1917年のドイツデザインに裏付けされた使いやすさ。【ロイヒトトゥルム1917「ドレグリフル」ペンシル&ボールペン レビュー】
皆さんこんばんは。
「ロイヒトトゥルム1917」というメーカーをご存じでしょうか?
1917年創業のドイツの老舗ノートメーカー。
ノートメーカーと言うだけあって、お洒落な雑貨屋さん等で見かけることも多く、
ロイヒトトゥルム1917のノートを使っているよ、という方もいらっしゃるのではないかと思います。
しかし、今回はノートではなく同社から発売されているペンシルとボールペンについて。
シンプルなデザインながら、これがものすごく使いやすい。
隠れた(もはや隠れていない?)名品として、最近注目されてきている筆記具なのです。
ロイヒトトゥルムの「ドレグリフル」Nr.1とNr.2。
1920年代の回転繰り出し式ペンシルがデザインのオリジナルになります。
かのモンブランやカヴェコにも採用されていたペンシルのデザイン。
六角軸でクリップが無く、丸い操作ノブが特徴的。
1920年代のペンシルはエボナイト製のボディが主流でしたが、ドレグリフルはアルミ軸で剛性感も抜群。
デザインを復刻するだけでなく、現代の筆記具事情において最も優れた素材でアレンジをしているところに好感が持てます。
ドレグリフルは「Nr.1」がボールペン、「Nr.2」がペンシルという仕様。
ペン先以外のデザインは同じですが、ボールペンとペンシルはカラーで区別がされており、ペン先と天ビスがホワイトなのがボールペン(Nr.1)、グラファイトなのがペンシル(Nr.2)となります。
三角柱のお洒落なパッケージから出てくる六角軸の筆記具。
幼少時から人間の手に一番馴染んでいると言える六角軸は、書くことに集中できるデザインです。
ボディの「drehgriffle(ドレグリフル)」を日本語変換すると「ロータリーグリップ」となります。
ツイスト機構を意味するのでしょうか?(ドイツ語に詳しい方、その意味を是非…!)
ペンシルもボールペンも、ペン先の繰り出しは天ビスを回転させて行います。
ペンシルはツイストノック式、ボールペンは回転繰り出し式。
操作感はしっかりとした手応えがあり、良好。
ペンシルもボールペンも、軸を手の中に固定して片手で操作することが可能。
アルミ軸には厚めのペイントが施されているため、しっとりとしてグリップ感も良く、操作のし易さにも一役買っています。
2クリックで約1.5mmの芯繰り出し。
ペン先に向けて細くなるデザインのため、筆記時の文字の視認性も言うこと無し。
アルミ素材の六角軸は本当に握りやすいです。
重量は程良い重みで、ボールペン(Nr.1)が14g、ペンシル(Nr.2)が12g。
(共にリフィル含む重量)
ペン先の素材は真鍮。
ボールペンの方は真鍮無垢となり、経年変化が楽しめる仕様。
ペンシルはコーティングされており、グラファイトとのカラーコンビも上々です。
ボールペンのリフィル交換方法。
天ビスをペン先繰り出しとは逆方向に回すことで繰り出し機構兼天ビスを取り外し、中のリフィルを取り出します。
バネはペン先パーツに固定されていないため無くさないようにしましょう。
リフィルはG2タイプリフィル。
俗に言うパーカータイプと呼ばれる種類で、様々なメーカーのリフィルが対応します。
ジェットストリームが大好きな方も安心です。
ペン先のパーツも外せるため、リフィル交換はペン先からでも可能。
ペン自体の全長も126mmと、丁度リフィルの長さ分のコンパクトな筆記具となっています。
続いて、ペンシルのリフィル交換方法。
ペン先のパーツを外すと、ペンシルユニットごと引き出すことができます。
ペンシルユニットもペン先パーツとはネジで固定されており分離が可能です。
対応する芯は0.7mm。
国際的には標準的な字幅で、日本語(特に漢字)を書くには少し太めの字幅でしょうか。
個人的には文字に抑揚がつけやすく、一番取り回しがきく字幅だと感じます。
ペンシルユニットの上部のキャップを外し芯を装填します。
このあたりはモンブランやファーバーカステル、カランダッシュのペンシルユニットと同じですので、使い慣れている方には安心でしょう。
密かに胴軸内のネジ切りが金属なのに感心します。
ボールペンもペンシルも、ペン先の繰り出しを操作するパーツが同じだということに注目。
軸とは操作パーツ先のネジで固定され、天ビスを回すことで内部のピストンが動き、芯を繰り出しています。
このパーツがボールペン、ペンシルともに同じ、そしてペン先パーツの形状も同じということは、ビスポーク遊びが可能ということ!
ということで、オレンジ軸にホワイトのペン先&天ビス。
白文字のペンシル等のオリジナルドレグリフルが作成可能。
まあ、軸に「Nr.1」や「Nr.2」の表記があるため、ボールペンかペンシルかという記載が破綻してしまいますが…。
複数本あることで こういった気分転換も可能となり、選択の幅が広がるのは良いことです。
注意点としては、ペン先パーツについてはNr.1とNr.2は全く同じではない(Nr.1のペン先パーツにはネジ切りが無い)ため、ペン先パーツ&ペンシルユニットごと交換となります。
他の多角軸とのサイズ比較をしてみます。
左から、
・カランダッシュテクノグラフ(鉛筆)
・ドレグリフル「Nr.2」ライジングサン
・ドレグリフル「Nr.2」ブラック
・カヴェコ スペシャル 69K(1920年代オリジナル)
・カランダッシュ 849(MP 0.7mm)
・ドレグリフル「Nr.1」ブラック
・カランダッシュ 849(BP)
・カヴェコスペシャル ミニ(BP)
サイズはカヴェコ スペシャル 69Kとほぼ同等。
デザインも1920年代のペンシルの再現ということで一番近いです。
※カヴェコ スペシャル 69Kは回転繰り出し式のペンシル。
軸径はカランダッシュの849と同じで、重量も、ペンシルは同じ(12g)、ボールペンは1g差(849は15g)のため、849シリーズが手にハマる方にも使いやすいかと。
クリップが無いシルエットは現代の筆記具にはなかなか無く、それゆえ斬新なデザインに見えます。
ロイヒトトゥルム1917のドレグリフルがレッドドットデザイン賞も受賞しているのにも頷けますね。
カヴェコは八角軸、ドレグリフルは六角軸ですが、やはりデザインはカヴェコと通じるものがあります。
カヴェコスペシャル69Kはクリップ付きですが、Kの付かないクリップ無しモデルもあり、まさにそれが1920年代のペンシルの原点のシルエットと言えるのではないでしょうか。
ドレグリフルのカラーラインナップはかなりの数があり、1920年代のような黒一色ではないところも嬉しいところ。
個性に合ったカラーのドレグリフルを見つけることができます。
さて、今回はドイツの老舗ノートメーカー発、クラシックなデザインの筆記具「ロイヒトトゥルム ドレグリフル Nr.1 Nr.2」をレポートしました。
ロイヒトトゥルム1917のノートと共に持ち運ぶのも良し、ペンケースに加えても嵩張らない、コンパクトでクラシックなデザインの筆記具は数本あっても困りません。
カヴェコ好き、カランダッシュ好き以外の方にもお勧めなお洒落な筆記具。
値段も手頃なためギフトにもお勧めです。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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