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カヴェコのインクローラーボールという新ジャンルを試す!【カヴェコ クラシックスポーツVS赤ラッションペン】

2024年10月28日

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今回はまたまたカヴェコの記事に戻ります。
コンパクトだけどしっかりした筆記具というイメージのカヴェコ。値段がリーズナブルということもありどんどん増えています(これはいかん…笑)
 
今までカヴェコといえばスポーツの万年筆ということで、万年筆のALスポーツ2本とアイススポーツ1本を見てきましたが、次なるバリエーションでちょっと珍しいラインナップである「インクローラーボール」をレビューしていきます。
 

 
前回のカヴェコ記事で最小の筆記具システムを構築すべく、2.3mmのペン先を移植してアイススポーツイエローをハイライター化する試みを行いました。
◆前回の記事「カヴェコアイススポーツ万年筆のペン先を交換して極太ハイライターにする方法」
 
結果、アイススポーツ万年筆のハイライター化は大成功!となったわけですが、もう1本メインの筆記具以外でペンケースに欠かせない、使用頻度の高い筆記具があります。
これが無くては最小の筆記具システムとは言えません。
 

 
それは「赤マーカー」、もしくは「赤ボールペン」
仕事でハイライターの次に出番の多い補助筆記具で、現在仕事ではマジックの赤ラッションを使っています。一般的にも赤ラッションを仕事で使っておられる方は多いと思うのですが、人気の秘密は軸の軽さと吐き出すインクの視認性の高さ!
 
今回の試みは、この赤ラッションに変わる赤軸赤インクのカヴェコスポーツを爆誕させるということです!
赤ラッションに勝つには軽さとインクの視認性に加え、使い捨て筆記具にはない「所有満足感」これしかありません!
 
カヴェコスポーツのラインナップは、万年筆・ボールペン(ローラーボール含む)・ペンシル(クラッチペン含む)等、筆記具の種類を網羅しているのですが、その中で最も気になるラインナップであり、今は廃番となっている「インクローラーボール」。これを利用して赤ラッションに対抗しうる筆記具を作っていきたいと思います。
 
それではやっていきましょう!
 

 

 

 

そもそも「インクローラーボール」とは何か

まずはこれです。戦う前には己を知ることが重要。
ローラーボールはボールペンほど知名度が高くないとはいえ、近年の筆記具ブームに乗ってコツコツとその認知度を広げてきました。
 
しかし今回はローラーボールではなく、「インク」ローラーボール。
前に「インク」と付くだけでどう違うのか。
 
簡単に言うと、専用の水性インクだけではなく「カートリッジや万年筆のインクが使えるローラーボール」。
ローラーボールというと、ほとんどのメーカーが専用の水性インクカートリッジにのみ対応したものを発売しています。
 
水性のインクで、万年筆のようなサラサラの書き味をボールペンで楽しめるという長所はあるのですが、インクの色数がボールペンに比べても少ないという大きな欠点もあります。
インクを楽しむと言うよりは書き味メインの仕事道具色が強い筆記具なんですね。
 
一方、インクローラーボールは星の数ほどある万年筆用インクやインクカートリッジに対応したローラーボール。
まさに様々な色をボールペンで楽しめる、「ローラーボール×万年筆」という一般的なローラーボールの欠点を克服した「夢のような筆記具」なのです!
 
カヴェコのスポーツシリーズにはローラーボールとインクローラーボールがあるのですが、それぞれどのように違うのか外観の比較をしてみましょう。
 

 
外観の比較がこちら。分かりやすくインクローラーが白、ローラーボールが赤。
胴軸とキャップはどちらもお馴染みのカヴェコスポーツなのですが、違いは首軸とペン先にあります。
 
ローラーボールが胴軸と首軸が一体型なのに対して、インクローラーはペン先が黒いです。これはただの色分けではなく、ペン先ユニット。
 

 
拡大すると分かりますが、赤のローラーボールのペン先から出ているのは「リフィル」で、白のインクローラーの方はリフィルではなくユニットと一体となった「ペン先」です。
 

 
使えるインクをまとめるとこちら。
ローラーボールはリフィル対応で、カヴェコについてはパーカータイプの替え芯に対応しています。ローラーボールでいてパーカーリフィル対応という、これはこれで凄いのですが、
 
インクローラーはカートリッジとインク瓶対応!コンバーターにインク瓶から好きな色のインクを入れて使うことができるのです。
ペン先だけボールペンで性質は万年筆という、まさにキメラ筆記具!
 
まだインクローラーボールが何かを知っただけですが、ワクワクが止まりませんね!
 

 

カヴェコスポーツインクローラーボールの首軸の仕組みと注意点

ここでふと思うのが、首軸の中にペン先ユニットがあるということは、もしかしたら万年筆のペン先ユニットを嵌められるのではないか、ということです。
 
実際に試してみると…。
 

 
NGなんですこれが…!
ペン先を万年筆に換えられたら一粒で二度おいしい筆記具になるのではと思ったのですが、そうはうまくいきませんでした。非常に残念です。
 

 
ペン先2種類を並べてみるとユニットの径は同じですが、ユニットエンドの長さや形に違いがありました。
これではインクローラーの首軸に万年筆ペン先ユニットを挿すことはできません。
 

▲それぞれのペン先ユニット。左がインクローラー、右が万年筆。
 
しかしペン先ユニットの胴軸側を見てみると、万年筆ペン先ユニットのように「ペン芯とソケット」という別パーツの組み合わせがないにしても、ほとんど同じ形をしています。
 

 
むき出しのインクローラーペン先ユニットにコンバーターを嵌めてみました。
しっかりとロックされていてインク漏れを起こすような造りではありません。これだけでも安心感があります。
 
ここではインクローラーのペン先ユニットを見てきましたが、これ、普通の万年筆にも転用できる仕組みではないかと思うのです。
ペン先ユニットと首軸が一体となった「ボールペン先首軸」、もしくは「ペン先ユニットだけを交換できる首軸」を発売することで、万年筆とインクローラーを使い分けることができるようになるのではと考えています。
 
どこかのメーカーさん、出してくれないでしょうか()
 

 

せっかくなので万年筆のインクを吸わせてみる

それでは赤ラッションに勝るため=所有満足感を満たすため、インクを吸引していきます。
 
ペン先ユニットの形状からも分かる通り、ペンポイントにはボールが詰まっているためインクローラーのペン先をインク瓶にどっぷり浸けてインクを吸うわけにはいきません。
 
注射器やスポイトで吸って入れるか、インク瓶から直接コンバーターで吸入する方法を取ります。
私は注射器やスポイトを持ち合わせていないため、直接 インク瓶コンバーターでインクを入れます。
 
よりによってインク瓶の赤インクがビスコンティのバーガンディーしかないため、特殊な形のインク瓶ですが頑張るしかありません。
 

 
中のインクをぶちまけないように慎重にインクを吸入していきます。
 
ちなみに下でインク瓶の支えに使っているのは、カヴェコの純正インクカートリッジ「ルビーレッド」。
別に赤インクを使うだけならカートリッジを挿せば良いのですが、相手は赤ラッションですので生半可な意気込みで挑むわけにはいきません。
ここは多少リスクを背負ってもインク瓶のインクを入れたかったのです…!
 

 
インク瓶直吸入でハラハラしながらも、意外とたっぷり入れることができました。あとは首軸にセットしてペン先にインクが回るのを待ちます。
 
インクがペン先に回るまで10分から15分放置したでしょうか、結構時間がかかりました。
 

 

カヴェコインクローラーVSマジック赤ラッション

戦の準備は整った。
ということで、インクローラーVS赤ラッションをやっていきます。
 
まずは万年筆のインク瓶から吸入したインクで試し書き。
と、画像を見て頂くと分かるとおりインクローラーに赤インクを吸わせる前、付属のお試しカートリッジ(ロイヤルブルー)を差して少し使っていました。
 

 
赤い文字を挟んで、上がインクローラーで書いたロイヤルブルーの文字、下がスポーツ万年筆(M)で書いたロイヤルブルーの文字です。
インクフローの良さからインクローラーの線の方が濃くなっています。インクフローが良い=太い字が書けるということが画像からもお分かり頂けるかと。
 
赤い文字は今回入れたビスコンティのバーガンディーです。書いた後に枯れた色に濃くなっていくタイプのインクです。線の太さはローラーボールとしては十分ではないかと。
 
ついでに言うと、インク入れ替えの際は万年筆のように首軸から先を水でじゃぶじゃぶ洗います。
 

 
次に赤ラッションの見た目に対抗すべくキャップの色を赤にします。
白いインクローラーと赤いローラーボールのキャップを交換!形が同じだけあってキャップ入れ替えが可能です。
 
 
それではお待ちかね、赤ラッションとの比較です!
 

 
今回のベースモデルはカヴェコクラシックスポーツ。キャップは赤で胴軸は白。マジックは胴軸がベージュっぽいアイボリーですので、色は違いますが雰囲気は掴めているかと。
経年変化によりカヴェコの胴軸が黄ばんできたところで、尻軸のローレット部分を赤く塗装するとかなり似てくるかも知れません。
 

 
ペン先を比較します。
どちらもペン先(ユニット)は黒。まあ、出自がボールペンとマジックなので仕組みは全然違いますね()
インクが無くなってもカヴェコのインクローラーはインクを補充して使い続ける事が可能。赤ラッションは無くなったら捨てなくてはなりません。
重量はカヴェコが約11g、マジックが約10gと酷似!
 

 
文字を書き比べてみました。
文字の太さはどちらも同じといったところ。しかし赤ラッションはペン先の素材上、書けば書くほど字幅が太くなっていってしまいます。
カヴェコのインクローラーは安定して0.7mm程の線を書き続けることができます!やはり長く使えるというのは良いですね。それも含めて「所有満足感」!
インクをもう少し明るめの赤にすると赤ラッションを再現できるかも。
 
結果、甲乙付けがたいですが、カヴェコスポーツのインクローラーボールはずっと使い続けられる赤ペンとして、赤ラッションに代わることができそうです。
 
重さがほぼ同じということもあり軽いタッチでラインや文字を書けますし、インクが無くなっても補充できるところが使う喜びを増幅させています。
 
さて、様々な観点からカヴェコのインクローラーボールをレビューしてきました。廃番品のためなかなか見かけることは少ないですが、ボールペンの手軽さと万年筆の使い続ける喜びが一本に備わっているのはインクローラーならでは。
普通のローラーボールとインクローラーボールの違いについては追々記事にしたいと思います。
 
教師の方が採点にカヴェコスポーツのインクローラーを使っていらっしゃるとお洒落かも知れませんね。
新たな筆記具体験として、見つけたらぜひ入手されることをお勧めします。
それではまた。

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