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至高のシャープナー!エル・カスコ M430-CN の使い方

2021年9月11日

夏本番となり、朝晩冷房無しでは過ごせなくなってきました。いささか机に向かうのが億劫になる気候ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 
夏の暑い夜はどこかの高校生のように、部屋にこもって汗をだらだら流しながら鉛筆で建築物を描くのがお勧めです。そんなときは、ペットボトルに入った冷たい水と何本かの鉛筆、そしてモチベーションが上がる鉛筆削りが欠かせません。

 

以前、モチベーションが上がるポケットシャープナーをレポートしましたが、今回は「ポケット」ではない方のシャープナーをレポートしていきたいと思います。このシャープナーは前々からずっと欲しかったのですが、その値段からなかなか手が出ず見送っていました。しかし、ずっと気になっていたモノをそのままにしておくわけにはいきません。

オークションで状態の良い物がお安く出品されていたのでポチリ。晴れて迎え入れることができたわけです。

 

 

そのペンシルシャープナーは、エル・カスコのシャープナー「M430-CN」。

コンパクトでありながらこの重厚感。おそらくこれ以上の鉛筆削りは無いでしょう。

ネットにもそれほど情報が無いので使い方と細部をレポートしていきます。

 

 

 

 

エル・カスコ「M430-CN」のデザインと特徴】

エル・カスコはスペインのメーカーで1920年に創業されました。ヨーロッパの文房具メーカーというと大体は、ドイツかイタリアかイギリスか…といったところですが、こちらはスペイン。やはり人間の書くという行為において培われてきた長い歴史は、どの国にもあるようです。エル・カスコ社もデスクトップアクセサリーの老舗で、その重厚かつ高級感溢れる文房具でコアなファンが多いメーカーです。シャープナーの他では独特な形のステープラーが有名ですね。ステープラーについてもいつか手に入れたらご報告します。

 

 

特徴としてまず目に入るのが、クロームのハンドルに輝く木製の持ち手ではないでしょうか。昔からある一般的なシャープナーの形ですが、素材やデザインが違うだけでこうまで削りたい欲求が変わってくるとは…。このシャープナーと対峙したとき、とりあえず無言で木製の持ち手をつまんでしまうことは避けられません。木に触れたい衝動はもはや人間の生理現象と言えます。

 

 

クロームの部分はピカピカに磨かれ、前面にはエル・カスコのロゴが。これがまたかっこいい。ファーバーカステルといいエル・カスコといい、なんでこんなにメーカーロゴがかっこいいんでしょう!ロゴと言うか、もうエンブレムですね。ちなみに裏面はプレーンなクロームとなっています。

指紋はつきますが、使用後のメンテナンスとして柔らかい布で優しく拭いてあげましょう。

 

 

ハンドル部分には削り具合を調整するつまみがついていて、4段階に変更することができます。ローレットの入ったノブを引き出して回転させてマークを切り替えます。マークは上に行くほど長く削れるようになります。これについては最後の項で比較しながら見ていくこととします。

 

 

鉛筆を差し込む部分は、よく見るつまんで開けるタイプです。鉛筆は日本製のようにガチガチにロックれません。

続いて上面を見てみましょう。

 

 

窓があります。

なんと、ここから鉛筆が削られるメカニズムを見ることができます。なにもそんな窓付けなくても…、という声が聞こえてきそうですが、これがなかなか面白いのです。

 

 

ドリルが幾重にも配置されていて、ハンドルを回すとまるでピタリと合った歯車のようにくるくると回る様は鉛筆を綺麗に、そして早く削ることに情熱を傾けてきた、メーカーの歴史そのものではないかと思うのです。

 

 

そして削られた木と黒鉛は真下の引き出しへと落ちてゆきます。かなりの大容量。いったい何本の鉛筆を削り終えればこの引き出しがいっぱいになるのでしょうか。

 

 

引き出しには大きめの持ち手。そして持ち手の上には芯の仕上がりを調整するためのヤスリが設けられています。まさに鉛筆への愛情が生み出した、完璧なシャープナー。

 

 

台にはレバーがあり、レバーを動かすことで本体と机を吸着し固定する仕組みです。平らな机でないと効果がありませんが、ピタリと吸着すると微動だにせず素晴らしく削りやすいです。

 

 

【「M430-CN」の操作方法】

それでは次に操作方法です。

 

・鉛筆の仕上がり具合を調節するレバーを引き出し、好みの位置まで回転させて合わせます。

 かなり強めのスプリングが入っていますので力強く引っ張らないといけません。

 

 

・机などの平らな台に置き、台座のレバーを手前から奥(もしくは奥から手前)にゆっくり倒して吸着させます。

 

 

・静かにロックレバーをつまみ、鉛筆を確認したらチャック部に差し込みます。

 

・本体は机にピタリと吸着しています。鉛筆の端を軽く握り、チャック部に向けて軽く押しながら右手はハンドルに。

 

・ハンドルを回すとゴリゴリと大きめな音を立てながら鉛筆が削られていきます。ハンドルを通して伝わる鉛筆が削れていく感触を楽しみます。

目を閉じ削り上がりを想像しながら、じっくりとコーヒーを挽くように回しましょう。鉛筆が削れるときに漂う木の香りを楽しむこともお忘れなく。半分ほど削れる感触を楽しんだら、次は上部の丸い窓から鉛筆が削られていく様を眺めつつ削ります。

 

・削り終わるとハンドルを回す手応えが軽くなるので、再びロックレバーをつまみ ゆっくりと鉛筆を抜きます。

 

・鉛筆の先には削りカスがついているので、引き出しの上部にあるヤスリで鉛筆のカスを落とし、必要に応じて芯の尖り具合を整えましょう。

 

 

・引き出しに削りカスが溜まってきたら捨てます。

 

 

 

【4段階の削り具合の調節と比較】

前述したように、エル・カスコ/M430-CNにはハンドルに鉛筆の削り上がりを調節するレバーがついています。かなりアバウトな表示ですが、実際どのように変化するのか比較してみます。

 

 

ちなみに日本製の鉛筆削りのようにピンピンには尖りません。日本語を書くのに苦労するのでは?とも思いましたが、意外と大丈夫。前回のレポートにも書いたように、ある程度芯の太さがある方がとめ・はね・はらいも書きやすいですし、意外と細い字も書けます。

 

 

今回用意したのはトンボのMONOR、2B鉛筆4本。2B鉛筆は削ったときの木軸と芯のバランスが一番良いように感じます。

それでは、ハンドルについている調節レバーを下から順に切り替えて削っていきます。

 

・一番下のマーク

 

 

 

・下から2番目のマーク

 

 

 

・上から2番目のマーク

 

 

 

・一番上のマーク

 

 

それぞれで削ったところ、画像のような結果となりました。鉛筆はかなり湾曲して削れています。それはまるで中世の槍のようなシルエットだと思いませんか?

 

 

別々だと分かりにくいかも知れませんので、4本並べてみました。下から上に行くほど長く削れているのが分かりますね。一番下と一番上では芯の長さが4mmも違ってきます。鉛筆を尖らせるためではなく、芯の長さを調節するための機能だということが分かりました。分かったことが、一番下が一番スタンダードな削り長だということです。一般的な鉛筆削りだとだいたい一番下のマークくらいの長さに削れるかと思います。

 

 

対象的に一番上のマークだとかなり長くなり、長時間の筆記やスケッチに向く鉛筆に仕上がります。2Bという柔らかめの芯だからか、少し強めに筆圧を加えても折れるということはありませんでした。

 

 

若干 閲覧注意な絵面ですが、削りカスも細かく、削られた木のひとつひとつが小さな螺旋を描いています。鉛筆の削れ方と削りカス、どちらも非常に優美な仕上がりとなります。

 

さて、今回はついに手にしてしまった究極のシャープナー、エル・カスコのM430-CNをレポートしました。個人的には満点なシャープナーなのですが、こんなものを手に入れてしまったら 今度はファーバーカステル伯爵コレクションのパーフェクトペンシルが欲しくなってしまう…。あの美しい木軸を中世ヨーロッパの槍みたいに削ってみたい!という欲望が沸いてしまうのでした。すでにパーフェクトペンシルを持っている方は要注目なシャープナーであることは間違いありません!

M430-CNについて、現在は廃盤となっているため中古かデッドストックの入手となりますが、鉛筆好き・シャープナーファンにはたまらない逸品です。様々なギミックとこだわりが見られる素敵なシャープナー。どこかで見つけたら、ぜひ持ち帰りデスクの片隅に置いてみてはいかがでしょう。

 

ではまた。

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