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プラチナ・プラチナの1stモデルと2ndモデルの比較レビュー

2021年6月10日

12月になりました。寒い季節になるにつれて銀軸万年筆が使いたくなります。

銀軸万年筆は温度で季節を感じることができる筆記具。もともと暑いのが苦手な私はこの冬を感じられる金属製の筆記具が好きなのです。

 

さて、今回は以前手にした念願のプラチナのヴィンテージ万年筆について。

 

“念願の”と言っても、もともと1本持っていて前から使っているのですが、Twitterなどで他の方のものと見比べてなんか違うな-、と感じていた違和感がやっと解消されたというか。

 

数種類バリエーションがある軸でしたので、1本目を手にした時から最低2本は使ってみてレビューしようかと考えていたのですが、まさかこんなに使用感が違うとは…。

 

ということで、今回の記事は

プラチナ万年筆の「プラチナ・プラチナ」についてです。

 

 

 

銀軸万年筆といえば、パーカー75やシェーファーインペリアルといった名の知れた海外製品も人気ですが、

和製銀軸万年筆の中ではパイロットのシルバーンに次いで結構有名ではないかと感じるプラチナ・プラチナ。

 

私が数年前に入手していたのは首軸に菱形の象嵌がない2ndモデル。

 

これが「スリムタイプ」だったと気付いたのが今年、首軸に象嵌のある1stモデルを手にした時からですので、実に2年くらいは温めていた比較記事ということになります。

 

並べると大きさがまるで違いますが、使ってみると更に違いを感じることができます。

 

それではプラチナ・プラチナを比較しつつ、じっくりと見てくことにしましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

【プラチナ・プラチナの1stと2ndの比較】

プラチナのプラチナ・プラチナという若干ややこしい名前の銀軸万年筆。

登場は1967年(昭和42年)ですので、2020年現在からいうと52年前の商品です。

 

軸は銀にロジウムメッキ、世界で初めてのプラチナペン先!とうたわれていたようです。

レトロフィーチャーな二重格子の軸は歴史を感じますし、今となってはこういった銀軸の万年筆は生産コストがかかるためほとんど新製品として出てこず、万年筆としても貴重なラインナップではないでしょうか。

 

 

私がもともと使っていたプラチナ・プラチナが右のスリムタイプの2ndモデル。

そして左が後に手に入れた通常のプラチナ・プラチナ1stモデルです。

 

全長は通常版が140mm、スリムが132mmで天冠一つ分違います。

スリムは全体的に一回り小さいプラチナ・プラチナとなっています。

 

そう、この1stモデルを手に入れるまでは、2ndモデルの「スリム」がプラチナ・プラチナのベーシックサイズだと思っていたのです。

なんかクリップの形が違うと思ったんですよね…。

 

 

そのクリップですが、通常サイズ(左)とスリム(右)を比べると通常はラインが3本、スリムは2本ということが分かります。

クリップ自体の長さは同じですが、太さはスリムは通常の半分くらいでしょうか。

また、キャップリングの太さ、天冠にかかるクリップの位置も違っていますね。

 

 

上が1st、下が2nd。

横から見たクリップの形状はほぼ同じに見えますが、クリップの先はモンブランのマイスターシュテュックのように1stがおにぎり型、2ndがいなり型のようにも見えます。

もしかするとクリップ先の違いは1stと2ndというくくりでは無く、通常とスリムというくくりかも知れません。

 

 

比べるとキャップリングもクリップの太さ同様通常の半分くらい。「PLATINUM」の刻印は同じ。2ndモデルの通常サイズは「PLATINUM」から「pマーク」に変わっています。

 

 

背面の刻印は1stが「SILVER」、2ndが「STERLING SILVER」。

銀軸ではお馴染みの刻印で、確かに銀軸筆記具だという精神安定剤のような刻印。

 

 

キャップを外すとこのような違いが。

 

先にも触れたように、1stモデルの特徴は首軸の菱形象嵌。2ndモデルでは象嵌は消えています。

個人的には象嵌がない方がシンプルで格好いいかと思いますが、見慣れてくるとこの菱形もレトロで格好いいかもと思えてきます。

 

 

ペン先の比較。

左の1stモデルは「PLATINUM Pt. ALLOY」、右の2ndモデルは「18K-WG p 中字」の刻印。

Pt.ALLOYとはプラチナ合金という意味。

 

一方、2ndモデルの18K-WG(18金ホワイトゴールド)は金をベースとした合金。

ニブの色合いも若干違うことが分かります。(18K-WGは少し黄みがかっている)

 

どちらもプラチナ・プラチナですが、ペン先に使われる素材は別物です。

 

 

紙へのタッチは右の2ndモデルの方が柔らかく感じます。

これにはベースが金であることが影響していそうです。

 

一方、左のプラチナペン先の通常モデルは2ndに比べると紙へのタッチは少し硬め(といってもスチールのような硬さではなくタッチとしては柔らかい方)

金属の硬度でいうとプラチナより金の方が硬いのですが、ペン先のように薄く加工し“しなる”構造であれば金の方が弾力を持つわけです。

 

 

ということで、詳しい書き心地は後述するとして、デザイン比較の続きをしていきましょう。

 

 

尻軸の刻印は1stが刻印なし、2ndが92.5。

92.5は銀の含有量で、スターリングシルバーを表しています。

天冠や尻軸はどちらも写真のように凹んだデザインをしていて、角の強度が確保されると同時にフラットに比べて良いアクセントになっています。

写真のように時間が経つと黒ずんできて真っ先に味が出てくる部分でもあります。

 

 

プラチナ・プラチナのインク吸入機構はカートリッジ/コンバーター両用式。

プラチナのコンバーターはゴールドとシルバーの2種類あります。

手元の1stモデルにはゴールドのコンバーターが装着されていますが、軸と同じくシルバーで合わせるのも粋ですね。

 

 

 

 

【ペン先が乾きにくい優秀な嵌合式】

プラチナ・プラチナは嵌合式の万年筆です。

というより、銀軸万年筆のほとんどはなぜか嵌合式。

 

手元にあるパーカー75、シェーファーインペリアル、パイロットのシルバーンも皆嵌合式。

 

 

嵌合式というと、ネジ式に比べてどうしても気密性に欠けると思ってしまいますが、そのあたり、プラチナ・プラチナの気密性は安心できます。

プラチナ・プラチナがというよりは、日本製万年筆の嵌合キャップが優秀なのかも知れませんが…。

 

嵌合加減もパチッと音がしないところに安心感を感じます。

何というかキャップを閉めることで密閉されていく感覚が指に伝わるのです。

 

 

プラチナ・プラチナの首軸の形状を見た時、嵌合部からペン先にかけて細くなるのではなく、若干寸胴な形をしています。

この形状がキャップの「スッ」という差し込み具合いに繋がっているのではないかと考えます。

 

 

キャップの内側を見てみると、1stモデルには赤い立派なインナーキャップが仕込まれているのが分かります。またこの隠されたクリアレッドが美しい。

奥にはクリアレッドの樹脂製インナーキャップ、手前は胴軸を固定するための板バネのような機構となっています。

 

2ndモデルはクリアホワイトの樹脂インナーキャップに、1stと同じような手前板バネ構造。

 

どちらのモデルも無音かつ密閉度の高い嵌合で、使わなくても3ヶ月以上ペン先の乾きが起こりませんでした。まあ、あまりインクを入れたままずっと眠らせておくのは良くないですが、いざ使いたい時に使い出せる万年筆は信頼感があります。

 

 

 

 

【プラチナニブのペン芯と書き心地】

前項でもプラチナ・プラチナの1stと2ndで素材の違いにより書き味が若干違うことに触れましたが、ペン先のその他の違いについても書いていきたいと思います。

 

 

ニブは1stがプラチナ合金、2ndが18金ホワイトゴールドでした。

ペン先の太さについては1stモデルはニブ中やペン芯に記載がありませんが、2ndには「中字」と刻印があるため発売当時は細字か中字か太字かは選べた可能性があります。

1stモデルは中字のみのため記載や刻印は無し。

 

ニブの形状からペン先のしなり自体は普通の剣先型ニブよりは少なく、ガチニブの傾向にあります。

紙へのタッチについては先にも書いたとおりどちらもソフトで、かつ若干2ndの方がより柔らかく感じます。

 

 

ニブを横から見てみます。

おそらくはLAMYサファリのような嵌め込みタイプのニブで、ペン先に行くにつれてニブの厚みが増しています。

ペン芯の特徴としては、1stがクリアブルーのペン芯、2ndがクリアブラックのペン芯です。

 

普通の万年筆のような黒い樹脂ではなく、クリア素材が使われているところがお洒落。

また、ペン芯にフィンなどは無く、かなり平べったい形状をしています。

 

 

1stのペンポイントを拡大してみました。

ペンポイントに丸さはなく台形。これも硬めの書き味と関係していそうです。

 

 

実際に書いてみると日本語も書きやすく首軸も太いため持ちやすい!

表現が少し分かりにくいかも知れませんが、私自身、書き味と書き心地は別と思っていて、ニブ形状や素材により「書き味」は硬め、紙へのタッチすなわち「書き心地」は柔らかめということになります。

 

 

1stと2nd(スリム)の首軸の太さはかなり違っていて、握り心地はまるで別物の万年筆です。

個人的には1stのような太軸の使い勝手が好みですが、デザインは2ndの菱形象嵌無しが良いですね。

 

 

キャップを尻軸にポストするとかなり大型な万年筆となり存在感抜群!

シルバーンと同じく太めの首軸は樹脂製のため指に吸い付くような握り心地。

そして尻軸への嵌合もキャップ内の板バネによりしっかりとホールドされています。

 

 

 

 

【他の銀軸万年筆と比較(サイズ・書き味)】

最後に、恒例となっている他の万年筆とのサイズ比較と書き比べをしていきます。

 

比較に使うのはプラチナ・プラチナの1stと2ndの2本の他にパイロットのシルバーン、パーカー75とシェーファーのインペリアル。

 

 

並べると、全長は1stプラチナ・プラチナが一番大きく、続いてその両脇の2ndモデルとシルバーン。

パーカー75とインペリアルは更に短くなっています。

 

携帯時の全長についてまとめると、

左から

 

インペリアル:131mm

シルバーン:138mm

プラチナ・プラチナ1st:140mm

プラチナ・プラチナ2ndスリム:132mm

パーカー75:128mm

 

となり、プラチナ・プラチナ1stの大きさが際立ちます。

 

全長ではなくサイズ感でいうと、プラチナ・プラチナ1stとシルバーンが軸径が同じくらいの太軸で同サイズ。

 

 

首軸の太さとペン先の比較。

パーカー75以外はペン先に向かって徐々に細くなる形状ですが、プラチナ・プラチナはグリップポイントが寸胴で、特に1stモデルは太軸で書いている感覚を存分に味わえます。

 

パーカー75はグリップポイントがこの中では一番ペン先寄りにあるため、万人受けするスタンダードなモデルと言えますね。

 

 

ペン先の素材や仕上げは、

 

インペリアル:14金象嵌

シルバーン:18金ロジウムコート

プラチナ・プラチナ1st:プラチナ合金

プラチナ・プラチナ2ndスリム:18金ホワイトゴールド

パーカー75:14金

 

です。

うーむ、シルバーンのペン先デザインの美しさは別格。

 

 

書き比べてみました。

パーカー75のXF(極細)以外は字幅M(中字)です。

 

手元のシルバーンはインクフローが良く一番文字が太く出ます。

パーカー75はXFですが、国産のFくらいの太さでしょうか。

 

他の3本はほぼ同じ字幅に見えます。

 

使用しているインクは、

上から

 

プラチナ・プラチナ1st:モンブラン パーマネントグレー

プラチナ・プラチナ2ndスリム:ペリカン エーデルシュタイン タンザナイト

シルバーン:パイロットブルーブラック

パーカー75:パーカーブルーブラック

インペリアル:モンブラン ペトロールブルー

 

銀軸にはほぼブルー系やグレー系のインクを入れています。

モンブランの限定インクは濃淡がハッキリと出るので好きですねー。

 

最近は仕事でもグレーインクを使うことが多く、専らカヴェコのインクカートリッジ「スモーキーグレー」を使っています。

スモーキーグレーが残1本となった反動で、この度モンブランのパーマネントグレーも買ってしまいました。

 

 

ついでにカヴェコのスモーキーグレーとモンブランのパーマネントグレーの比較も載せておきます。

カヴェコのスモーキーグレーはモンテグラッパのミニ万年筆「ミクラ」に。

 

モンブランのパーマネントグレーは純粋なグレーといった色合い。

カヴェコは若干赤みがかっているようにも思えます。

 

太字でも細字でも見やすく、黒よりも優しい色のため目がチカチカしないグレーインク。

仕事で黒文字のプリントに書き込む時やちょっとしたメモも読みやすく重宝します。

 

これからの季節にもピッタリなグレーインク。

まだお使いでない方は試してみてはいかがでしょう。

 

 

さて、今回は純銀国産万年筆のプラチナ・プラチナ1stモデルと2ndモデル(スリム)を比較してきました。

もしお手元のプラチナ・プラチナがスリムだった場合、1stモデルや2ndモデルの太軸もお勧めです。

 

個人的にはどっしりとした書き味に拘るなら太軸モデル、書き心地に拘るなら太軸・細軸関わらず18K-WG搭載の2ndモデルが良いかと思います。

 

レトロなデザインですが今使っても古めかしさを感じない存在感抜群の二重格子は、きっと万年筆ライフを彩ってくれることでしょう。

 

それでは今回はこの辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。