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宇宙でも活躍するボールペンを手にする!フィッシャー ブレット レビュー 【EF-400と338】

2021年9月11日

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皆さんは宇宙に興味はおありでしょうか。宇宙に興味がある人もない人も宇宙のことを考えさせられる筆記具があります。それがフィッシャー(Fisher)のスペースペン。スペースペンのすごいところはNASAの厳しい検査をクリアし、実際に宇宙飛行士によって宇宙で使われているということです。なぜ宇宙でも使えるかは後述しますが、そんなプロ仕様でロマンの詰まったペンを一般市民も使えるということはありがたいことです。月への旅行が当たり前になるのが何年後かは分かりませんが、そんなときに向けてフィッシャーのスペースペンを知っておいても損はなさそうです。

 

 

 

今回レビューするのはフィッシャーのブレットというボールペン。実はフィッシャーのブレットにはいくつか種類があり、私が所有しているのはEF-400のクロームと338というモデル。EF-400は手帳用にとコンパクトで美しいデザインに惹かれて自身で購入。338は兄から数年前にプレゼントとしてもらったものです。特に338は真鍮素材のため良い具合に経年変化が進んできましたので合わせて紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

【まるで未来から来たボールペン!ブレット EF-400

まずはEF-400から見ていきましょう。フィッシャーブレットと言うとまずこれを思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。クリップの無いコンパクトで美しい流線型のフォルム。EF-400にはブラックとゴールドもラインナップされていますが、宇宙船的なイメージから迷わずクロームをチョイス。まるで未来から来たような道具に見えますね。美しい!ブレットEF-400はこのようなデザインもあって、ニューヨーク近代美術館にも永久収蔵されています。

 

 

スペックは、携帯時の全長が94mm、キャップを外すと約90mm。筆記時にキャップを尻軸に挿すと約136mmとなります。普段は非常にコンパクトなボールペンですがキャップを挿すことで一般的なボールペンのサイズになるわけです。そして、ブレットの操作系で一役買っているのが胴軸の黒いOリング。キャップをして保管するときにペン先を密封する役割と、筆記するときの滑り止めの役割(握る場所にもよりますが)を持っています。キャップを閉めるときのOリングの手応えが気持ちいいのも大切なポイントです。

 

 

私はブレットを2本所有しているので、こちらのEF-400には4C芯を使うためのリフィルアダプター「FS-01」にジェットストリームを挿して使っています。近代的なデザインのボールペンからぬらぬらの低粘度インク、という組み合わせです。

 

 

 

【硬派な男の筆記具!ブレット 338

 

続いて、ブレット338のレビューです。こちらは強力な長距離ライフルに使われる.338ラプア・マグナム弾の薬莢を用いて作られたボールペンで真鍮製のため経年変化が楽しめます。いつもらったか厳密には覚えていないのですが、手元にあるもので4~5年は経っているのではないでしょうか、かなり良い感じに経年変化してきています。

 

 

薬莢の部分がキャップとなっていて弾にあたる部分がボールペンです。EF-400と同じく胴軸にはOリングがあり機密性高し。こちらはキャップを外した状態でも重さが24gあるためキャップ無しで書いても安定しますが、短くて書きにくい場合はキャップを挿すこともできます。この場合、重量が49gとなりかなり重くなるのですが、薬莢のくびれ部分により握りやすさが相当アップします。

 

 

全長は携帯時で105mm、キャップを尻軸に挿した状態で109mmと、携帯時・筆記時で長さがほぼ同じなのも特徴。ちなみにリフィル交換はOリングの部分からネジで半分に分かれるようになっています。ブレット338にはフィッシャー純正のリフィルを入れているのですが、こちらがかなり粘度高め。あらゆる状況下での使用を想定された粘着性の高いインクがインクタンク内に注入されているためで、インクのドライアップを軽減するという効果もあるそうです。また、インクは重力ではなく注入された窒素ガスでペン先へと押し出されるため無重力状態の宇宙でも使えるというわけですね。

 

 

 

【実際ブレットの書き味はどうなのか】

 

それでは、筆記感はどうでしょう。ここではフィッシャー純正のインクそれぞれで検証していきます。

EF-400に入れているインクはジェットストリーム。こちらのサラサラな書き心地は既知の通りでインクがダマにならずいつまでも気持ちよくペンを進めることができました。軽快な筆記感がブレットEF-400の適度な重みともマッチしています。書きやすいのもそのはず、ブレットEF-400はキャップを挿して使う場合重量が約21g!これはマイスターシュテュック164と同じ重さです。

 

 

続いてフィッシャーのインクはどうでしょう。粘度の高いフィッシャー純正インクは窒素ガスが注入されているため、逆さ、無重力、水中、極度の温度差でもスムーズに書けるようになっているとのこと。月や火星、または海に潜って検証することが難しいので、ここでは水の中の紙に書いた場合のインクの見やすさについて比較していきます。

 

ここで一つ間違えてはいけないことが、水の中の紙に文字を書くだけならフィッシャーのボールペン以外の油性ボールペンでもできるということです。地球上で宇宙と同じ窒素ガス加圧式リフィルの恩恵を受けられるのは、おそらく重力が軽減される深さ10メートル以上の水中だと考えられます。ですので、あくまで窒素ガス加圧式リフィルの検証ではなく「インクの性能」の検証ですのであしからず。

 

 

それではブレット338と最近の記事で登場したステッドラーコンクリートを使って、それぞれ水に浸した紙に文字を書き、文字の濃さ(見やすさ)や滲み具合いを比較します。ブレットは字幅がF、ステッドラーは字幅がMで共にブラックインク、使う紙はお馴染みロディアの13方眼です。

※漁師と書きましたがフィッシャー社とは無関係

 

 

 

結果がこちら。

フィッシャーのインクは色が濃く、若干青みもあるため視認性が抜群です。一方、ステッドラーの方はさすがに文字が薄いように思います。文字幅はステッドラーの方がMでフィッシャーより太いはずですので、手中の紙に書いた場合の文字の見やすさは特殊な粘度のインクであるフィッシャーの方が良いと言っていいでしょう。

 

 

水から上げた後に文字を指でこすってみました。フィッシャーの方は若干滲んだのに対して、ステッドラーの方は滲みがありませんでした。フィッシャーの方は太い線も関係していそうですが、濡れた紙に書いたときこすっても消えにくいのは地上専用油性インクでした(まさに誰得…)。

以上、水中で使った時を想定したインク性能の比較でした。

 

 

 

【フィッシャー ブレットまとめ】

今回は宇宙でも使われる未来的なデザインのEF-400と実弾の薬莢を使用した338の2本のブレットをレビューしました。EF-400はクロームのカプセルような携帯時の見た目から、実用的な136mm21gの筆記時へと変化し快適な筆記感を得ることができるボールペンでした。

 

 

一方、338EF-400とは真逆の実弾を用いた無骨なデザイン。戦争に使われる道具を平和的かつ知的な筆記具に作り替える点などフィッシャーのセンスの良さがうかがえます。「ペンは剣に勝る」とはまさにこのことでしょう。

インクの性能についても、水中の紙に書いてみただけではありますが文字の見やすさや色合いなど、フィッシャーのリフィルなら過酷な条件下で使用した場合でも見やすく相手に伝わりやすい文字を書くことができると感じました。

宇宙旅行があたりまえになる時代はもう少し先になりそうですが、宇宙飛行士が実際に使うものと同じボールペンを使い、宇宙に思いを馳せるのも良いですね。宇宙に興味のあるお子様への贈答品にも良さそうです。

それではまた。

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