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デルタの万年筆レビューその弐 【スクリーニョ】

2021年5月19日

 

こんにちは。デルタ社追悼記事1本目はデルタの顔とも言える「ドルチェビータ・ミディアム・オリジナル」でした。2本目の追悼記事は数年前にオークションで入手したマイナーモデルでいきたいと思います。なぜマイナーかというとデルタHPのラインナップにも載っていなかったこと、ウェブで調べても情報が少ないことから日本未発売のモデルなのではないかと。かといって限定モデルや上位モデルというわけではなく、ヴィンテージ等と同じようなエントリー~中級クラスの万年筆。

その名も「スクリーニョ」。スクリーニョとは宝石箱や貴重品箱という意味らしいです。なぜ宝石箱なのかは詳細をレポートしていく過程で触れていきます。

 

 

このスクリーニョ、私が所有する数十本の万年筆の中で2本目に購入したものになります。4~5年前でしょうか。そう考えるとかなり暖めてきた万年筆と言えますね。思い起こせば、金属軸の万年筆を主流にしていた時期に樹脂軸の魅力に目覚めるキッカケとなった万年筆かもしれません。じつはスクリーニョを買った当時はペンケースに収まる細軸万年筆を目当てにネット巡りをしていたのですが、情報をろくに仕入れずにポチってしまい手元に届いたときの軸の太さに閉口したものです。なので少し使ったあと何年も引き出しにしまわれたままの万年筆でした。最近は太軸にマーブルが私の趣向のためニーズにピッタリと合い、晴れて日の目を浴びる結果となったのです。

それでは美しい太軸万年筆のスクリーニョを見ていきましょう。

 

 

 

 

【スクリーニョのスペックと各部詳細】

まずはスペックから見ていきます。長さは約150mmと大きめ、軸径は15mm、重さは約40gとズッシリ重め。ドルチェビータ・ミディアム・オリジナルと同じくカートリッジ/コンバーターの両様式です。スペックを見るだけでも大きな万年筆だとうことがお分かりいただけるかと思います。買った当時は軸径とか重さとかそれほど気にしていなかったので、届いたときの衝撃はなかなかのものでした。こんなに大きな筆記用具があっていいのかと。筆箱に入らんではないかと。今だとこの大きさに惚れ惚れしてしまいますので、人の好みというのは分からないものです。

 

 

スクリーニョにはかなりのカラーラインナップがありますが、その中から選んだのはグリーンです。胴軸の樹脂がとにかく綺麗で光の反射による色の変化はドルチェビータ以上のものがあります。デルタ万年筆特有の職人によって磨き込まれたレジンはしっかりとした厚みがありとても艶やかで、持つとキュッと手に吸い付くような感触。

 

クリップの形状にも違いがあり、ホイールは無し

 

全体を見ると大きなキャップから尻軸にかけて細くなる独特のシルエット。スクリーニョはカラーラインナップのすべてがシルバートリムで統一されています。特にキャップの細い三連リングはスクリーニョの特徴ではないでしょうか。このキャップリングのお陰でペン全体がシンプルにまとまっています。そしてそのいで立ちはどことなく中世の杖のようなレトロな印象も受けます。

ドルチェビータ・ミディアムに比べて首軸のネジ切りが浅く、その分全長が長くなっているのです。

 

ドルチェビータ(上)は14金ペン先、スクリーニョ(下)はスチール

 

ペン先はスチールのF。刻印はデルタのシンボルマークに「DELTA」「F」のみのシンプルさ。ペン芯の形はドルチェビータ・ミディアム・オリジナルと同じで大型です。書き心地はステンレスペン先特有の固さがあり、イタリア万年筆の細字の傾向と合わさって日本語はとても書きやすい。スペックのところでペンの重量40gとありますが打ち分けがキャップ20g胴軸20gですので、キャップを尻軸に差さずに使うことで一般的な万年筆くらいの重量で書くことができます。胴軸から首軸にかけての軸径はドルチェビータ・ミディアムより太いため、まるで筆で書いているような面白さがあるのです。

 

尻軸にキャップを差すとかなり大型に。

 

 

【意外と大型軸!他の万年筆とのサイズ比較】

首軸の浅いネジ切りのせいもあり非常に長身となっているスクリーニョですが、他の大型万年筆との比較ではどうでしょうか。ここでは前回レポートした万年筆であるドルチェビータ・ミディアム・オリジナルと、太軸万年筆の代名詞モンブランマイスターシュテュック№149、プラチナ出雲の3本とサイズ比較します。

 

上からマイスターシュテュック№149、スクリーニョ、出雲、ドルチェビータ・ミディアム

 

こう並べてみるとスクリーニョのサイズはマイスターシュテュック№149と重さ以外はほぼ同じ。デルタのフラッグシップモデルであるドルチェビータ・ミディアムよりも大きなサイズとなっています。重さもこの4本の中ではダントツに重く存在感も抜群なのですが、デザインがシンプルなせいか見た目の重厚感は他の3本ほどありません。太軸好きにはたまらない大きさなのですが不便な点もあります。それは一般的な一本差しのペンケースに収まらないということ。クリップを含めるとキャップ径が相当太くなるため、ペンケースには胴軸が入ってもキャップがつっかえて入らないのです…。ですので私は一本差しは諦めて大きめの2~3本差しペンケースに入れて持ち運んでいます。

 

 

【なぜスクリーニョ(宝石箱)なのか】

さて、前述したようにスクリーニョという名前は宝石箱・貴重品箱という意味でした。なぜそのような名前が付いたのか、秘密はその大きなキャップにあります。実は天冠部分がフタとなっており、くるくる回して開けるとキャップの中に何かを入れられるようになっているのです!

 

 

しかしながらこの穴のサイズが微妙で何かを入れようにもなかなかサイズが合うものがない…。深さ20mm、径14mmという宝石箱のサイズは使う者を悩ませます。インクカートリッジでも入ったら便利だなーと思ったのですが、全く入らない。半分くらいまでしか入らない。ほんとに小石くらいしか入るものがないのです。でも入れたら入れたで中でカチャカチャ音がしそうで入れることが躊躇われる。まさに謎な存在のキャップ内収納庫。ここに何を入れたらいいのか。その答えは購入後4年ほど経った今もまだ出ていませんが、きっと中に入れるものは宝石であり、秘密の暗号であり、カンニングペーパーなのでしょう。

 

 

裏面にはデルタ万年筆のお約束であるコレクション名とシリアルナンバー。「scrigno」の字体もなかなかお洒落です。あとはこの微妙なサイズの宝石箱の使い道を模索するのみです。

 

 

【まとめ】

スクリーニョは比較的安価に入手できる大型の万年筆です。ですのでモンブランやペリカンM1000のような太い万年筆が好きだけどもう少し太軸を手軽に楽しみたい、という方にはもってこいではないでしょうか。胴軸のマーブル模様も透明感がありとても美しいのでマーブルレジン好きのコレクションとしても良いかも知れません。筆記感はイタリア万年筆+スチールニブで細字な仕上がり。太軸で細字という組み合わせの万年筆は日本語が書きやすく疲れにくいので日常使用でどんどん使いたい方にもお勧めできます。

 

 

また、キャップの宝石箱に宝石を入れて楽しんでもよし、フリスクを収納してもよし、手品を仕込んでもよし、とアレンジは自由自在です。キャップのせいで幾分全体の重量が増していますが、それもこのスクリーニョの個性ととらえてダイナミックな万年筆を楽しみましょう!

以上、デルタ/スクリーニョのレポートでした。

 

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