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ペリカンのローラーボールでペリカンの水性インクを十二分に楽しむ!【ペリカン R200 マーブルグリーン  レビュー】

2024年9月23日

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最近ローラーボールにハマっている私ですが、前回の記事でも絶賛していたペリカンのローラーボール用インク(水性インク)は特に使用頻度が多く、メーカー軸の垣根を越えてお世話になりまくっているという現状。
 
しかし、ペリカンのローラーボール軸を持っていないという、ペリカンに対して非常に申し訳ない状態でしたので前々から欲しかったペリカンのローラーボール軸「R200 マーブルグリーン」を入手しました。
 

 
200シリーズは400シリーズの廉価版で、トリム部分や軸の仕上げに違いはあるものの、万年筆ではインク吸入機構を備えるなどペリカンのベースモデルとして十分に楽しめる仕様となっているのです。
 
また、200シリーズならではの胴軸のマーブルレジンも400シリーズのストライプとはまた違う趣があり、ユーズドの市場では手頃な価格も相まって人気となっています。
 
今回は「ペリカン R200 マーブルグリーン」をM400やM215とのデザイン比較していくとともに、ペリカン軸でのペリカン水性インクの使い勝手やその書き味について書いていきたいと思います。
 

 

 

 

ペリカンM400とM215とR200のサイズ・互換性について

手持ちのボールペンを除くペリカン400、および200(205)は全部で5本となりました。
グリーン系2本、ブルー系2本、イエローデモンストレーターが1本。
 

 
左から、M215、R200、M400(緑縞)、M400(青縞)。
※イエローデモンストレーターは趣が異なるため今回は省きます
 
このサイズ感は非常に取り回しやすく、何本あっても困ることはありませんね。
 
全長はいずれも携帯時が126mmで、重量は次の通りです。
 
M400(青縞/現行モデル):16g
M400(緑縞/旧モデル):14g
M215:21g
R200:21g
 
以前も記事にしたことがありますが、重量バランスはこの4本でいうと個人的にM215が一番ではないかと感じるのです。
21gという筆記具の黄金重量とも言える老若男女に扱いやすい程良い重み。
 

 
そしてR200の重量も、M215と同じ21g(おそらくR400も)。
キャップを尻軸にポストしても、キャップ無しでも非常に書きやすい重量と言えます。
 
20~30gという重量の軸は 筆記時の指の疲れにくさや所有満足感という点から高級筆記具メーカーのボールペンに多く、当ブログで過去に取り扱ったものでは、
 
パーカー75:20g
モンブランマイスターシュテュック#164:21g
ペリカン スーベレーン K600:24g
アウロラ オプティマ 998:25g
カランダッシュエクリドール:26g
ウォーターマン チャールストン:28g
 
等があり、いずれも非常に優れた筆記バランスと高級感を持つボールペンです。
※上記はすべて油性ボールペン
 

 
M400(405)、M215(200)とR400はサイズ感が同じでキャップにも互換性あり。
M400のキャップをR200に使うことも可能で、例えばクラシックな天冠を持つ旧モデルのM400キャップをR200に装着することも可能となっています。
 

 
▲現行のM400とR200のキャップを交換してみました
 
サイズが同じ、規格も同じとなると色々カスタマイズができて「書く」楽しみ以外にも、軸を使った自己表現ができて良いですね。
 

 

400と200のデザインの違い

この項ではペリカンの軸を持っていなくて、これから持ってみたいけど400と200は何が違うのか分からない…という方にデザイン的な違いをまとめていきたいと思います。
 
まずは型番ですが、基本的には○400シリーズと同じで頭のイニシャルについては、
 
M…万年筆
R…ローラーボール(水性)
K…油性ボールペン
D…メカニカルペンシル
 
で、200はゴールドトリム、205はシルバートリム、215はそれ以外となります。
200は400の装飾を省いた廉価版という位置づけですが、搭載ニブが異なる万年筆と違い ローラーボールについては廉価版というよりクラシックな出で立ちを継承したスーベレーンのマーブル軸モデルと言ってよいのではないかと思うのです。
 
それでは、以上を踏まえデザインの違いを見ていきましょう。
 

 
こちらR200は「ローラーボールのゴールドトリム」となりクリップ、キャップリング、尻軸のリングがゴールドとなっています。
 
スーベレーンとの違いは天冠のメタルリングがゴールド・シルバー以外にブラッククロームがあるということ。R200もクリップやトリムはゴールドですが、天冠のメタルリングはブラッククロームとなっています。
個人的には落ち着きがあってとても好きなのですが皆さんはどう思われますか?
 

 
キャップリングの比較です。
万年筆・ローラーボール共にスーベレーンはダブルリング、200クラシックはシングル。
R200(M200)のキャップリングの刻印は「PELIKAN GERMANY」。
 

 
尻軸(尻栓)についてもスーベレーンはダブル、200はシングルのリングがデザインされています。
高級感はやはりスーベレーンの方が上になりますが、シンプルな200も格好良いです。
 

 
R200のグリーンマーブル(左)と旧M400のグリーンストライプ(右)。
旧モデルのストライプは現行モデルに比べてストライプがマーブルっぽくなっているのが好きですね。
現行のストライプはどちらかというとメタリックな趣きが強いように感じます。
 

 
天冠のペリカンのヒナは2羽。メダルは金属ではなく黒い樹脂にゴールドのペリカンがプリントされています。ブラッククロームのメタルリングと黒い樹脂メダルの組み合わせは道具としての渋さを感じますね。
 
このようにR200(M200)とM400は部品に互換性のある部分が多く、ローラーボールであればキャップや尻軸の交換を、万年筆で言えばペン先を交換したりと自由度が高くなっています。
例えば、軸がマーブルの方がいいけどダブルリングのパーツが欲しいと言う場合や、スーベレーンのキャップの色だけペリスケのクリアにしたいなど、アレンジ遊びができるのも面白さの一つではないでしょうか。
 
※天冠のメタルリングについては万年筆とローラーボールのみ互換性ありで、油性ボールペンのメタルリングはリング径が違うため万年筆・ローラーボールのキャップ(天冠)には嵌まりません。
 
2021年12月8日からオーダー受付が始まった、セーラーの「セーラー ビスポーク(SAILOR Bespoke)」ではないですが、ペリカンも手持ちの本数があれば400・200シリーズであればある程度自由に組み合わせて好みのカラーの万年筆・ローラーボールを仕上げることができます。
(自由に、というところまでいこうと思うと果てしなくお金がかかりそうですが…笑)
 
ペリカンの場合、セーラー ビスポークのように細かな胴軸パーツやキャップの色分けができない代わりに、簡単にペン先の交換が可能ですのでそこも面白さの一つではないでしょうか。
 

 

R200のリフィル交換方法について

ペリカンのローラーボールリフィルは、ファーバーカステルやアウロラのローラーボールリフィルと互換性があることは自身で確認しています。
 
型番はペリカン ローラーボール用替芯「338」。
以前の記事から何度も書いて恐縮ですが、個人的にかなり使いやすい水性リフィルだと思っています。
 
アウロラの美麗なマーブル軸にペリカンの高性能な水性リフィルという組み合わせや、ファーバーカステルの木軸にペリカンの水性リフィルという組み合わせは至高です。
 

 
また、国産のリフィルですとオート(OHTO)のセラミックローラーリフィル「C-305」と互換性あり。
こちらは0.5mmのため、ローラーボール且つ細い文字を書きたいという方は要チェックです。
 
値段もペリカンのローラーボールリフィルが2本で2000円近くするところ、OHTO C-305は3本で1000円以下。
コスパの高さはさすが日本製といったところです。
 

 
ペリカンのローラーボールのリフィル交換方法は尻栓を捻って外し、中のリフィルを入れ替えるのみ。
 
手元のローラーボールでは、アウロラオプティマやモンブランのヘリテージ、ファーバーカステルのイントゥイションがこの方法でのリフィル交換となっています。
 

 
尻栓を回してリフィル交換するモデルは、キャップを外さずに交換できるのが便利。
この中ではモンブランのみリフィル先にネジ切りがあるためリフィルを回して脱着します。
 
ペリカンのローラーボールにおいて秀逸に感じたことが、尻栓の捻り具合いが万年筆(M400)のピストン吸入操作のそれと同じ感触であること。
細かいところですがこの操作感は感動しました。
 

 
ヌラヌラと回っていく尻栓はまるで万年筆のピストンを下げるかのような気持ちの良い動作です。
これは他のメーカーでは味わえない感覚ではないでしょうか。
 

 

ペリカンR200の書き心地とオート(OHTO)のC-305との比較

私が所有するローラーボールは結構重めなものが多い中、ペリカンR200はキャップ無しで17g、キャップをポストして21gという重量。
 
一般的に軽いというほど軽くはなく程良い重み。
ちなみに今 手元にある各社ローラーボール軸の筆記時の重さは以下の通りです。
 

 
▲左から
アウロラオプティマ(キャップ無し):24g
ペリカンR200(キャップ無し):17g
クロス タウンゼントSV925(キャップ無し):25g
ファーバーカステルクラシックSV925(キャップ無し):35g
モンブランヘリテイジ(キャップ無し):29g
 
このように、各社のローラーボール軸に比べると逆にペリカンの軽さが際立ちます。
 

 
ペリカンのR200(R400)は首軸の形状が書きやすさのポイント。
ペン先に向かって真っ直ぐ細くなるのではなく、ファーバーカステルやクロスのように“くびれ”のあるデザインをしているため指先の膨らみがフィットするんです。
 
しかも、グリップポイントが樹脂で滑らないため良好な書き心地。
ペリカンの水性インクをペリカンの軸で!
 

 
万年筆であるM400(またはM200)は軸の軽さが気になりましたが、ローラーボールは程良い重みがありなかなかに快適な書き心地。
軸の自重に任せて文字を書くという意味でも ローラーボール軸は少し重みがあるほうが書きやすいと考えます。
 
なによりもコンパクトなサイズですので、スーツのポケットやペンケースで嵩張らないのがいいですね。
 

 
リーズナブルなOHTOのC-305(0.5mm)とペリカン338(F)の筆記比較。
ペリカンに「ペリカン338」、オプティマに「OHTO C-305」を入れています。
 
ペリカンのリフィルに「F」以外の具体的な字幅表記(0.7とか0.5とか)がありませんが、OHTOの0.5mmと並べても遜色ない細さ。
 

 
ペン先を立てて書いた場合にペリカンの方が若干細く書けるのは水性インクの水分量か、はたまたインクフローの違いなのか。OHTOは若干滲みがあるように思います。
(リフィルはトモエリバー)
 

 
▲トモエリバーのM6手帳用紙。薄型の用紙だからなのか若干滲んでいるように感じますね。
ペン先を立てて書いた場合はペリカンの方が細く書けるようです。
 

 
▲プロッター(PLOTTER)のリフィル。
紙質の影響か、こちらはペリカン、OHTO共に結構滲んでいます。
立てて書いた場合も同様に滲みあり。
プロッターのリフィルは水性インクとあまり相性が良く無さそう…。
 

 
▲ロディア(RHODIA)のメモ帳。
一番滲みが少ないロディア。裏抜けもこの3枚の中では一番最小となっています。
やはりローラーボールで書く場合は、それなりに厚みのある用紙が良いようです。
 

 

さて、今回はペリカンのローラーボール「R200 クラシック マーブルグリーン」の軸比較を行いつつ、ペリカン軸で使うペリカン純正リフィル「338」の書き味を検証しました。
 

 
やはりペリカンの200や400のモデルは携帯性に優れ、さらにR200は21gの重量が非常に心地よい筆記感をもたらしてくれていました。
 
お手軽に良質な水性インクを楽しみたい場合はペリカンのローラーボールをお試しになられては如何でしょう?
 
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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