モンブラン スターウォーカー ドゥエ ボールペン レビュー
今まで様々なモンブランのボールペンについて記事を書いてきました。
モンブランのボールペンというと店舗で新品を買うこともありますが、価格が価格だけにホイホイと買うことができず、どうしても程度の良い品をオークションやフリマで探してしまいます。
その中でもこれだけは買うまいと思っていたモンブランのボールペンがあります。
ネットで美品中古を求める上で一番気をつけないといけないモデル。
すなわち偽物がもっとも出回っているとされるモデル。
そうです、モンブラン スターウォーカー。
理由としては、先に書いた「偽物が多く出回っている」ため中古はリスクを伴うというのが一番の理由ですが、それ以外に「完全に買うタイミングを逸してしまった」という理由もあります。
社会人になって5年ほどして、取引先のキャリアのある方が使っていたボールペンがモンブランのスターウォーカー。
確か、スターウォーカーレジンだったでしょうか。
その頃は文房具を触り初めて間もない時期で、モンブランというとまだ雲の上のメーカーブランドでした。
胸ポケットに挿されたスターウォーカーは若々しくもありエレガントでもあり、いつかはそんなボールペンを使って仕事をしたいと思っていました。
何年か経ってそろそろモンブランでも持とうかと思った時、調べていくうちにマイスターシュテュックという存在に気付いてしまった。
クラシカルなデザインが好きな私は、迷うことなくマイスターシュテュックを選んだという訳です。
個人的には、若いからスターウォーカー、年をとってきたからマイスターシュテュックというような考え方はあまり好きではなくて、好きなタイミングで好きな筆記具を使うのがベストと思っている方です。
しかしながら当時のスターウォーカーのコンセプトが若い世代向けということもあり、さすがに今スターウォーカーを選ぶべきではないかな、と思ってしまったのです。
今年2019年7月、スターウォーカーはモデルチェンジし、天冠のドームには漆黒の闇に浮かぶ地球をイメージさせる美しいブルーのグラデーションがデザインされています。
このモデルチェンジした美しいスターウォーカーも魅力ですが、
今回レビューするのはあの時買わなかった以前のモデル、
「モンブラン スターウォーカー ドゥエ ボールペン」
モンブランのボールペンは何かと「ドゥエ」に縁がある、というかブラックとシルバーのツートーンデザインがたまらなく好きなのです。(仕事で使うのにベストなデザインかなと)
今でもネット上には偽物が溢れるスターウォーカー。
偽物を掴まないためにもデザインや仕様を細かく見ていくことにしましょう!
スターウォーカーの中でドゥエを選んだ理由
2005年から発売が開始された「モンブラン スターウォーカー」。
今までで様々なデザインのスターウォーカーが発売されてきましたが、私が選んだのがスターウォーカードゥエ。
ボールペンは仕事の相棒ですので、ブラックとシルバーのツートーンが決まりが良いのは間違いありません。
通常のブラックレジンのスターウォーカーも格好いいのですが、どうも「ドゥエ」という言葉に反応してしまいます。
レジンと金属の2つ(due)の組み合わせからくる高級感も選んだ理由の一つ。
そして手元にあるマイスターシュテュック#1641(ソリテールドゥエスターリングシルバー)とも合わせたかったというのもあります。
冒頭でも書いたとおり、スターウォーカーは若者に向けたコレクションだとどこかのサイトで読んだ覚えがあります。
しかし、このスターウォーカードゥエのデザインから1950年代のアメリカを感じるのは私だけでしょうか。
首軸と胴軸のデザインがアメリカン・グラフィティな感じ。
特に首軸部分が銀色のトレーラーハウス的でもあります。
マイスターシュテュックソリテールドゥエとスターウォーカードゥエを並べてみます。
クラシカルなストライプのマイスターシュテュックに対して、未来的なホリゾンタル・ストライプが刻まれたスターウォーカー。
スターウォーカードゥエは首軸が金属、マイスターシュテュックソリテールドゥエはキャップが金属ということで筆記感が180°違います。フロントヘビーとリアヘビー。
それでは細かいデザインについて次項で見てきたいと思います。
スターウォーカーのデザイン
さて、スターウォーカーのデザインは未来的でありながらも、どこかノスタルジックな趣を感じます。
その理由としては、軸全体に施されたホリゾンタル・ストライプ。
幅1mmの細いストライプがモンブランのどの筆記具にもないデザインを作り出しています。
そのデザイン上のチャームポイントかつ唯一のウィークポイントと言えるホリゾンタル・ストライプということで、ご想像頂いている通りレジン側の溝にホコリが着きやすいです。
愛情を持って毎日のブラシケアが必要です(笑)。
続いて、スターウォーカーと言えばクリップから天冠にかけてのデザインが特徴的。
クリアレジンのドームにはお馴染みのホワイトスターが閉じ込められています。
クリップのデザインをマイスターシュテュック#164と比較してみると、ストレートなマイスターシュテュックに対して湾曲したデザイン。
クリップ付け根にバネは仕込まれていないですが平たいクリップのため使い勝手は良いです。
クリップの右側付け根にはシリアルナンバーの刻印。
シリアルナンバーは特別な字体で9桁の英数字です。
クリップの裏には「GERMANY」「metal」「Pix®」の刻印。
モンブランのクリップの刻印についてですが、偽物を見分けるポイントとして非常に重要な役割を果たしていると言えます。
モンブランの筆記具において、ベルリンの壁崩壊後に発売された個体は「GERMANY(またはMade in Geamany)」「シリアルナンバー」「Pix®」そして、モデルによって「MetalやLAITON」といった素材の刻印が一つは付いているはずです。
ネットの情報にある重複されたシリアルナンバーを持つ個体や、クリップリングとクリップ裏に「GERMANY」刻印がダブっている個体などは注意が必要。
太めのクリップリングには大きな字体で「≡MONTBLANC≡」。
デザインに的にシニアムに近いのかな、と思って並べてみましたが、シニアムの方は「MONTBLANC」の字体がマイスターシュテュックと同じダイアゴナル・ストライプ(斜線)となっています。
ついでにシニアムとも並べてみましたが、軸径・デザインともに全く違いますね。
似ているところと言えばクリップリングの太さくらいでしょうか。
実は太軸なスターウォーカー
先ほどのシニアムとの比較でお気づきかもしれませんが、スターウォーカーは意外と太軸だということが分かります。
幅が一定である胴軸の径を計ったところ11mmでした。
そして筆記時に握ることになる首軸の部分は12mm。
その差はたった1mmですが、胴軸を持つのと首軸を持つのでは大きく感覚的に差が出ます。
スターウォーカーは見た目はスリムな部類のボールペンでありながら、太軸の握り心地を楽しめる筆記具と言えます。
スターウォーカー ドゥエはグリップポイントの太さと金属素材からフロントヘビーな書き心地。
好みにはよりますが、どの太さのリフィルを使うかという部分では細字(F)よりも中字(M)や太字(B)でヌラヌラ書くのが気持ちいいと感じました。
左からマイスターシュテュック、スターウォーカー、シニアムを並べてみました。
マイスターシュテュック#164を使っておられる方は多いと思いますので、軸径の違いがイメージして頂けるかと思います。
ついでにホワイトスターの比較をしてみます。
左からマイスターシュテュック#164、スターウォーカー、シニアム。
スターウォーカーのホワイトスターの大きさは小さめで、何といっても透明なドームの中にあるのが一番のポイント。
天冠は横から見るとクリアですが上から見ると普通の黒い天冠に見えるのもお洒落ですね。
そしてホワイトスターの裏側が見られるのもスターウォーカーの特権!
スターウォーカーのリフィル交換方法と注意点
最後はスターウォーカーのリフィル交換方法についてです。
キャップを回転させて外し中のリフィルを入れ替える通常のボールペンと違って、スターウォーカーのリフィル交換は首軸側を取り外して行います。
たまにオークションを覗いていると首軸を破損したスターウォーカーを見かけることがあります。
これは力をかける部分を間違えたことによる首軸破損で、破損しないための注意点として首軸と胴軸の間をしっかりと回転させる事が必要です。
スターウォーカードゥエの場合は胴軸と首軸が異素材のため分かりやすいですが、通常のスターウォーカーは首軸のリングと胴軸と首軸の間のリングで回す部分を迷いやすいので注意です。
首軸を胴軸に対して反時計回り(リフィルをしまう方向)に回すとこのように外すことができます。
スターウォーカーの回転繰り出し機構は胴軸内で、大きめの首軸側の内部はスプリングのみ。
繰り出し機構は真鍮で作られていることが分かります。
中に入れるリフィルは低粘度が良ければリフィルアダプター(MBー01)を介してジェットストリームなどの4C芯を入れることも可能ですが、個人的にはヌラヌラ書ける油性のモンブラン純正リフィルをお勧めします。
(アダプターを介して入れる4C芯によっては口金とのすき間対策が必要)
回転繰り出しはしっかりとしたクリック感があり回転の重さも軽すぎず重すぎず。
こちらはさすがモンブランといったところでしょうか。
さて、今回は発売後絶大な人気を誇る「モンブラン スターウォーカー」の派生モデルである「スターウォーカードゥエ」のボールペンをレビューしました。
約35gと重いボールペンですが低重心で書きやすく、太軸のためグリップも安定します。
マイスターシュテュックとは180°筆記感が違いますので、マイスターシュテュックをメインで使っている方にもお勧めできます。
ただし、新品で買う場合はともかくネット購入やオークションで中古を求める場合はコピー品にも気をつけなければなりません。
細部にわたるデザイン、刻印の場所や内容を把握して買うことが重要です。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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