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2019.02.22 Friday

一本は持っておきたいスターリングシルバー軸!【シェーファー/インペリアル】

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    皆さんはスターリングシルバーの万年筆は何をお使いでしょうか。スターリングシルバー軸の万年筆を買うとき現行品かヴィンテージかという選択肢があります。ヴィンテージの場合オークションやフリマでも比較的よく見かけて手に入れやすいのがパーカーやシェーファーやパイロットのものではないでしょうか。その三社であればパーカー75、インペリアル、カスタムがそれぞれ代表的な万年筆かと思うのですが、今回はシェーファーのインペリアルについて書いていきたいと思います。

     

     

    前回7080年代のモンブランについて書きましたが、シェーファーも同じく70年代の筆記具は作りが良いと言われています。シェーファーのスターリングシルバー軸だとタルガやインペリアルが有名なのですが、私にはタルガの形がしっくりこないのでインペリアルをチョイスしています。インペリアルは私が万年筆にハマりだした頃に購入したもので、今でもしばしばペンケースに入り活躍している一本。ウォーターマン/カレンの書き味に惚れて金属軸でさらに愛着の湧く軸のものを探していた時、軸がスターリングシルバーで且つペン先もカレンのように首軸一体型、太さも適度なインペリアルが目に留まりました。ヴィンテージのスターリングシルバー万年筆ではパーカー75が知名度・柔らかな書き味共に人気がありますが、インペリアルも負けてはおらず、独特な筆記感とパーカー75に比べてちょい太の軸は何とも言えない満足感があります。

    今回はそんな魅力満載のスターリングシルバー軸であるシェーファー/インペリアルを、パーカー75や他のシェーファー万年筆と比較しながらレビューしていきます。

     

     

     

     

     

     

    【インペリアルの魅力とは】

    インペリアルの魅力はどこから来るのか。考えると色々出てきますが、まずはボリューミーなスターリングシルバーの軸ではないでしょうか。スターリングシルバーの万年筆といえばパーカー75のシズレパターンのような格子柄が思い浮かびますが、それに勝るとも劣らぬ斜めに入った格子柄がシェーファーの万年筆であることを強烈に印象づけています。

    まだインペリアルを手に入れていない段階ではこの斜めの格子柄にシズレパターンほどの魅力を感じることができなかったのですが、実際に手に入れてから磨き、表面を撫でてみるとそれはそれは素晴らしい触り心地なのです。斜めの溝により指滑りが良いようでいてつるつるしすぎず、スターリングシルバーの温かみのある色合いと斜めの格子柄がうまい具合に合わさり透明感のある輝きを演出しています。両側に行くほど細かくなっていく格子柄はペンの中心部を際立たせ、コンパクトな万年筆なのに大きく見えるような視覚効果も持っていいるように思います。

     

     

    大きく見える要因といえば、このショートクリップの存在も忘れてはなりません。通常の万年筆のおよそ2分の1程度の長さのクリップには高品質の証であるホワイトドットが輝いています。一見短くて機能しなさそうなショートクリップにはバネが仕込まれていて挟み込む力も良好。こういう細かな作りにおいて抜かりの無い部分もインペリアル(というかシェーファー)の魅力ですね。

     

    インペリアルとは「皇帝の、最上級の」などの意味でキャップにはクラウンの刻印。

     

    続いての魅力は、金属製万年筆の所有満足感を語るうえで欠かせない「重量」です。個人的にですが万年筆の重量は30gがベストだと思っています。所有している万年筆ではモンブランのマイスターシュテュック14970年代)や同じく14690年代)が30gなのですが、この30gの重さというのが重すぎず軽すぎずで非常に手中への収まりが良くて使いやすい!

    実はインペリアルも30gの重量で、部位で分けると胴軸が20g、キャップが10gとなっています。私は尻軸にキャップを差さずに書くタイプですので胴軸のみで20gはベストと言えます。

     

     

    もうひとつインペリアルを使ってみて魅力に感じた点が、嵌合式キャップの開閉時の音の静かさです。静かというよりは無音・無振動でキャップを開け閉めできます。今までで嵌合式の金属製万年筆はパーカー75とウォーターマンのカレンを経験していますが、どちらもキャップの開閉時には何かしらの音と振動がします。これは嵌合式万年筆の欠点と言っていいと思うのですが、ノック式ボールペンのノック音のように構造上音が鳴るのは当然といえば当然。しかしながらインペリアルは全くの無音。かといって手応えが無いわけではなく、ピタリと吸い付くように嵌合するのです。これは首軸側の3つの爪が出っ張り過ぎていないためではないかと考えていて、あくまでカッチリとホールドするためではなく、なめらかに嵌合するために必要な、すなわち胴軸の太さを調節するために3つの爪が存在しているのです。

     

     

     

    【インペリアルのペン先や筆記感】

    今や「シェーファーの万年筆といえばインレイドニブ」というくらい有名なペン先はインペリアルから始まりました。首軸と一体型となったニブはペン先が若干反り返っているため、ペン先を紙に置いたときに独特なタッチをもたらすのです。

     

     

    拡大してみると反っていると言うよりは切り割りの辺りが凹んでいるようにも見えます。このペン先の反り加減というのは輸出国によって変えられているらしく、手元にあるものは反り加減が控えめです。どの国向けに製造されたものがどの程度の反り具合となるのかは定かではありませんが、反ってある方がよりシェーファーらしいなーと思うのです。ペン先の刻印は「SHEAFFER®」「14K」「585」。14金のペン先ですがやや硬めの筆記感。ペン芯はプラスチック製で控えめな大きさ。ペン芯の形自体は同じなのですが製造年代によって溝の形は違っている様子。

     

     

    筆記感は、よくガチニブと言われますが、この前記事にしたウォーターマンのカレンに比べると柔らかめ。カレンは18金ペン先でインペリアルは14金ペン先ですが、18金だから柔らかい14金だから硬いということはなく、ようはペン先の形状で書き味が変わってきます。首軸一体型のペン先は独立型に比べて書き味が硬い傾向にあるのは間違いなさそうですね。

     

     

    インペリアルは一般的にカートリッジ/コンバーター式で、現行のシェーファーコンバーター(#86700)が適合します。オークションやフリマにて、たまにタッチダウン式のインペリアルも出回ることがあるのですが、これは見つけたら即買いでしょう。

    シェーファーには様々な形のコンバーターがありますが、よく見るのがこのゴムサックを利用した中押し式のコンバーターです。側面に付いている金属部分を数回押してインクを吸入する仕組みですが、インクがどれほど吸入されているかは目視確認ができません。なのでインク切れに対する精神安定剤の意味でも現行のコンバーターが良いかもしれませんね(現行のコンバーターも窓がスモークブラックのため視認性はいまいちですが…)。

     

     

    【パーカー75と比較】

    同じスターリングシルバー軸万年筆であるパーカー75と大きさの比較を行います。

     

     

    インペリアル:全長131mm、軸径12.5mm、重量30

    パーカー75:全長129mm、軸径12mm、重量25

     

     

    キャップをしめた状態だとインペリアルの方が大きいですが、キャップを外した胴軸のみだとパーカー75の方が長くなります。軸径もその差わずか0.5mmですが持った感じは大きく違いインペリアルの方がボリューミー。握り具合ですが、インペリアルもパーカー75も樹脂部分を握って筆記するためグリップ感は問題ありません。キャップを納めた状態で金属部分を持ったときの滑りにくさはパーカー75のシズレパターンが勝ります。

     

     

    ついでにスターリングシルバー軸の硫化の進み具合を見てみます。左から、インペリアル、パーカー75(万年筆)、パーカー75(ボールペン)。右に行くほど磨いてから時間が経っています。インペリアルが磨き立てで、パーカー75(万年筆)が磨いてから約8ヶ月経過、パーカー75(ボールペン)が磨いてから約1年間経過しています。個人的には磨いてからしばらく経ったいぶし銀のような変化が一番好きですね。

     

     

    続いて、同じシェーファー万年筆同士でニブを比較。左からトライアンフ、インペリアル、ノンナンセンスです。シェーファーの長い歴史の中で様々な形のニブが製造されてきました。ノンナンセンスは一般的にイメージする万年筆然とした佇まいですが、インペリアルやトライアンフは胴軸から首軸にかけての流線型がとても美しいです。

     

     

    この3本の中ではトライアンフのペン先が一番反っています。

     

     

     

    【インペリアルまとめ】

    伝統的なアメリカ製の万年筆、シェーファーのインペリアルを見てきました。70年代の万年筆ですが、斜め格子柄のデザインは今でもパーカーのシズレに並んで高い人気を誇っています。

    インペリアルの一番のおすすめのポイントとして、特徴的な斜め格子柄スターリングシルバー軸の適度な重みと、温かみのある触り心地が所有満足感を高めてくれること。また、軸の太さが12.5mmと日本人の手に一番しっくりくるサイズであること。ついつい手を伸ばして指で撫でてしまいます(変態か)。

     

     

    重さもキャップ無しで20g、全体で30gという金属軸にありがちな重くなりすぎることもないベストな重量で書けるように調節できます。シェーファーの顔であるインレイドニブはペン先の適度な反りにより、あらゆる筆記角度に適用できるように感じました。硬めのペン先なのに柔らかな独特のタッチは一度使うとやみつきになることでしょう。

    中古市場の値段も一万円前後のため比較的手も出しやすく状態が良いものが多いです。注意点はシェーファーのインレイドニブ沼にハマると、次はスノーケル式のPFMやトライアンフニブの万年筆などに興味が出だしてどっぷりハマってしまう可能性があることですね。

    それでは長くなりましたが今回はこの辺で。

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