ボールペン・万年筆・メカニカルペンシルなど、文房具好きの購入記を写真多めで比較レビュー。
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ビスコンティ ディヴィーナエレガンスに関するレポート

2024年9月22日

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2023年の暮れから2024年初頭にかけて、3月であるにも関わらず雪が降ったり。
今年は春の訪れが遅いかと思いつつ、4月に入るにあたって急激に暖かくなってきました。
 
新年度になり環境が変わるという方も少なくないのではと思います。新生活に備えて身につけているものやいつも使う道具を買えてみるのも、リフレッシュできて良いかもしれません。
 
春になると使いたくなる筆記具は…と、毎年書いているかも知れませんが、陽気に誘われて、今年も美しいイタリア軸なんて如何でしょうか。
昨今の筆記具業界の動きとして、マイオーラを立ち上げたニノ氏がデルタを復活させたりと、イタリアの筆記具業界にも変化がありました。
 
といいつつ、今回の記事はデルタの記事ではないのですが…。
 
イタリア軸と言えばデルタやアウロラが広く知られていますが、最近は、スティピュラやオマス、モンテグラッパ、マーレンといった、老舗でありながら一般的に日本での知名度がそこまで高くなかったメーカーの筆記具も人気が出てきており、オークション等でも高値で取引されるようになってきました。
なるべく面白そうな筆記具を安く買いたい私からすると面白くない話ですが、日本においてもイタリア軸の魅力が評価されつつあるのは良いことだと思います。
 
というのもイタリアの筆記具といえば凝ったデザインのものが多く、その生産にかかるコストから高価なものが多いのが現実。
そんな中、私のお気に入り且つイタリア軸の中では比較的手が出しやすい(と言っても高いものは高いですが…)価格のメーカーブランドがあります。
 
過去にも何回か取り上げていますイタリアは「ビスコンティ」の筆記具。
ずっと前からどうしても気になっていたボールペンを入手していますのでレポートしていきたいと思います。
 

 
「ビスコンティ ディヴィーナエレガンス」
 

 

六角軸や八角軸の筆記具はよくありますが、捻れた五角形の軸が特徴的な筆記具です。
五角形の軸、キャップと胴軸の比率に視覚的に人が美しいと感じるレオナルド・ダ・ヴィンチの「黄金比率」が使われているとのこと。
 
うーむ、なんか昔こんな形のアイスがあったような気が…。
ヴェルター(WORTHER)のスパイラルとも似ていますが、あちらは六角軸でこっちは五角軸。
 
レジンをベース素材に、シルバー925のラインが入ったエレガントなデザインです。
 

 
このボールペン、かなり大きなサイズ感を想像していましたが、実際はモンブランの#164と同じくらいの全長。
軸径が太いのはありますが、この捻れたデザインがあってそのように思えるのかも知れません。
 
スペックは、
全長(携帯時):138mm
重量:41g
軸径(キャップリング付近):11.5mm
 
ホモサピエンスと同じくらい様々のバリエーションがあるのもディヴィーナの面白いところ。
こちらは最もベーシックなレジンのブラックですが、大都会の夜景のビルのような「メトロポリタン」の美しさも一見の価値ありです。
 

 
重量が41gということで、筆記具の中では重量級に分類されます。
キャップを捻ってペン先を出す回転繰り出し式。
 
捻れたデザインですが回転繰り出し機構の回転角は180°のため、キャップに対して胴軸側のラインは繋がらず写真のようになります。
 
手にする前のイメージでは「絶対に持ちにくいペン上位のはず」でしたが、実際に握ってみるとちゃんと面に指が収まるようになっていて良好なフィット感。
カランダッシュのエクリドールやカヴェコのスペシャル然り、やはり指が面を捉えた状態で筆記すると指から余計な力が抜けて楽に筆記できるんですね。
 

 
ペン先もしっかりとリフィルが固定されブレ無し。
どっしりとした重量が筆記動作を助けてくれるため本当に楽です。
 
口金の先端は丸形となっていて、捻られた五角軸がペン先に向かうにつれ丸くなるフォルムが美しい。
 

 
ビスコンティの筆記具の特徴として、ポンテベッキオ橋をモチーフにしたクリップがあります。
クリップの性能としてはしっかりバネが仕込まれており、8mmほど開くことが可能。
 
デザインとして優れている他、机上で転がっていかない(落下防止)と、ボールペンに至っては回転繰り出し動作がし易いというメリットも。
 
太めの軸なので、軸を軽く握って親指を前に押すだけの軽いタッチでペン先を繰り出せます。
そして、イタリアメーカーのボールペンの良い点がスプリングと繰り出し機構の構造が似ているのか、ペン先を収納する動作も実に軽やか。
 
キャップを少し捻るだけでスッとペン先が収納される動作が気持ち良いです。
 

 
ボールペンも万年筆も、美しいシルエットと共にペン先の出し入れやキャップの取り外しのし易さに一役買っているクリップ。
ビスコンティのアイデンティティといえる部分ではないでしょうか。
 

 
天ビスのロゴは製造年代やサイズ的なバリエーションによって変わるようで、手元のディヴィーナの天ビスは「文字入りロゴ」、以前の記事のホモサピエンスは「Vロゴ」となっています。
 

 
胴軸の素材の一部にはシルバー925(スターリングシルバー)が使われていて、経年変化もまた魅力のひとつ。
今のところ使っていて、キャップ及び胴軸に施された螺旋のライン部分が硫化しています。
クリップ、天ビス、キャップリングに今のところクスミの変化は見られませんので、もしかするとパーツによってはロジウムコーティングが施されているのかも知れません。(口金は若干のクスミによる変化が見られます)
 

 


 
リフィル交換は、キャップをペン先収納側に回すことで外して行います。
対応リフィルはG2タイプ。
モンブランのようにキャップ側に雄ネジが出ている構造ではなく、ペリカン(600や800)やデルタのようにネジが露出していない構造の接続部。
 

 
胴軸側を見ると金属チューブの内側にネジ切りがあるのが分かります。
キャップ側は分厚い外装の内側にネジ切りのチューブが見えますが、こちらは樹脂製。
雄雌金属同士のネジ切りだと錆等で固着する可能性もあるため、これはこれで安全な設計と言えるのかも知れません。
 

 
後ほど筆記比較を行いますが、ビスコンティの純正油性リフィル「Smartouch(スマータッチ?)」は黒の発色が濃く、特に1.0mm幅のリフィルはヌラヌラとした筆記が楽しめます。
 
ビスコンティのリフィルは、昔ながらのザ・油性というような硬めの書き味ではなく、粘度低めでカランダッシュやジェットストリームに近いような感覚。
 
ディヴィーナのように太軸で重さのあるペンと、太くてぬらぬらのリフィルは相性が良く感じました。
サインなどを太字で書くのに適した組み合わせと言えます。
 

 


 
ということで、最後にこちらの3メーカーのボールペンのサイズ比較と筆記比較です。
左から、モンブラン マイスターシュテュック#164、ビスコンティ ディヴィーナ、カランダッシュ エクリドール。
 
ディヴィーナとモンブラン#164はほぼ同サイズと前述しましたが、並べると軸径の違いから存在感が違いますね。
同じ角形軸のエクリドールを並べると、エクリドールがかなりコンパクトなペンに見えます。
 
筆記時(ペン先を出した状態)のスペックはそれぞれ、
 
・モンブラン#164
全長:140mm
重量:23g
胴軸径:10mm
 
・ディヴィーナエレガンス
全長:141mm
重量:41g
胴軸径:12mm(グリップ部は10mm)
 
・エクリドール
全長:127mm
重量:26g
胴軸径:8mm
 

 
それぞれの純正リフィルで書き比べをしてみました。
 
通常の油性ボールペンのブラックがモンブランやカランダッシュと思って頂くと、ビスコンティのリフィルの黒の濃さがお分かり頂けるかと思います。(字幅はいずれも中字)
 
濃くてコントラストがハッキリしており文字が見やすい反面、紙によっては裏写りしてしまうというデメリットも。
ロディアの用紙ではギリギリ裏写りはしていませんが、より薄い用紙に書く場合は気をつける必要がありそうです。(コピー用紙もギリギリOK)
 

 


 
優雅なイタリア軸を存分に味わえるビスコンティの筆記具。軸の素材や一風変わったデザインが所有満足感を満たし、他の人と被らない道具としての個性を持っています。
握りやすい五角形の軸を持つディヴィーナもまた、ここぞという時のサインやもちろん普段使いの相棒としても魅力が詰まったボールペンです。
 

 
ビスコンティの筆記具で、ビジネスシーンに彩りと春の訪れを。
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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