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伝統的シャープペンシルの魅力・前編 【ファーバーカステル/ギロシェ】

2021年5月19日

今回は久しぶりに筆記具のレポートです。

最近、芯が折れないシャープペンシル「オレンズネロ」がぺんてるより発売され、空前のヒットとなっていますね。日本の筆記具というのは高性能で、常に新しいものが企画されています。対照的に、海外の筆記具は形を変えない伝統的なものが多いように思います。もちろん、海外メーカーも新商品は出してはいますが、値段の割に日本のものほど高性能な印象はありません。しかし、デザインや素材へのこだわりは海外メーカーに軍配が挙がると感じています。

 

今回レポートするのは高性能な筆記具の方ではなく、伝統的な筆記具の方です。オレンズネロを検索してこちらにたどり着いてしまった方、申し訳ございません!

 

シャープペンシルを使っていて芯が折れるということは、昔に比べて減ってきているように思います。芯自体が折れにくく進化したのか、はたまた己の筆圧が変わったのかは分かりませんが、中学・高校の時のようにポキポキ折れません。オレンズネロが爆売れしていることからも、一般的にはシャープペンシルの芯は いまだに折れやすいものなのかも知れません。しかし私にとって重要なのは芯が折れないことより、所有欲が満たされ書くモチベーションが上がるかどうかなのです!

 

以前、ファーバーカステルのエモーションペンシルについて書いたことがあります。海外メーカーのシャープペンシルは、なぜこんなに所有欲を満たしてくれるのでしょう。日本製の高性能なシャープペンシルを好んでお使いの方にも、この海外製品の作り・魅力が伝わればと思います。

 

それではさっそく、普段ペンケースに忍ばせているシャープペンシルから、

 

ファーバーカステル/ギロシェ(ドイツ)

クロス/クラシックセンチュリー(USA)

 

の2本について書いていきたいと思います。

※ヤード・オ・レッドのヴィンテージディプロマットモデル(イングランド)も比較対象として出てきます。

 

 

【ファーバーカステル/ギロシェ】

 

持っているシャープペンシルの中で仕事・プライベート問わず、一番出番が多いのがギロシェです。ギロシェとはヨーロッパ伝統の波縞模様のこと。ファーバーカステルの高級ラインである「伯爵コレクション」の中でもエントリーモデル的な位置づけの本品。しかしながら、書きやすさや質感はまさに「伯爵コレクション」と呼ぶにふさわしいものです。

ギロシェは軸のカラーバリエーションも多く、お気に入りの一本を見つけやすいのではないでしょうか。コーラル、インディゴ、ブラック、そして私が所有するコニャックと、人気カラーを大まかに網羅しているといえます。軸はプレシャスレジンで光沢あり。こちらも職人の手によって一点一点丁寧に磨き上げられているそうです。このレジン素材と波縞模様のコンビで適度なグリップ感がでており、プレーンなデザインの軸のように指が滑るようなことはありません。

 

 

ギロシェを拡大してみると、今回比較に用意したヤード・オ・レッドのバーレイ模様とよく似ています。どちらも細かな波模様。同じような模様でも素材の違いで印象がずいぶん変わりますね。(ヤードの方は純銀)

 

 

使いやすいと感じる要因は、軸の持ちやすさの他にこのペンをつまむポイントの高さと先細なデザインにあります。左がギロシェ、中がディプロマット、右がクラシックセンチュリー。三本を比べるとペンをつまむポイントが一番高いのがギロシェで、右のクラシックセンチュリーへいくほど低くなっています。ちなみに芯の太さはギロシェとクラシックセンチュリーが0.7mm、真ん中のディプロマットが1.18mm。

ペンをつまむポイントが高くペン先が細いということは、書くスペースや書いた字の確認がしやすいということ。製図ペンの書きやすさも先端の細さが関係しているように、筆記面の見通しの良さというのは重要なようです。

 

 

クリップ部はバネ式でポケットを傷めることなく装着ができます。クリップが開く角度も広いです。クリップを最大まで開いたときの幅は約3mm。冬用ジャケットの生地や鞄のポケットにもらくらく挿せますね。

 

 

天冠部分にはファーバーカステルのエンブレムが掘られていて高級感があります。キャップのデザインも王冠のような気品に満ちた作り。王冠の先はローレットが刻まれており、真ん中は優しく凹んでいます。ここに指を置くとなんとも言えないフィット感。

 

 

そしてこのキャップは他の一般的なシャープペンシルと同じように、まっすぐに引き抜くことができます。中からは交換も可能な消しゴムが姿を現します。キャップは少々固めですが、この消しゴムユニット付近の精密な作り。たまりませんね。

キャップを反時計回りに90度ひねると芯が1mm繰り出されます。カチッカチッと手応えのあるクリック感。片手で操作するには固いので優雅に両手で持ってひねり、芯を出しましょう。

 

続いて芯の補充方法です。

先ほどのキャップと消しゴムを外して芯を入れるのではなく、先金を反時計回りに回すことでユニットを出し、芯を補充します。この辺が日本製と違い一手間かかる部分です。まあ、その手間が良いのですが。

 

 

先金と一体となったユニットを外すとこのようになります。ユニットには芯の対応規格や補充可能本数などが書かれています。この辺のデザインにも抜かりがありません。

 

 

さらにユニットの先の黒いキャップを外すと芯が入れられるようになります。芯は0.7mmで5本まで収納可。ここは同じファーバーカステル製を使いたいところです。

 

さて、いかがでしたでしょうか。シャープペンシルとしてできることは日本メーカー製も海外メーカー製も同じです。ただ、それぞれにこだわって仕上げられた部分には差があります。今回のファーバーカステル・伯爵コレクションは持つ喜び・使う喜びにあふれていました。確かにシャープペンシルとしてはべらぼうに値が高いです。しかしそれに見合った価値が確かにあります。大袈裟に言うと、このシャープペンシルを使うたびに気分の高揚と、いい仕事をしなければという使命感に駆られます。使う人間の心を動かす、小さな道具ですが大きな存在感。それもまた筆記具の持つ魅力の一つなのかもしれません。

 

ファーバーカステルのシャープペンシル、ギロシェのレポートでした。後編はクロスのクラシックセンチュリーです。

ではまた。

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