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ペリカンの万年筆にカリグラフィーニブをつけて蛍光マーカー化した結果…!

2021年9月11日

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皆さんは普段、蛍光マーカーはお使いでしょうか?

 

私は仕事において読み物の重要な部分には印をつけておきたいので、必ず持ち歩く派です。

 

以前の記事で「筆箱の中身すべて万年筆化計画」というのをやりました。

万年筆・ボールペン・メカニカルペンシル・鉛筆など、自分の筆記欲や所有欲を満たしてくれるお気に入りの筆記具はあるのですが、「蛍光マーカー」と「赤ペン」についてはなかなかコレというものがありません。

 

そこで、万年筆を蛍光マーカー代わりに使えないか ということでペリカンM205イエローにハイライターインクを入れて使ってみたわけです。

 

ペン先はBB(極太字)でしたが、正直 蛍光マーカーとしては細すぎました。

 

その後、カヴェコのアイススポーツを蛍光ペン化し、更にカヴェコのインクローラーボールに赤いカートリッジインクを入れて赤ペン化したうえ数本セットで持ち歩くという運用を始めた結果、仕事鞄の中には欠かせない存在となりました。

 

しかし…!

 

カヴェコの登場により使わなくなってしまったペリカン君を救うべく、ペン先を探し回った(ネットでですけど…)結果

 

ペリカンのカリグラフィーモデル(MC110)用の極太ペン先を発見!

ペリカンにカリグラフィーモデルがあったことにも驚きですが、カヴェコと同じくらいの太さである「2.0mm」の字幅があることにも驚きました。

 

 

 

早速ポチってご対面。

小さなニブケースに入ったペリカンのペン先はそのまま飾っておきたくなるほど。

 

 

ということで、今回はこちらの「ペリカンカリグラフィー2.0mm」ペン先をM205に着けて、本格的なハイライター(蛍光マーカー)として使ってみようという記事です。

※カリグラフィーとして使わんのかーい、というツッコミは我慢しつつお読み頂ければと思います

 

 

 

 

 

 

【ペリカンM205にカリグラフィーペン先「2.0mm」を装着してみた】

それでは早速、ペリカンの軸に2.0mmのペン先を装着します。

 

 

 

それにしても可愛いニブケースですね。

ラベルには「Pelikan Calligraphy 2.0mm」と書かれています。

ペンポイントは柔らかなスポンジで保護されていますね。

 

 

現在嵌まっているBBのペン先をサクッと抜いてみました。

 

前々回の記事「ペリカン スーベレーン万年筆のペン先を交換してOBニブの書き味を楽しむ!

でもペリカンのペン先交換が非常に簡単だと紹介しましたが、この価格・造り的にエントリーモデルであるM200シリーズとM400(M405)M600(M605)のペン先には互換性があり、好きに組み替えて使うことができます。

 

ようは、ペリカンMXXXシリーズのペン先ユニットはネジ式になっていて、軸に向かって反時計回りで外す、時計回りで嵌めるというシンプルな造りなのです。

 

詳しいペン先交換方法は上記前々回の記事をご参考にお願いします。

 

 

カリグラフィーペン先はスチールニブで、M200シリーズにデフォルトで装備されているペン先と同等。

デザインも同じですが、違う所は字幅刻印と切り割りの部分。

カリグラフィーニブの中でもこの「2.0mm」だけ、切り割りとハート穴がつながっていません。

 

 

当然ですがペン芯も同じ構造となっています。

ペン芯から覗くニブの幅がBB2倍くらいありますね

 

 

付け替え終了しインク吸入も完了。

輝けるスチールニブですね。

付け替えたBBのニブはケースに入れましたが、通常ニブにはケースの長さが少し短いようです。

 

 

 

BB(極太字)とカリグラフィー2.0mmのペン先比較】

それでは、BB2.0mmペン先をじっくりと見比べてみましょう。

 

 

カリグラフィー2.0はヘラのようなペン先が特徴。

ペリカンのスチールニブは飾り刻印が無く非常にシンプル。

 

先ほども書きましたが、あるのは「Pelikan」と「ペリカンマーク」、字幅刻印のみ。

スチールペン先のペリカンのヒナの数は伝統的な2羽が継承されています。

 

一方、現行のM400M800などに標準装備されている14金や18金のいわゆる金ペン先には、1羽のヒナが描かれています。

 

 

BB2.0mm、それぞれの字幅で書いた文字です。

インクはペリカンのブルーブラック、紙はロディアの№13

 

上のBBが細くみえてしまう程の極太線と、ヘラのようなペン先から縦線はEF並みに細いというギャップが楽しめます。

 

線を引いたり、カタカナや数字、ひらがなを書くにはもってこいですが、画数の多い漢字となるともはや何の字なのか判別できないくらいに潰れます。

(カリグラフィーニブで文字を書き慣れていないこともあり文字がヘッタクソですいません…!)

 

それにしてもペリカンのブルーブラックインク。

おそらく万年筆を使う方の間ではポピュラー且つベーシックなインクだと思いますが、この濃淡とちょうど良い粘度で裏抜けもせず、非常に書きやすいインクとなっています。

 

私が万年筆初心者の方にインクを一瓶勧めるとしたら迷わずこれをお勧めしますね。

 

 

 

【カヴェコカリグラフィー2.3mmと比較】

続いては、先だって活躍しているカヴェコのカリグラフィーニブ搭載「カヴェコアイススポーツ」と比較していきます。

 

 

左がカヴェコアイススポーツ、右がペリカンM205クリアイエロー。

同じクリアイエローであるが故に私に蛍光マーカーとして働かされる運命となった2本。

用途は同じでもデザインやサイズが全く違うため、それぞれ違ったシーンで活躍してくれそうです。

 

 

それぞれキャップを尻軸にポストするとこの長さになります。

面白いのは軸径が同じということ。

どちらもコンパクトな部類の万年筆ですが、軸径が同じ=握りやすさも似てくるためサイズは違えど同じように扱うことができます。

 

また、2本ともクリアイエロー軸ですが微妙に色味が違っているのも良いですね。

 

 

ペン先の比較。

左のカヴェコは短めで横広なニブ。ペリカンは縦に長いニブです(といっても普通のペリカンと同じですが)。

 

 

ニブの裏側とペン芯。

※少しカヴェコの写真の方が大きくなってしまいました…。

 

注目はペンポイントで、ここが紙へのタッチの違いに大きく現れています。

後で詳しくレポートしますが、ペリカンのタッチは硬く、カヴェコのタッチが柔らかく感じるほど。

 

 

ニブの形状も書き味という部分に大きく影響していそうです。

ニブを前から見ると、左のカヴェコは台形で右のペリカンは丸いアーチ型。

 

スチールという素材自体は同じなため、切り割りの長さとニブ側面の形状、ペン先の研ぎの違いで書き味が180°変わってくるということがよく分かります。

 

 

同じペリカンのハイライターインクを入れて書き比べてみました。

一番下は参考にスタビロボスの5mm幅マーカーです。

 

先に書いた通りペリカンのペン先は硬く、引っかかるような指先への感触があります。ただしインクフローは潤沢で、カヴェコのように書き始めにインクが出てこないといったことがありません。

 

ペリカンが2.0mm、カヴェコが2.3mmでその差0.3mmですが、線にして比べてみると差が分かるほど違います。

コンマ数ミリでここまで変わるとは…。

 

 

カヴェコの中のインクが若干煮詰まっているためか、気持ち色が濃いように思いますが、若干オレンジ寄りのイエローでとても見やすいペリカンのハイライターインク。

 

一番下のスタビロは圧倒的に太いですが色味が薄いです。こちらは色より太さで勝負と言ったところでしょうか。

 

やっぱり万年筆は面白いですね!

 

 

 

【万年筆で書いた文字にハイライターで線を引くとどうなる?】

さて最後は、先日仕事中に気付いた万年筆インクとペリカンハイライターインクの相性について。

 

自分で書いた仕事の書き物に自分自身で黄色マーカーを引くという機会があり、その時は酷く滲んでしまったのですが、後日インクを変えて試したところ滲みが少ないインクがあることに気付きました。

 

あまり万年筆で書いた文字に蛍光マーカーを引くことはないかと思うので参考程度に読んで頂ければと思います。(引くとしてもボールペンの文字ですよねー)

 

 

今回検証するのはこの5つのインク。

 

 

・ペリカン エーデルシュタイン タンザナイト

・ペリカン ブルーブラック

・モンブラン ミッドナイトブルー

・ラミー ペトロール

・カヴェコ スモーキーグレイ

 

そして、重ねて線を引くのがM205に付属するペリカンのハイライターインク。

同じくロディアの№13に文字と線を書いてみて、ハイライターでラインを重ねてみます。

 

 

検証結果がこちら。

 

 

パッと見でも滲んでいることが分かるのがラミーのペトロール。

インクとしては一番気に入っている色なので残念なのですが、こちらのインクにハイライターを重ねた場合、インクが溶けて見事に混ざり、文字は黒く潰れてしまいました。

 

仕事中に失敗したのがまさにこの組み合わせ。

今後もこの組み合わせは避けたいです。

 

続いて滲むのがカヴェコのインク。

読めなくなる程ではないのですが、インクが伸びて見た目が悪くなります。

 

 

ペリカンのブルーブラックは、不思議と文字が消える()という結果に。

特に濃淡の淡にあたる部分が文字によっては消失してしまっています。

フリクションのように使えるかと言ったらそうでもないので、これも避けた方がいい組み合わせです。

 

 

そして組み合わせとしてベストなのが、ペリカンのエーデルシュタインタンザナイトとモンブランのミッドナイトブルー。

 

モンブランについては多少滲みはあるものの許容範囲内で、大きく文字が崩れることはありませんでした。

色が濃いにも関わらずこの耐性は流石です。

 

 

一番驚いたのがエーデルシュタイン。

通常のブルーブラックとは正反対の結果です。

 

仕事中に滲まないインクもある?と気付いたのがこのインク使用時でした。

滲まなすぎて、一瞬 これ顔料インクだっけ?と思ってしまったほど。

 

もし万年筆で書いた文字にマーカーを引くようなことがある場合、文字は「ペリカン エーデルシュタイン タンザナイト」で書くのが良さそうです。

※他のエーデルシュタインインクも同様に蛍光マーカー耐性があるかは不明です。

 

また、スタビロボスで試した場合も同じように滲みませんでした。

※全ての蛍光マーカーのインクが滲まないわけではない(未検証)のでご注意ください。

 

 

今回は、ペリカンM205にカリグラフィー2.0mmペン先をつけて蛍光マーカーとして使ってみよう、を検証と共にお送りしてきました。

 

結果は十分で、先陣のカヴェコハイライターとツートップで使っていけそうな予感です。

 

カヴェコやペリカンに限らず、カリグラフィーモデルがある筆記具メーカーの万年筆であれば、同じように何らかの方法でペン先をカリグラフィー極太に交換して、蛍光マーカーとして運用できる可能性があります。

 

万年筆好きなら一度はやってみたい()、筆箱の中身すべて万年筆化。

お気に入りメーカーのカリグラフィー部門を発掘して、オリジナルの蛍光マーカーを作り出すのも面白いかも知れません。

 

 

それでは今回はこの辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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