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ジェットストリームをキメるならポスタルコ【チャンネルポイントペンの初期型と現行の比較】

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皆さんこんばんは。
 

今回は、筆記具が企画・製造・販売され我々の手元に届いた後も、メーカーは改良を続けているんだということが分かる内容の記事です。
 

私は週末コツコツとブログ内容をPLOTTERの用紙にまとめるという作業を行っていて、その際、ポスタルコのチャンネルポイントペン(ジェットストリーム芯)を使っています。
 

理由としては、0.38mmの字幅が使えるため。
ジェットストリームの軽快なインク粘度と極細の字幅が、精密さを必要とされるスケッチには必要です。
 

もともとチャンネルポイントペンはドット(&ストロベリーグリップ)に0.38mmを入れて使っていましたが、黒で塗りつぶす際にペン先が細いと難儀します。
そのため、0.5mmに換えて作業をする事もあったのですが、やっぱりもう1本あった方が便利だ、ということで追加に至ります。
 

 
同じドットでは面白くないのでグリッドの方を求めようと探していると、今は無きカラーのグリーンがあったため購入。
 

グリップ部に塗装があることの恩恵を受けつつスケッチを行っていたのですが、なんかペン先の戻り(クリップ戻し)が動作が良くないな…と思い、ドットと比較してみることに。

そこで気付いた、メーカーの弛まぬ改良努力の跡。
そうか、これは初期型と現行品の違いであって不良ではない、と気付いたのです。

ということで、その詳細をレポートしていきたいと思います。
 

今回見ていくペンは、
「ポスタルコ チャンネルポイントペン グリッド(初期型)」

それではいきましょう。
 

 

 

 

チャンネルポイントペンのデザイン(グリッドとドット)

まずはチャンネルポイントペンのバリエーションであるグリッドとドットのデザインを見ていきます。
 

このペンを使うにあたり デザイン以上に重要になってくるカラー選択ですが、グリッドとドットのそれぞれにおいて、グリップ部が塗装されているものとされていないものの二種類があります。
※2024年4月現在、公式ECサイトからドットのシルバーが消えていますので、販売終了かモデルチェンジの兆しがあると考えます。
 

 
▲左から、ドット、グリッド、そして同じポスタルコのレイヤード
 

スペーシーなデザインとストロベリーグリップに憧れて、ドットのシルバーを入手したのですがグリップ部が思っていたのと違っていたりと気になる点も幾つかありました。
それでも標準ジェットストリーム使用ペンとして使っていたらそれにも慣れましたが…。
 

使い出した頃はドットのシルバーを使う度に「グリップ部にもう少しグリップ感が欲しいな」と思っていて、一時期は自分でラッカースプレーか何かで塗装しようかとも考えていたほどでした。

安い買い物ではないため、これから買おうと考えている方はよくリサーチしてからモデルを選ばれるのが良いかと。
 

前にも記事で書いていますが、チャンネルポイントペンの特長をまとめると、
 

①デザインが最高である
これは言うまでもないかと思いますが、独特のノック機構の恩恵とも言うべき部分で、このペンのデザインから野暮ったさを一切感じません。「モダン」という表現がピッタリなデザイン。
一生モノの高級ボールペンを持ちたいけどクラシックなデザイン寄りの高級ボールペンが苦手、という方の最大の避難所となるペンではないかと。
 

②独特な使用感
クリップがノック機構を兼ねているという仕様。
これがデザインに生きている訳ですが、この操作感は使っていて素直に面白いです。
この部分にチャンネルポイントペンのアイデンティティを感じられる方は迷わず購入かと。
 

③重心は後ろ寄り
筆記時の重心バランスを重視される方は少し注意が必要かも。
ボディがアルミ合金製、クリップが真鍮製、中に入れるリフィルが樹脂チューブのため軽い、という状況もあり、重心が後ろに寄ってます。
万年筆経験者やペンを寝かせて書くクセがある方は良い方向に作用しますが、本来のボールペンの持ち方である「ペンを立てて書く」という方はそのクリップの重さが気になるかも知れません。
 

④容量たっぷりのジェットストリーム芯が使える
対応リフィルは三菱uniのジェットストリーム「SXR-**」シリーズ。容量たっぷりでコスパ高し。
ジェットストリームと言えば?極細!と返ってくるほど、日本においてサラサラ書き味のジェットストリームは極細の代名詞ではないでしょうか。
 

 

 
▲シルバーのドット(ストロベリーグリップ)とグリーンのグリッド(サイドライン)のグリップ部
 

現在のラインナップではグリップ部がブラックかシルバーの2択です。
(以前はホワイトとかもあったようですが…)
デザインは秀逸で、あとはデザインを選ぶかグリップ感を選ぶか…。
 

グリップ感は間違いなく塗装モデルの方だと感じます。
 

 
▲真鍮製のクリップ兼ノック操作部。左がグリッド、右がドット
 

ポスタルコのチャンネルポイントペンはポケットに挿す際、クリップがまるでタイピンのように見えます。
ペン先収納時のペンの全長が149mmあるため、スーツの胸ポケットからははみ出ますが、ペンがビチッと収まった時は非常にシンプルでスタイリッシュです。
 

 
▲各刻印の位置や造形にメーカーの拘りが見られる
 

メイドインジャパンを誇る背面の刻印。クリップに向かって右サイドには「POSTALCO」の刻印があります。
ボディ表面はアルミ合金削り出し(※サイトに素材の明記無し)となっているため、保管や使用時に小傷は着きやすいですが、それもこのペンの売り(経年変化)と言って良いでしょう。
 

 
▲職人の手作業による金属削り出し工程が感じられる個体差
 

良い意味での職人の手作業による個体差が見られるのもこのペンの良いところ。
(それ故、価格が張るのだと思います)
手元の2本では、ドットの方がエッジがまろやかで、グリッドの方はエッジが立っています。
 

職人の個性か製造時期によるデザイン仕様の違いか、いずれにしても大量生産品とは違った趣があります。
 

さて、改めてデザインを見てきましたが、やっぱり良いですね。
高級なボールペンですが、仰々しくないデザインによりビジネスにも気兼ねなく使えるのが最高です。
 

 

初期型と現行型から見える改良点(ケースサイズ)

それではここから、チャンネルポイントペンが日々改良されていると感じる点を見ていきましょう。
先に入手したドットは現行品、後で入手したグリッドが初期型となります。
 

そもそも、それに気付いたのがノック感の違いから。
先に書いておくと、初期型はノック感が重いです。そして、ペン先戻し=クリップ戻しの動作にひっかかりを感じます。
 

 
▲ドット(シルバー)が現行型、グリッド(グリーン)が初期型
 

ノック感が全てではないため優劣を付けることはありませんが、初期型と現行品でそれぞれの良さがあります。
その操作感の違いの原因となる点を考察も含めて見ていきます。
 

 
▲ケースとクリップのサイズに着目
 

2本をこのように並べてみると、ケースサイズが違うことに気付きます。
現行品(左)は初期型に比べて、若干ケースサイズが大型化されています。
また、クリップのサイズが違うことも気付いて頂けるかと。
 

最初は手作業での金属削り出しによる個体差かとも思いましたが、クリップのサイズや仕様が変わっていることから、改良と判断。
この改良に伴い、全長は同じに調整されているものの、現行品の重量は1g重くなっています。
 

 
▲上から見てみます
 

違う角度から見ると、現行品は初期型に比べて0.5mm~1mmほどサイズアップしていることが覗えます。
ノック感の違いがあることから考えて、ノック機構に使う内部スペースの確保が理由かと思われます。
 

並べてみないと分からないレベルの変更ですが、この改良調整に幾つもの試行錯誤と時間が必要だったのではと考えてしまいます。設計者に感服。
 

 
▲クリップのサイズとデザインの違い
 

クリップを横から見ると、サイズ自体の違いの他にクリップ先の生地をとめる部分のデザインも違うことに気付きます。
単にデザインの違いなのか、又は内部機構の改良と絡んだ変更なのかも知れません。
実はクリップがグリッドとドットの違いによるパーツの違いの可能性もありますが、その場合私の考察は完全に破綻します。笑
 

現行品と初期型でノック感に違いがあることから、ケースとクリップの若干の大型化は、操作感向上を意図したものと考えるのが自然です。
 

ノック機構に関わるパーツで他に変更点がないかは次の項で見ていきます。
 

 

初期型と現行型から見える改良点(ノック機構)

クリップとケースが大型化したことで、心地良いノック感を生み出すノック機構にどのような変化があったか。かといって、分解をすることはしません(チャンネルポイントペンの取説にも分解はしない旨の記載あり)が、外観から見える部分で考察していきたいと思います。
 

 
▲ノック機能が動くのに十分なスペースが確保されていそうな現行品(左)
 

クリップを背面側に指で押した際の弾力も心なしか現行品の方が柔らかく思えます。
ということは、ケースサイズ変更の背景にはクリップが動きやすくなる何かの変更点が加えられていそう。
 

 
▲クリップ付け根あたりの形状も変更されている
 

ボディのリフィルノック時と収納時の2つのポイントは同じに見えます。
ただ、クリップ付け根あたりの形状を見ると、現行品の方が大きく開いている気がします。
 

 
▲背面の隙間の中
 

背面の隙間から中を見てみると、現行品は黒い樹脂パーツが見えます。
初期型も同じようなパーツは確認できるものの かなり奥に配置されており、パーツの素材も不明瞭でした。
 

このパーツはノック時にクリップと一緒になって前後している模様。
ポイント切り替え穴をクリップが移動する際に、ボディ内スペースが広く確保された現行モデルはスムーズに動いているのに対し、クリップが省スペースで収められた初期型はひっかかりがあります。
 

やはり、パーツ形状の変更とボディ内移動スペースの確保がこの2本の違いだと考えられます。
 

 
▲初期型はエッジの効いた加工で、より精密感が高い(気がする)
 

グリップ部を外した接合部分の違い。
初期型のエッジが効いていたり、若干部分的に形状が違うのは手作業で削り出す事による個体差であると思われますが、初期型は現行品に比べジャリッとしたアルミ粉の感触もなく初期型ならではの造りの良さを感じます。
 

さて、初期型と現行品の部品の違いを見てきましたが、現行品からはノック感をより滑らかにするための改良点が見られました。
 

これは筆記具に限らず工芸品やスマートフォンのようなデジタル機器等のアップデートからも言えることですが、初期型は細かな部分からもパーツに精密感がみられ、コストカット前、採算ど返しの造りの良さが魅力。
一方、現行品のような後発の個体は、コストカットも行われつつ改良が加えられていくため、より快適な操作やその時に合わせた最適化が行われるのが魅力。
 

それを感じることができる比較でした。
皆さんは初期型と現行品なら、どちらを選ばれますか?
 

 

ジェットストリームをキメるならチャンネルポイントペン

最後の項は、チャンネルポイントペンとジェットストリームの相性について書いていきます。
 

前述したとおり、チャンネルポイントペンのリフィルはジェットストリーム「SXR-**」シリーズ。
私が使っていて感じるのは、インクの書きやすさとペン自体のデザインの良さ(これは筆記やスケッチのモチベ向上に欠かせません)、この2つのバランスが良いこと。
 

 
▲長めのボディは手からこぼれ落ちることなく、掌にしっくり収まる
 

何回も書いてますが、グリップ感を求めるなら断然塗装モデル。
そして未来的な格好良さを求める場合は、間違いなくシルバーモデルでしょう。
 

スケッチや細かな文字を書くにはもってこいのジェットストリーム。
精密な描写を可能にする軽やかなインク粘度。
 

それに加えてこのデザインですので、より使う者のパフォーマンスが出せるのは言うまでもありません。
 

 
▲どの字幅を使っても書きやすい
 

ジェットストリームの、SXR-38(0.38mm)、SXR-5(0.5mm)、SXR-10(1.0mm)を書き比べてみました。
正直、0.38mmと0.5mmはそこまで字幅や使用感に大差は無く、どちらでも極細筆記を楽しめます。
 

1.0mmはというとさらに黒が濃いイメージ。
ぬらっとサインを行うときなどに使えそうですが、個人的にはこの字幅の場合、もう少し太めでさらに重い軸が合うように感じます。
 

 
▲各字幅のペン先
 

リフィル自体の長さは三種類とも同じですが、1.0mmはペン先のデザインの違いから見た目も随分と異なります。
私は万年筆慣れしてしまっているためかボールペンを寝かして書くクセがあるため、ジェットストリームのような低粘度なインクであってもダマができています。
 

 
▲細かい描写は0.38mmにお任せ
 

筆記具のスケッチは、特に万年筆のペン先のような複雑且つ細く小さな情報を描き込むため、ペン先は細いに越したことはありません。
黒く振り潰す部分は0.5mmや1.0mmの出番。
使い分けるとなるともう1本必要になる、というわけ(言い訳笑)です。
 

 
手帳×文字書きが好きな方はもちろん、絵師のかたにもお勧めな「チャンネルポイントペン」。
チャンネル(水路)のように、脳内の情報を整理して書き出す(描き出す)ために使うスイッチとして、このお洒落なペンをペンケースに加えてみてはいかがでしょうか。
 

それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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