実は使いやすいローラーボールという筆記具 【他の筆記具との違い】
皆さんこんにちは。
今年からは新しい分野に視野を広げてみよう!ということで、いまだ記事に取り上げたことのないモノをレビューしていきます。「新しい分野」と言っても食玩レビューするとかゲームのレビューするとかではなく、あくまで筆記具とガジェットの枠を出ないのが当ブログ。(今のところはですけど…)
ということで、今回レビューするのは万年筆や油性ボールペンの脇に鳴りを潜める、その名もローラーボール。最近はボールペンに勝る高級感と万年筆よりも手軽な筆記で人気が出てきている(と感じる)ローラーボールですが、どの辺りが良いのか、書き心地はどうなのか?などを検証していきたいと思います。
【ローラーボールって何】
まずはここでしょう。ボールペンや万年筆は使っているけどローラーボールって何なの、ボールペンと何が違うの、というところが正直なところだと思います。知っているけど持っていない、使ったことないという方も多いかと思います。知名度でいくと間違いなく筆記具では一番下ではないでしょうか。(これは流石に失礼)
ところが、いざ所有してみると意外と出番が多いのがローラーボール。私のローラーボールの主な用途は、万年筆と同じく仕事でのサインやフィードバックコメントを書くことなのですが、万年筆ほど仰々しくなく(※万年筆は見慣れていない方からすると仰々しく感じるそうです。私の周りだけかもしれませんが…)、書き心地が抜群なため、しばしばスーツの内ポケットからご登場となります。
基本的に、ローラーボールを持たれる方は万年筆が好きな方ではないかと思うのです。普通の油性ボールペンのようにノックしたらすぐに書き出せる状態になるわけではなく、キャップが閉まっているゆえに両手を使って開けるひと手間がいります。これを面倒くさいと思うか筆記前の聖なる儀式と思うかは人それぞれなのですが、万年筆を普段使っている方、あるいは優雅な万年筆に憧れるという方なら間違いなく楽しめる筆記具ではないかと思うのです。
【ぱっと見、万年筆?な外観】
ローラーボールと油性ボールペンの違いは、もちろんインクが水性か油性かということもあるのですが、一番分かりやすい違いと言えばキャップのあり・なしが挙げられます。ローラーボールはインクが水性である故に乾燥防止のため使用中以外はキャップを閉めておく必要があります。油性ボールペンは軸内に芯を引っ込めるだけ。
それではここで、二本の筆記具を比べてみます。アウロラ/オプティマの万年筆とローラーボールなのですが、どちらがローラーボールかお分かりでしょうか。
正解はこちら。上がアウロラ/オプティマ997(万年筆)、下がアウロラ/オプティマ プリマベーラ(ローラーボール)です。このようにキャップを閉めている時の形が万年筆と全く同じなのです。ほとんどのメーカーにおいて万年筆とローラーボールのキャップを閉めた外観は、軸径・長さ共に同じ!違う点と言えばペン先と重さのみ。
ペン先は一般的なボールペンの形をしています。しかし使用するインクは粘度の低い水性インクですので十分な筆記量を確保しようと思うとインクタンクの容量を増やす必要があり、そのためローラーボールのリフィルは油性インクのリフィルに比べ大型です。
したがってペン全体の重量も増え、見た目は万年筆さながら、ズッシリした重みも味わえるということです。今比較したオプティマだと万年筆が23g、ローラーボールが32gでその差9g。軸が重い=筆記時に力を抜いて書ける、ということになります。
【書き心地はサラサラでスラスラ】
ローラーボールを語るうえで忘れてはいけないのが「書き心地」。このローラーボールの書き心地というのは少し特殊かと思います。鉛筆(またはメカニカルペンシル)・油性ボールペン・万年筆・ローラーボールそれぞれの筆記具の特徴として、鉛筆(またはメカニカルペンシル)は黒鉛を紙に削りつけながら書くため芯の硬度にもよりますが筆圧が必要。ボールペンは粘度が高い油性インクの特性とペン先の形状から、ペンを立てつつ筆圧をかけて書くのが一般的です。万年筆はインクフローの良さから筆圧をかけずに書き、ペン先の形状からペンを寝かせて書くのが一般的。そしてローラーボールはどうかというと、ボールペンのようにペンを立てつつ万年筆のように筆圧をかけずに書ける筆記具。
「ローラーボールもボールペンの一部」というのは間違いで、実はペン先の仕組みが同じだけで書き心地や筆記感や扱い方がまるで違う別ジャンルの筆記具なのです。
左から、ボールペン、ローラーボール、万年筆
他の筆記具と書き心地を比較してみると、油性ボールペンのような持ち方で、かつ少ない筆圧で楽に書けるのがローラーボールの良いところだと感じました。キャップを外した状態でしばらく置いておいても、万年筆のようにすぐにペン先が乾くこともありません(インクフローが良い万年筆と同じような放置時の安心感)。
筆記具沼の進み方として、鉛筆→メカニカルペンシル→ボールペン→ローラーボール→万年筆という順序に正当性を感じてしまいました。
【まとめ】
さて、いかがだったでしょうか。これまでを振り返ってみると次のようなポイントが見えてきます。
ポイント①
油性ボールペンには無い、万年筆のような豪華な見た目!
ポイント②
万年筆ほどペン先の乾きを気にする必要がない!
ポイント③
サラサラとした書き心地!ペンを立てつつ力を抜いて書ける!
今回、改めて他の筆記具の脇に鳴りを潜めていたローラーボールにフィーチャーしてみました。ローラーボールにはローラーボールの良さが、他の筆記具にもそれぞれの筆記具の良さがあります。使ってみると、実は使いやすくて見た目も良くて、でもキャップを開けたら放っておけないというモテモテの要素しかないことが分かってきます。インクタンクの量も十分ですし、あとは万年筆のようにいろんな色のインクが発売されれば言うことないのですが…。「百聞は一見にしかず」と言うように、まずは手に取ってみていただきたい筆記具です。特に油性ボールペンから万年筆へ飛び級してしまった方には。
今回のレポートで出てきたローラーボールは、また機会があれば一本ずつ丁寧に比較レビューしていきたいと思います。それではまた。
良い筆記具に出会えますよう。
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