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精密なメタル軸に名作の内部機構!「IJ instruments」の高品質なメカニカルペンシル【Number9 Pencil THG レビュー】

2022年12月12日

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ビジネスパーソンのモチベを上げる筆記具をメインにレビューを行う当ブログサイトですが、今回のペンについてはビジネスパーソンのみならず、学生の方へのお勧めとしても当てはまるかも知れません。
 

メカニカルペンシルの利用は、大人になるにつれて無くなっていくと以前の記事でも書いたことがあります。
 

その理由として、会社に所属するいわゆるサラリーマンという括りのビジネスパーソンにおいて、会社や取引先に提出する報告書などの提出物は、改ざん防止の観点からも油性のボールペンを使うのが一般的となっているため。
 

また、研修やメモに使うボールペンではフリクションボールのような文字が消せる(実際は文字の色が消えている)種類もあるため、ますますメカニカルペンシルの肩身は狭くなっているように思います。
 

そういった背景があるにも関わらず、ビジネスシーンにおいてメカニカルペンシルは淘汰されることなく、それどころかまた最近 ビジネスで使うメカニカルペンシル(シャーペン)が注目され始めているのです。
 

それはなぜでしょう。
 

背景として、コロナ禍によりテレワークが増えたことや、業務のデジタル化に合わせて提出物もデジタル化の流れになっていることも一つの要因としてありそうです。
 

しかしそれ以上に、紙に黒鉛を乗せ、消しゴムで紙面を擦り文字を消す。この一連の流れが思考を巡らせ、ビジネスパーソンのアイディア創出に一役買っていると言えるのではないでしょうか。
 

軽快なペン先運びは学生にも人気で、特に製図に使われる先細のペンシルは相変わらず人気が高いです。
(先細で字幅の細い製図ペンは筆記面の視認性も高い)
 

 
前置きが長くなりましたが、そんな思考の回転を助けるメカニカルペンシルに、メタルな質感をプラスしたハイクオリティな一本が今回見ていくペン。
 

学生の時に大半の人がお世話になっている「ぺんてる」のシャーペンのノック機構を備えた、金属製の軸。
IJ instruments のメカニカルペンシル 「Number9 THG」をレポートしていきたいと思います。
 

 

 

 

【Number9 Pencil THG のデザイン】

冬に握る金属軸のヒンヤリとした硬い感触がたまりません。
Number9を製造するメーカーのIJ instruments(IJインスツルメンツ株式会社)は、2012年に設立されたイギリスの会社。
 

 
ひとことで言うと、IJ instruments Number9のデザインは、無機質な金属削り出しボディにヘアライン加工の六角軸。
そして備えるのは日本を代表する筆記具メーカー、ぺんてるのクリップと内部機構(ペンシルメカニズム)。
 

海外でもぺんてるのメカニカルペンシルは人気で、軽量かつ長持ちするP20○シリーズは多くの国で愛されています。
 

 
Number9のグリップにはいくつか種類があり、パターンを選ぶことができます。
手元にあるのはTHG。
 

T…テーパー(Taper)
H…ハイ(High)・太い
G…溝(Grooved)
 

テーパーとは円錐のように先細りになっている形状のこと。
 

モデルはT(テーパー)の他に、K=Knurl(ローレット)もあり、こちらはグリップ部が円柱でローレットが刻まれているモデル。
 

こちらにはKC(ローレットが一面に入ったモデル)と、KI(一定間隔でローレットが入ったモデル)があり、好みに応じて選べますが、グリップ部が丸く削られているため握った感じは細めです。
 

2文字目はH(High)かL(Low)があり、口金からの角度より太い(High)か同等(Low)かを選べます。
L=LOWを選んだ場合、グリップポイントの溝が胴軸寄りとなるため、自身がグリップするポイントがペン先から近いか遠いかで選ぶと良いでしょう。
 

3文字目は溝の有無を表し、他にも溝のないプレーン(THP)があります。
これは言わばカランダッシュのような感じでしょうか。
 

 
胴軸はヘアライン加工となりマットな印象。
鏡面仕上げと異なり指紋が目立たないのも良いですね。
 

選べる素材は写真のステンレスの他に、軽量なアルミニウム、経年変化が楽しめる真鍮、そして新たなラインナップとしてチタンが選べるようになっています。
(チタンは値段が高い)
 

各素材の場合の重量は以下となります。
 

アルミニウム:14g
真鍮:28g
ステンレス:25g
チタン:約18g
 

2021年の4月から胴軸に「IJ INSTRUMENTS」のロゴが入るようになっています。
こちらの個体は過去のモデルとなるためロゴは無し。
 

 
クリップはぺんてるでお馴染みのものが着けられています。
ぺんてるでお馴染みと書きましたが、まんまぺんてるのクリップ。
 

互換性のあるモデルはP20○シリーズやグラフペンシルPG5。
注文時はクリップの有無も選べますが、クリップがあることで机上からの落下防止にもなりますし、着けておいた方が良いでしょう。
(外そうと思えば自分で外せますし)
 

 
ノックボタンのキャップを外すと消しゴム。
次の項で詳しく比較しますが、このNumber9 Pencilの内部機構はぺんてるのP207と同じ。
消しゴムもしかり、同じものが使えるようになっています。
 

文房具の消耗部品において、気軽に換えが見つかるというのはとても良いこと。
まあ、毎回書いていますが、メカニカルペンシルに付属するこの小さな消しゴムは精神安定剤のようなもので、通常の消しゴムが手元に無くてどうしようもない時に出番となります。
 

 
さらに消しゴムを外すと、芯を補充するためのパイプにアクセスできます。
Number9は0.5mm芯対応。
 

対応する芯径は変更が可能となりますが、詳しくは次項で。
 

 

【ぺんてるP207、PG5との比較】

それでは、Number9の兄貴分(というより、ペンとしての歴史は祖父と呼べるかも…)である、P207とグラフペンシルPG5を比較していきたいと思います。
 

 
左から、日本でも使用者の多い「PG5」、Number9 THG、海外で人気のP207。
シンプルで機能的なデザインが目を引く3本のメカニカルペンシル達です。
 

Number9とPG5はクリップと口金に互換性が、そして、P207とはクリップ、口金、内部機構に互換性があります。※互換性というより、ぺんてるオリジナルのものを使う感じです。
 

 
全長の比較です。
 

Number9:144mm
P207:144mm
PG5:148mm
 

Number9とP207は内部機構が同じだけあって全長も同じ。
PG5は頭の部分が特徴的で、回転により変更可能な芯の硬度目盛りを備えています。
 

 
少しだけPG5を掘り下げましょう。
硬度目盛りは金属部分のネジを緩めて回転させることで行います。
 

当たり前ですが、ボールペンのリフィルと違い芯自体に硬度を表す刻印やプリントはありませんので、地味ですが役立つ機能と言えます。
 

 
胴軸には「Pentel JAPAN」のデボス刻印と「0.5mm PG5」の印刷。
写真にはありませんが、反対側には「GRAPH PENCIL」。
 

ブラックというよりチャコールグレーのような胴軸の色が渋い!
 

 
PG5はノック部に備え付けの消しゴムは無いですが、代わり(?)に芯詰まりを直すための針金が付属。
これも実際に芯が詰まったシーンに出くわしたことが無いですが、あると安心な機能ですね。
 

さて、比較に戻りましょう。
 

 
クリップは3本とも同じ。
P207とPG5はオリジナルだけあってクリップがしっかりと収まっていますが、Number9は六角軸に嵌めているため若干グラつきます。(個人的に気になるほどではありません)
 

 
口金についても3本とも同じ。
製図ペンを使う上で一番気をつけなくてはならないことは落下ではないでしょうか。
 

ガイドパイプが収納されているダブルノック式と違い、ガイドパイプがむき出しているこのような製図ペンはペン先からの落下であっさりと口金を傷めてしまいます。
 

万が一、Number9のペン先を傷めてしまったとしても換えの部品が見つかりやすい、ということになります。
また、IJ instrumentsでは真鍮製の口金とノックキャップを別途販売しており、そちらでカスタマイズしてみても面白そうです。
 

 
Munber9とP207を分解してみました。
パーツの構成はどちらも同じで、違うのは外側(胴軸)のみ。
 

内部機構が同じということで、0.3mmの芯を使うP203や0.9mm芯を使うP209とも互換性があります。
ということで、P20○シリーズがあれば、Number9の字幅も0.3mm・0.9mm化できるということになるのです。
 

これは個人的に嬉しいところ。
(0.9mm芯で使ってみたい)
 

 
続いてPG5も分解して並べてみます。
分解はPG5の方がパーツ点数が多く面白いですね。
 

内部のメカニズムは、P20○シリーズとPG5では別物であることが分かります。
しかし前述の通り、口金パーツは同じ。
(しかし口金を着けるためのネジ切りはPG5の方が長い)
 

Number9 Pencilはカスタマイズ(字幅変更)が簡単に行えるという点も、楽しめるポイントと言えそうです。
 

 

【優れたグリップ感とノックストローク】

この3本のペンシルを語るうえで外せないのが、優れたグリップ感とノックストロークではないでしょうか。
 

 
機能とデザインが両立されたグリップ部。
ABS樹脂特有のエッジの効いたぺんてるのグリップ部と、精密な金属削り出しのNumber9のグリップ部。
これがとても握りやすいのです。
 

細めの軸は指に力が入りやすいため、グリップが効くというのは必須の機能ではないかと考えます。
Number9は25gとP207に比べて大分重さがプラスされていますが、THGにおいては溝が深いため滑ることも皆無。
持っていないためなんとも言えませんが、THPやTLPといった溝が無いプレーンのモデルはグリップ時に滑らないかを確認する必要がありそうです。
 

 
THGはグリップ感が素晴らしい!
やはり個人的に六角軸は持ちやすいです。
 

胴軸のパーツが1つということもあり、筆記の重量バランスもクリップエンドの少し下というベストな位置。
ぺんてる製メカニカルペンシルの書き味が好きな方で、重量をプラスしたいという方にはピッタリのペンではないかと。
 

 
P207の軽快な書き味もまた良い。
ちなみにP20○シリーズは色でも芯幅が分かるようになっており、ターコイズは0.7mm、黄土色は0.9mm、ブラウンは0.3mm、ブラックは0.5mmとなります。
 

もう一つ、素晴らしい点はノックストローク。
胴軸から出るノックキャップは10mmで、ノックすると2mm沈みます。
 

このブレの無いたった2mmの絶妙なノックストロークと、併せて奏でる控えめなノック音がなんとも心地良い!
芯は口金から0.5mmずつ繰り出され、ノック回数によりベストな長さに調節可能。
 

PG5とNumber9(P207)のノック音を比べると、PG5の方がノック音が高く、P207の内部機構の方が音がまろやか(低め)です。
 

 
製図ペンの良いところはペン先(筆記面)が見やすいこと。
文字もそうですが、スケールを使って線を引くときも視認性抜群です。
 

クラシックなメカニカルペンシルもいいですが、こういったモダンなデザインのペンシルも道具然とした佇まいで仕事に合いますね。
 

 

【カランダッシュ エクリドールと比較】

最後に、同じ六角軸であるスイス製のカランダッシュ エクリドールと比較してみましょう。
 

 
クリップ、口金はぺんてる製でありながら、恐ろしいくらいマッチするNumber9 Pencilとエクリドール。
左から、エクリドール(ヒュッゲ)、Number9 THG、エクリドール(シェブロン)。
 

エクリドールのメカニカルペンシルは持っていないのですが、これ(Number9)を併用すれば必要ないかな、と思えるマッチング。
 

 
グリップ部に溝が削られているNumber9と、胴軸全体に刻印が施されているエクリドール。
改めてエクリドールはデザインが素晴らしいと感じます。
 

 
軸径については実はエクリドールとNumber9は同じ直径8mmとなっています。
だから私にとって持ちやすいのかも知れません。
 

そして重量もエクリドールが26g(SV925モデル以外)でNumber9が25gですので、これもほぼ同じ。
ということで、エクリドールがフィットする方にもNumber9はお勧めできますね。
 

 
さて、今回はIJ instrumentsのNumber9 Pencil THGを、ぺんてるのメカニカルペンシル2本、そしてカランダッシュのエクリドール(BP)と比較してきました。
 

内部機構が名作のP205と同じでいて、外装がステンレス削り出し。
ノックストロークを含め、グリップ感や紙面への視認性といった使用感も抜群。
 

実売価格は15,000円~20,000円弱とメカニカルペンシルとしては高めですが、日々の「書く」を楽しむ拘りの一本として持ってみてはいかがでしょう。
 

それでは今回はこの辺で。
最期までお読み頂きありがとうございました。

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