 
黒鉛を使って書く行為でこれほどぶっといペンを握るのは、ファーバーカステルのジャンボサイズ鉛筆以来かと思います。とにかくぶっとくて面白くて書きやすい!
マイスターシュテュッククラシック系のペンをお持ちなら165を、ル・グラン系のペンをお持ちなら167を、ボールペンや万年筆と揃えて所有してみるのもいいかと思います。
私は現時点でル・グランの万年筆を持っていないのですが、次の目標は万年筆の146か149でしょうか。王道ではありますが、まだモンブランの筆記具をお試しでない方は一度使われてみることをお勧めします。
 
それではまた次回。

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