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やはりペリカンはいい。【ペリカン M120】

2021年9月11日

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あけましておめでとうございます。

去年より始まったこのブログも手探りながら更新を続け、皆様のおかげで無事に年を越すことができました。

本年も少しでも役に立つ情報が共有できたらと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

新年一発目の記事は何にしようかしばらく考えていましたが、現在の物欲の大黒柱である万年筆にしようと思います。年賀状を万年筆で書いた、という方も最近は増えてきているようで。毎年、年賀状作成に否応なく追われているという方でも、万年筆を使うことで楽しんで書けるようになるのではないでしょうか。

 

一本、また一本と欲しくなる万年筆。この小さな道具に宿る機能性・美しさは我々を魅了してやみません。書くことを欲する、書く道具を欲するのは、筆記文化を生んだ人間の性といえましょう。今回は最近手にしたペリカンの万年筆、ペリカンM120ブラックグリーン。こちらをペリカンの代名詞であるスーベレーンM400と比べながらレポートしていきたいと思います。

 

 

 

 

【ペリカンM120とは】

 ペリカンといえば、代表的な万年筆はスーベレーンだと思います。ストライプ模様の美しい樹脂は、筆記具にあまり興味がないかたでも美しいと感じるのではないでしょうか。万年筆ファンのほとんどの方が持たれている(であろう)スーベレーンですが、ここではあえて気軽に持てるスチールペン先の万年筆、クラシックM200シリーズにフォーカスをあてていきたいと思います。

ペリカン万年筆のエントリーモデルとも言えるクラシックM200シリーズ、特徴はスチールペン先に本格的なピストン吸入式を搭載、軸はデモンストレーターを含めカラフルな限定モデルが揃います。

 

「クラシック」とつく所以のひとつにシンプルなスチールペン先がありそうです。しかし、スチールペン先でありながら決して硬くないのがペリカンの万年筆。パイロットカスタム等のペン先の柔らかい国産の万年筆を好むかたであれば、このペリカン万年筆の書き味は気に入られるのではないかと思います。非常に柔らかい書き心地。他のどんな海外製万年筆よりも柔らかく、ある意味国産万年筆に似た書き味といえます。ペリカンのスチールペン先はペリカンの金ペンに比べると若干硬いものの、他の外国産スチールペン先の万年筆に比べると差が分かるほど柔らかいと感じます。

 

左がM400、右がM120。

 

そんなクラシックなM200シリーズより、さらにクラシックなペリカン万年筆、それがM120です。M200がスーベレーンM400に似たシルエットなのに対して、M120は天冠と尻軸が丸く、天冠のペリカンのエンブレムも黒く彫られた控えめなものになっています。

1955年に発売されたM120の復刻モデルで、もともと学生向けの普及モデルということらしいですが、万年筆全体から漂うシックな印象はまさに大人向けのそれと言えます。ペン先の素材や処理は当時のままに、1889年のペリカンの価格表に描かれた柄がニブに刻印されています。

 

スペックは、長さ130mm(キャップをつけたときの筆記時155mm)、軸径12mm、重さは14g。スーベレーンM400と比べると少し長くM600より若干短い、この丁度良さがいいですね。

 

 

【M120の軸】

 

M120はブラックとグリーンのコントラストに、クリップやキャップリングはゴールドというシックな色合い。キャップと尻軸が丸いだけでこんなにもスーベレーンとは印象が異なってくるというのが面白いです。

 

 

胴軸は美しいプレーンなグリーンのレジン。色合いがまたクラシカルですね。クラシックなペリカン万年筆には欠かせない大きなインク窓は視認性も良好。クリアグリーンがいいアクセントになっています。

 

 

スーベレーンとの比較はこちら。スーベレーンは流石に綺麗ですね。ストライプがキラキラと輝いています。M120はソリッドなグリーン。ブリティッシュグリーンのような深い緑がたまりません。(ペリカンはドイツですが…)

リーズナブルな価格でありながら本格的なペリカンの吸入式機構でインク吸入が楽しめる、非常にコスパの高いモデルといえます。

 

 

インク吸入は黒い尻軸をつまみ反時計回りに回すことでピストン降下、時計回りでインク吸い上げとなります。吸入できるインク量も多く、気密度の高いねじ式キャップのおかげで一回のインク吸入で長い期間使い続けることができます。

 

 

【M120のペン先】

 

先ほども触れたペン先の刻印です。私がオークションで手に入れたものは少しゴールドプレートが剥げていて、バイカラーニブのようになっています(笑)。このM120のニブのデザインはビスコンティのニブのような華やかさがあります。その下にはしっかりとペリカンのロゴ。字幅の表記(F)も独特な字体が使われています。

 

左がM120、右がM400。

 

ニブの形はスーベレーンと比べると横幅が少し狭くスリムな印象。こちらはエントリーモデルによくあるフラッグシップモデルとの差ですね。首軸も趣が異なっておりM400にはゴールドのリングが、M120は黒い樹脂で統一されています。このM120の首軸のくびれたデザインが素敵だと思うのですがいかがでしょう。

 

 

ペン芯は現行ペリカンと同じ細かなスリットが入ったものとなっています。数ある万年筆の中でも、ペリカンのペン芯の形とスリットを特に美しいと感じるのは私だけでしょうか。

 

 

【スーベレーンとキャップを比較】

キャップ全体のデザインは180°違っています。スーベレーンは天冠が金属製のためキャップだけの重量をみても樹脂製天冠のM120より重いです。

 

左がM400、右がM120

 

天冠のデザインの違いはこの通り。デザインされているヒナの数はどちらも一羽です。M120のペリカンロゴは目立ちませんが大人の落ち着きを醸し出していますね。

 

 

キャップリングはシングルで、刻印は「PELIKAN」と「GERMANY」のみ。一方、M400はダブルリングです。今回比較でまじまじと見比べてみて、細かな部分ですがクリップのペリカンに若干の違いがありました。

 

左がM400、右がM120。

 

M120のペリカンの方が目、クチバシのパーツが大きくイケメンです!過去のモデルの復刻版ですが先輩の貫禄漂う男前な面構えをしています。クチバシもM120のほうが若干尖っていますね。M400は王冠を被ったペリカンという印象です。

 

 

【スーベレーンと筆記比較】

文字や記号を書いてみました。

 

 

M120はF、M400はEFです。線の太さはそれほど差があるようには思いません。紙はLIFEの無地です。

今回、M120に入れたインクはラミーの2017年限定カラーのペトロールです。「永」の文字やギザギザの模様に出る濃淡。これぞ万年筆で書く楽しみですね!

ぺトロールはグリーン+ブルー+グレーのような深みのある色合い。ペン先を走らせると美しい濃淡が現れます。珍しい色ながら普段使いにも適した落ち着いた色のインクで、このペリカンM120にもマッチしています。

 

 

ちなみにM400には定番のペリカンブルーブラック。画像を明るめにしたら、気持ちロイヤルブルーのような色合いになっていしまいました…。こちらも文字の濃淡は良好です。筆記感はさすがにM400と比べると硬さを感じますが、それでもスチールペン先とは思えない柔らかな書き心地で漢字のはね、はらいも楽に表現できます。重量が14gとスーベレーンと比べても軽いため、キャップは尻軸に差して使う方がいいでしょう。やはり、このサイズの万年筆は使いやすいですね~。

 

 

【ペリカンM120まとめ】

さて、2018年の第一回はペリカンのM120をレポートしてきました。個人的にこの深い色合いの胴軸にキャップと尻軸の丸いシルエット、ニブのデザインなど非常に気に入りました。シックで大人な雰囲気を演出できる万年筆です。値段もスーベレーンM400の半額ほどで手に入りますので、ファーストペリカンとしても良いかもしれませんね。

書き味もスチールペン先ですが他の海外メーカーのようにカリカリした書き味ではなく、ペリカン特有の柔らかなタッチを体感できます。スーベレーンをお使いの方で2本目のお手軽なペリカンをお考えの方にもお勧めできます。

またまた万年筆が増えてしまいましたが、増える度に万年筆メーカーの新たな一面を発見したり、新しい筆記感に出会えたりと、本当に飽きません。

 

皆様の2018年ファースト万年筆は何でしょうか。今年も一年、良い筆記具に出会えますことを。

それではまた。

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