懐かしいデザインの真鍮製定規 【コハナ/真ちゅうの竹尺】
今回は万年筆の記事を一旦ひと休みして文房具カテゴリーのレポートです。
鉛筆は木材でできています。そして樹脂軸の芯ホルダーが生まれ、金属素材のシャープペンシルが生まれました。文字を書くという行為自体は昔から変わっていないのですが、より便利に、より快適に進化していくうちに筆記具の形も変わっていました。他の文房具も同様ではないでしょうか。
今回レポートするのは、職人の手仕事×現代の精巧な加工技術を昔から使われるデザインにフィードバックさせた、ちょっと珍しい文房具です。
竹でできているはずの竹尺が金属でできています。しかしどう見ても竹尺です。黄金色に輝く真鍮製の竹尺。誰もがこのデザインに懐かしさを感じるのではないでしょうか。
メイドインジャパンにこだわったブランド「Chohana/コハナ」から「真ちゅうの竹尺」が発売されましたのでレポートします。
【「真ちゅうの竹尺」パッケージ】
トラベラーズノートのようなゴム紐に巻かれ、グレーのしっかりとした厚紙に包まれています。
ゴム紐のチャームには丸いコハナのロゴ。とてもお洒落なパッケージです。
開くと、ブランドコンセプトと取扱説明書。そして金色に輝く竹尺が鎮座しています。
コハナは、地域産業や工芸にこだわった上質なハンドメイドの道具を作っています。個人的にこういったブランドコンセプトの製品が大好きなので今回も迷わず買いです。
【懐かしの外観】
まさに竹尺。このデザインだけで懐かしくなりますね。小学生の時、夏休みの自由研修で模造紙に竹尺でグラフを描いていた覚えがあります。そのとき使っていたのは30cmでしたが、それがそっくり15cmに縮小されています。
※ラインナップに30cmもあります。
重さは真鍮製とあって25g。重さはラインを引くときの安定感にもつながります。
左端には「MADE IN JAPAN」の刻印が誇らしげです。この真ちゅうの竹尺の目盛りや刻印や星はすべてレーザー刻印。一般的な金属製のスケールによくあることですが、ペンケースなどの中で他のものと擦れるうちに目盛りが消えてしまうことです。これは目盛りが印刷されているために起こることですが、この真ちゅうの竹尺はペンケースの中で他の文房具と擦れても目盛りが消えることなく安心です。
【見やすい目盛り部分】
続いて目盛り部分をみていきましょう。特徴的なのは「星」の部分です。
5cmのところにある5個の星には朱の塗りが施されています。2.5cmごとに2つないし1つの星が刻印されています。5mm、1cmごとにはそれぞれ長い線目盛り。
小学生の頃はこの竹尺の1cmの目盛りを肌で覚えたものです。長さが脳裏に焼き付きやすいデザインと言いましょうか、数字のない目盛りがそうさせているのかも知れません。
どちらかというと、ぱっと見て長さを測ることより、正確な長さのラインを素早く引くことに重きを置いたデザイン。竹尺の良さはどちら側からでも使える使いやすさと、非常にシンプルでわかりやすい目盛りにあるといえましょう。
10cmのところには「ICHIREI」の刻印。「ICHIREI」は、「モノ作りに関わるすべての人が必要とするプラスワンを」をコンセプトに、マルイテクノが展開する測定器ブランドです。職人の手が加わることでスケールとしても正確なモノに仕上がっています。
右端にはコハナのブランドロゴです。
裏向けたところ。適度な反りがつけてあります。そのため表面から見ると目盛りの面が軽く盛り上がっています。ただの平べったい定規ではなく、細部まで竹尺のデザインを踏襲した作りにこだわりを感じますね。個人的な見解ですが、これにより光の反射により目盛りが見にくくなるということを防いでいるように思います。
使用感は、真鍮ならではのヒンヤリとした手触りとデザインの暖かみが同居して、何だか不思議な感じです。使用を重ねるごとに真鍮の色が変化していく様が楽しみになる一品です。
【ミドリのアルミ定規と比較】
もう一本のお気に入り定規であるミドリのアルミ定規との比較です。同じ15cmの定規ですが、真ちゅうの竹尺は15cm丁度、アルミ定規は5mm長く設計さています。プラ製の定規もそうですが、数字表記にするとどうしても数字のスペース分だけ定規自体を少し長くする必要がでてきますね。
こちらのアルミ定規もレーザー刻印。摩擦による目盛り消えの心配がありません。「MIDORI MADE IN JAPAN」の刻印。
ミドリのアルミ定規の特徴として機能性のあるデザインが挙げられます。このギザギザと左右での厚みの違い、いったい何だと思われますか?
実はこのギザと厚みはラインを引いた後に定規を持ち上げやすくするため。このように指でギザを押すことで目盛り側が持ち上がり、容易につまみ上げられるようになります。
これは目から鱗!
人差し指でギザを押して親指でつまむ、中指でギザ押して人差し指でつまむ等、つまみ方は様々でスタイリッシュです。
素材がアルミのため重さは15gと軽量。アルミ定規は軽さと機能性、真ちゅうの竹尺は使いやすさと経年変化。それぞれ違った良さがありますね。
【「真ちゅうの竹尺」まとめ】
真ちゅうの竹尺の細部を見てきました。デザインこそ懐かしいですが、質感は現代的な無機質素材の真鍮。不変の見やすさと使いやすさです。逆に今までこのタイプの定規を使ったことのない方には、新鮮なデザインに思えることでしょう。数字表記のない定規を使うことで目測で長さを感じる感覚が養われるように思います。
アルミ定規との比較では、それぞれの役割の違いを感じることができました。どちらもコンパクトでレーザー刻印のためずっと使い続けることができそうです。仕事柄、定規を頻繁に使うことがないという方でも一本はペンケースに収めておくと いざというときに役に立つことは間違いありませんし、取り出した際、周りの雰囲気を懐かしくさせることうけあいです。
私としては、使い倒した先にこの竹尺にどのような変化が現れているかが非常に楽しみです!緑色の錆が出てくるまで使いたいですね。
ではまた。
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