M5サイズ手帳にピッタリなカランダッシュ エクリドールXS【XSのボールペンとペンシル レビュー】
3月に入り、来月からは新年度のスタートです。
今年の手帳はもう使い始めていますか?
以前、今年お勧めするプロッターのM5手帳をご紹介しましたが、それに付随するミニペンのご紹介を忘れていました。
M5サイズの手帳は手のひらにすっぽりと収まるコンパクトなサイズ。
そのペンホルダーに装着するペンも小さくなくてはなりません。
プロッターM5を買った時に手持ちの様々なメーカーのミニペンを片っ端から差した結果、最もマッチするミニペンがカランダッシュの「エクリドールXS」でした。
最もマッチしたと言うか、プロッターのペンホルダーに差せるペンがほとんど無かったと言う方が正しいかも知れません。
プロッターのペンホルダーはかなり細身のペン、しかもモンブランのモーツァルトやペリカンのM300のようにキャップに出っ張りがあると差さっていかないという悲しい結果に…(実は一番差したかったのはペリカンM300なんですよね…)
しかし、銀色のエクリドールのシンプルなデザインはプロッターの手帳に非常によくマッチしていると言えます。
カランダッシュのインクを使うミニペンにはエクリドールという選択肢しかないのが不思議(849にもミニサイズがあれば面白と思うのです)ですが、これだけ小さい筆記具を扱うとなるとエクリドールの「重み」が効いてくるのでしょう。
湾曲したクリップもペンホルダーをしっかりと固定してくれますし。
手元のエクリドールXSはリーニェのボールペンとアルルカンのペンシル。
この2本を中心に、通常サイズのエクリドールとの違いやXSサイズならではの内部機構を見ていきましょう。
エクリドールXS「リーニェ」ボールペン
エクリドールXSのボールペンは、その名の通りXSサイズで携帯時の全長は96mm、重量は19gというコンパクトサイズ。
柄の名前である「リーニェ」とはフランス語で「線」を意味しており、ボディには9本の線が刻まれています。
この9本の線ですが、実はエクリドールの代名詞的なデザインである「シェブロン」とよく似ており、線が等間隔に波を打ちV字を形成するデザインがシェブロン、波形のないラインのみがリーニェとなっています。
▲左がリーニェ、右がシェブロン。ボディは刻まれている線はどちらも9本。
通常サイズのボールペンと同じく、XSボールペンもノックボタンを回してリフィルを交換します。
このサイズのペンに通常サイズのゴリアット芯を入れることはできないため、使用するリフィルは4C規格のものになります。
ちなみに今差しているのはジェットストリームの4C芯。
色数の多いゼブラ4C芯を入れようとしたところ、芯径の微妙な違いから装填することはできませんでした。
通常サイズのボールペンと同じく、ノック機構はノックボタンを兼ねているため基本構造も同じ。
白い樹脂の部分がボディ内部に固定され、ノックボタンを押すことでペン先が繰り出されます。
M5サイズのプロッターにマッチするエクリドールXSボールペン。
他のミニペンと比べてもキャップの無い真っ直ぐなボディに細身のシルエットが、プロッターのペンホルダーに収まる条件となっています。
ボールペンのディティール比較&XSペンシルと比較
エクリドールXSは通常サイズのエクリドールボールペンと若干ディティールが異なっています。
▲左がXSリーニェボールペン、右が通常サイズのレトロボールペン
比べてみると、ノックボタンの形状が違うことが分かります。
XSの方はエッジが無くつるんとしたノックボタンで、ノックボタン周りの「CARAN D’ACHE + SWISS MADE +」の刻印が見当たりません。
ノックボタンを外したユニットの状態でもノックボタンには刻印は見当たらず。
このあたりは「製造年代による違い」という可能性もありますが、エッジのない丸いシルエットからもXSと通常サイズのノックボタンは全く別物のパーツが使われているということが分かります。
続いて、同じXSのボールペンとメカニカルペンシルでの比較です。
製造年代により幾つかのバリエーションがあるのはXSも同じですが、これらのモデルはクリップに仏語の刻印と、クリップ上に「CdA」マークの刻印があるタイプ。
カランダッシュの年代によるクリップや刻印、ノックボタンの違いについては
こちらの記事「【保存版】カランダッシュ エクリドール の各年代における仕様の違いと考察」をご参照ください。
クリップは湾曲したショートクリップ。
やはりこの角度のエクリドールは美しいですね。
ノックボタンを上から見ると、ボールペンはフラット、ペンシルは円が彫られていることが分かります。
XSについて手元にはこの2本しかありませんので、全てのXSボールペンがフラットでペンシルには円が刻まれているのかは分かりませんが、とても分かりやすい印だと思います。
更によく見ると、先ほど何も刻印が無かったXSボールペンのノックボタンサイドとは変わって、ペンシルの方には通常サイズと同様に「CARAN D’ACHE + SWISS MADE +」の刻印があります。
クリップ上の「CdA」マーク。
この刻印があるタイプはクリップが無しのものに比べ下に取り付けられているため、ポケットから覗く天ビス部分が少しだけ長くなります。
エクリドールXS「アルルカン」メカニカルペンシル
続いてXSアルルカンのメカニカルペンシルを見てきましょう。
ペンシルのスペックは、
全長99mm、重量19g、対応する芯は0.5mm。
手元にある旧タイプのアルルカンボールペンと並べてみると3分の2程のサイズ。
アルルカンとはフランス語で「道化師」。その衣装の柄がもとになった3つの菱形が並んだデザインをしています。
▲左が通常サイズのエクリドールアルルカンボールペン、右がXSアルルカンペンシル
手元の個体は、同じアルルカンでも彫りの深さがまるで違います。
旧タイプのアルルカンはパラジウムコーティング無しのシルバーコーティングのみのため、硫化した溝が黒くなりクッキリとした模様を楽しめます。
菱形というよりはギロシェ模様のような彫りですね。
一方、右のXSアルルカンペンシルは繊細な浅めの彫りにパラジウムコーティング有り。人により好みは異なりますが、XSアルルカンの方は現代のエクリドールっぽい浅めの彫りと言えましょう。
ノックボタン=キャップをまっすぐ引き抜くと、オレンジ色の消しゴムが姿を現しました。
一回も使っていません。というか、XSは廃番モデルとなるため使ったとして交換する消しゴムがあるとも思えませんので、おそらくこの先も使わないでしょう。
(天然ゴムの消しゴムっぽい質感ですので消し字力にも期待できなさそうですし…)
さらに消しゴムを外すと芯を補充するための穴が出てきます。
対応する芯の径は前述したとおり0.5mm芯。一番使われているであろう一般的な細さ。
ノック感は軽く、シャキシャキと控えめな音で芯が繰り出されていきます。
カランダッシュの一番優れている点としてノックボタンの静かさがあります。
これはボールペンもペンシルも同じで、このノックボタンが芯を繰り出すユニットを兼ねていることが最大の要因でしょう。
ノックスストロークも浅めで軽快に親指・中指・薬指でボディを保持しながら人差し指で軽く静かにノックが行える。これは他のメーカーのペンシルではなかなか味わえない操作感だと思います。
エクリドールをXSと通常サイズで比較
最後にXSのリーニェ/アルルカンを通常サイズの同モデルと比較します。
4本並べてみました。
XSのアルルカンのみがペンシルで他は全てボールペン。
通常サイズの2本はどちらも旧タイプのロングクリップで、パラジウムコートが施されていないモデル。
一方、XSは2本ともパラジウムコートのモデル。個人的にパラジウムコートはされていない、黒ずんでくる方が好みなのですが、クリップの形状はショートクリップの方が好きなんですよね。
アンダー気味に撮ると柄がよく分かります。シルバーの金属軸は光と影のコントラストが美しい。アルルカンは彫りの深さで大きく印象が異なります。
リーニェはエクリドール中で一番シンプルな柄と言ってもおかしくないモデルで飽きが来ません。
現在は、XSリーニェボールペンをプロッターM5に、通常サイズのリーニェをM6サイズに合わせて使っています。M6プエブロのブラウンは背表紙の金具がゴールドですので、ゴールドコーティングのエクリドールもマッチするかと思います。
さて、今回はプロッターのM5手帳にピッタリなカランダッシュのXSボールペン(リーニェ)とペンシル(アルルカン)を見てきました。
すでに廃番となっているシルバーのXSですが、カランダッシュの日本サイトを見るとローズゴールドのレトロ(ボールペン)のみ販売となっています。
やはり手帳に合わせやすい当ボールペン。
小さな手帳に小さなボールペンの組み合わせをジャケットのポケットに忍ばせておけば、軽快にアイデアのメモやちょっとしたミーティングに役立つこと請け合いです。
それでは今回はこの辺で。
また次回、沼の縁でお会いしましょう。
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