ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
たまーに気になったガジェットのレポートも。
物欲のままに手に入れたアイテムをレビューしたりしなかったり。

レマンの重量バランスは40gの重さをも相殺する!【カランダッシュ レマン バイカラー メカニカルペンシル&ボールペン レビュー】

2022年3月26日

スポンサーリンク

皆さんこんばんは。
 
今回はメカニカルペンシルとボールペンのセット記事です。
当ブログサイトで度々取り上げるカランダッシュですが、皆さんは使っていらっしゃるでしょうか?
 
カランダッシュと言えば鉛筆から派生した六角軸筆記具で、849やエクリドールを使われている方が多いかと思います。
 
私自身も849・エクリドール・バリアスと、六角軸は一通りなめた感があり、その使いやすさ・書きやすさは体験済みなのですが、どうも気になるのがカランダッシュの「丸軸」ラインナップ。
 
そもそも巷で「丸軸のカランダッシュを使っているよ!」という方をあまり見かけません。
 
エペやマディソンなど、カランダッシュの歴史から見ても丸軸のラインナップが無いわけではないのですが、本当に少ないんですよね、丸軸のカランダッシュユーザー。
(いらっしゃるにはいらっしゃいますが、六角軸ユーザーに比べると少数です)
 
某オークションを見ていてもしばしば出品され、そこそこ高値で落札されていく丸軸カランダッシュに「レマンコレクション」があります。
 
マディソンの後継モデルとされるレマン。
カランダッシュの歴史的に見ても息の長いモデルとなります。
 

 
ということで、今回取り上げるカランダッシュの筆記具は、ラインナップ中では上位モデルに位置する「レマンコレクション バイカラー」。
 
使っている人を見かけないなら使ってる人になってみよう、ということで少し前に入手して使い始めました。
 
値段的にも主に社会人になってから使われるという方の方が多いであろうのこのレマンですが、メカニカルペンシルの使い心地が非常に良好なため、財力のある社会人はもちろんのこと学生の方も愛用できるのではないかと考えて今回の記事に至ります。
 
六角軸でも丸軸でも、カランダッシュの筆記具を使っていて一番魅力に感じることは「考え抜かれた重量バランスと筆記感」にあると考えています。
 
そのあたりに注目して「カランダッシュ レマン バイカラー」のスカーレットレッドのボールペン、ブルーのメカニカルペンシルを見てきましょう。
 

 

 

 

【レマン バイカラー メカニカルペンシル】

レマンコレクションには「レマン」と「レマンスリム」があります。あと、多機能ペンの「レマン バイファンクション」。
 
いずれも六角軸とは対を成す丸軸モデルで、カランダッシュの全ラインナップの中でもバリアスと並んで高級ラインに位置しています。
 

 
手元にあるのは通常の「レマン」で、
スペックは、
 
全長:139mm(メカニカルペンシル)
軸径:11mm
重量:40g
 
軸径と重量からお分かり頂けるように、レマンはカランダッシュの筆記具中では太軸で、重量からくる高級感と同軸の美しいラッカー塗装から非常に指馴染みが良いモデルとなっています。
 
カラーラインナップは、現行品がブラック・ホワイト・サフラン(オレンジ系)・ターコイズブルーとなっており、手元の旧型モデルのカラーは廃番となっています。
 

 
機構はキャップを持つ高級筆記具では定番のキャップ回転ノック式。
 
2回ほどキャップを同軸に向かって時計回りに回転ノックすると、1.5mmほど芯が繰り出されて筆記できる状態に。
操作感もとても滑らかにノックでき、ノック音も極小。
 

 
レマン メカニカルペンシルの素晴らしい所は、重量バランスによる筆記感。
 
六角軸を持つ849やエクリドールはキャップがなく、頭からペン先まで一体型の構造をしているため筆記時のバランスが良いのも頷けますが、レマンはクラシックなキャップを有するデザインの筆記具。
 
このデザイン且つ40gの重量がありながら、良好な筆記バランスを提供しているペンシルなのです。
 
私自身、メカニカルペンシルで40gを超える重量のものは使ったことがなかったのですが、なんと言いますか、レマンのメカニカルペンシルは40gであることを感じさせないくらい重量が分散されていて書きやすいです。
 

 
それもそのはず。
キャップを外し、胴軸側とキャップ側で重量を量ってみるとそれぞれがちょうど20g。
 
金属製のキャップをもつ高級ラインのペンのほとんどが同軸側に樹脂を使っているのに対して、レマンは同軸・キャップ共に金属製。
 
これが最適な重量バランスを有する最大の要因と言えるでしょう。
 
キャップを外したところに見えているのがペンシルユニット。
 

 
ペンシルユニットの先端にはネジが切ってあり、脱着する場合はユニットを捻ります。
モンブランのものよりもゴツめのペンシルユニットですね。
 

 
使用する芯は0.7mm。
849は0.5mm、0.7mmから選択可能ですが、レマンやバリアスは0.7mmのみとなっています。
 

 
ここで一つ難点といいますか、もしかして私の入れ方が悪い(?)のか、芯が一本しか装填できません。
 
ペンシルユニットの黒い樹脂のキャップは写真のように長くなっており、予備芯を入れた状態でこの樹脂キャップを押し込むと中で芯が折れてしまいます。
 
これはこういう仕様なのか、または過去モデル(赤ロゴ)だからなのか…。
 

 

<2022年3月26日追記>
Twitterでも発信したのですが、このペンシルユニットのキャップ、上記の付け方ではなく「逆」だったことに気付きました。
 

 
実際はこちらが正しい付け方。
 

カランダッシュに限らず、海外メーカーのメカニカルペンシルはこのように取っ手の長いキャップがついており、操作性も良好です。
 

この向きでキャップをはめるのが正しいということで、中に入る芯も1本ではなく数本入ります。

(もちろんキャップをすることで中の芯が折れるということもありません!)
 

うーむ、最初から逆向きについていたとはいえ、思い込みは禁物ですね…。
 

読んでくださった読者様には、一部誤った情報となり申し訳ありませんでした。

元記事も残しておきます。
 

もし手元に来たレマンのペンシルユニットキャップが何故か短くて外しにくいし、中の芯が折れるぞ??という場合、それはほぼ99%「キャップが逆についている」ということです。
 

どうぞご参考に。

<追記ここまで>
 

 

さらにメカニカルペンシルによくある「小さな消しゴム」が見当たりません。
(まあ、メカニカルペンシルに着いている消しゴムは気休め程度ですのであっても使わないのですが…)
 
レマンメカニカルペンシル用の消しゴムはネットでも販売されていて、型番は「0506-000」。
しかし、手元のレマンのペンシルユニットにこの消しゴムが嵌まるような部分もなく、謎です。
(もしくはこの黒い樹脂キャップの代わりに消しゴムを着けるのかも…)
 

 
個人的には不便なところもありつつ、許せてしまうのはこの素晴らしい重量バランスのお陰。
長時間筆記にも耐えるこのバランスと軸径はやみつきになります。
 

 

【レマン バイカラーのディティール(ボールペン)】

続いて、レマン バイカラーのボールペンをもとにディティールを見ていきます。
 

 
手元のレマン バイカラーボールペンは今はなきスカーレットレッドラッカーのモデル。
バイカラーでない通常モデルはキャップも胴軸と同色となっています。
 
キャップと胴軸の重量バランスから分かるように、デザインとして尖った所がないことが逆にレマンの強みと言えます。
装飾を極力抑えたシンプルで機能的なデザイン。
 

 
艶やかで透明感のある濃いめのレッドラッカーがもたらす快適なグリップ感。たまりません。
 
軸径11mmは余計な力を入れる必要がなく、しかもボールペンはゴリアットリフィルですのでぬらぬらと楽にペン先を走らせることができます。
 

 
ペン先のデザイン。
控えめに段差がデザインされていますが、ペン先を握る人でも胴軸側を握る人でも違和感なく筆記できるデザインです。
 

 
キャップリングには「CARAN d’ACHE」のレーザー刻印。
このモデルは旧型ですので社名ロゴの“d”は小文字です。
キャップリングもシンプル。
 

 
キャップはゴドロン的なエッジの効いた彫りが入っていてジュエリーな印象を与えています。
 
クリップの先も三角形のクラシカルなシルエット。
 

 
クリップはバネ式で、展開角度は約10°。
筆記具のクリップとしてはかなり開く方で、厚みのある生地でも難なく挟めます。
 

 
旧モデルの天冠はいわゆる「赤ロゴ」と呼ばれるもの。
レマンの赤ロゴは彫り込みが深く個人的にかなり好みです。
 
以降のレマンは、右側の写真(バリアスのノックボタン)のようにレーザー刻印の「CdA」となり、現行の「ペンシルマーク」へと変化していきます。
 

 
天冠に向かうほど細くなり、クリップに向かって傾斜する美しいデザイン。
クリップデザインは前身となるマディソンから受け継いでいます。
 

 
ボールペン、メカニカルペンシルともにキャップを胴軸に向かって時計回りに回してリフィル交換します。
この操作感がまた良くて、中でグリスが効いているのか非常になめらか。
 
ボールペンのペン先繰り出し回転角は180°で、ペン先は繰り出し後「クッ」と小気味よくロックされます。
 

 
キャップを外した胴軸側に小さな「CdAマーク」と「SWISS MADE」の刻印。
 
エクリドールではお馴染みの刻印ですが、レマンはここにありました。
小さなCdAマークが可愛くてツボです。
 

 
なかに入るリフィルは泣く子も黙るゴリアットリフィル。
カランダッシュのボールペンはとにかくこのリフィルが入ってるのでやめられませんな。
 
レマンはゴリアットリフィルとの相性も抜群で、ペンの自重を利用した力まない筆記が可能です。
まさにカランダッシュの高級ラインに相応しい書き味と言えるでしょう。
 

 

【レマンのペンシルとボールペンは互換性あり?】

さて、ここまででレマンのメカニカルペンシルとボールペンを見てきたわけですが、この2本は構造上の共通点が多く、もしかすると中身を入れ替えられるのではないか※疑惑が出ています。
 
※メカニカルペンシルとボールペンの機能を入れ替えるの意
 

 
2つ並べたレッドとブルーのレマン。
ラッカーの色味がいかにもヨーロッパっぽい、お洒落な色をしています。
 

 
キャップを捻り外すと一見、同じキャップなのではないかというくらい似ていますが、実は中身のパーツがメカニカルペンシルとボールペンとでは異なっており、キャップには互換性がありません。
(ボールペンのキャップの方が深く、中に白い樹脂パーツが見えます)
 

 
胴軸側は同じっぽいですが、そのままリフィルとペンシルユニットを入れ替えても使えませんでした。
 

 
ついでに胴軸側のキャップ接合部を比べると、ボールペンの方には製造国の刻印あり、ペンシルの方には刻印が無しでした。
 
2本とも同じ製造年代のものですので、筆記モードに対する刻印の有無という可能性はあります。
 

 
胴軸を上から見たところですが、どう見ても同じ構造の胴軸に見えるんですよね。
ペン先の穴の開き具合いも同じ。
 
しかし、ボールペン胴軸の方には中に外せないバネが仕組まれており、ペン先ユニットの形状からもバネが邪魔して中に入れることができませんでした。
 
ならばと、バネが入っていないペンシル側の胴軸にバネを入れることができるなら、ボールペンとして使えるのではないかという発想になるわけです。
 

 
丁度、エクリドールのマヤがなぜかバネが取れる状態だったため、少し拝借して試してみることにしましょう。
 

 
この項での検証はこのようになります。
メカニカルペンシル用の胴軸からペンシルユニットを外し、バネと共にゴリアットリフィルを入れる。
そしてボールペン用のキャップを嵌めてみる、です。
 
レッツトライ。
 

 
結果は◎で、意外と簡単にブルー胴軸のボールペンを作ることができました。
ボールペンはスカーレットレッドで使っていたので、真逆のブルー軸をボールペンとして使うのはなんだか新鮮です。
 
これはレマンコレクションならモデルを問わずできる芸当だと思いますが、違和感なく入れ替えられるのは手元の軸がバイカラーであることが大きいです。
 
これを知っておけば、万が一ボールペンの胴軸側が破損した場合も、ジャンクのレマンを入手してニコイチで直すことも可能となりますね。
 

 

【[参考]カランダッシュのラインナップを比較する】

それでは最後に、恒例となっている軸比較の時間です。
 
今回の軸比較は同じカランダッシュのラインナップでサイズ比較をしていきます。
 

 
左から、849、ヘクサゴナル(カーボン)、エクリドール(マヤ)、バリアス(メットウッド)、そしてレマン(バイカラースカーレットレッド)。
いずれもボールペン。
 
レマンは前身のモデルから回転繰り出し式のボールペン(メカニカルペンシル)となっているため、六角軸のモデルとはシルエットが大きく異なります。
 
真っ直ぐなシルエットの六角軸モデルに対して、ラウンド型のレマン。
胴軸を握った感じもエクリドールやバリアスよりも太くどっしりとした握り心地です。
 
六角軸が手に馴染まないという方でもゴリアットリフィルを存分に楽しめる軸として、バリアス(六角軸)とレマン(丸軸)の2択があるのは良いことです。
 
そして、この比較にはないですが、メカニカルペンシルのレマンはメカニカルペンシルユーザーには是非お勧めしたい逸品となっています。
 
とにかく褒めたい重量バランスと快適な筆記感。
カランダッシュの丸軸は化け物か。と思わず言ってしまいそうなほど40gの重さを感じません。
 
カランダッシュと言えば六角軸という固定観念を覆すレマンコレクション、ぜひ使ってみてはいかがでしょう。
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

◆当ブログは人気ブログランキングに参加中です◆

クリックしていただけると
ブログ更新の励みになります!
人気ランキングチェックはこちら↓


文房具ランキング