ビジネスにも向くチタン製の12角形ボールペン【OMAS T2コレクション レビュー】
仕事の持ちベを上げてくれるボールペンを探し続けて、もうかれこれ7年。
(当ブログの立ち上げは2017年です)
どちらかというと私のモチベを上げてくれるのは、現行モデルではなく過去モデル(廃番品)となっているわけですが、このブログを立ち上げる随分前から様々なデザインの筆記具が発売されていたと思うと感慨深いですね。
今回レポートするボールペンも確か2000年発売のモデルだったような…。
まるで筆記具に興味が無かった2000年の私はその時何をしていたのか、そう考えると愉しいですね。
オマスのボールペンは既にブライヤーを素材に使った「A.M.87コレクション」を持っているのですが、オマスのボールペンではずっと気になっていた憧れの一本ということで、やっと入手するチャンスに恵まれて無事にゲット。
あまりグレーカラーの筆記具を持っていないというのもあって、文字書きのモチベーションは爆上がりです。
そのボールペンとは、「OMAS T2コレクション」
その素材の強度ゆえに加工が難しいとされるチタンをボディに採用したモデルで、デザインはオマスの代名詞とも言うべき12角形の樹脂軸「アルテイタリアーナ」をベースとしています。
素材がチタンなだけにエッジが効いており、12角柱のデザインとも非常によくマッチしていると言えるT2コレクション。クラシックなデザインと最新加工技術の結晶であるチタンの融合は個性たっぷり。
硬質でヒンヤリと冷たい握り心地が何ともいえない。
ザラッとした触り心地はグリップ感の良さにも繋がっており、これは素材がチタンならではと言ったところ。
重量は36gでこれまた私の好みにピタリと合います。
全長は携帯時が138mm、筆記時が140mm。サイズも大きすぎず小さすぎず。
カヴェコの八角軸やカランダッシュの六角軸よりも角が多いので、ペンを持ち上げるとき、指の中で転がすとき、そして筆記時など、光の当たり具合によって立体的な軸の陰影によるグラデーションが楽しめる。
表面はチタン削り出しの荒っぽいテクスチャーが生きており、指がかりが良いです。
オマスのボールペンではお馴染みの口金部分の短さ(7mm)はこのモデルでも共通しており、それだけ胴軸素材のチタンを存分に愉しめる格好。(いずれのモデルも口金は取り外し可能)
グリップポイントからペンポイントにかけて緩やかに絞られていくデザインにも加工技術の高さを感じます。
キャップ部分のテクスチャー。
表面は扇状に削られ、細かな模様を形作っていました。先ほどの胴軸よりもよりザラッとした感触となっています。
いかに精密な加工が施されているかが分かる表面。なにか凄いもの(工芸品)を持っている感。
オマスというと12角軸ですが、同じ12角軸でも軸の太さやクリップのデザインなどがモデルによって異なっています。樹脂軸の「エクストラ(EXTRA)」とはクリップ先のデザインが異なります。
イタリア軸ではデルタ、マイオーラ、レオナルド等でも見られるホイール付きのクリップ。
T2コレクションのクリップ先にもホイールがあり、携帯時にシャツやジャケット、バッグのポケットの記事を傷めないようにと引っかかりなく取り出せるように工夫された形。
ホイール側面には「ITALY」の刻印が見られます。
実はこの「ITALY」の刻印は、ホイールがないモデルのエクストラにもあり。しかし同じような形のクリップである手元の「A.M.87」には刻印がありません。謎ですね。
キャップと一体形成の天ビスのデザインは、円錐形から12角形につながるエッジの効いたデザイン。
クリップの反対面にはモデル名である「OMAS T2」の刻印。
キャップの裏側にさりげなく入った刻印が個人的には好印象で、大きなロゴや社名刻印がデザインの邪魔をしていません。
キャップリングにはオマスお馴染みのトリプルリング。
真ん中の太い部分にはイタリア軸ではよく見かけるメアンドロス模様。この模様ですが、アウロラやモンテグラッパなどの他メーカーのデザインとも若干異なっているのが面白い。
メアンドロス模様と聞いてパッと集められる軸を並べてみました。
左から、カランダッシュ(エクリドール マヤ)、オマスT2、オマスエクストラ、オマスA.M.87、アウロラプリマベーラ、アウロラオプティマ。
モンテグラッパの銀軸ローラーボール(レミニッセンス)が行方不明中。
どこかのペンケースに仕舞ったか、はたまた別の仕事鞄の中か…。探さないといけません。
オマスのボールペンのデザインにおいて共通点があり、キャップの軸径に対して胴軸の軸径が細く作られているということ。12角軸は握ったときに角(エッジ)が指に当たるので実際の軸径よりは太く感じる気がします。それもあってか、胴軸がキャップと同じくらいの太さだと、どうも指に圧迫感を感じてしまうのではないか、というのが私が使ってみての感覚です。
本当の理由はわかりませんが、デザイン上、キャップの方が胴軸より太い独特なシルエットとなっています。
キャップの方が太いので、一瞬キャップノック式のようなシルエットにも見えなくもないですが、ペン先の繰り出し機構は回転繰り出し式。キャップを時計回りに回して芯繰り出し、時計の反対回りに回してリフィル交換となります。
入っているのはオマスエクストラリフィル。
リフィルの特長として、回転繰り出しにテンションをかけるバネが口金側ではなく、リフィル側に着くこと。
リフィル交換の際は、リフィルからバネを外して新しいリフィルに付け替えます。
バネ交換時の注意点として、バネの向きに気をつけなくてはなりません。
リフィルの先側には、写真のように「バネの外径が大きい方」をもっていかなくては回転繰り出し時にペン先が出ません。
リフィルへの差し込みはもちろんバネの内径が大きい方が入りやすいのですが、内径が小さい側を差しましょう。(少し差し込みがきついですが、ちゃんと差し込めます)
バネの外径が小さい方をペン先側にすると、口金の内部にバネが引っかかって繰り出しがうまくいきません。
リフィルはシュミット社製「S700系」のものと互換性があります。リフィルの形が全然違うように見えるのですが、ちゃんと合うのでご安心を。
ということで、リフィルはアウロラテッシーやヤード・オ・レッドと共通となりますので、どちらかのボールペンをお持ちの場合は、気分転換にリフィルを差し換えてオマスのボールペンを使うことができますね。
シュミット社製はリフィルの先が金色ですので、仏壇カラーのオマス軸に合いそう。
今使っているエクストラリフィルがなくなったら金色か…、とビクビクしながら使っています。
ペン先がシルバーのオマスエクストラ型リフィルの販売情報があれば是非とも教えて頂きたいです。
キャップと胴軸の接続部はネジ山が見えない作り。
構造はペリカンの回転繰り出し式ボールペンに近いですね。
オマスの純正リフィルやシュミット社製のリフィルの書き心地は、ザ・油性といった書き心地。
しかし、ペン先(リフィルの先)が細いため、筆記紙面の視認性に優れるところがポイント高し。メカニカルペンシルを使っているような感覚(ペン先の細さ)でボールペンを使えるのは良いですね。
硬質な素材で作られていることへの道具としての安心感。
クラシック且つ直線的なシルエットですが、宇宙開発や医療分野で使われるようなチタンのグレーカラーが先進的なボールペン。
デスクにあるとついつい手に取ってしまう触り心地。
やはりいつも使う筆記具はこうでなくてはいけません。
さて、今回はチタンを軸全体に贅沢に使用したオマスのボールペン「T2コレクション」をレポートしました。
なかなか目にすることが少ないモデルですが、金属軸ともあって非常に所有満足度の高い逸品です。
ボールペンの他に万年筆のラインナップもあるため、興味のある方はそちらを狙ってもよいかも知れません。
樹脂軸で言うところの、マーブルセルロイドやエボナイトのような特別感のある素材の金属バージョンとでもいいましょうか。チタンや高級ステンレスの316Lといった特別な素材が使われた筆記具を手にすると、また筆記具の世界が広がります。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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