ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
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物欲のままに手に入れたアイテムをレビューしたりしなかったり。

これを使えばあなたも疑似伯爵!ファーバーカステル クラシック エボニー ボールペン レビュー

2024年2月4日

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皆さんこんにちは。
 
最近カヴェコの記事が多くなっていましたが、今回は同じドイツ製でもカヴェコではなくファーバーカステルについて。憧れのボールペンを入手しましたのでレビューしていきます。
 
さて、ボールペンという筆記具の最大の魅力は手軽に油性インクを扱えるところではないでしょうか。インクの補充や入れ替えはリフィル交換のみで、芯を削ることもインクを水で洗うことも必要としない手間いらずな筆記具。
 

 
今回はついに、私にとって憧れの「アガリ」ボールペンである「ファーバーカステル クラシックコレクション エボニー プラチナコーティング ボールペン」を手にしてしまいました。
いや、アガリの一本ではなくアガリ“のうちの”一本としておきましょうか。(まだ増えるかもしれませんし…笑)
 
ファーバーカステルのフラッグシップモデルであるクラシックコレクションには、ペルナンブコ・マカサウッド・グラナディラ・エボニー・プラチナコート・スターリングシルバーがラインナップされています。
ペルナンブコのペンシルを持っていたこともあり、ボールペンは漆黒で硬質なエボニーにしようと決めていました。
 
もともとファーバーカステルのボールペンはギロシェのブラックとエモーションのピュアブラックを持っていて、ファーバーカステルのボールペンを使う時は黒!と決めていたこともありクラシックコレクションもブラックにしようと。
いやー、良い買い物をしました。
 
それではいつも通り写真レビューをしていきましょう。
 

 

 

クラシックコレクション プラチナコーティング エボニーのデザイン

クラシックコレクションの一番の特徴でありながら醸し出される気品は、軸の素材だけではありません。プラチナコーティングされた金属パーツは傷や汚れに強く、いつまでも美しい輝きを約束してくれます。
 
加えて、胴軸の天然素材は共に歩んでいく時間を経年変化としてその軸に刻んでいきます。
使えば使うほど「一生モノの相棒」と呼ぶにふさわしいボールペンになっていくのではないでしょうか。
 
軸の素材である「エボニー」とは「黒檀」の英名。エボニーは非常に固い樹木で、成長が遅い分 緻密な繊維が作られ重厚で堅固なのが特徴。楽器や家具などに幅広く使われています。
 
そのような特徴を持つエボニーで作られた軸を手中に収めると、表面のリブパターン加工の触り心地とレザーのような艶やかかつ滑らかな質感で、あぁ…良い筆記具を使っている!という余韻に浸ることができます。
 

 
まさにどこからどう見ても伯爵の愛用品を感じさせる出で立ち!
ついでにペルナンブコのペンシルと並べてみると、胴軸のリブパターンは同じにしてブラウンとブラックのコントラストが美しいです。
 

 
中世的なクリップから天冠にかけてのデザイン。私がたまらなく好きな部分です。
中世の武具ランス(スピア?)のようであり猟銃のような、道具として無駄な装飾のないエレガントなシルエット。クリップにはスプリングが仕込まれているためポケットを傷つけることなく挿すことができます。
 
こうした細部にわたる一つ一つの作り込みの良さもクラシックコレクションの魅力です。
 

 

「似て非なる」伯爵コレクション エボニーとギロシェの違い

伯爵コレクションってどれも同じじゃないの?という方のためにクラシック エボニーとギロシェを比較していきます。
 
同じデザインのように見えるエボニーとギロシェとの違いは胴軸の素材なのですが、それ以外にも色々見比べることで様々な違いが発見できます。細かく見ていくことにしましょう。
 
まずはサイズの違いから。
以前の記事で、同じくギロシェのコニャックペンシルとペルナンブコを比較した時にその長さが全く違うことに驚かされました。今回も同じボールペンでありがら全長が違います。
 

▲上がクラシック エボニー、下がギロシェ
 
2本で胴軸の部分を見比べてみると、ギロシェの胴軸部分(樹脂部分)の占める割合が、エボニーと比べて高いです。全長はエボニーの方が長いのに胴軸はギロシェの方が長い。不思議です。
どうやら2本の違いは胴軸の素材だけではなさそうです。
 

 
天冠を見てみると天頂に刻まれたローレットの分だけエボニーの金属パーツの方が長くなっていることが分かります。
刻印もエボニーはエンブレムの下に社名ロゴがあり密度高し(旧タイプのエンブレムです)。
 

 
クリップの違いはペンシルの時と同じく、クリップ周りのデザイン。
エボニーはクリップリングにあたる部分が存在し、よりクリップと天冠の一体感が出るようデザインされています。
 

▲左がギロシェ、右がクラシック エボニー
 
そしてクリップの形状も、プラチナコーティングのパーツはエッジに丸みのあるデザインが採用されていてエレガントさが増しています。
 

 

エボニーの重量の秘密は内部構造

エボニーとギロシェの重量差は7g。ぱっと見は同じように見えて、この重量差はどこから来るのでしょう?
実は見た目も違えば中身も違う、ということでエボニーとギロシェの内部構造の違いを見ていきます。
 

▲左がクラシック エボニー、右がギロシェ
 
2本の胴軸とペン先部分の接続部。ギロシェは接続部分のみ金属で作られており、胴軸の中は樹脂が続いています。
一方、エボニーは接合部分が真鍮でリフィルが収まるスペースも真鍮製。内部はクリップに向けて真鍮の筒が続いていて、その真鍮の筒を覆うようにしてエボニーの素材が合わせてあるのです。
 
意外と薄いエボニー外装でしたが、真鍮と重ねることで軸割れを防ぎ、より堅固になるように仕上げてあるのだと考えます。
 
エボニーは真鍮が使われているだけあってギロシェと持ち比べてみると7gの重量差は随分と重く感じます。重量スペックはギロシェが26gに対してエボニーが33g。まあ数字だけ見るとギロシェも一般的なボールペンに比べると十分重いのですが…。
 

 
ペン先側はどうでしょう。
こちらもエボニーの方が3mmほど長くなっています。使っているリフィルは同じですが胴軸からペン先にかけての構造が全く違うため、ペン先金属部分に互換性はありません。
 

▲左がギロシェ、右がクラシック エボニー
 
ペン先の金属を外してみると全長自体はほぼ同じですが、形やネジ切りの幅などは全く違いますね。
エボニーは「040408 PT」、ギロシェは「011013」の刻印。エボニーのPTはプラチナコーティングを表しているのではないかと思われます。
 

 
伯爵コレクションとギロシェそれぞれのボールペンとペンシルのペン先です。
左側が伯爵コレクションで右がギロシェ。同じモデルのペン先同士、デザインが同じだということが分かりますね。
 

 

同シリーズで揃えて使い分けるのも粋

ファーバーカステルクラシックコレクションの愉しみは一本の筆記具を使うことだけにあらず。というよりは気付けば一本また一本と増えていくのがクラシックコレクションの愉しさであり恐ろしさでもあります(笑)
 
かくして手元にはエボニーのボールペンとペルナンブコのペンシル、ギロシェブラックのボールペンとギロシェコニャックのペンシルが揃いました。あとそれからパーフェクトペンシル。
同じシリーズをそれぞれのシーンで使い分けるというのは、なかなか粋な使い方ではないでしょうか。
 

 
木軸はグラナディラとマカサウッドを持っていませんので機会があれば手に入れてみたいのですが、如何せん値段が…。
 
特にマカサウッドは金属部分がPVDコーティングによりガンメタルのような仕上げとなっていて素晴らしく格好良い!
でも値段が…(笑)
マカサウッドは憧れとして、またいつかレビューできたら良いなと思います。
 

 
さて、今回はファーバーカステルの伯爵コレクションのエボニーボールペンとギロシェを比較してきました。皆さんはどちらのボールペンがお好みでしたでしょうか。
どちらも素晴らしいボールペンでお勧めなのですが、利用シーンによって買い分けるのが良いかと思います。
 
例えば、エボニーの方が高級感や満足感が高いですが、軸の素材が天然木のため傷はどうしてもつきものです。あやまって落下させたくらいなら容赦なく傷が付きますし、極度な乾燥により軸割れが生じる可能性もあります。簡単に言うとデリケートなんですね。
一方、樹脂軸はそういった部分で木軸ほど神経質になる必要がなく、気軽に使えるというメリットもあります。
しかし、木軸も樹脂軸も傷が付くほどに味が出て、言ってみればそれは筆記具と歩んだ歴史。
 

 
最近はフリマサイトも充実してきて使わなくなったモノを簡単に売り買いできる環境です。
傷が付いたからといって安易に売らずに、辛抱して使ってみると気になっていた傷はいつか愛着となっていきます。
 
そして軸に付いた傷が自分の筆記具だけの「特別な印」だと思えたその時、その筆記具は本当の意味で相棒となることでしょう。
それではまた。

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