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低重心が書きやすい!セーラー プロフィット21 ボールペン レビュー 【モンブラン161・カスタム74比較】

2024年10月2日

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皆さんこんにちは。
 
このブログを読んでくださっている方の中には、4月から社会人となって働き始めたばかりという方もいらっしゃることでしょう。
働きだすということは、日常的に使う筆記具が学生の時にお世話になったシャープペンシルからボールペン(または場合によって万年筆)へと移行することでもあります。
 
現在まで当ブログではビジネスに使えるボールペンとして様々なボールペンをレポートしてきました。ボールペンというと主ら海外メーカーのものをレポートすることが多いのですが、筆記具はやっぱり国産でしょ!という国産メーカーファンに向けて、今回はここぞという時に使える国産メーカーのボールペンに焦点を当てていきます。
 

 
国産メーカーの有名どころでいうとパイロットのカスタム、セーラーのプロフィット、プラチナの#3776センチュリーが挙げられ、万年筆でもこの3大メーカーのフラッグシップモデルを使っている方は少なくありませんが、万年筆と同様にボールペンにも同じ名前のモデルが存在します。
 
その中から今回取り上げるのは「セーラー プロフィット21 ボールペン」。
セーラー万年筆のボールペンのランクでいうと上位モデルにあたるプロフィット21を同じくパイロットのカスタム74、海外メーカーからはモンブランのマイスターシュテュック161と比較しながら見ていきたいと思います。
 

 

 

 

プロフィット21 ボールペンの外観や仕様

セーラーのプロフィットボールペンにはプロフィットスタンダードライン(16-0503)とプロフィット21ライン(16-1010)の2モデルが存在します。芯出しは共に回転式。
 
この「共に回転式」というところがミソで、例えば同じ2モデル用意されているパイロットのカスタム74ボールペンでは、エントリーモデル(BKK500R)がキャップスライド式、上位モデル(BKK1000R)が回転式となっていて、プラチナの#3776センチュリーに至ってはボールペンではキャップスライド式の1モデルのみとなっています。(キャップスライド式:キャップごと押し込んで芯を出し入れする方式)
 
ボールペンの芯出しという動作でいうところ、エレガントなのは回転式で間違いないと思うのですが、セーラーのプロフィットボールペンでは上位モデルとエントリーモデル両方で回転式が採用されている点が評価できます。
 

 
今回手にしたのはプロフィット21 ボールペンのホワイト。
このクラスのボールペンには珍しいホワイトがラインナップされているため迷わずホワイトを選択。女性でも使いやすい(というか女性向けのカラーラインナップなのかも)カラーではないでしょうか。
 

 
軸は樹脂製で太軸のため握り心地は抜群。拡大してみるとソリッドなホワイトではなくパールがかっていることがお分かり頂けるかと。
ゴールドのトリムとも相性が良く、これが美しい。まさにセーラーの白い悪魔。
 
上位モデルの国産ボールペンでホワイトの軸はなかなか無いので貴重なラインナップと言えます。プロフィット21のカラーラインナップはホワイトの他にブラックとマルンが用意されていて、同じモデルの別ラインで黒軸×シルバートリムの「プロフィット21銀」もあります。
これも格好いい!
 

 
キャップリングにはプロフィットお馴染みの刻印「SAILOR JAPAN FOUNDED 1911」が。このクラシカルなフォントの格好良さ。プロフィットはキャップリングが1つ、プロフィット21はキャップリングが2つとなっています。
 
スペックは、長さ145mm、軸径16mm、重さが35g。軸は結構太めです。
重さも30gを超えてくるとズッシリ感がでてくるのですが、後述する低重心の筆記感のため疲れることなくスラスラとペンを走らせることができます。
筆圧をかけて書くボールペンだからこそ重量感は重要で、軸の重さにより筆圧を和らげ筆記を助けてくれる役割もあるのです。
 

 

カスタム74・モンブラン161とデザインを比較

続いて同じ国産メーカーの同クラスモデルであるカスタム74と海外メーカーの同クラスモデルであるマイスターシュテュック161とで比較します。
 

 
サイズの比較から。左からモンブラン161、セーラープロフィット21、パイロットカスタム74
3本を並べると意外と身長に違いがあります。
 
モンブラン161が一番長くずんぐり、プロフィット21は短めでずんぐり、カスタム74は中背で若干スリムとなっています。いずれもグリップ付近の胴軸径は同じなのですが、胴軸の形(樽型)からか握った感じもパイロットが細く感じます。
 

 
ペン先にかけてのデザインの違い。プロフィット21はペン先の金属が短めです。
形についてもモンブラン161はペン先にかけてストレートなのに対して、プロフィット21とカスタム74は少し丸みを帯びています。
 

 
キャップ・クリップの形状を比較。いずれもキャップリングが二重ないし三重のため高級感がありますね。クリップ形状も並べてみると三者三様で面白いです。
国産メーカー2社はクリップリングの下からクリップが生えているところもデザイン的な違いとして気付くことができます。
 
握り心地はプロフィット21とモンブラン21が兄弟かと思うほど似ていて、太軸からくる適度な圧迫感を味わえます。
 

 

プロフィット21の「低重心」の秘密


 
重心を比較すると3本ともクリップ下の部分、すなわちほぼペンの中心が重心バランスとなっています。しかしながら握ってみると違いが感じられる。
プロフィット21の商品説明にもある「低重心設計」により他の2本と比べて確かにペン先にかけてどっしりとした安定感があるのです。
それはなぜなのか。続いて検証していきます。
 

 
プロフィット21の低重心設計を検証するべくキャップを外した部分を比較してみましょう。
いずれも金属製のツイストメカニズムが採用されており、回転させた時の動作もねっとりしています。ウォーターマンもこの辺り(素材や動作)を真似てくれたらなーと思うのですが
 

 
胴軸側はどうでしょう。
左からカスタム74、プロフィット21、モンブラン161です。3本を並べてみて、プロフィット21のみキャップ側のネジ受けの素材が金属ではなく樹脂となっていることに気付きます。
これではペン先側が逆に軽くなるのでは?と思い胴軸側の中を覗いてみると…
 

 
奥まったところからペン先にかけて金属が仕込まれています!
なるほど、口金部分にあるバネのユニットの金属部分を多めに積むことで書きやすい「低重心」を実現しているのです。
こうすることで重心バランスはペンの中心に置きながら、低重心で筆記を安定させることができる。これはセーラーが一本取っていると言わざるを得ませんね!
 

 

セーラー・パイロット・モンブランのボールペンの書き味を比較

それでは低重心設計の書き味を踏まえて3本の書き味を比較します。最初から装填されているリフィルでの比較なのですが、セーラーとパイロットはM、モンブランはBとなっています。
 

 
まずはリフィルの比較から。
上からモンブランのB(1.2mm程度)、セーラーのM(1.0mm)、パイロットのM(1.0mm)アクロインキ。インクタンクの容量はモンブランが一番多いように思います(値段もその分高いですが)。
リフィル字幅のラインナップは、
 
モンブラン:F/M/B
セーラー:F/M
パイロット(アクロインキ):EF/F/M
パイロット(油性):B/BB

 
となっています。
パイロットはF~Mの字幅で油性でありながら書き味サラサラのアクロインキを採用。太字については油性インクです。
 

 
書き比べてみるとプロフィット21は低重心とMでも若干細めに見える字幅(インクの色が薄め?)から、まさに鉄板な書き味といいましょうか、油性ボールペンを普段から使っている身からすると安心感のある書き心地です。
 

カスタム74はアクロインキによりサラサラとした書き心地で黒色の濃さもありハッキリとした字が書けます。私がゆっくり書くと低粘度なインクのため線が暴れがちになってしまいますが、メモ等で素早くペンを走らせる時はこれ以上心強い書き味はありません。
三菱のジェットストリームとかに慣れている方にも書きやすい油性インクではないでしょうか。
モンブランですが、ねっとりどっしりといった書き心地。かなり濃度の高いインクということもあり書き始めにかすれることがありますが、このヌラヌラとペン先から生み出される太い字は、モンブランを使っているという気にさせてくれます。
 

 

さて、今回は国産の油性ボールペンに焦点を当ててセーラーのプロフィット21ボールペンをレビューしました。高級ラインのボールペンというとモンブランやペリカン等の海外メーカーがフィーチャーされがちですが、国産メーカーの高級ラインボールペンもかなり練られた造りだなと、今回感心しました。
 
セーラープロフィット21は太軸で低重心という書きやすさに繋がるスペックを備えておきながら、デザインにいおいても高級感溢れる一本となっていて、ここぞという時に出せるボールペンとなっています。
万年筆のプロフィットやカスタムをお使いの方は多いと思いますが、それに合わせて同じラインのボールペンを揃えてみるのも粋ではないでしょうか。
 
以上、セーラープロフィット21ボールペンのレビューでした。
今回もお読み頂きありがとうございました。

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