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モンブランのペンシルユニットを0.9mmに改造してアレキサンドル・デュマで使ってみた

2024年10月10日

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前回の記事でモンブランの作家シリーズ「アレキサンドル・デュマ」のメカニカルペンシルをレポートしました。
 
デュマのペン先は0.7mm芯ですが、マイスターシュテュック#165に用意されている2種類のペン先バリエーション(0.7mmと0.5mm)から、デュマもペンシルユニットを換えることで0.5mmの芯を使うことができます。
 
しかし太軸のアレキサンドル・デュマから細めの芯を出すより、やはり太い芯で書きたいんだ!
ということで、「0.9mm芯をデュマで使えるようにする」というのが今回の記事です。
 

 
と言っても、マイスターシュテュック ル・グラン#167のような回転繰り出し式への変更は胴軸の構造的に不可能ですので、中に入れる0.7mmのペンシルユニットを改造して0.9mm芯が入るようにするというのが目的。
 

 

早速、某フリマサイトでジャンクのモンブランメカニカルペンシルを探し、入手。
 
0.7mmのペンシルユニットを弄っていきたいと思います。
ちなみに、ジャンクで入手したのはモンブランのノブレスオブリージュ。
 
実はオブリージュのメカニカルペンシルもマイスターシュテュックと同じペンシルユニットを装備しているのです。
※しかし回転ノック機構はマイスターシュテュックよりも短いのでペンシルユニットのみの互換。
 
破損したオブリージュからペンシルユニットを取り出して、いざ改造!
 

 
ペンシルユニット0.9mm化に必要な道具として、
・モンブラン#165系ペンシルユニット(0.7mmが好ましい)
・0.8mm径の丸棒ヤスリ
・0.9mm芯
 
を用意しました。
 
ペンシルユニットは0.5mmでも0.7mmでもどちらでもいいのですが、0.7mmの方が削る量が少なくて済むため今記事では0.7mmを使います。
 
ペンシルユニットはペン先のパーツ、ユニット本体、黒いキャップに分解しておくのが良いでしょう。
 
そして、重要なのが0.8mm径の丸棒ヤスリ。
0.9mm径ではなく0.8mmである理由はヤスリ面の凸分の誤差を考慮してと、作業における失敗防止(ガバガバになると芯が落ちてしまう可能性がある)のため。
 
手元にあるのが先がフラットな丸棒ヤスリなのですが、先が細くなっている(尖っている)ものの方が効率が良いと思います。(これはやった後になって感じたこと)
 
0.9mm芯は、実際にペンシルユニット内を芯が通るか確認しながら行うために必要です。
 

 

さて、この時点で皆さんお気づきかと思います。
改造と言っても0.7mm径の穴を0.9mmにヤスリでゴリゴリ削るのみの力技で、この改造には特別な技術を必要としません!
 
いるのは時間と忍耐だけ!(あとは少し体力も)
実に単純明快ですね。
 
 
それではペン先パーツの穴から拡張を行います。
 

 
0.7mmの穴の内側を0.1mm削るという作業ですので、ヤスリを真っ直ぐに進めていく事だけを念頭にひたすらシャリシャリと削っていきます。
 

 
30~40分削ったところでペン先パーツの開通は完了。
幸先良いなと達成感に浸ったのもつかの間。
地獄はここからでした。
 

 
ペンシルユニット本体側です。
まずチャックを開いて、チャックが回らないように指で固定しながら丸棒ヤスリでシャリシャリしていきます。チャックを閉めたまま削るとノックした時に芯が保持されないので必ず開いてする必要があります。
 
手持ちの丸棒ヤスリの持ち手が細いことと、左手のペンシルユニットの保持に力が必要でかなりしんどい作業に…。
 
しかし相手は内側を0.1mm削るという、言わばプチ繊細な作業のため適当にやるわけにもいきません。
 
ここは忍耐、そして忍耐、さらにひたすら忍耐のいるところです。
 

 
ペンシルユニットの反対側(芯補充口)からもヤスリを突っ込みシャリシャリ地道に削っていきます。
どれだけ削れたのか、ヤスリは進んでいるのか、内側での出来事ですので進捗確認がし辛く終わりが見えない作業に…。
ペンシルの芯ではなく心の方が折れそうになります。
 

 

ペンシルユニットの両側から地道にヤスリで削ることトータル約2時間半。(ぶっ通しでやると気が狂いそうなのと腱鞘炎になりそうでしたので3日間に分けて作業)
 
 
…ついに前面開通しました。
 
記事で書くとあっという間ですが、ペンシルユニット保持の左手親指が崩壊寸前まで追い込まれました。
チャレンジされる方は保持する側の親指と相談しながら行うのが良さそうです。
 

 
チャックを前から見たところ。
左がBeforeで右がAfter。
 
開け口がかなり傷だらけで汚いですが、あとから目の細かいヤスリで整えることが可能。
結構大きく穴が空いているようにも見えますが、芯もしっかりとホールドされます。
 

 
ペン先パーツを着けた状態で正面から。
先ほどと同じく、左が0.7mmで右が改造した後の0.9mmのもの。
 
少しだけ穴が広がっている事が分かります。
感覚としては地金の内側を薄く削ったといったところでしょうか。
 

 
これで、0.5mm、0.7mm、0.9mmのペンシルユニットが揃いました。
ペンシルユニットはモンブランマイスターシュテュック#165、ノブレスオブリージュで使用可能。
それぞれのモデルでこのユニットを入れ替えるだけで字幅の変更が可能ということになります。
 

 
早速、本題のアレキサンドル・デュマに装着!
左がデュマ、右が同じ0.9mm芯を使うマイスターシュテュック ル・グラン#167。
 
2本とも0.9mm芯を使いますが、デュマはキャップ回転ノック式、#167は回転繰り出し式です。
 

 
太軸から太めの芯が出るのは何とも安心感があります。
ビジュアル的にも似合っていますよね、0.9mm。
 

 
0.9mmという字幅は、「大は小を兼ねる」ではないですが、太字から細字までカバーできる優秀な字幅だと思います。
ボールペンやローラーボールと違い ペンシルは芯がすり減る事によって線が書かれていくため、すり減る面の利用によって疑似0.5mm(いや、0.3mmくらいの字幅も出せるかも)や0.7mmにも化けられるのです。
 

 

さて、今回はモンブランの作家シリーズ「アレキサンドル・デュマ」の0.9mm化を目指して、ペンシルユニットの改造を行いました。
 
本来こんなことをしなくても モンブランは0.9mmや1.18mmの字幅のペンシルユニットのみをラインナップしてくれればいいのですが、大人の事情でそういうわけにもいきません。
 

 
ペンシルユニットを改造することのメリットは、好きなモンブランのマイスターシュテュックメカニカルペンシル軸で3種類の字幅をスイッチできること。
 
もし手元に派手に壊れてしまったモンブランのペンシルがある場合、ペンシルユニットを少し改造して活かしてみるのも良いかもしれません。
※たまたま今回はうまくいきましたが、改造はあくまで自己責任のもとでお願い致します。
 
これでは今回はこの辺で。
 
今年はこの記事で最後になりそうです。
本年もたくさん記事をお読み頂きありがとうございました。
 
来年も充実した筆記具ライフの参考になるよう、自身が入手した筆記具の情報や感想をシェアできればと思います。(来年はガジェットの記事も…頑張ります…たぶん…!)
 
読者の皆様においては良い年末年始をお過ごしください。
それではまた。

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