ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
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本気の国産ボールペン!パイロット カスタム74 【モンブラン マイスターシュテュック クラシック164比較】

2021年8月8日

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こんにちは、今回は筆記具です。社会人の仕事道具であるボールペンをレポートしていきます。

 

小学生の時は鉛筆を使い、中学・高校生になってシャープペンシルを。大学生になれば経済力がついてきて上等な万年筆を使う人もちらほら出始める。そして社会人になり、一番よく使う筆記具はボールペンではないでしょうか。会社や先方に提出する書類はボールペンで書かないといけませんし、ワンノックで芯が出て書ける状態になるスピーディーな仕組みも、ボールペンが社会人に使われる理由ではないかと思います。

しかし大半の社会人は会社から支給された透明軸の安価なボールペンか、コンビニで手に入れたボールペンを使っています。一日の半分は仕事です。そんな一日の半分を素敵なボールペンとともに過ごすことができたら、仕事の時間はもっと有意義なものになるはずです。(最近はコンビニのボールペンも侮れませんが‥)

そう考えるようになって、私は仕事で使う筆記具を変えました。

 

以前の記事で書きましたが、私の筆記具沼の終着点はモンブランの筆記具と決めていました。「決めていました」と過去形になっていることに勘のいい人は気付かれていることでしょう。案の定、モンブランの筆記具を手に入れても新しい筆記具が欲しくなってしまっています。

なぜでしょう。

これは病気でしょうか。

 

いや、「欲しいものがありすぎる」のです。

 

モンブランのボールペン、マイスターシュテュック クラシック164を手にしてから、毎日仕事で使っています。

絶妙な太さ・重さ、モンブラン樹脂の吸い付くような手触り、天冠のホワイトスター。

どれをとってもたいへん満足のいくもので、さすが筆記具の王様と言われているだけはあります。

 

しかしある日、こともあろうにマイスターシュテュック164を自宅に忘れてしまったことがあります。その日はアウロラのイプシロンやクロスのセンチュリーⅡを使いましたが、やはりあのカッチリと決まる回転繰り出し式の感触、絶妙な軸径がないと何か集中できずアイデアが浮かびません。そこでもう一本、モンブランに匹敵するボールペンをサブとして持つことに考えが至りました。私の持つマイスターシュテュック164はカラーが金黒。同じようなペンを思い浮かべた際、目に浮かんだのは以前手に入れたパイロットのカスタム74(万年筆)でした。パイロットのボールペンはどうだろうと思い、早速調べにかかると…あるではないですか良いペンが。

 

パイロットのボールペンでモンブランに匹敵する書き味のペンは何か。調べていくと万年筆と同じくカスタム74が良さそうである。どうやらカスタム74のボールペンは2種類あるらしい。ノック式と回転繰り出し式。仕事で使うにあたって、ノック式はかなり便利がいい。先方にお貸しするときもわかりやすい。ノック式の型番には500のナンバーが付いています。基本的にブラックとシルバーの組み合わせが好きなので、伊東屋の限定モデルに一瞬ぐらつく。

 

しかし私が求めているのは、ほどよい重さの回転繰り出し式のボールペン。そこで回転繰り出し式の上位ラインを調べます。

型番に1000のナンバーが付いたモデル。なかなか評判は良さそうで、見た目も黒×ゴールドではありますがシンプルで嫌みがないデザイン。

 

これは期待できそうと思った瞬間、ポチっていたのでした…。

 

前置きが長くなりましたが、パイロットカスタム74のレポートを、モンブランマイスターシュテュック クラシック164と比較しながら行っていきます。

 

 

【胴軸】

一般的に使われるボールペンと比べ、長めで太めの大きな軸です。黒とゴールドの仏壇カラー。仏壇カラーに免疫がない方が見るとまいっちゃう色あいですが、見慣れてくるとかなりの格好良さと高級感です。クリップはおなじみの丸い形。 

手前がボールペン、奥が万年筆。ともにカスタム74。

天冠付近のデザインは同じサイズのカスタム74万年筆と比べても違いがあります。クリップ付け根のリングは万年筆がシングルに対して、ボールペンのリングは太く丸い装飾があります。天冠もボールペンの方が若干スリムです。少しの違いですが与える印象が大きく異なりますね。

 

キャップ部のリングの刻印は「★★ CUSTOM 74 ★★ PILOT MADE IN JAPAN」。文字は万年筆と同じなのですが、★が万年筆は1つ、ボールペンは2つです。さらにボールペンは刻印が墨入れされており高級感がグッと上がっています。

 

 

【軸比較/マイスターシュテュッククラシック164】

左:マイスターシュテュック164 右:カスタム74

見た目は同じ黒×ゴールドですが、モンブランの方はゴールドの色味が薄くパイロットの方が濃いです。メイン素材となる樹脂においても違いが見られます。以前のプロフィットとカスタム74の比較にも書きましたが、カスタム74の樹脂はわずかに赤みがかっているように見えます。(あくまで主観です。色の濃いゴールドとの組み合わせのためそのように見えるだけかも知れません)モンブランの方はより黒が濃く見えますね。

 

左:マイスターシュテュック164 右:カスタム74

手に持った感じ。手触りはどちらも素晴らしく、きめ細かい樹脂だからなのか指に吸い付くようです。このグリップ感は他に変わるものがないと思います。

 

二本とも同じようなクラシックなデザインのボールペンですが、わずかに主軸の形が違っています。

おわかりになりますでしょうか。カスタム74は極端に言えば樽型の軸となっており、右の写真で見るとキャップ及びペン先の方に向かうほど細くなり、ちょうどグリップするあたりが膨らんでいます。一方、マイスターシュテュックはペン先に向けてストレートに細くなっていきます。

このグリップ感はカスタム74に軍配が上がると感じています。樽型になっているために感じる、握ったときの安定感。習字の筆を握っているような少し懐かしい感覚です。

 

これはよいものだ!

 

【スペック】

本体の長さはカスタム74の方が長く146mm。マイスターシュテュック164140mm。(ともに筆記時)

軸径はカスタム7413.8mm、マイスターシュテュック16412mm。

重さはカスタム7428g、マイスターシュテュック16423g。

ぱっと見マイスターシュテュックの方がスタイリッシュで、カスタム74は黒・太・長で存在感が大!私が筆記具を選ぶ上で重要視することの上位に重さがあります。スラスラと走らせたい時、ペンは少し重いほうがいいです。

 

【回転繰り出し機構とリフィル】

カスタム74の回転動作はどの回転繰り出し式ボールペンよりもねっとりしています。軸が回転しきった時にカチッとペン先がロックされる感じは少ないです。あくまでねっとり。このねっとり感はカスタム74特有の感触といえるでしょう。

マイスターシュテュックは適度な重みがありながらもキレよく回転します。こちらは回しきった時にペン先がクッ!とロックされるので芯を出し切ったという安心感があります。

 

左:カスタム74 右:マイスターシュテュック164

リフィルを交換する際はどちらのペンも芯を出す方とは逆の、反時計回りに回します。こうして見るとどちらも同じ回転繰り出し機構をしていますね。カスタム74は主軸側のネジが金属製です。ねじ切りの素材を合わせて精度を上げる、さすがは日本製。

 

 

カスタム74のリフィルはBRFN-30。タンクの容量はモンブランに比べると少なそうですが、4C芯に比べると安心感があります。

マイスターシュテュック、というよりモンブランは海外ブランドでは珍しく独自のリフィルを採用しています。形はパーカータイプに似ているのですが、芯先の形が若干違うようで入れることはできません。

 

【筆記感】

左:マイスターシュテュック164 右:カスタム74

まずペンポイントの見やすさです。若干ですがカスタム74の方が芯先が長く出ているため見やすく感じます。カスタム74にはじめから装填されているリフィルはMの1.0mm。インクフローは潤沢で、ボールペンでありながらインクがドバドバ出ます。本当になめらかな筆記感。

思わず、俺のダンディズムで段田一郎が「ペン先から溢れ出るインク!!」と心で叫んでいたシーンがフラッシュバックするくらいのインクフローです。

※この台詞はマイスターシュテュック149試筆時のもの

 

それぞれのペンで「ドッペルゲンガー」と書いてみました。マイスターシュテュックに入れているのはFの0.8mm。日本語を書くのによく使われているのが0.5mmですので一見太く思えますが意外と細く書けます。Mだとぬらぬら感がアップ。

 

 

【まとめ】

パイロットカスタム74、恐ろしいボールペンです。非常に書きやすく満足感も得られる、まさにメイド・イン・ジャパンクオリティーのボールペンでした。特筆すべきは樽型からくる手に吸い付くような持ちやすさ、回転繰り出し時のねっとり感!

そして様々な角度からカスタム74とマイスターシュテュック164を比較してきました。外観や色味は似ている二本ですが、細かいところで違いはたくさんありました。

 

結論を申し上げると、カスタム74ボールペンの書き味、所有満足感はマイスターシュテュック164に匹敵するボールペンといえます。まさに日本の技術(パイロットの技術)が集約された一本。

一日の半分の時間を過ごす仕事のパートナーとしてお勧めの一本です。

ではまた。

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