チャールストンとエキスパートエッセンシャル 【ウォーターマン ボールペン比較】
こんにちは。
今回は前々から気になってはいたものの、手に入れていなかったペンのレポートです。いろんなペンを入手して、書いてみて、その情報を残すのが当ブログのコンセプト。まだまだ取り上げていないメーカーのペンがたくさんあります。その中からウォーターマンを取りあげたいと思います。なぜウォーターマンかというと、ずっと気になっていたボールペンが手に入ったからに他なりません。
そして実際に書いてみて、素晴らしい書き心地に心が躍りました!
今回レポートするボールペンは、
・チャールストン/ブラックCT
・エキスパートエッセンシャル/ブラックCT
・エキスパートエッセンシャル/ブラックGT
の3本。
私が気になっていて最近手に入れたのがその中のチャールストンです。このペンがたまりません!堪らないポイントは追々レポートしていきます。
左から、チャールストン、エキスパートエッセンシャル(現行)、エキスパートエッセンシャル(旧モデル)
また、エキスパートエッセンシャルについては旧モデルと現行モデルの比較をしていきます。新旧の変更点は天冠のデザインだけではありません。そのあたりを詳しく見ていきます。
それでは、3本のボールペンを比較を交えながら見ていきましょう。
【チャールストン】
それではこの中では一番のお気に入りであるウォーターマン チャールストンを見ていきましょう。ペンのスペックは以下のとおり。
長さ:135mm
重さ:26g
軸径:12mm
筆記スタイル:回転繰り出し式
ウォーターマンのボールペンというと様々な種類がありますが、だいたいのボールペンが金属軸です。それはそれで重量感や高級感もあり良いのですが、真鍮にラッカー塗装という仕上げ上、どうしても筆記時に滑りやすい。以前にも当ブログで書いたとおり、私も当初は金属軸のボールペンが大好きでした。重み=高級感という頭があったからだと思います。そういう理由から、買うボールペンはCROSSが多かったですね。初めて持った万年筆もウォーターマンのカレン=金属軸でしたし。
しかし、様々なボールペンを使ってみて、書きやすいのは断然樹脂軸や木軸のボールペンということに気がつきました。※どちらが使いやすいかは人によって違います!そこでウォーターマンの樹脂軸で太軸を探し始めたのですが、最初はなかなか見つからない。
片っ端からスペックを調べて、ついに発見!という具合です。
でもチャールストンは結構有名なモデルらしいですね。
このボールペンの特筆すべきポイント(堪らないポイント)は、樽型の胴軸と樽型のキャップだと感じています。樹脂×樽型というベストマッチな組み合わせ。以前レポートしたパイロットのカスタム74が樹脂×樽型なのですが、この組み合わせは最強なのではないかと個人的に思うのです。
樽型に伴う握ったときのフィット感、樹脂軸特有のグリップ感が書きやすさに直結しています。人の指先の形にピッタリと寄り添い筆記をサポートしてくれているように感じるのです。
次に胴軸とキャップを詳しく見ていきましょう。
特徴的な胴軸のリングには「WATERMAN FRANCE」の文字。字体がまた珍しいです。リングの上下には凹が二本ずつ入っており、これまた珍しいデザインをしています。軸径は12mmなのですが、樽型形状のおかげで12mm以上の太軸を握っているような感覚に陥ります。12mmの軸径だけでいうとエキスパートエッセンシャルと同じなのですが、握った感じが全く違います。
キャップリングはシンプルなシングルリング。天冠にはウォーターマンのロゴが入り、ロゴから流れるようにそのままクリップへとつながっています。
キャップを上から見ると、どこかカランダッシュのような佇まい。
しかしキャップに気になる点が…。私が持っている個体だけなのかも知れませんが、キャップに分割線があり若干目立ちます(笑)プラモデルでは無いのですが分割線あり。
少し見にくいかも知れませんが矢印の部分がそれです。クリップの真下と、その反対側に確認できます。製造過程でできるものであれば、手作業でレジンを削り出して磨くといった製法ではないようですね。見慣れてくれば気にならなくなるのかも知れませんが。
ペンの繰り出し感覚は程よい重さ。繰り出すときの抵抗は、モンブランマイスターシュテュック(重ため)とアウロラ88(軽め)の中間くらい。重さの順でいくと、カスタム74>マイスターシュテュック>チャールストン>アウロラ88 でしょうか。
繰り出し後はカチッと小気味よくペン先がロックされます。
【チャールストンとエキスパートエッセンシャル比較】
チャールストン(上)とエキスパートエッセンシャル(下)の軸の形を比べてみます。
チャールストンは樽型軸に樽型キャップ。キャップにある程度の太さがあることで、握ったとき親指と一差し指の間に程よい太さのキャップが収まり、筆記の安定につながります。エキスパートエッセンシャルはオーソドックスな先細りタイプの軸ですが、軸の一番太い部分の軸径が13mmと少し太めにできていてどっしりした印象。
それぞれの胴軸の形を比較してみます。チャールストンの方がかなりデコられていますねー。軸のシルエットを見比べてみると全く違うことが分かります。
続いてキャップです。こちらもチャールストンがマッシブな樽型に対して、エキスパートエッセンシャルはスタイリッシュな先細りタイプです。チャールストンが胴軸が長くキャップが短い構成、エキスパートエッセンシャルが胴軸が短くキャップが長い構成だということも分かります。二本の素材は、チャールストンが胴軸・キャップ共に樹脂。エキスパートエッセンシャルが胴軸が真鍮・キャップが樹脂です。そのため、エキスパートエッセンシャルはチャールストンより10g重く、ややフロントヘビーでずっしりした感触。チャールストンはキャップと胴軸のリングのちょうど間に重心がありバランスのよい軽やかな筆記が楽しめます。
どちらもクリップやペン先、内部の芯繰り出し機構は金属製です。
ウォーターマンのボールペンは書き味も良好。字幅Fは一般的なパーカータイプのFのリフィルよりも細めで日本語向きといえます。
ちなみに、リフィルはウォーターマン専用で他のメーカーのボールペンとは互換性がありませんので注意です。
リフィルの交換は他の回転繰り出し式ボールペンと同様に、キャップを反時計回りに回して行います。チャールストンとエキスパートエッセンシャルどちらもですが、キャップの方のネジがプラスチック製です。個人的にこれはマイナス点ですね…。
ネジは他メーカーのように両方金属にして精密度を上げて欲しかった。気分的な問題かもしれませんがちょっとチープにも感じますし…。しかしそれを踏まえても、チャールストンの書き味と持ちやすさは、私が持っているボールペンの中でも上位に位置します。
エキスパートエッセンシャルとチャールストンでは、デザインの好みこそあるでしょうが断然チャールストンがお勧めです。
【エキスパートエッセンシャル新旧比較】
最後に、エキスパートエッセンシャルの新旧モデルの違いに軽く触れていきたいと思います。旧型が黒金の方で、現行品が黒銀の方です。
①天冠
旧型は金属のプレート埋め込み、現行品は樹脂製でウォーターマンのロゴ。世間的には旧型の金属プレート埋め込みの方が人気があるようです。私個人としては樹脂好きなので現行品の樹脂でロゴ入りの方が好みです。斜めカットの角度はどちらも同じ。
②キャップリング
旧型は上下リングの間にロゴプリント、現行品は太めのリングにロゴ刻印。旧型の方が高級感がありますが、プリントという仕様が時代を感じさせますね。
現行品は刻印のためメーカー名は目立たなくなり、トリムがクロームということもありスタイリッシュな印象を受けます。
③軸内部の素材
旧型はカーボンスチールのような金属、現行品は真鍮素材。触った感じも素材は違うように思いますが、ペン全体の重さは新旧変わらず。通常ペンの内部機構に使われるのは真鍮が一般的ですが、この旧型のカーボンのような素材は珍しいです。
さて、今回は初めてウォーターマンを取りあげてみました。チャールストンについては樹脂軸+樽型で非常に持ちやすい&書きやすいペンに仕上がっていると感じました。お気に入りの一軍ペンケース行き確定です。チャールストンはマイスターシュテュックやアウロラのボールペンが好きな方にはピタリとハマるのではないでしょうか。一方、エキスパートエッセンシャルは重量からくる筆記の安定感や高級感があります。ペンに任せて文字を走らせる方や筆圧が弱めの方にお勧めです。
それではまた。
ディスカッション
コメント一覧
チャールストンは名前の通り、20世紀初頭に流行したアールデコをモチーフにした独特のデザインが魅力ですね。私もエキスパートとチャールストンはどちらも大好きなボールペンです。エキスパートのオリジナルモデル(I型)は樹脂ボディーでとても軽く、色合いもレトロな雰囲気のものがあってとても魅力的なのですが、軸の壁が薄くてひびが入りやすいのが弱点です。それもあって以降のモデルは金属製になったのではないかと想像していますが、チャールストンはかなりしっかりした素材になっているようです。ネジの材質についてですが、樹脂製のオスネジのパーツ(繰り出し機構と一体)は強靭なエンプラ製ですし、引っ張れば抜けるので、万一破損したときにも簡単に交換できますから、むしろ安心な設計ではないかと思っています。
haywire1122さん
コメントありがとうございます。
(コメント返信が遅くなり申し訳ありません…)
エキスパート ボールペンの情報ありがとうございます。
エキスパートのオリジナルモデルなるものがあるとは…。興味深いです。
筆記具に金属由来の重みがあるものは好きなのですが、やはり樹脂軸の指に吸い付くようなグリップ感と、仰られている樹脂ならではの色合い(きっと私が好みな明る過ぎない色合いと想像します)がたまらず好きですので、耐久性はともかくエキスパートのオリジナルモデルというのも見てみたいものです。
天冠の金属プレート→樹脂ロゴに変わった時も個人的に相当嬉しかったですし。
繰り出し機構はプラ製の強みを生かした構造かつ、引っ張ると抜けるという構造なのですね。
シェーファーのタルガのようなイメージでしょうか。
まだウォーターマンの記事は少なめですので、皆様のコメントを参考にしつつ記事が増やせればと思います。
ありがとうございました。